ビジネスパーソンインタビュー

【コラム】「個人のミス」はチームにとっての資産です

嘘は全員で無くして、ミスは全員で笑い飛ばしたい

【コラム】「個人のミス」はチームにとっての資産です

新R25編集部

2019/05/02

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記事提供:キングコング 西野 公式ブログ

毎度お騒がせしております。キングコング西野です。

僕が運営するオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の会員が2万4000人を突破したので、今日はそちらを記念して、毎朝投稿している記事の中から2019年3月18日に投稿した『チームビルディング 〜「個人のミス」と「システムのエラー」を区別せよ〜』を少し加筆修正して、コチラで無料公開させていただきます。

良いチームを作る上で、たぶん、とっても大切な話です。それではどうぞ。

チームビルディング 〜個人のミスとシステムエラーを区別せよ〜

おはようございます。まるでお腹が空いていないのに機内食を出されたら食べてしまうキングコング西野です。

さて。

僭越ながら、僕は本当にたくさんのスタッフと2万人を超えるコミュニティーを束ねる立場にあります。

リーダーは偉くも何ともありません。ただの「役割」で、僕なんかは勉強勉強の毎日です(※嘘です。毎晩呑んだくれています)。

そんな毎日の中で、チームの運動を前向きに回転させる為に僕が決めている「セーフ」と「アウト」の基準について、少しお話ししようと思います。どうぞ、お付き合いください。

キンコン西野が怒るポイント

僕は、「お喋り」と「文章」…つまり、「言葉」を商品にして活動させてもらっておりまして、こうして食えておりますので、自分で言うのはおこがましいですが、それなりのレベルなのだと思います。

これは僕に限った話ではなく、名の通った芸人は、素人が言葉で殴りかかるとロクなことがないレベルであることは間違いありません。

パスを出すMCのお仕事も20年近くやっておりますので、その人がいい答えを持っているかどうかは、目の動きを見れば分かりますし、質問をする時は当然、相手が返してくるであろう答えを数個ほど予測した上で質問をして、すぐにリアクションできるようにしています。

すべてのボケを拾い、すべてのイジリで受け身をとります。

そんな僕は、昔から、スタッフがミスをした時に怒るポイントが2つあります。

失敗は全然オッケー! ただし、『嘘』はつくな。

失敗は挑戦した証拠なので、“全然オッケー”どころか、大歓迎です。

ただし、僕は、僕に対する嘘を認めません。それは僕が言葉のプロだからです。

この時、“相手の力量を見誤っていること”が問題で、「キミは、言葉のプロに対して、なんでそんなハリボテの嘘で逃げ切れると思ってしまうの?」という不思議なところで叱ります。

文章の辻褄が合っていない箇所は1ミリも見逃しませんし、焦りからくる目の動きや手の動きも見逃しません。

プロボクサーに殴りかかる素人に対して、「なんで『パンチで倒せる』と思えたの?」という疑問に近いです。

まとめると、「そもそも、西野に嘘なんて絶対に通用せず、確実に論破されることが分かっているのに、なんで、そんな無駄なことに時間を使うの?」です。

なので、関係がまだそれほど深くない方と議論をする時は、必ず事前に、

「僕はミスは問い詰めません。ただ、いち早く状況を整理&改善したいので、嘘があれば徹底的に問い詰めます。なので、僕に嘘は通用しないので、時間の無駄になるのと、あなたの首が絞まるだけなので、絶対に嘘だけはつかないでください」

と断りを入れておくようにしています。

何の為の「個人のミス」なのかを把握しろ。

日本の教育の最大の失敗は「失敗すると怒られる」という考えを植え付けてしまうことだと思います。

僕はミスを怒りません。それは僕の目的が、いち早く状況を整理&改善して皆で前に進むことだからです。

そのことを知っている昔からのスタッフは「ごめん! 俺が、ここでミスった!」と、すぐに申し出てくれます。

そうすると、すぐに、“スタッフにミスをさせてしまったシステムの改善”に入れるので、メチャクチャ助かります。

そもそもスタッフがミスをしたのは、スタッフ個人の責任ではなく、スタッフにミスをさせてしまったシステムの責任であり、システムを作った僕の責任です。

皆が幸せになるシステムを作る為には、システムエラーの改善は一秒でも早くやった方がいいので、ミスの早期発見、早期報告を僕は求めています。

一方、そこで保身の為の(ミスをしていないかのような)嘘や言い逃れをされてしまうと、システムの改善が遅れて、チーム全体に迷惑がかかり、また被害者が生まれてしまうので、その時はもう、鬼のようにキレます。この時は本当に鬼です。

ここでの僕のキレっぷりは、昔からのスタッフはよく知っています。

「個人のミス」はシステムエラーを改善する為のもので、チームにとっては資産ですミスをした本人は“システムの被害者”なので、決して、責められる立場ではありません。

強いチームを作る上で、ここは共有しておいた方が良さそうです。

スタッフがミスをしたら、ミスをさせてしまったシステムを作った僕がスタッフに謝りますので、嘘や言い訳はせず、秒速で教えていただけると嬉しいです。

そもそも僕らは人間だ

今回、どうして、このようなことを話しているかというと、今後、大きな大きなプロジェクトを仕掛けていくにあたって、当然、僕のことをよく知る昔からのスタッフだけでは回らなくなってきて、サロンメンバーの皆様と一緒に汗を流すことになってくるので、「西野亮廣が何を許して、何を許さないのか?」…もっと言うと、「チームで大仕事を成し遂げる為にやった方がいいこと、やらない方がいいこと」をメンバーの皆様で共有しておこうと思いました。

そもそも。

人間なんてミスをするから価値があるわけで、ミスをしない存在はロボットに任せておけばいいわけです。

僕らはやらなきゃいけない努力は『ミスをしないこと』ではなくて、『ミスをしても許されるキャラクターになること』で、嘘や言い逃れは、そこから一番離れてしまう行為なので、勿体ないです。

嘘は全員で無くして、ミスは全員で笑い飛ばしたいです。

皆で一緒に、エンターテイメントの最高峰に行きましょう。

by西野亮廣エンタメ研究所

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