ビジネスパーソンインタビュー
「CASH」「TRAVEL Now」の生みの親の頭を覗く
【無料試し読み】光本勇介『実験思考 世の中、すべては実験』
新R25編集部
目次
- 「全力で普通の生活をします」CASHの生みの親・光本勇介が語る“アイデア発想の極意”
- 社長は暇なほうがいい
- 「普通の生活者」でいる
- フラットに生活して、思いついたものをメモに書く
- ちょっとした違和感をスルーしない
- 「インターネットの人」にならない
- 人の「いいね」も「悪いね」も信じない
- 無駄に見えるものも、視点を変えれば売りものになる
- 世の中は可能性だらけだが、市場選択は慎重に
- 「“表現”がすべてだと言っても過言ではない」光本勇介流・サービスの流行らせかた
- 事業は「タイミング」が命
- 「ズレが限界に達しそうな業界」を探す
- 「表現」次第で市場は広がる
- CASHもただの「買取」アプリ
- 触って気持ちよくなければやめる
- いかに「世界観」を変えるか
- STORES.jp は「見せ方」の勝利
- いらないモノは極限まで「削る」
- 「人間はどんどん思考停止して、ゾンビみたいになる」光本勇介が描く未来予想図
- お金以外のあらゆるモノに価値が付く
- 「価値のグーグル翻訳」を作りたい
- 「思考停止」の時代になっていく
- 「衣食住」は無料になる
- エンタメが強くなる
- フィットネスとしてのスポーツはなくなる
- 給料を“先払い”したら、人はちゃんと働くのか? 光本勇介がトライしたい「実験」の数々
- さまざまな業界でやってみたい「実験」
- がん検査をもっとカジュアルに
- セキュリティサービスをマス化する
- 飲食・小売業界は、金融事業化すればさらに儲かる
- 給料先払いサービス「WORK」
- 新幹線のワゴン販売をオフィスに展開
- ランチを無料にする実験
- 「車の名義」という概念をなくす
- 「実験」しないともったいない!
- さあ、実験をしよう
- 光本さんの『実験思考』をもっと知りたい人はこちら!
最短2分でオンラインストアがつくれるサービス「STORES.jp」、目の前のアイテムが一瞬で現金に変わるアプリ「CASH」、あと払い専用の旅行代理店アプリ「TRAVEL Now」など、あの堀江(貴文)さんも舌を巻く発想力で世間を驚かせるサービスを次々と生み出す起業家・光本勇介さん。
電子版を0円、紙の書籍を原価の390円(税抜)で流通させ、Webサイトで自由な金額を課金してもらうという前代未聞の売り方で話題となっている著書『実験思考』より、光本さんの頭のなかを覗くことができる内容を抜粋してお届けします。
「全力で普通の生活をします」CASHの生みの親・光本勇介が語る“アイデア発想の極意”
社長は暇なほうがいい
「社長は暇なほうがいい」と思っています。仕事はなるべくまわりに振りまくって、ぼくは考える時間をなるべく多くするようにしています。
朝は会社にほとんどいません。家にいる。家で考えているのです。
いちばんアイデアが出るのは「シャワーを浴びているとき」か「運動をしているとき」です。「シャワーと運動を交互にしている」と言うと「アスリートじゃん」とツッコまれますが、本当なのです。
毎日、午前中は運動をしています。前の日にお酒を飲みすぎたときは運動できないこともありますが、だいたいは家のランニングマシーンで走っています。筋トレではなく、有酸素運動です。音楽を聴きながら、1日1〜2時間、週5〜6日は走っています。
ぼくは運動が好きなわけではありません。むしろ嫌いです。なぜ運動をするかというと、ひとつは体形を維持するため。もうひとつは、脳内を「フラットな状態」にしたいからです。
つねにスマホやパソコンとにらめっこしていると思考が行き詰まってしまいます。細かいことばかり考えるようになり、メジャーなサービスを思いつきづらくなります。
よって体を動かすことで、あえて「考えない」状況を作り出しているのです。
午後はふらっと会社に行って、バーッと社内でミーティングをして、またすぐに帰ります。
とはいえ、毎日19時くらいまではいろいろと予定が入ってしまうのですが、なるべく創造的なことにしか時間を使わないようにしています。
「普通の生活者」でいる
ぼくは「普通の生活者」でいようとします。
走ったり、シャワーを浴びたりすることで、アイデアが出やすいようにはしていますが「考えようとして考える」ことはありません。
会社や事業に関する小さな考えごともいっぱいありますが、「仕事だから、がんばって考えないと」とも思わない。普通に生活しています。
フリーターや専業主夫みたいに過ごす日もあります。 「あえて普通に生活する」という状態にして、企業経営者が忘れてしまうような、あたりまえの感覚を持つようにしているのかもしれません。
また、流行っているものにはなるべく触れるようにしています。メジャーなサービスや新しいモノもいちおう全部知るようにしています。
流行るものにはかならず理由があり、それがマスの人たちの感覚だからです。
逆に、最先端すぎる、めちゃくちゃ新しすぎるものには触れません。インターネット業界には、ブロックチェーンや仮想通貨、AIなどのテクニカルで「まだ大衆的ではない」ものに関するニュースもあふれていますが、そういったものもあえて読まないようにしています。
あまり詳しくなりすぎると、「普通の人」ではなくなってしまうからです。
具体的にやっているのは「iTunesのトップ10」を毎月かならずダウンロードしていたり、とにかくニュースはヤフーニュースのトップページをチェックしていたり。
そうすることで「マスの人たちの感覚」を知ることができるのです。
ただ、それを明確に言語化するようなことはしません。「ふーん」という感じで、単純に触れてみて、その状態で置いておく。
いちおう自分も体験して知っておく、くらいの感じです。
フラットに生活して、思いついたものをメモに書く
ぼくは「Captio」というメモアプリを使っています。メモを書いて送ると、自分のメールアドレスに届くというものです。
この段階では有象無象のことをいろいろ書いて雑に送っておきます。後で見返して、いいアイデアをノートに入れていくのです。
アイデアはメモやノートに書きます。思いつきを書くためのメモやノートは「1軍」 から「3軍」まであります。
メモは広告代理店で働いていたときからとっていました。ビジネスをずっと探していたからです。「これ、ビジネスになるかな」などと考えながら書き続けてきました。
「毎日書く」などの特別なルールはありません。ノルマとしてこれくらい書こうといったこともぜんぜん意識していません。
「アイデアを出そう」と意識しすぎると、頭が凝り固まってしまうのです。フラットに生活していて、パッと思いついたものを書く。
「事業を作ろう」と思っても作れないし、アイデアなんて出てきません。あえて言うなら、「全力で普通の生活をする」ことが大切なのです。
全力で「普通の生活」をしていると、世の中は不便なことだらけだと気づきます。「これ、こうなったらもっと便利なのに」「こうしたほうがいいのに」「なんでこんなふうになってるんだろう」など、1日過ごすだけで思うことがいっぱいある。
