ビジネスパーソンインタビュー
“オリジナリティ”って、なんだろう?
「“マネ”とは、相手をリスペクトすること」25歳で年商20億円、塚本大地を変えたマネの極意
新R25編集部
個性が尊重され、自由な発信ができるようになった今だからこそ、ビジネスパーソンにも求められるようになった“オリジナリティ”。
そんな世間の風潮とは裏腹に“マネ”することにこだわりをもつ起業家がいるとのことで、ブログを見てみると…
https://note.mu/daichiajt/n/n8cb50cf7fadd自分にはない、相手の良いところを見れるようになると、次はそれを真似すれば良い。そうすればそれが自分の良いところにもなり得るから。もちろん全部を真似する必要はないんだけど、僕はいつも、「何から学びを得ているか?」と聞かれると、「他人の良いと思ったところから」と答えているし、本当にそうしているからおすすめ。
こう語るのは、株式会社ZIZAI代表取締役の塚本大地さん。調べてみると、名古屋大学在学中にZIZAIを創業。その後、アミューズメント事業とVR事業を立ち上げ、資金調達なしで事業をまわし、今期の売り上げは20億円、社員数はすでに100人を超えるというスゴ腕の若手経営者でした。
そんな人が、なぜ“マネ”を推奨しているんでしょうか…?
〈聞き手=宮内麻希(新R25編集部)〉
塚本さん
今日はよろしくお願いします!
【塚本大地(つかもと・だいち)】兵庫生まれ神奈川育ちの1993年生まれ。名古屋大学在学中に部活をする傍らWebサービスを複数リリースし、大学4年次、2015年に共同代表の渡辺稜太氏と株式会社ZIZAI(旧株式会社DUO)を創業
オリジナリティとは“小さなマネ”の組み合わせ
宮内
塚本さんは「人のいいところをマネすることこそ、最大の学びだ」とおっしゃっていますよね。
塚本さん
はい。そもそも、世の中の事象にオリジナリティなんてほとんどないと思います。
ものづくりもコミュニケーションも同じで、みんな自分が見たことのあるものを何らかの形で組み合わせてアウトプットしてるんです。
なのに、みんなどこかで「自分は特別だ」「自分にはオリジナリティーがある」って思ってるんですよね。
宮内
わかります…私も唯一無二でありたいと心のどこかで願っています。
塚本さん
ZIZAIで展開しているバーチャルライブ配信サービス「IRIAM」も、機能だけ並べてみたら、おそらく他社さんのサービスとほとんど変わらないんです。
でも実際は、実装された順番が違ったり、ほんと微妙にデザインが違ったりする。
そういう小さなマネの積み重ねや組み合わせに、ほんの少しのオリジナリティを加えることでサービスってできてるんです。
宮内
なるほど。であれば私たちは、“マネする方法”で勝負すべきだと。
塚本さん
そうですね。
いきなりオリジナリティだけを追い求めると、息切れしてしまうと思いますし。
宮内
息切れしてしまう…?
塚本さん
「基本形をマネすること」=「土台づくり」をせずに、いきなりオリジナリティだけ追求しても結果がでないんです。
それで結果がでないと、「個性ってダメなのか」と落胆してしまう。
塚本さん
なので、まずは“なにをどうやってマネするか”を考えることこそがオリジナリティの第一歩だと思うんです。
宮内
なるほど…!
自分と違う価値観も、まず受け入れてみることで“マネの在庫”が増える
宮内
ただ、だからといってなんでも “マネすればいい”という話ではないですよね?
塚本さん
僕はどんな相手でもまずはリスペクトして、自分のなかに考えをインプットするようにしています。
塚本さん
特に、自分と違う価値観に触れることはものすごい大事。
「この人は合わない」と感じたとしても、そのウラにある考えを想像して、リスペクトできる部分を探すんです。
塚本さん
いろいろな価値観や思想をリスペクトを持って吸収することでインプット量を増やし、自分のなかに多面的な視点を用意しておくことが、人としての成長につながると思っています。
宮内
まずは1回受け入れると。
塚本さん
そうです。そうやって受け入れた価値観や思想・言動をマネの在庫として抱えておき、そこから本当にいいなと思う部分をマネるんです。
宮内
マネの在庫…!
