ビジネスパーソンインタビュー
伊藤羊一著『0秒で動け』より
動き出したら周囲のフィードバックは全スルーせよ。行動を習慣化させる6つのコツ
新R25編集部
今やるべきだとわかっているのに、仕事をずるずると先延ばしにしてしまう…。
気合いやメンタルのせいにされがちなこの現象ですが、じつはある「スキル」を身につけるだけで解決できると、ベストセラーになった書籍『1分で話せ』の著者・伊藤羊一さんは言います。
そんな伊藤さんも、20代のころはどう仕事をしていいかわからず、成果を出す以前に何も動けていない状況だったそう。
そこから行動力を伸ばした方法が集約されたのが、新著『0秒で動け』。
行動力を伸ばすスキルはどう鍛えられるのか、本書から学んでいきましょう!
ポイント① 周囲の期待値は下げておく
周囲のコントロールとしてやりたいのは、まず、「周囲の期待値を下げる」こと。
1歩目を踏み出すときは、やっぱり少し恥ずかしいものです。
そこで、私は以前は「期待値コントロール」をしていました。
「正解ではないかもしれないんですけど…」「あ、俺うまくないですけど、ちょっとやってみようと思いまして」と、あらかじめ周囲に伝えてから何かを発言したり、行動しました。
ほかの人がどう思うかというよりも、最初から自分に言い訳をしておく。
すると「ああ言っておいたから、失敗しても大丈夫だろう」と心理的なハードルが下がります。
完全に自己満足の世界ではありますが、最初にはじめるときのハードルは、下げておいたほうが取り組みやすくなります。
この「期待値コントロール」は、経験値を積むに従い、少しずつやめていきましょう。
なぜなら、期待値コントロールをし過ぎる人は、「うまくいかないと言うならやめろよ」「正解でないと思うなら言わなければいいじゃん」と思われますので。
ポイント② 仲間を頼ろう
もう1つ大事なのは、仲間をたくさんつくること。
自分1人でできないことは、仲間の助けを借りればいいのです。
たとえば、会議で手をあげることを目標にしようと決めたとき、私は仲間の助けを借りました。
同じ会議に出席している同僚に、あらかじめこう頼んでおいたのです。
「◯◯という発言をするから、合いの手を入れて場を和ませてほしいんだけど」
「俺がキョドッたら、ツッコミを入れてごまかしてほしい」
「うまくいかなくても笑って流してくれよ」
そんな感じです。
仲のよい先輩に「反対でも何でも構いませんので、私が発言したとき、何か反応してもらえませんでしょうか」と頼んだこともあります。
ポイント③ 動き出したら反省しない(フィードバックを受けない)
こうして、めでたく第一歩を踏み出したとします。
何かの会議での発言かもしれないし、プレゼンかもしれないけれど、ともかくファーストアクションを起こしたら、そこから、すべてがはじまります。
このタイミングでは、決して「反省しない」ことです。
うまくいこうがそうでなかろうが、ここで振り返らないことをオススメします。
周囲の人が「もっとこうすればよかったのに」などと言ってくれることもあります。
申し訳ないのですが、そうしたフィードバックもひとまず全スルーです。
ここで大切なのは、せっかく踏み出した第一歩を、第二歩、第三歩につなげていくことです。
初めての挑戦ですから、きっとうまくいかないことも多かったと思います。
そこで反省したり、ネガティブなフィードバックに耳を傾けて、立ち止まることだけは避けなくてはいけません。
ここだけの話ですが、私は今でもフィードバックを受けることは慣れていません。
ただ、経験を積んで、そのダメ出しやフィードバックを受けることが成長への近道、と理解するようになって、初めて向き合えるようになりました。
現実を直視しなければいけないことはわかっていますが、自分なりに勇気を振り絞って行動して、心が折れてしまったら、元も子もありません。
褒めてくれそうな人を選んで「褒めて」と頼みにいくこともあります。
そうやってあらゆるものを総動員しながら、とにかく「動く」ことが大事です。
最初の一歩というのは、それだけ大変ですし、大事なのです。
ことにビジネスの世界では、自分から動かない限り、チャンスは回ってきません。
ですから、時にはこうした「仕込み」もしながら、自分から「動ける」体をつくっていくのです。
ポイント④ 2歩目、3歩目になったら、フィードバックをもらう
フィードバックを受けるのは、2歩目、3歩目を踏み出せるようになってからでいいと思います。
ここでは、なるべくポジティブなフィードバックを受けるようにします。
先に書いたように、とにかく褒めてもらうのもそうです。
行動したら、自分のやったことに対し自己嫌悪に陥ったりしませんか?