そのたびに「ぼくだったらこうするな」とメモに書いていくのです。
寝る前には1日を振り返ってみて、「ああそういえば、あそこ不便だったな」といったことを思い出すようにしています。大きな視点で考える。
普通の人の生活を、もう一人の自分が眺めている感覚です。
ちょっとした違和感をスルーしない
そういえば、骨を折ってレントゲンを見ているとき、こんなアイデアが浮かびました。
最近、レントゲンでがんなどを見逃さないようにAIが画像解析をするという話を聞きます。それもすごくいいと思うのですが、「やっぱり人間の目で見てもらわないと信頼できない」という人も多いでしょう。
そこで複数のお医者さんに画像解析をしてもらえるようなアプリがあると便利なのではないか、と思ったのです。
まず、ユーザーは自分のレントゲン写真をアプリでアップロードします。アプリでアップロードされた写真は、たくさんの若いお医者さんたちが見られるようになっています。
お医者さんたちは、アップロードされたレントゲンの写真を見て、「健全」もしくは「健全ではない」というボタンを押します。お医者さんなので、画像を見ればおそらく一瞬でわかるはずです。
しかも複数のお医者さんに聞けば、そのパーセンテージもわかります。「100人中99人は健全と言っています」といったことがわかるのです。
お医者さんは、見てボタンを押すだけでたとえば500円もらえます。若いお医者さんや研修医は、給料も少なく大変だと聞いたことがあります。それなら、ちょっと休憩しているあいだに、おこづかい感覚でやってもらえるかもしれません。
「今日は5回押したから2500円だ」とか「毎日やったら10万円プラスになる」と言ったら、普通のお医者さんでもやってくれるのではないか。
ユーザーは1万円の予算で20人のお医者さんに判断してもらえるわけです。20人全員に「健全」と言ってもらえたら安心するでしょう。
たまに病院に行っても、「この医者は本当にちゃんと診てくれてるのかな?」と不安になることがあります。不安だからネットで検索したり、ヤフー知恵袋で聞いたりする。
そんななかこのアプリは、その不安を払拭してくれる存在になると思うのです。
「AIに対する不信感」「お医者さん側のメリット」「一人のお医者さんにしか診てもらえない不安」などを組み合わせていったら、こういうアイデアに結実するのです。
普通に生活して「これって不便だな」と思ったら、そこからいろいろ考えを巡らせるとおもしろいアイデアに行き着くことがあります。
大切なのは、ちょっとした違和感をスルーしないことです。
「このお医者さん、ちゃんと診てくれているのかな?」「AIで画像診断なんて、ちょっと不安だな」と誰もが思うけれどスルーしがちなところで立ち止まってみる。
すると大きなビジネスチャンスが転がっていることもあります。
「インターネットの人」にならない
ぼくは「ネットから離れる」ことを意識しています。
インターネットは大好きだし、インターネット依存症なので、つねにネットにつながっていないと不安なのですが、だからこそ「インターネットのなかの人」としては生きないようにしています。
インターネットは好きですが、「ブロックチェーンがどうこう」というような「インターネット的な発想」だけにはなりたくないのです。
インターネットの仕事をしているので仕方がない部分もありますが、だからこそ「インターネットの人」にはならないよう気をつけています。
広いパイを取れるような新しいサービスは、インターネット村のなかだけを見ていたら思いつきません。ぼくは「C向け」の事業が好きですし、つねに「マスのサービス」を作りたいと思っています。
ぼくの会社の人たちやインターネット業界など、この界隈の人たちはリテラシーが高すぎるのです。頭もいいし、所得も平均と比べると高すぎる。ツイッターでフォローしている人たちも、小難しいことを考える、頭がいい人ばっかりです。
だから「それが世の中だ」とつい思ってしまう。ちゃんと「いま見ているのは世の中の0.001%なんだ」と意識しないと、その他の99%以上の人たち向けのサービスが作れないのです。
「少額の資金」というニーズが世の中にすごくあることに気づいたとき、ぼくがばら撒きたかった「少額のお金」というのは1万〜2万円くらいでした。
いまこの瞬間に1万〜2万円がないだけで困っている人とか、一歩が踏み出せない人、何かを制限せざるをえない人は、たくさんいるんじゃないかなと思ったのです。
しかしこういう話を、サービスをリリースするときにまわりに言うと、「1万〜2万なんて、どうにかなるでしょ?」という反応も多かった。
ただそれは「東京・港区に住んでいる人」の発想なのです。地方に住んでいる人にとっての1万〜2万円は本当に貴重で、大きい。その感覚を忘れてしまうのです。
たった1万〜2万円かもしれないけれど、それがないから「参考書が買えなかった」「友だちの誕生日を祝えなかった」「デートを断念せざるをえなかった」という人もたくさんいる。
少額であっても、いま得ることで、小さな一歩を踏み出せたり、チャンスをつかめたり、幸せを手に入れることができたりする人たちも、世の中にはいっぱいいる。
たぶんそれが「マス」なのです。そういうことは「港区の感覚」でいると、忘れてしまうのです。
人の「いいね」も「悪いね」も信じない
ちなみにぼくは人に相談をしません。
「人に相談しない」というのは「自分の感覚を大切にしている」ということです。人に相談すると、自分の考えがブレてしまう。それがイヤなのです。
自分が世の中と接して気づいたことをもとに立てた「仮説」を試して、合っているかどうかの答え合わせがしたい。だから相談して何かをやるのは時間の無駄です。
CASHをやるときも誰にも相談しませんでした。モック(試作品)を作ってくれる人だけにイメージを伝えました。最初は2人くらいから始めたわけです。
また、モックを見せるなどするとだいたいみんな「いいね」と言うのですが、それも信じません。「いいね」も「悪いね」も信じない。「悪いね」と思っていても、「いいね」と言う人も多いのです。
「世の中の反応」が唯一の答えです。
そこで自分の考えていた構想と世の中が見事に化学反応を起こすのが快感であり楽しみなのです。
サービスをローンチする(立ち上げる)ということは、その構想を世の中にバーンとぶっ込んでみること。すると絶対に化学反応が起きます。
その化学反応を見るのが、いちばんの楽しみなのです。
無駄に見えるものも、視点を変えれば売りものになる
かつてグーグルが買収した「ネスト」という会社には監視カメラのサービスがありました。ぼくはそれを見て、すごくおもしろいと思いました。
日本では見られないのですが、ネット上で、あらゆる監視カメラの映像が見られたのです。
監視カメラを設置する側は「自分しか見られない」か「この映像を公開してもいい」かを選択できます。そして、サイトではその「公開してもいい」カメラの映像をバーッと見られるのです。
知らない人の家のガレージやリビング、フィットネスクラブなど、いろいろな場所が「覗き見」できて、見ていてすごく楽しかったです。