インプット量を増やしたいなら、毎日のコミュニケーション吸収率をあげたほうがいい
塚本さん
インプット量を増やすためには、触れるものの絶対値を増やすか、一度の吸収率をあげるかしかないじゃないですか。
ただ、みんな前者の方で頑張ろうとするんです。本を読む、映画を観る、旅行に行くみたいに、むやみに新しい機会を増やしたくなってしまう。
宮内
わかります。急に習いごとをはじめたり(笑)。
塚本さん
そうそう。でもそういうのって、ハードルが高くてあとまわしになりがちじゃないですか。
それなら、自分の毎日にすでに存在しているコンテンツの吸収率をあげた方がいいんです。
たとえば、本や映画でなくても、誰もが毎日触れているコンテンツがあると思うんですけど…
宮内
えっ…なんだろう…?
塚本さん
普段の会話です。
シンプルでした
塚本さん
僕、もともと趣味もないし、多くのコンテンツに触れるタイプではないんです。本も読まないし、テレビも見ないですし…
だから情報の収集源って、基本的に人とのコミュニケーションなんです。
宮内
そうだったんですね。
塚本さん
人の厚みって、同じものを見たとき・聞いたときに、そこからどれだけ自分にとって価値のある情報を見出せるかで決まると思うんです。
同じ情報に触れたときに、より多くを吸収する人の方が成長が早くなる。
宮内
では、会話の吸収率を上げるためにはどうしたらいいんでしょう?
塚本さん
それは、ノウハウ云々ではなく、会話のなかでどれだけ相手をリスペクトして、共感ポイントを見つけられるかという“姿勢”の問題だと思うんですよね。
だから吸収率を上げるには、「まずリスペクトする姿勢を忘れない」ことが大事なんじゃないでしょうか。
若いビジネスパーソンこそ、“共感力”で人を引きつけるべき
塚本さん
あと、相手のいいところをみつけてマネをしようと思って接すると、相手も自分のことを好きになってくれるんですよ。
宮内
どういうことですか?
塚本さん
相手が自分の考えに共感してくれたときって、誰でも純粋にうれしいですよね。
そうすると、なぜか相手も自分の意見に共感してくれるようになるんです。
塚本さん
若いうちって、実力や技術で成果を出して信頼されるのはなかなか難しいじゃないですか。
宮内
そうですね。
塚本さん
だからこそ、“相手のいいところをみつけて共感できる力”が重要だと思うんです。
そうやってコツコツ応援してくれる人をつくっていけば、「力不足だしポンコツだけど、まぁいいヤツだしな」って、困ったときに助けてもらえたり。
宮内
目には見えないけど、若いうちにやっておくほど自分の財産になるのか…!
塚本さん
僕自身、会社を立ち上げてから、「相手をリスペクトして、いい部分をマネる」という考えをもとに行動していたら、両親からも共同代表からも「大地は数年で人格が変わった 」と言われるようになったんですよ。
塚本さん
それくらい、この考え方によって自分自身成長することができたと思います。
宮内
“マネ”でそこまで人間性が変わるとは…
塚本さん
僕、この考えかたで生きられたら、どんな人も本気で人生が変わると思ってるんです。
何からでも学べる、多面的な価値観を持てる、相手からも好かれる。それでいて、リスクもないし、体力も時間も使わないんですよ!
宮内
今、めっちゃ納得してます…!
“マネをする”言葉の印象にポジティブな印象がなかったのですが、それはウラを返せば、相手をリスペクトして、良い部分をみつける姿勢そのものでもありました。
みなさんはこの記事の内容にどれだけ共感することができましたか? 「あんまり…」という方は一番上に戻って、“自分に活かせるところ”を探しながらぜひ再読してほしいです。
さあ、どんどんマネしていきましょう!
塚本大地/ZIZAI Inc. CEO (@daichi_zizai) | Twitter
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〈取材・文=宮内麻希(@haribo1126)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉
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