ビジネスパーソンインタビュー
走りながら英語を身につける『英語の多動力』より
「恥ずかしいから話さない」ほうが恥ずかしい。英語は“小学生レベル”でもいい
新R25編集部
「グローバル化の波はどんどん拡大していく」
「僕らにはもう、英語を避けて通る道なんてない」
そう主張する堀江貴文さんは、現在も国内外でビジネスを展開しています。ずっと多忙な堀江さんはどう時間を捻出し、どういった方法で英語を習得したのか?
そのノウハウが詰まった『英語の多動力』のなかから、英語を学ぶモチベーションづくりや、堀江さん流の英語学習法を3本の記事に分けて紹介します。
ペラペラに喋れることなんて目指す必要ない
“英語”というと、ペラペラに喋れるようになることを目指す人が多い。
でも、何もわざわざネイティブと同じレベルを目指す必要なんて日本人にはないと僕は思う。
世界を知らなすぎる日本人が多い。やたらなまりがあったり、大して英語がうまくない英語スピーカーも、英語圏の国で堂々と暮らしている。
だからブロークンな英語でもいい。小学生レベルの英語でもいい。
考えてみてほしい。
日本に来た外国人たちがつたない日本語であなたに話しかけたときのことを。あなたは彼らを怖がらせるだろうか。言葉がつたないからといって、睨みつけたりするだろうか。
そんなこと、あなたがするはずない。
自分のホームタウンであるにもかかわらず、ビクビクしているのは、むしろあなたのほうなのだから。
もし逆にあなたが外国に行き、道に迷い、終電を逃し、ホテルに帰るに帰れないという事態に陥ったらどうするだろう? 言葉の違いなんてどうでもいいから、誰かに助けてほしいと思うはずだ。
本当に大切なのは、高度な英語力ではない。
人間の中身だ。つたない英語でも伝えようとする行動力のほうだ。
「恥ずかしいから話さない」ほうが恥ずかしい
恥ずかしいから外国人とは話さない、間違えるのが怖いから、英語は話さないという人が多い。
要は恥ずかしいからなのだが、いったい何が恥ずかしいのか僕にはよくわからない。
逆に恥ずかしいから話さない、人とコミュニケーションを取ろうとしないほうが、現代人として恥ずかしい。
たとえば、海外の会社のミーティングで何もコメントしない社員がいれば、自社からではなく、相手先のクライアントやサプライヤーからさえ、嫌味を言われる。
一言も発言しないと、
「あなたがここにいた意味は何ですか?」
「ああ、いたんですか。何も言わなかったから気が付かなかった」
「ああ、あの一言も話さなかった人ですね」
と平気で言われることがある。
だから未熟な英語力のまま、どんどん話す勇気を持ってほしい。
もし外国人がつたない日本語でガンバって話しかけてきたら、あなたはちゃんと話を聞いてあげようとするはずだ。
だから、こちらの英語が未熟であっても、ネイティブスピーカーたちはちゃんと話を聞いてくれる。
もしそれであなたの英語をバカにするようなら、そんなレベルの低い相手と付き合う必要はない。
下手なまま話すことで“悔しい”を持ち帰れ
英語が通じないともどかしい。日本語で言えば、本当に簡単なことなのに、どうしてうまく意思疎通ができないのか。
でも、そこで諦めてしまうか。
あるいは、何度もトライするか。
あなたが英語と長く付き合っていけるかどうかは、実はもうその時点で線引きされている。
海外旅行に出かけると、国内側の空港や税関ではまだ館内アナウンス程度にしか英語に触れなくて済むが、外資系の旅客機に乗ってしまうと、そこからが英語の時間となる。
初心者であれば、コーヒーすらまともに頼めないこともあるのではないだろうか。僕にもその経験があるからわかる。なにしろ日本ではカタカナで「コーヒー」と頭に刷り込まれているのだから最初は仕方がない。
便宜上、カタカナで示すが、正確には「カフィ」のように発音しなければ伝わりにくい。でもそれを知っている人が意外に少ないのだ。
だから、旅客機に乗って初めて、「どうして伝わらないんだ」という悔しい思いをする。
それでいいのだ。
その悔しさが学習へのモチベーションへとつながるのだ。
最初から伝わってしまったら、カタカナ英語信奉者になってしまいかねない。だから最初は伝わらないほうがいい。そして、「ネイティブの発音ってなんか少し違う」ということを身をもって知るのだ。