「監視カメラの映像なんて見ても、おもしろくない」という人もいるでしょう。でも、他人の普通の日常などなかなか見られるものではありません。実際にそういうものを「覗き見」したいという需要は大きいのです。
ぼくはこれを勝手に「覗き見市場」と呼んでいます。
ある人にとってはどうでもいいシーンでも、ある人にとってはすごく価値がある。「他人の何気ないシーンを覗く」というのは、すごく価値も需要もあると思っています。
たとえば、寿司屋のカウンターで職人が寿司を握っているシーンは、ぼくからしたらどうでもいい。けれど、寿司を勉強している人にとっては、プロフェッショナルの寿司職人が握っているところが見られるので価値があります。
だから、その人からは月額300円とれます。それはフランス料理の厨房も同じでしょう。
「覗き見」というと、どうしてもみんなエッチなイメージを思い浮かべてしまうのですが、そうではない「覗き見」したい場所は、いっぱいあるはずなのです。
そこに価値を感じる人たちがたくさんいて、そういう人たちからお金をもらう覗き見サービスは世の中にいっぱい作れると思っています。
ほとんどの人が価値を感じないようなものであっても、実は隠れたニーズがあったりします。誰もが「無駄だ」と思い込んでいるものであっても、視点とやり方を変えたら「売りもの」になるのです。
多くの人が見逃している「無駄」なもののなかに本当に価値はないのか。改めて考えてみると、意外な発見があるかもしれません。
世の中は可能性だらけだが、市場選択は慎重に
こういうふうに考えていくと、世の中は可能性だらけです。アイデアは無限に出てきます。
ビジネスアイデアを思いつかないというのは想像もできない。ぼくは、死なないのであればあらゆるサービスにトライするでしょう。
でも、人生は有限です。「死ぬまでにマスのサービスを作りたい」と思っているので、「無駄撃ち」をして時間をとられるのがいちばんイヤなのです。
需要があるかもしれない、食べていけるかもしれないけれど10万人×3000円の小規模なサービスを作るのなら、ぼくは5000万人×300円の大規模なサービスを作ることに時間を使いたい。
だから、なんでもかんでも手を出さないと決めています。
ひとつのサービスを成長させるのに10年くらいかかると考えると、生きているあいだに3つのサービスを立ち上げるのが限度でしょう。後は、それをやるべきかどうかを考えるだけです。
ZOZOの前澤さんは、外から見るとイケイケで大胆なイメージがあります。しかし、前澤さんと一緒に働いてみると、実は「石橋を叩いて渡る」タイプだとわかります。
だから前澤さんは「やらない」と判断することが圧倒的に多い。やらない、やらない、 やらない、やらない、やらない…。そして「これだ」と決めるとフルスイング、という感じです。
なんでも手を出してしまうと時間をとられてしまう。前澤さんは「選択」と「集中」をきちんとしたいのです。
だから市場選択をして「攻めるべき市場か」を慎重に判断しています。
「“表現”がすべてだと言っても過言ではない」光本勇介流・サービスの流行らせかた
事業は「タイミング」が命
事業は本当にタイミングが重要です。タイミングをすごく重視しています。
ぼくは個人間のカーシェアリングサービスを「10年前」にリリースしました。でも、あれを出すべきタイミングは「1〜1年半前」だったな、といまならわかります。
いくらイケているサービスでも、タイミングを間違えたら流行るものも流行らないのです。
「未来を見通す目」が正しくても、マスが追いつく環境が整っていないとうまくいかない。感覚的には「時代の半歩先」くらいのものを出すのがちょうどいいと思っています。
「半歩先」がどれくらいのイメージかというと、自分のなかでの感覚は「1年未満」です。1年経たないうちにメジャーになる、ジワジワ来そうだな、というものがベストという感覚です。
サイバーエージェントの藤田晋さんは「新しすぎることをやると人がついてこないから、できるだけ業界の人が『いまさら?』と言うようなもののほうがいい」というようなことを言っていました。
カーシェアリングサービスのときはそういう意識がなかった。「新しいじゃん」「絶対こっちじゃん」と思ってやったけれど、早すぎたのです。
「宇宙人」になってしまうと、うまくいきません。もちろんそれできちんと事業として成り立たせられる人もいるので、そういう人は尊敬しますし、すごいなと思います。
ただぼくは一部の人たちに熱狂的に使ってもらう事業を作るよりは、みんなに理解してもらって、みんなに共感してもらって使ってもらうようなサービスが作りたい。
そうなると「半歩先」を狙うのがベストなのです。
「ズレが限界に達しそうな業界」を探す
その年のテーマとなる業界は「なんとなく」決めているのですが、あえてそれを言語化するなら「ズレが限界に達しそうな業界」かもしれません。
各業界にはビッグプレイヤーがいます。どの業界にも「大手」という存在があります。業界のビッグプレイヤーは、今年突然トップの地位を築いたわけではありません。
あたりまえですが、5〜10年前からその事業をずっと展開してきて、ようやくトップの地位を築いたわけです。ということは「5〜10年前の事業を、ずっと展開している」ということになります。
最近はびっくりするくらいのスピードで世の中が変わっています。消費者の感覚もものすごく変化している。それなのに、5〜10年前に作った事業をそのままやっていると、どうしても時代に合わなくなってくるでしょう。
時代がこんなに変化しているのに、ずっと同じビジネスモデルやサービスを提供していると、そこでのズレが大きくなったときに、その業界のプレイヤーがガラッと入れ替わるタイミングが来ると思っています。
その「ズレが限界に達しそうな業界」をいつも探しているのです。
「表現」次第で市場は広がる
サービスがうまくいくかどうかの大切なポイントとして「表現」があると思っています。
どんなに方向性とアプローチが正しくても表現が下手だと伝わらない。「このアイデアをどう表現できるか」「世の中にどう見せられるか」がとても重要です。
打ち出し方、見せ方、提供の仕方には、センスが問われます。どんな体験をしてもらえるかは、サービスの名前、アプリのUI(User Interface)、デザインなどの「表現」 にかかっているのです。
ぼくは「ドメイン」にこだわります。
ドメインとは、簡単にいえば、「インターネットの世界における住所」です。「stores.jp」や「cash.jp」というのが「南青山1丁目」「銀座4丁目」などの住所にあたります。
このドメインを「メジャー感」があるものにしておくことは有効です。多くの人にいい印象を与えることができる。
たとえば「六本木や銀座の一等地に土地を買った」と言えば「どんなビルが建つんだろう?」「何が始まるんだろう?」と期待値を上げることができます。「何かが始まる」という予感を生み出すことができるのです。
いいドメインを取得しようとすると数百万円かかることもよくあります。cash.jpは400万円かかりました。ぼくは安いと思ったし、すぐに回収できると思った。実際に一瞬で回収できました。
何よりも前例のないサービスは価値を伝えづらいから、説明コストを省きたい。