私はそうでした。
若いころ、バンドでライブをやって、終了すると、自分たちがやってしまった細かいミスを思い出して、「全然ダメだったー!」と落ち込むわけです。
でも周囲は、「よかったよ!本当によかった!」と言ってくれる。
なぐさめてくれているだけかなぁと思っていたのですが、どうもそうではないんですよね。
自分たちが過度に自己嫌悪に陥っているだけだと気づいて、ああ、私は、何か行動したらすぐ自己嫌悪に陥るんだな、とわかりました。
実は今でも、人前で話した後は、たいてい自己嫌悪に陥ります。
最初のうちは、とにかくなるべく好意的なフィードバックを受けるようにします。
好意的なフィードバックだけ聞くと、当然ですが、ポジティブになります。
こうやってコンディションを整えながら、徐々に慣れていきます。
そして、ネガティブなフィードバックも自分の糧にできるくらい余裕が出てきたら、そのとき、色々な意見に耳を傾けるようにすればいいのです。
行動し続けるには、自分に対する反応をコントロールすることも必要なのです。
ポイント⑤ 振り返りの時間で自分の血肉にする
こうして第二歩、第三歩を踏み出せるようになったら、次は振り返りです。
振り返りのときに大事なのは、以下を考えることです。
・自分はどういう行動をしたのか
・その行動にはどんな意味があったのか
・それを活かして、今日から何をするのか
つまり、実際の行動を振り返りながら、「SoWhat?(だから何か)」と問い、意味を抽出し、自分なりの教訓にしていきます。
ゴールは「Aha!(おお、そういうことか!)」と気づくことです。
色々な経験や見聞きした情報は、「Aha!」という気づきを得ることによって初めて、今後も使える知恵になっていくのです。
そして具体的な行動につながっていきます。
振り返りの方法ですが、「内省」(自分自身で考えること)と、「対話」(人と話すこと)の両方を行なうとよいです。
内省の手段として、私はよくノートに書き出します。
SNSに投稿してもよいと思います。
対話については、まずは、定期的に人と話すことをオススメします。
ヤフーでは社内制度として、週1回、1on1と呼ばれる振り返りのミーティングを行なっています。
マネジャーがコーチとなり、メンバーと振り返りを行なうのです。
マネジャーにコーチになってもらいながら振り返りを行なってもよいでしょう。
また、本を読んだり、誰かがやっていることがいいなと思ったら、翌日からすぐに試してみることです。
うまくいくこともあれば、そうではないこともあると思います。
その行動を振り返ることで、行動や経験が自分の血肉になっていきます。
行動・振り返り・気づきのサイクルが回りはじめたら、こっちのものです。
何か問題が起こったときに素早く仮説を立てることも、自分なりのポジションをとることも、やりやすくなっていることに気づくはずです。
ポイント⑥ 迷ったらワイルドなほうを選ぶ
行動の習慣化につながる言葉も1つご紹介しておきましょう。
ヤフー前社長の宮坂学は「迷ったらワイルドなほうを選べ」と言っていました。
何も重要な投資局面などに限った話ではありません。
たとえば昼食を食べるとき。
いつも行っているトンカツ屋に行くのか、近所に新しいエスニック料理屋ができて、食べたこともない国の料理だけれど美味しそうなので、そちらに行くのかと悩んだとき、エスニック料理を選ぶのは、自分にとってはワイルドな選択ということになります。
日常の中で、迷ったらワイルドなほうを選んでみる。
その積み重ねのうえで、行動や価値観が育まれていくのです。
行動力を鍛える方法を体系的に学ぼう
「すぐ動く」ための行動力について書かれた『0秒で動け』。
「気合いやメンタルに頼って行動しても長続きしない」という前提のもと、“頭の使い方”を変えて行動を習慣化させる方法が記されています。
「早くやらなきゃと思っても動き出せない」
「行動できない自分はダメだと自己嫌悪になる」
そんな方は、本書の内容を実践して、行動力を上げる「スキル」を手に入れてください!
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