ビジネスパーソンインタビュー
大人が「何かを好きになる」って難しい
“既存のタグ”より“自分の内側”が大事。狩野英孝に聞く「好きをお金に変える方法」
新R25編集部
インターネットやSNSの普及によって、自分らしい表現活動を追求した結果、お金がついてくる時代になりました。
好きなものでマネタイズすることを手助けしてくれるこんなサービスも。
初期費用無料で自分だけのオリジナルショップを開設できる「STORES.jp」。デザインのカスタマイズや面倒な管理がカンタンにできる手軽さもあり、毎月およそ1万ショップが新しくオープンしているそうです。
まさに、誰もが好きなもので楽しみながら「ジブン経済」を回していける世の中にすることを大切にしている同サービス。
前回、「結果を出そうと思ったら、全部好きになってる」と語ってくれた倉持由香さんに続き、同サービスのタイアップ企画として今回はこの方に「ジブン経済のつくりかた」を聞くことに。
【狩野英孝(かの・えいこう)】日本映画学校俳優科を卒業後、2003年に芸人デビュー。ナルシストキャラのネタで一躍人気を集め、ネタ番組『爆笑レッドカーペット』で大ブレイク。ネタブーム時代を代表するピン芸人の一人となる。実家は宮城県・桜田山神社で、現職の神主でもある
音楽好きを公言した結果「50TA 」としてCDデビューを果たすなど、「好き」を仕事につなげてきた狩野英孝さん。
そんな狩野さんにも「STORES.jp」でオリジナルショップも開設し、お商売を始めていただくのですが、商品内容は“ボケずに”考えていただきました!
打算的に動いた趣味は、仕事にはつながらない
サノ
ということで今回は、狩野さんなりの「“好き”を仕事につなげるためのポイント」を教えていただきたいです!
狩野さん
最初にいいですか?
たしかに僕は今でこそ“好き”が仕事につながってますけど、このふたつって、僕が唯一「仕事につなげようと頑張らなかった趣味」なんです。
サノ
頑張らなかった趣味…?
狩野さん
タレントって、仕事をもらうきっかけを増やすために新しい趣味を始めがちなんですよ。
アイドルが急に野菜ソムリエの資格取ったり、芸人がダイエット本出すために運動始めてみたり。
たしかによくみるような…
狩野さん
僕も20代のころは、「仕事につながるかも」といろいろ新しい趣味に挑戦してみたんですよ。乗馬とか。
サノ
じょ、乗馬…
イケメンホストの次は“白馬の王子様”キャラ…? 見据える世界観のクセがすごい
狩野さん
でも、打算的な考えがあると、人ってあんまりそれを好きになれないんです。そういう趣味は番組に出ても熱をもって喋れないし、そもそも続かない。
実際、当時趣味にしようと思ったもので今も続いてるの、ホントにひとつもありませんもん。
サノ
たしかに僕も前職時代、接待のために無理してゴルフを好きになろうとしたけど、全然続かなかったな…
狩野さん
もちろんそこでしかつくれない人脈もあるだろうし、やってみないと嫌いかどうかもわからないんで、手を出してみることは大事だと思いますけどね。
ただ、けっこう難しいんですよ、大人が「何かを好きになる」って。
狩野さん
結局、本当に好きなことって、「メリットがなくても勝手に続けてきたもの」だと思うんですよね。
たとえば僕は「大喜利」が大好きなんですけど、昔はイジられキャラのイメージが強くて、大喜利番組に全然呼ばれなかったんですよ。
だから、純粋に大喜利がやりたくて、Twitterでお題を募集するようにしたんです。
狩野さん
そのときはただ遊んでただけで、仕事につなげようなんてこれっぽっちも思ってなかったんですけど、このツイートをきっかけに『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)に呼ばれたんです。
だから、ずっと続けてきた「本当に好きなこと」が気づいたら仕事につながっていた…というのが正直な感覚なんですよね。それ以外は全滅でした。
サノ
ついメリットを考えて「お金につながりそうな趣味」に手を出しちゃいそうですけど、それじゃダメなんですね…
「好き」を見つけたいなら、“既存のタグ”じゃなくて“自分の内側”を探せ
サノ
でも、社会人になって忙しくなると、心から熱く語れる「本当に好きなこと」なんてそんなになくないですか?