すぐに現金化できるという価値を一言で伝えるために、サービス名は「CASH」、ドメインは「cash.jp」にしたかった。
長々と説明しても聞いてくれないし、半分以上の人が理解してくれません。
だから、誰でもわかることが大切。説明書がいらないところまで簡略化するのです。
CASHもただの「買取」アプリ
言ってみればCASHだって、ただの「買取アプリ」です。
でも、ぼくらは一貫して「買取」という言葉を絶対に使いませんでした。ずっと「目の前にあるアイテムが瞬間的にキャッシュに変わるアプリです」と言い続けています。
「目の前のアイテムが瞬間的にキャッシュに変わる」と言うと「魔法感」があります。新しさがある。ぼくはこうした表現を大切にしているのです。
CASHはモノの写真を撮ったら、そこに瞬時に金額が表示されます。たとえば「グッチのバッグ」の写真を撮ると「2万円」などと金額が出る。
ただ、ぼくらはすべての写真を確認して、「これは2万円だな」と判断して金額を提示しているわけではありません。写真は一切見ずに「ノールック」で買取をしています。
実は、写真は必要ないのです。財布なら「財布」と入力するだけで実はOKです。写真を見て買取をしているわけではありません。先にお金を振り込んでしまいます。
仮に写真を送ってもらっても、見てから振り込むわけではないのです。「グッチのハバッグ」を撮ったら、お金がもらえます。写真があってもなくても、結果は一緒。
それは「グッチのバッグです」という言葉を信用しているわけです。「アイテムを送ってくれるかどうか」も信用で成り立っています。ただ、嘘をついたら、不正をしたら二度と使えなくなります。
つまり「これがお金に変わった!」と思ってもらうためだけに写真を撮ってもらっている。
この「モノが瞬間的にお金に変わる」体験が気持ちいいのです。写真はその気持ちよさのために撮ってもらっているだけなのです。
どんなよいサービスでも使って気持ちよくないものは流行りません。表現がすべてだといっても過言ではありません。
触って気持ちよくなければやめる
ぼくは「こんなモノがあったらいいのに」というものは、まずはすぐにモックアップというデザインのみの状態のダミーアプリを作ってしまいます。
このスタイルは昔から変わりません。感覚的には、つねに「実験」なのです。
作って、出して、反応を見る。楽しい作業です。できたら触ってみて、どんどん改善していく。だから触ってみてやめたサービスがいっぱいあります。
いつも触ってみて判断するのです。ビジネスモデルとしては優れていても、気持ちよくなければやめます。大切なのは「見せ方」「表現」、そして「体験」です。
「気持ちいい」とか「これなら思ったとおりに表現できる」ということが大事なのです。ぼくが意図しているとおりにビジネスを見せることができるかどうか。
多くの人は、いいサービスだから、テクノロジーが画期的だからといって、使ってはくれません。それよりも「体験として気持ちいい」とか「ストレスがない」というほうがよっぽど大切です。
いつも「この見せ方だったら、驚きがあるな」「この体験だったら気持ちいいな」といった判断軸で考えています。
いかに「世界観」を変えるか
CASHは、ロゴをかわいくしたり、全体のイメージカラーを黄色にしたりして、ポップな雰囲気を作りました。
それは「金融」や「借金」といった、とにかく固くて悪いイメージを払拭したかったからです。
CASHも捉えようによっては、それに近いビジネスに見えてしまう。そんななかで、どれだけ違うイメージを与えられるか、いかにカジュアルにして、楽しい感じで提供できるか、が勝負どころなのです。
ぼくのところには「投資してください」という人がたまに来ます。あるとき、美容整形のアプリを作ろうとしている人たちが来ました。
ぼくは整形にすごく興味があります。なぜかというと、市場が大きいからです。こんなに需要があるのに、市場はあまり変わっていない。
整形をやりたいと思っているのにやっていない人が多いということは、市場は広がる一方です。価値観さえ変われば、多くの人がやってもおかしくないということです。
いまの「整形」という領域は、みんな興味はあって需要はあるのですが、「怖い」とか「痛い」というイメージが強すぎます。「整形した」なんてことはあまり大っぴらに言うことではありません。そこをどれだけ変えられるか、です。
見せてもらったアプリは、よく見るような痛々しい「ビフォーアフター」の写真が載っていて、いまの美容整形の世界観そのままでした。
これだと従来の市場を狙うことになるので、広がっていく可能性は少ないと思いました。
すでに多くの人は、メスを使う手術が行なわれることを知っています。それならば、そこでわざわざリアルなビフォーアフターを見せなくてもいいのかもしれない。
そこでぼくは「ビフォーアフターは、雑誌の『anan』で使われるような、かわいらしい女性のイラストでもいいんじゃない?」とアドバイスしました。
よくタクシーに置いてある美容整形のパンフレットを見せるのではなくて、女性誌でファッションのトレンドを見ているような体験をしてもらう。そうすることで興味を持ってくれるかもしれません。一歩を踏み出してくれるかもしれない。
生々しい写真を見ると、多くの人は引いてしまいます。美容整形を新しい「ファッション」のサービスとして表現し、世の中に出すのです。
いかにポップに、楽しく、カジュアルに、ファッションのように美容整形に興味を持ってもらうかが大切です。本当に「見せ方、表現、ブランド」次第で市場は変わるのです。
STORES.jp は「見せ方」の勝利
見せ方が大切だと実感したのは、STORES.jpを多くの人が利用してくれているのを見たときでした。
あれは仕組みが画期的だったわけではなく、見せ方の勝利です。パソコンに詳しくない人にも「お店を作れるサービスだ」と理解してもらえたことが強みになりました。
STORES.jp はいってしまえば、ただの「販売ページ生成サービス」です。それはヤフオクでもどこでもやっていることなのですが、「どう見せるか」「どう伝えるか」で差別化したわけです。
そのページを「世界にひとつだけのあなたのオンラインストアですよ」と「表現」しただけで一味違う体験になったのです。
ZOZOが「ツケ払い」というサービスを提供していますが、あれもただの「あと払い」です。
「あと払い」という決済手段は昔からありますが、それを「ツケ払い」と言い換えただけで、あんなに話題になったのです。そして、売上も上がった。
「ツケ」という、みんなが知っている言葉を使うことで、「え、そんなのやっていいんですか?」と思わせているのです。
何年も前からあるのに、みんな「ツケ払い、すごい!」と言っている。「いやいや、前からあるから」と。それほど表現というのは大切なのです。
表現によって伝わり方が変わるのは、すごくおもしろいなといつも思います。
いらないモノは極限まで「削る」
アプリを作るとき、表現を考えるときは、「普通の人」が使っているところをイメージします。「これ、伝わるかなあ?」とつねに考えるのです。
たとえばそのへんにいる主婦の方がダウンロードしてちゃんと使ってくれるか? 地方の女子高生が興味を持ってくれるかどうか?
