

トム・ピーターズ著『ブランド人になれ!』より
ブランド人は“自分のパロディ”になるな。「若返り」への投資なくして生活の安定はない
新R25編集部
世の中に流通しているビジネス本は数知れず。
日々たくさんの本を読んでなんとなく学びになっている気もするけど、せっかくだから確実に僕らの資産になる「珠玉の1冊」が知りたい。
そこで新R25では、ビジネスの最前線で活躍する先輩たちに「20代がいいキャリアを積むために読むべき本」をピックアップしてもらいました。
それがこの連載「20代の課題図書」。
第1回の推薦者は株式会社ZOZOコミュニケーションデザイン室長の田端信太郎さん!
選んだのは、自身の書籍『ブランド人になれ!』と同名タイトルの『トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦1:ブランド人になれ!』。
アメリカの経営コンサルタントであるトム・ピーターズさんが執筆し、日本では2000年に出版された同書に対し、田端さんは「俺の人生を変えた一冊」とコメントしています。
まだSNSも存在していない時代に「自分の看板を持て」と予言の書のように主張していた同書から、3記事を連日公開。田端さんの人生に影響を与えた思想を学びましょう!

絶えず新しい品揃えを
カジュアルウエア・チェーンのGAPに品揃えがあるように、私にだって品揃えがある。もちろん、あなたにだってあるだろう。
私はいつも、品揃えを増やそうと努力している。
興味をそそられる新しい分野、コミュニケーションの新しい方法/スタイル/チャンネル、新しいパッケージング、新しい価値、などなど。
私は年にだいたい75回のセミナーをこなし、それが私のメシの種になっている。
セミナーではかならず35ミリのスライドを使う。1回に使う200枚以上のスライドが、私のセミナーの「お値打ちもの」である。
私はそのスライドの25パーセントを、3カ月月ごとに更新するよう心がけている。
だいたい10のテーマに分けてセミナーを進めることが多いが、そのうち1つは、6カ月ごとに新しいテーマに切り換えるよう心がけている。
先日の「ミッドウエスト・ビューティー・ショー」でのこと。講演を終えると、美容院経営者がひとり私に近づいてきて、こう言った。
「わたしは去年も、先生の講演をお聞きしましたが、きょうのお話は90パーセント、新しいものでしたね」
まさか、90パーセントも変わっているとは思わないが、私は天にも昇る思いだった。
『ブランド人になれ!』【ポイント】
○ ブランド人は商品を売る。
○ その商品は、ひとめで違いがわかるもの、よそでは売っていないものでなければならない。
○ さまざまな商品の集合体が品揃えであり、品揃えを増やしていかなければ、ブランドは成長しない。いや、成長しないどころか、退化する。成長か退化か、ふたつにひとつしかない。現状を維持しているつもりでも、実際は退化している。
○ 品揃えを考えよう。
○ それを増やすことを考えよう。
○ 意識して、それに努めよう。
商品開発なくして成長はありえない。そして、自分がブランドになるのなら、開発は自分でやるしかない。
ひとこと付け加えておくと、この作業に終わりはない。

虹の上を歩いていこう
スポーツキャスターのキース・オルバーマンはこう言っている。
「よしよし、うまく行っている。このまま同じことを続けて、目先だけちょっと変えればいい。そんなことを考えていると、自分が自分のパロディになってしまう危険がある」
私は1年ぐらいまえにアイコン誌でこの言葉を読み、身体がふるえるほど感動した。
まったくオルバーマンの言うとおりだ。
私たちはつねに品揃えを増やしていく必要があるのだが、ただ増やせばいいというものではない。
「目先だけちょっと変え…自分が自分のパロディになってしまう」罠にはまらぬよう、十分に注意する必要がある。
「この世の終わりが来るまで、宿題ぐらいは片づくかもしれない。しかし、大発明をしない限り、有名にはなれないし、財産は築けない」──デービッド・オグルビー
大発明とは何か。広告の天才、オグルビーはこう言っている。
「初めて見たとき、言葉を失うもの」
呆然として言葉を失うことは、毎日は起こらない(ひょっとすると、一生起こらないかもしれない)。
しかし、それを追求しているうちに、大いなる野望が育ち、イノベーションが生まれ、ある日突然ひらめくということはよくある。