僕も、今でもつづけられてる趣味ってゲームと映画鑑賞くらいだし…
狩野さん
その気持ち、めっちゃわかります(笑)。
僕も、『内村さまぁ~ず』という番組で「今ハマってるもの」をプレゼンする企画に何度も呼んでもらってるんですけど…正直、そんなにポンポン新しい趣味が見つかるわけないんですよねぇ…
さらっと本音をぶちまける狩野さん
狩野さん
でも最近、それは探す場所を間違えてただけって気づいたんですよ。
サノ
探す場所、ですか。
狩野さん
好きなことって、自分の外側から見つけようとすると失敗しちゃうんですよ。
みんな、つい「映画鑑賞」とか「サッカー」みたいに、“既存のタグ”がついた、誰でも共通して語れるような趣味を探しがちだと思うんです。
でも、そういう立派な趣味ってだいたい自分よりのめり込んでる人がいっぱいいるし、「この年齢でゼロから始めるのか」ってめんどくさくなっちゃったりもするじゃないですか。
サノ
めっちゃわかります…
でも、そしたらいったいどこを探せば?
狩野さん
探すべきは、“内側”なんです。
僕たちって意外と、名前もついてないような、ささやかだけど「本当に好きなこと」を自分の内側にたくさんもってるんですよ。
サノ
たとえば、どんなことですか?
狩野さん
あんまりいい例じゃないかもしれないですけど(笑)、「電気屋さんで必死こいて値切ってる時間が好き」みたいな…
まわりが思わず「何言ってんだお前…」って言っちゃうような、世間的にはタグもついていないような趣味ってじつはいっぱいあると思っていて。
そういうものこそ、「本当に好きなこと」だったりすると思うんですよね。
サノ
もともと自分の内側にある欲求を探して、新しくタグをつけてあげるのか…
たしかに、なかなか時間がとれないなかで「好きなこと」を見つけるには、すごくいい方法かも。
狩野さん
あとはどマイナーなことをめちゃくちゃ熱く語ってる人なんかも、珍しくて面白いじゃないですか。
だから、「自分のなかの好きを売る」スタイルが一番自分らしさが出るし、幸福度も高いと思うんです。
サノ
なるほどぉ…
僕、じつは「人間観察×妄想」が大好きで、たとえば通りすがりのOLさんの指に絆創膏が巻かれてるのを見ると、「あれは付き合って6年目のヒモ男の彼氏が2年ぶりにバイトの面接に行くからと必勝祈願のカツカレーを振るまった際、期待と不安で手が震えて包丁指を切ってしまったに違いない。愛じゃん…」みたいな妄想をしてるんですけど…
狩野さん
ド変態じゃん…
でもこういうことか! ありがとうございます!
誰でもカンタンに本格的なネットショップがつくれる「STORES.jp」とは?
サノ
今日は「自分のなかの好きを仕事にする」というお話をしていただいたんですが…
今回、狩野さんにショップを開設してもらう「STORES.jp」を利用すれば、誰でも「自分の好きなこと」でマネタイズができるんです。
「ネットショップねぇ…」
狩野さん
フリマアプリとかでいらなくなったモノを売るとかはイメージできますけど…「好きなことでマネタイズできる」って、たとえばどんなものが売れるんですか?
サノ
たとえば「一緒に電気屋さんに行って値切ります」みたいな商品でもいいですし、僕なら…さっきの妄想エピソードを文章にして売ってみるとか。
狩野さん
それはサノさんの変態性が暴かれるからやめといたほうがいい気がしますけど、ホントになんでも売れちゃうんだ!
べつにそれで食べていくわけでもないから、気軽に始められそうですね。
サノ
そうなんですよ!