主婦の方や女子高生をバカにしているわけではなく、彼女たちが日常的に触ってくれるかがすべてだと思っています。ちょっとでもめんどくさかったら、彼女たちは使ってはくれません。
よって、ぼくがサービスを作るときは、「削る」ことのほうが多いです。「この情報いらなくない?」「このステップいらないでしょ?」と削っていくのも、ぼくの大切な仕事です。
ユーザーの思考を使わないようにする。考えずに使えるようにするということです。
たとえば、TRAVEL Nowも、なるべくシンプルにしました。
通常、旅行代理店はいろんな情報を取得しないといけません。楽天トラベルでもじゃらんでも、個人情報を記入する欄がたくさんあります。
ハワイ旅行に行こうと思っても、まずパスポート情報を入れないといけない。英語と日本語とカナ表記の名前、生年月日、住所を入力して、とすごくめんどくさいわけです。
そのフォームを見ただけで「うぇ」となる。本当は「ハワイ行きたい! ポチッ!」と楽しく手続きをしたいのです。
そこでぼくらは、「そもそも漢字いるっけ?」とか「そもそもパスポート番号って、ないと予約できないんだっけ?」ということを一から見直しました。
この「そもそも」が大事です。実際に調べてみると、パスポート番号がなくても航空会社に予約は入れられます。
「じゃあいらないじゃん、取ろうよ」「これも外そう」「これも外そう」と言って極力シンプルにしていきました。
最後は「そもそも名前っている?」という話になったのですが、名前はさすがに必要でした。
ただ、カタカナの情報だけでも予約はできるとわかった。「じゃあ漢字はいらないじゃん。カタカナだけにしよう」。そこで TRAVEL Nowでは、カタカナしか書いてもらっていません。
とにかく表現と体験が大切なのです。サクサクサクサク、気持ちいい、となることが重要。
「サービスの明暗を分けるのは、世界観、体験、表現だ」といつもぼくは言っています。
「人間はどんどん思考停止して、ゾンビみたいになる」光本勇介が描く未来予想図
お金以外のあらゆるモノに価値が付く
これまでモノは、単に「モノ」として扱われることがほとんどでした。しかし、今後は「モノもお金」という時代になっていきます。
つまり、モノにも価値が認められるようになり、お金の代わりにモノで払ったり、お金を介さなくてもモノとモノで取引できたりするようになっていきます。
お金以外のあらゆるモノに価値が付いてきているのがいまで、今後はさらにそういう傾向は加速していくと思っています。
たとえば吉野家の牛丼を食べに行って、会計をするときに「お金じゃなくて自分の時間で払います」とか「この本で払います」と言えるようになる。
冗談っぽく聞こえるでしょうが、ぼくは本当にそういう時代が来ると思っています。
いまは「タイムバンク」でも「VALU」でも、価値を交換するときにいったん「お金」を介していますが、その介在もいらなくなるということです。
もしタイムバンクと吉野家が提携したら、時間で決済が可能になるでしょう。牛丼1杯が「ぼくの場合は10秒だよね」「堀江貴文さんの場合は1秒」というぐあいです。
昨年、池袋のパルコで「リアル店舗版CASH」をやりました。古い服やカバンを持って行くと、店員がパシャッと写真を撮ります。すると「4500円です」などと言われて、そのぶんの買い物ができるというものです。いわば現代版の「物々交換」です。
物々交換というと廃れていく決済手段だと思われがちですが、一周回ってまたやって来ると思っています。
根っこにあるのはテクノロジーです。技術によって、物々交換がすごくスムーズにできるようになっていくのです。
「価値のグーグル翻訳」を作りたい
世の中はどんどん複雑になっていきます。情報もあふれていくし、さまざまなモノやサービスがあふれていく。「価値」という観点でも、便利になる一方ですごく複雑になっていきます。
いま「お金」は、紙幣や硬貨などの物体です。物体だからわかりやすい。しかし今後、お金以外のモノにも価値が付くことによって、どんどん複雑になっていくのです。
なぜ複雑かというと、モノに対して「これは1000円です」と言うためには1000円の根拠となる査定軸というか、リテラシーが必要だからです。
「これは200円です」「あなたの時間は30秒あたり1万5000円です」など、あらゆるモノに価値が付く。そのための査定軸が必要になります。
「これは1000円です」ということを受け入れるためには納得できる材料が必要でしょう。ただ一般の人がその査定軸を持つことは難しいはずです。
ぼくらは、その査定をしてくれる「価値の翻訳サービス」みたいなものを作りたいと思っています。グーグル翻訳は日本語の「リンゴ」を英語の「Apple」に換えてくれますが、それの価値バージョンです。
たとえばCASHのように、モノの写真を撮った瞬間、「これは1000円です」と表示されるようなアプリはできないか。もしくは、目の前のモノと同じ価値のモノが表示される。
AIなどの技術を使えばできるはずです。これができれば、漁師はとれたマグロの写真を撮って和牛に換えることができます。
「世の中では、これとこれはだいたい同じ価値ですよ」とサジェスト(示唆)してあげられるのです。
このサジェストは絶対的なものではないかもしれません。ある種の「決め打ち」です。
でも、「BANKが言うならそうだろう」と思ってもらえればいいのです。グーグル翻訳だって同じでしょう。文章を入れて翻訳が出てきて、「まぁ、グーグルが翻訳してくれるのなら、だいたい通じるだろう」と思うはずです。
いま、LINE PayやPayPayなど、各社が「決済」の覇権をとることに必死になっていますが、決済の手段もデジタルに限らず、もっといろいろ増えていくのではないかと考えています。
「物々交換」だって「決済」です。今後、いろんな手段が出てくるでしょう。
「思考停止」の時代になっていく
ぼくは今後、どんどん「思考停止」の時代になっていくと考えています。よって、「どれだけ思考停止させたまま、サービスを提供できるか」というのはすごく意識しています。
いわば「人間がゾンビみたいになる」ということです。確実にそうなります。誰かが「あっちだ!」と言えば、何も考えずに動くというようなサービスが流行るはずです。
脳を使わなくても生きていける時代がやってきます。そもそも人間はめんどくさがりやです。より便利なモノが生まれると、かならずそちらに流れます。
たとえば昔は、CDやDVDをレンタルしてきて家で楽しむことが普通でした。しかし、iTunesやNetflixなどが登場し、パソコン上で、オンラインで楽しめるようになったら、わざわざレンタルしに行く人は激減しました。
それもたった数年で、これだけの変化が起こったのです。
人間はどんどんアクションしなくなります。たったワンクリック、検索すらしなくなっていくのです。
レシピの業界も、かつては「クックパッド」が圧倒的に強いサービスでした。ただ、クックパッドは、レシピを見たところで思考しないと作れません。読んで、理解して、想像して、再現しなければいけない。
そのうち「クラシル」などの動画レシピサイトが登場し、多くのユーザーに利用され始めました。なぜこんなに支持されるかというと、「思考停止」したまま動画をマネさえすれば料理ができるからです。
いろんな業界にトッププレイヤーがいてサービスを提供していますが、ほとんどは思考を使わないとそのサービスを受けられません。
そこでそれらのサービスを「思考停止したまま」提供できるように作り替えたら、絶対に業界の構図を塗り替えられるはずだと考えています。