学生はもちろん、社会人のあなたも、ひたすら“悔しい”思いを外国人の前で重ねればいい。
下手な英語でネイティブに会話を挑み、“悔しい”をもらって帰ってくる。いや、あえて下手な英語で挑むからこそ、悔しさを重ねてくることができる。
そしてその悔しさが残っている間に英語を調べるのだ。もう二度と同じような思いをしないために。
自己防衛、あるいは強い英語への好奇心が“悔しい”から芽生える。
それがあると英語はどんどん頭に入ってくる。
勉強の本質とはこういうことではないだろうか。
日本語が通じるところから出て、英語が交わされている場所に毎日行け
日々のルーティーンのごとく日本語が普通に通じる場所ばかりにとどまっていては、悔しい体験はできっこない。
外に出て行かなければならない。海外旅行、英会話スクール、オンライン英会話、外国人が集まるレストラン…どこでもいい、英語で言葉が交わされる場所に毎日行く。
本気で英語を習得したいなら、それを日課にしてもいい。
いつしかそれは“悔しい”ではなく“楽しい”に変わっていく。
成功者とされる一流の経営者の中には、意外と「今日、俺歩いて帰るから」と言う人が多い。多少効率が悪くても、いつもと違う時間を使えば、入ってくる情報の質が変わり、良質な刺激を得られることを彼らは分かっているのだ。
普通とは違うことを、あえてやってみる。
これも成功の秘訣だ。
英語学習をするときは自己投資の「エグジット(出口)」をイメージせよ
僕が人と少しだけ違うところがあるとすれば、それは“折れない”ことだろう。
少年時代は普通の田舎で育ち、普通の小学校に通っていた。世間的な殻に閉じ込められていた。そして大人たちから、意味の分からない我慢を強いられてきた。
多くの人はそこで、折れてしまう。抵抗するのは疲れる。大人に言われた通りのことをやっているほうが、はるかに楽だから。
“折れる”かどうか迷っている人は、獲得できるはずの成果を、自ら手放そうとしていることに気付いてほしい。
英語習得にはさまざまなルート(道)がある。
短期間で集中して英語に触れ続けられる環境をつくろうと思うと、スクールに入るなりして、それなりのお金がかかる。
それは将来につながる自己投資であるが、やみくもにお金をかければいいというものではない。ビジネスと同じで、まず自己投資のエグジット(出口)を想定しなければならない。
投資家は投資をした会社が上場してキャピタルゲイン(利益)を得るのか、あるいはバイアウト(買い占め)してやはりキャピタルゲインを得るのか、それとも継続して大きな利益を出す会社に成長させて配当を得るのか、そうしたエグジットを考えて投資をする。
同じように、自己投資も最初に自分の投資対象に見立てる必要があるのだ。
英語を身につけ、それをどのように生かすのか。
エグジットをまず考えよう。
そしてそれを叶える教材や環境に自己資金を集中的に投資するのだ。みんながやっているから、本が売れているからと、他人に合わせる必要は一切ない。
余計なものに投資する余裕があるなら、海外旅行にでも行って、英語圏の生の会話に触れるほうがマシだ。
エグジットも考えずに物事をスタートさせては、志半ばで気持ちが折れる。
目的を作ろう。誰にも譲れない確固たる目的だ。
それは到底無理と思える目標であるほうがいい。目標は、到底できないだろうと思えるくらい大きいほうが、より大きな自信となって返ってくるのだ。
人間にできないなんて何ひとつない。自分で大きな関門を設定し、それを越えよう。
そうすれば、英語力にはもちろん、人生における大きな自信がリターンとして返ってくる。
堀江さんの「英語学習法」をもっと知りたい方はこちら!
「AI翻訳」が発達するなか、それでも英語を習得することが必須だと主張する堀江さん。
東大受験、起業、そして英語を使った多くビジネス経験を振り返り、「英語を学ぶ意義」「ビジネスマンが英語を学ぶ方法」などを落とし込んだ『英語の多動力』。
英語を勉強するためではなく、習得するための1冊です!
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