リニューアル!
リニューアル、つねに忘れてはいけない仕事、リニューアル!
3MでもP&Gでも、発展している会社はみんな、研究開発を怠らない。
あなた=会社であり、あなた=ブランドだ。
あなたはいま、自分なりに最高と思う会社を目指している。だから、3MやP&Gのように、研究開発を考えてみよう。
個人の研究開発とは、すなわちリニューアル、毎日すこしずつでも生まれ変わっていくことだ。
私たちはみな、無理難題を押しつけられている。首を切り落とされたニワトリのように走り回れと言われる一方で、創造力を発揮しろと言われる。
創造力というのは、たいてい、一人しずかに考えることから生まれ、回り道をしてみようという酔狂から生まれるものなんだから、まさに無理難題である。
だが、さいわい突破口はある。個人の研究開発すなわちリニューアルの精神さえあれば、毎日のごたごたを事実上の研究開発に変えることができる。
ファッション業界の渡り鳥にして究極のブランド人、ヴェロニク・ヴィエンヌはこう言っている。
「わたしのキャリア戦略はただひとつ、いったい何を学ぶのか、きちんと計画を立ててから、次の仕事を選ぶことです」
ビッグ・プロジェクトだろうが雑用だろうが、自分を大きくしてくれるものが仕事である。
そうでないものは、蹴っ飛ばせ! 仕事だけでなく、私生活でも話は同じだ。
成長のない人生など、生きるに値しない。

若返り計画
会社が投資プランなしには資金を調達できないように、個人もまた、人間として、プロとして、いつまでもみずみずしくありたいと思うなら、「若返り」投資プランが必要になる(リニューアルへの投資なくして生活の安定はありえず、その投資が大きいほど、生活は安定する)。
リニューアル投資プランの要諦は次のとおり。
『ブランド人になれ!』○ 正式のプランであるべし。
○ 書面にすべし。
○ 四半期ごとに改定すべし。
○ 毎週、自分で見直すべし。
○ ときどき、信頼できる先輩や同僚に相談して見直すべし。
○ 新しい技能の修得を計画すべし。
○ 新しい人との出会いを計画すべし。
○ 新しいプロジェクトを計画すべし。
○ 仕事以外で新しいことを始めるべし。
○ 四半期ごとに少なくとも一つ、履歴書に箔を付けるものを始めるべし。
能力を査定する責任は、組織の手から個人の手に移った。
あなたを評価するのは、ほかの誰でもない、あなただ。
ふるえるほど責任は重いが、ふるえるほど絶好のチャンスでもある。
私たちはみんな(もちろん私も)、急速に減価していく資産である。
工場は資産の減価にどう対応しているか。言うまでもなく、積極果敢な設備投資である。人間だって、若返るには、積極果敢な投資が必要になる。
積極果敢な投資は何から始まるか。
プランから始まる。リニューアル投資プランから。
積極果敢にして正式なリニューアル投資プラン──これを立てなくてもいい言い訳など、どこを探しても見当たらない(見つかったら教えてほしい)。

自分のブランド価値を考えるチェックリスト
1. 自分はいま、いくつのことで名前を知られているか。今後1年間に、その分野をいくつ増やそうと思うか。
2. 現在進めているプロジェクトで、自分の力をほんとうに試されるものがいくつあるか。
3. この3カ月の間に、新しく学んだことがいくつあるか。
4. この3カ月の間に、名刺ホルダーの中に重要な人の名刺が何枚増えたか。
5. 現在、自分が断然目立っていることはいくつあるか。
6. この3カ月の間に、履歴書に箔はくを付けるために何をやったか。
7. 現在の履歴書は、1年前の履歴書とどこがどう違うか。
これが田端信太郎の原点。「個人の時代」を生き抜くためのブランド人思考
「労働ではなく投資の時代に、個人が持ち得る最大の資本は自分の『名前』だ」
田端さんが同書のリニューアルの際に、本の帯に残したコメント。2000年以前に書かれた本だと侮るなかれ。
会社員として限界が見えつつある現代に必須スキルがここに残されています!
〈著者画像撮影=Allison Shirreffs〉

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