たとえば、お腹が空いたら「食べログ」を見るでしょう。ただ、食べログも見るとお店がいっぱい並んでいて、ジャンルや、場所、価格帯を選ぶなど、それなりにめんどくさいわけです。
「ランチに何を食べればいいのか」をいつも考えるのはめんどくさい。
だからぼくは「お腹空いた!」と思ったら「ランチ」というボタンを押して、自動的に「今日はラーメンを食べてください」と言われたいのです。
アプリにはだいたいの予算やNGの食材だけをあらかじめ入れておきます。そうすると勝手に選んでくれるのです。
そのうちラーメン屋さんを探すのも、めんどくさくなります。アプリは「エレベーターで下りてください」「まっすぐ行ってください」「右に曲がってください」「そこで食べてください」と誘導してくれます。
アプリに言われるままに食べる。ゾンビのようでイヤだなと思うかもしれませんが、絶対にそういう時代になっていきます。
これは、旅行にも応用できるでしょう。アプリを立ち上げるとルーレットが回って「ハワイ」と出る。ワンタップで旅行の手続きが完了し、勝手に連れて行ってもらえる。
そんな時代はすぐ目の前にやってきています。
よくも悪くも、世の中は圧倒的に便利になってきていて、消費者は思考を巡らせるのがめんどくさい人であふれてきています。
どれだけ頭を使わないで、いままでの世の中を再現できるか。ぼくはいつもそこを意識しているのです。
「衣食住」は無料になる
最近は、AIの会社が上場したり、ものすごい時価総額が付いたりするケースが増えています。
このあいだ上場した、あるAIの会社の社長の発言がすごくおもしろいなと思いました。
「ぼくたちは世の中の仕事をなくしたい」と言っていたのです。「ぼくたちが作るAIによって人から仕事を奪うんじゃなく、ぼくたちのAIに仕事をやってもらって、新しい価値をみんなに提供していきたい」と。
ようするに、仕事はAIにやらせて、ベーシックインカムのようなものを実現したい、 と言っていた。これは「超おもしろい」と思いました。
ロボットやAIは「人から仕事を奪う」という捉え方しかされていません。脅威であり、悪者であると。
ただよく考えてみれば、同じだけの生産性があるのなら、そこで稼げているわけなので、その稼いだお金のシャワーを多くの人に提供することも理論的には可能です。
よって、「働かない世の中」が実現できるのです。
先ほど「言われたまま動けばいい」と言いましたが、究極的には「働かないで生きていける世の中」になるかもしれません。
AIをフル活用したら、農作業も、服作りも、限りなくコスト0円に近づくでしょう。
よって「ベーシックインカムで月10万円」などではなく、「衣食住は無料」という世界も可能になるかもしれません。
エンタメが強くなる
そういう世界になれば、働かない人はどんどん増えていきます。
SHOWROOMの前田裕二さんは「GAFAの次に覇権を獲得するのは誰か」(GAFA:Google、Apple、Facebook、Amazon の4社)というインタビューのなかで 「これまでの可処分時間の奪い合いから、可処分精神の奪い合いになる。心の奪い合いに変わっていくから、エンタメを提供する人が強くなる」という主旨のことを言っていました。
AIやBI(ベーシックインカム)の時代になると、だいたいの衣食住は満ち足ります。後は、心を動かしてくれる存在が求められるから、エンタメ産業が盛り上がるというのです。
働かなくなれば、みんな暇になっていきます。その暇をつぶすためのサービスは人気になるでしょう。昼の3時に仕事を終えて、その後は全部エンタメの時間です。
堀江貴文さんは、ミュージカルをやっている理由を「絶対にみんな暇になるから、能動的にお金を払うのはスポーツか演劇かカラオケくらいになる」とインタビューで言っていました。
フィットネスとしてのスポーツはなくなる
個人的には、フィットネスとしてのスポーツもなくなると思っています。
「スポーツって意味あるの?」と思うのです。ぼくは心から運動が嫌いなのです。
ちなみにぼくが走っているのは体型を維持するためであって、「好きだから」「気持ちいいから」ではありません。
もちろんスポーツが好きな人はいるし、趣味としてやる人はたくさんいるでしょう。スポーツを非難するつもりはまったくありません。
でもぼくは、スポーツ自体はニッチになると思っています。10年でスポーツジムはなくなる(本当はなくなってほしい)とぼくは思っています。
なぜスポーツジムに行くのかというと、健康や体型維持のためです。しかし10年後には、サプリで健康や体型維持ができるようになる。
10年後の子どもは、ジムのランニングマシーンで走っている人の動画を見て「ハムスターみたい」と言って笑うでしょう。「バカじゃないの? ベルトの上で走っててウケる」と。
ただのランニングは、なんのエンタメにもなっていないし、痩せるためにあんなに運動をするのはおかしな話です。痩せる薬も、これだけ医療が発展しているのだから絶対にできるのではないでしょうか。
ここで伝えたいのは、医療技術やテクノロジーの変化の速いいまの時代は、何か一つの商品が発明されるだけで大きな市場がいきなりなくなってしまうということです。
もし本当にスポーツがなくなれば、フィットネスジムやサプリメントなどスポーツ関連産業の相当数が一気に消えます。
どんな市場でもいきなり変化を迫られる可能性があると頭に入れておくといいかもしれません。
給料を“先払い”したら、人はちゃんと働くのか? 光本勇介がトライしたい「実験」の数々
さまざまな業界でやってみたい「実験」
ぼくは、なんだかんだ言って10年も事業を作ってきました。ぼくはビジネスが大好きです。
シンプルに「お金を稼ぐ仕組み」を考えることが好きなのかもしれません。
ひとつのアイデアがポンと浮かんだときに、「じゃあ、こういうことができるかも」「こっちにどんどん展開していけるかも」などと考えることが楽しいのです。
すごく深く考えているわけではないのですが、さまざまな業界について「この業界なら、こういう問題を解決したい」ということがあります。
具体的にいくつかご紹介したいと思います。
がん検査をもっとカジュアルに
医療業界を見ていて、ぼくが興味があるのはたとえば「がん」です。
2人に1人ががんになって、3人に1人ががんで死ぬといわれています。あまりそんなイメージはないのですが、これほどの人ががんで死ぬというのは、ものすごい事実です。
日本に限らず世界でいちばん人を殺している病気は「がん」でしょう。これはわかりきっている「事実」であって、自分は相当に高い確率でがんになることが目に見えているわけです。
それなのに「なぜみんな、1年に1回しか人間ドックに行かないの?」と思います。
たとえば、ものすごくカジュアルに月1回、がんの検査ができるサービスができないかなと考えています。
1ヶ月に1回検査をしたら、治る確率は上がります。
がんの種類によっては難しいものもあるかもしれませんが、ほとんどのがんは早期発見すれば治せるはずです。相当な数の人の命を救えると思うのです。
こんなにがんで人が死んでいるのに、1年に1回しか人間ドックに行かないというのは、とてもナンセンスです。
がんの検査を、時間をかけずに、超カジュアルに、安く、究極的にはタダで、マスの人たちにしてもらえるサービスを提供できたらいいな、と思っています。
人間ドックやがん検診は、あきらかに市場があります。しかし、既得権になっているため、なかなかイノベーションが起きません。そこを変えることができたら、いろんな可能性が生まれます。