STORES.jpは、「自分の好きなことや、自分らしい表現をした結果、それが売り物になったら素敵だよね」というコンセプトで、「楽しみのための経済」を応援してるサービスなんです。
そこで今回はぜひ狩野さんもなにかを出品していただきたく…
狩野さん
自分に売れるものなんてあるかなあ…
でもまあ、僕が挑戦することで、少しでも誰かが「好きを仕事にする」ための後押しができるなら…やってみましょっか!
ふつうに中身もめちゃくちゃイケメンでした
狩野さんが自分の“好き”を商品にするなら…?
狩野さん
まずは、やっぱりさっき話した大喜利を販売してみたいですね。
まさに自分の好きなことを発信していたら仕事につながった例なので、「STORES.jp」でも受け入れられるか試してみたいです! お題があればあるだけ楽しいので、どんどん購入してもらいたいなと。
狩野さん
あとは…アパレルやってみたいですね。
サノ
意外なところ来た。なんでアパレルですか?
狩野さん
実は僕、趣味でイラストを描いてるんですけど、あまり認知されていなくて。
だから、それをTシャツにプリントしていろんな人に着てもらえたら、宣伝になるじゃないですか(笑)。
サノ
あっ、STORES.jpさん側で狩野さんとコラボしてくれるアパレルブランドを探してくれて、「S◯X SOCKS」とコラボするみたいですよ!
狩野さん
そうなんですか? それはめっちゃありがたいですね!
自分の“好き”を広められるのが、好きを仕事にする一番の魅力
狩野さん
あと、せっかくならこの機会に“モルック”の魅力を広めたいなあ。
サノ
モルック…なんですか? ペット?
狩野さん
フィンランドのスポーツです!
ちょっとボウリングに似てるんですけど、1~12の数字がかかれたピンがそれぞれ1本ずつ並んでいて、そこめがけてモルックと呼ばれる棒を投げるんです。
で、ピンの倒れ方によって点数が変わるんですけど、先にピッタリ50点になるまで得点したほうが勝ち、というルールで。
めちゃくちゃ力説してくれるけど全然知らない
サノ
さすがにちょっとニッチすぎませんか?
狩野さん
でも、好きを仕事につなげるって、お金になったかどうかより、自分の好きなものを広げられるところにうれしさがあったりもして。
サノ
それはちょっとわかります。
狩野さん
僕、今とある韓国製のオンラインバスケットボールゲームをやり込んでるんです。プレイ時間もハンパないし、かなり課金もしているので、このゲームに関しては日本一の自信があるんですけど、マジで誰もやってないんですよ。
それが寂しすぎて、Twitterに細々とゲーム画像を載っけたりしてたら、ちょっとずつ仲間が増えていって…めちゃくちゃうれしかったんですよね。
最終的に韓国の開発担当者とごはんに行ったとのこと
狩野さん
だからモルックも、「STORES.jp」で興味ある人募集して、一緒遊んでみたいなあ。
サノ
「狩野さんと一緒にモルックで遊べる権利」を売る…!
めちゃくちゃいいですね、それ!
狩野さん
売れなかったら寂しいですけど、まぁそこはトライ&エラーで(笑)。
みなさん、ご応募お待ちしてます!ぜひぜひ一緒にモルックしましょう!
こんな競技らしいです。みんなでレッツモルック!
STORES.jpを利用し、狩野さんがオリジナルショップをオープン!
狩野さんは「大喜利」や「アパレルグッズ」、「モルックの参加権」以外にも、「地元の宮城土産セット」、「50TAのサイン入りCD」などを出品してくれています。ぜひお気軽にショップを覗いてみてください!
そしてなんと、狩野さんの実家、櫻田山神社のストアもオープン。狩野さんプロデュースのお守りなど購入いただけます。
“お金儲け”だけを目的とした活動ではなく、好きなことや、自分らしい表現活動を楽しみながら「STORES.jp」を活用してマネタイズしてみる。そんな「自分らしい経済」を増やしていけたら、毎日が少し楽しくなるかも。
僕もまずは、自分だけのタグを見つけるところから始めてみようと思います!
〈取材・文=サノトモキ(@mlby_sns)/編集=宮内麻希(@haribo1126)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉
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