多くの人は医療の検査を「高額なのがあたりまえ」「年に1回くらいがあたりまえ」「1日かかるのがあたりまえ」だと思い込んでいます。
でも、そんな常識にとらわれる必要はないのです。「人間ドックは月に1回、検査キットに唾液を垂らすだけ」という時代が来るかもしれません。
結果はアプリに表示されて、つねにスマホで、無料で健康管理をすることも不可能ではありません。検査をするたびに献血のように特典やお金がもらえたらさらに楽しいですよね。
現実味がまだないかもしれませんが、きっとそういう時代が来ると、頭の片隅にアイデアを置いておくだけで、点と点が線になって、具体的なサービスにつながることがあります。
セキュリティサービスをマス化する
セキュリティ業界も、一時期すごく興味があって、ネタ帳の「1軍」にしていたテーマでした。
セキュリティ業界の二大巨頭は「セコム」と「アルソック(綜合警備保障)」です。セコムのほうが規模が大きく、時価総額は1社で約1.5兆円もあります。
誰がお客さんかというと、ほとんどが「B」、企業です。企業か、ごく一部の超富裕層。
だから、このセキュリティというサービスを「マス化」することに、すごく興味があったのです。
セキュリティというサービスは、ごく一部のお金のある人しか受けられません。
では、上京したてのお金のない18歳の女子大生がセキュリティのサービスに興味がないかといえば、絶対にある。需要はあります。
ただ、月2万円もかかっちゃうし、「ワンルームのアパートにセコムなんて入れられないよな」とあきらめるわけです。現実的なのは、オートロックのマンションを借りることくらいです。
ただ、それだってやっぱりお金はかかります。
そこでたとえば、セコムのような監視カメラは無理かもしれませんが、ドアや窓が勝手に開いたらアプリで教えてくれるサービスなら安く作れるかもしれない。もしくは温度を感知して教えてくれるアプリでもいいでしょう。
本当に誰でも最低限のセキュリティサービスを受けられる、そういうものを無料でばら撒く、というのはできそうです。
玄関や天井に簡単なカメラキットをつけてもらえば、セキュリティをすべての人に提供できるかもしれません。
このサービスで壊したい「あたりまえ」は、「セキュリティというサービスは法人向けである」「一部の富裕層向けである」「セキュリティは高額である」ということです。
安全に過ごしたいという欲求は誰にだってあります。安心感は誰しもが欲するもの。
よって、これまで法人や一部の人だけに提供されていたセキュリティというサービスをマス向けにするだけで市場は大きく広がるはずなのです。
法人向けのサービスを個人向けにできないか?
一部の人にだけ提供されているサービスをマス向けにできないか?
ここに可能性は転がっているのです。
飲食・小売業界は、金融事業化すればさらに儲かる
飲食・小売業界は、金融事業に変換することでさらにお金を生み出す可能性があります。
全国に230店舗フランチャイズ展開している、売上約170億円、利益約3億円の飲食系上場企業がありました。従業員は2000人近くいて、人件費は年間なんと55億円。
この企業を知ったとき、「170億円も売上があるのに、利益は3億円しかないのか」というのが率直な感想でした。
もしぼくが経営者なら、利益を増やすためにこんなことをしてみたいと考えました。
1. 従業員向け「給料アプリ」を作成
基本的には給料が振り込まれるのは月に一度ですが、アプリを開くとその日に働いた給料を即日引き出すことができます。
2000人の従業員に支払っている年間55億円の給料のうち、仮に20%が日払いで引き出された場合、11億円が振り込まれることになります。
これに対して、早期払い手数料を数%もらうだけで、利益をぐっと増やすことが可能となるのです。
2. 従業員に対して「貸金サービス」を提供
従業員のなかには、「お金を一時的に借りたいけど、消費者金融は怖くて借りにくい」と思っている人も多いはずです。
そのような人たちに対して、融資サービスを提供し、金利でビジネスをしていきます。
従業員にとっては自分が働いている会社から借りるという安心感もあるし、会社側もすでに働いてくれている従業員ならばデフォルト(融資の踏み倒し)をする率も低いだろうと想定できます。
3. フランチャイズ店舗に「材料融資」を実行
材料費は先にお金が出て行くため、キャッシュフロー的に苦しんでいるフランチャイズ店舗も多いはずです。
そこで、材料の費用ではなく材料そのものを提供し、売上に応じて後から材料費をもらうという仕組みを導入してみます。
たとえば材料費が100万円かかるとします。もし100万円を融資しても、回収できる月利は多くて1万〜2万円程度。
しかし、100万円相当の材料をお金を取らずに提供し、その材料で300万円の売上が立った場合、店舗の利益は200万円になります。
そのうちの20%をもらう契約にしていたら、40万円儲けることができます。
これを毎月数百店舗に提供すると、お金を貸して金利をもらうよりも圧倒的に利益が出せるのです。
4. 顧客に対して「ツケ飲食」を提供
お客さんがお金を払わずにツケで食べることができるサービスで、食事代を通常の20%高くなるように設定します。
この店舗の平均客単価は2000〜3000円なので、20%高くなっても数百円程度。お客さんにとっては「このくらいなら払ってもいいかな」と思う金額です。
もし年間売上170億円のうち10%の17億円分、お客さんがツケで食事したとしたら、その20%の3.4億円が追加利益となります。
以上はほんの一例ですが、金融事業化することで収益を伸ばす余地はまだまだあると思っています。
給料先払いサービス「WORK」
最近、「人手不足倒産」という言葉をよく聞くようになりました。
売上も良く、利益も出ているのに労働力の確保がうまくいかないことが原因で倒産してしまう企業が後を絶たないということで、社会問題にもなっています。
これを解決するひとつの手段として考えたのが給料先払いサービス「WORK」です。
実は2018年にリリースしようと作っていたもので、CASHと同様、ユーザーを信じて先に給料を支払い、あとから仕事をしてもらうという性善説に基づいたサービスです。
アプリを開くと大量の日雇いバイトのリストが並んでいるのですが、ユーザーが入力する情報はたった2つだけ。「働きたい日」と「働きたい場所」です。
検索してヒットした日雇い仕事のうち、興味がある仕事のページで「WORK」というボタンを押すと、その瞬間に日給分の8000円がユーザーに振り込まれます。
ちなみに、この時点でユーザーから得ている個人情報は電話番号だけです。
世の中には日雇い労働力を求めている企業がたくさんあります。ぼくたちはそれらの企業から日給1万円をもらい、2000円を利益として得る。
ユーザーには「約束した日にちゃんと仕事場所に行って仕事してね」と伝える。とてもシンプルなモデルです。
途中で他の事業の優先順位が高くなったため開発をやめたのですが、どのくらいの人がちゃんと働き、どのくらいの人がバックれるのか、そもそもちゃんとビジネスとして成り立つのかを実験してみたいなと思っていました。
新幹線のワゴン販売をオフィスに展開
新幹線でよく見るワゴン販売。平均売上は1往復で7万〜8万円なので、数往復したら1日で数十万円もの売上になる計算です。
コンビニの1店舗あたりの平均売上が50万円前後と言われていて、これに匹敵する規模です。
ぼくはこれをオフィスでやりたいと思っています。
方法は至ってシンプル。1日中、ワゴン販売のお姉さんがオフィスをただぐるぐる回るだけです。
新幹線のワゴン販売もそうですが、特別欲しいものがなくても、隣に来るとつい何かを購入してしまうことがあります。
オフィスでも、真横をワゴンが通ったらついコーヒーやお菓子を買ってしまうという機会を大量に生み出せる気がします。
オフィス内でお菓子を売る有名なサービスに「オフィスグリコ」がありますが、年間50億円以上の売上があるそうです。
オフィスグリコはお客さんが来てくれるのを待つ 「受動的」なビジネスですが、ワゴン販売のようにデスク横まで行ってコーヒーを売るような「能動的」な販売方法にするだけで、オフィスグリコの数倍の売上はすぐ作れるのではないかと目論んでいます。
ランチを無料にする実験
数年前、格安お弁当屋さんを経営していたことがあります。
最終的に、400社で働いている方々に対して月間2万個を買っていただけるまでに販売数を伸ばすことができました。
ただ、1食500円で販売していたので、月2万個もの弁当を売っているのにまったく利益が出ませんでした。
当時ぼくは「このお弁当を無料にしたらどうなるだろう?」と考えていました。
「500円で2万個」も売れるなら、「無料のお弁当」にしたら10倍の20万個はすぐに配れる自信がありました。
毎月20万人に物理的にリーチできるのは、それだけで非常に価値があるので、マネタイズの方法はいくらでもあります。
お弁当をメディアにして広告を掲載してもらったり、お弁当に添付するサンプル品を提供してもらったり…。
結局、この「実験」をする前にお弁当屋さんの会社は清算してしまったので試せなかったのですが、いまでも無料ランチの「実験」に興味があります。
「車の名義」という概念をなくす
いま、個人間で車の売買をするのは、ものすごくめんどくさいです。
メルカリで服を売るように、カジュアルに車を売買できるサービスが提供できたら、個人間でもっともっと取引されるはずです。
いまはお金と車のやりとりだけではなく、さまざまな手続きをしなければいけないのです。
結局めんどくさくなって「新車を買ったほうがいいや」とか「中古車会社に売ったほうがいいや」となる。
とにかく法律がめんどくさい。手続きがめんどくさいのです。保険も名義変更をしないといけません。
このめんどくさい部分を裏でがんばって成立させられれば、アプリにすごく簡単な入力をしてもらうだけですむようになります。
ぼくが「個人で車を売買するのは難しい」という問題を解決するなら、ひとつ会社を作ります。
たいていの人は車を買うとき、その車の販売会社でローンを組むでしょう。そうではなく、欲しい車があったらぼくの会社に連絡して、そこでローンを組んでもらうのです。
ちゃんとメリットはあります。普通は100万円の車だと100万円のローンを組みます。しかし、ぼくの会社でローンを組むと100万円のローンが80万円になるのです。
そうなると、ぼくの会社を多くの人が指名してくれるようになります。そこで何が起きるかというと、車の名義をすべてその会社にさせてもらうのです。
車は実質、ぼくの会社のモノになる。
もちろん、これまでと変わらず普通に乗ることはできます。実際、車に乗っていて名義なんて意識しないでしょう。車検証の名前が違うだけで、たいした意味はないのです。
「日本中のすべての車の名義を所有する」ことが、この会社のミッションです。
すると、その会社がすべての車の名義を持つので、世の中から「名義変更」という概念がなくなります。
これはどう便利なのか?
たとえば3年経って「車を売りたいな」と思ったとき、買いたい人に直接売ることができるのです。
会社としては、保険の仲介ビジネスもできますし、「この人は、もう5年も乗っているからそろそろ売るだろうな」と思ったときに売却を促すこともできます。
これが実現すれば、巨大な中古車売買の市場をとることができます。
個人が個人に売るので、中古車会社に流れず、「CtoC」になるのです。厳密には「CtoC」に見せかけた「BtoC」です。「CtoCふう」のビジネスになります。
世の中のあらゆる車の名義が同じ会社だったら、すごく楽になります。
「車はいらない」と思ったら、アプリの「売るボタン」を押す。その瞬間に他の1200万人はいるだろうユーザーに向けて、「この車、出たけどいる?」と自動出品される。そんな仕組みも可能です。
「実験」しないともったいない!
ぼくは、ゲームをするように、知恵の輪を解くように、世の中の問題を「こうやったらいいんじゃない?」と思考して、実際に試してみることが大好きです。
はっきり言って、毎日がすごくおもしろい。毎日、社会実験をやっている感覚で、ワクワクが止まりません。
CASHも一度休止してから、約2ヶ月後に再開しましたが、最初の16時間の結果と、24時間サービスを回したときの結果とで、ユーザーの動向はぜんぜん違うのです。
詳細は企業秘密なので言えませんが、見ているだけでめちゃくちゃおもしろい。
これらの結果やデータは、蓄積すればするほど自分たちの資産になっていきます。世間でいわれる「失敗」もすればするほど、自分たちの糧になっていくのです。
「実験思考」が身につくと、世の中に課題があればあるほど、楽しくなります。
不便なこと、めんどくさいことが、ぼくにとっては「宝物」になり、世界が180度違って見えてきます。
しかも、すべての失敗が貴重なデータになっていくので、失敗という概念すらなくなります。毎日が楽しくならないはずがありません。
ぼくはまず、大きな時代の流れを「鳥の目」で見ます。すると、「人は思考しなくなり、所有しなくなる」など、未来のかたちがおぼろげながら見えてきます。
そして、「虫の目」で普通の人が日常的にどんなモノを欲しているのか感じるのです。すると、日常的に使われる新しいサービスのかたちが見えてきます。
それが見えたら、そのアイデアや仮説を実行してみて、検証します。そこで何が起きるのかを観察してみるのです。
先の見えない時代、混沌とした時代は、普通の人にとっては不安な時代かもしれません。しかし、実験思考の人にとっては、これほどおもしろい時代はありません。
さあ、実験をしよう
本書では「本の価格を読者の自由に委ねてみたら、定価で売った場合より儲かるのか?」という実験をしています。
通常1500円のところを原価の390円で販売し(電子版は印刷が必要ありませんので0円で販売させていただきます!)、「価格自由」でお支払いいただくことでお金を回収できるのか。
人は、購入した本を読み終わったあと、プラスでいくら課金するのか、あるいはしないのか。その結果にすごく興味があります。
皆さんにお支払いいただいたお金の総額はこちらのサイト上で公開させていただいていますので、ぜひご覧ください。
また、集まったお金の半分は新たな実験に挑戦しようとする方にプレゼントすることにしました。
新たな実験に挑戦したいと応募してくださった方の中から何名かに、100万円ずつ実験費用としてお渡しするので、自分が興味のある実験をしてくれたら良いなと思っています。
編集者の箕輪さんには「狂ってる」と言われましたが、思いついたら実験してみたくなってしまうのです。
どのような結果が出るか、ぼくもまったく予想できません。この記事の最後にあるQRコードを読み取り、皆さんからのお気持ちである対価をお支払いいただける特設サイトにアクセスしてみてください。
日本中の方がどれくらい対価を支払ってくださっているかもリアルタイムで見ていただくことができますのでぜひご覧ください。一緒に実験を楽しみましょう。
光本さんの『実験思考』をもっと知りたい人はこちら!
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