ビジネスパーソンインタビュー
「大事なのは常に楽しむ工夫をすること」
すべては母の作った“家訓”から。神木隆之介がなぜ愛されるのか本人に聞いてみた
新R25編集部
今年25歳になった神木隆之介さん。
キャリアはすでに20年越え。幅広い役柄をこなす超実力派俳優として活躍しているうえに、共演者からの好感度がとても高いことでも有名です。
そんな愛されキャラな神木さん。その愛される理由はどこにあるのでしょう…? 本人に直接聞いてみることにしました!
〈聞き手:ライター池山由希子〉
【神木隆之介(かみき・りゅうのすけ)】1993年生まれ、埼玉県出身。『バクマン。』『3月のライオン』などの映画で主演を務める。2019年2月15日からは『フォルトゥナの瞳』が公開となる。また、『屍人荘の殺人』『Last Letter』の公開も控える
ライター・池山
映画の撮影やテレビ収録などでかなり忙しいのに、インタビューを受けてくださってありがとうございます!
神木さん
いえいえ、「新R25」というとまさにボクの年齢(25歳)にピッタリです!
25歳でよかった!
母親から教えられた家訓「性格のかわいい人でありなさい」
ライター・池山
神木さんは共演者の方からすごく好かれていることで有名です。
同世代の俳優だと本郷奏多さんや福士蒼汰さん、吉沢亮さんなどから「友だちは神木隆之介です」と名前があがっています。
まわりの方からそんなに愛される理由っていったい何なのでしょうか…?
神木さん
神木家には家訓があって、もしかしたらそれが自分の性格を作っているものかもしれません。
ライター・池山
家訓ですか…? いったいどのような?
神木さん
「性格のかわいい人でありなさい」「真逆の意見も一度は受け入れなさい」「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という3つです。
これは母が作った家訓なのですが、小さいころから「性格のかわいい人でありなさい」というのは意識しています。
ライター・池山
お母さまの徳が高すぎます…
「性格のかわいい人」というのは具体的にどのような人だと思いますか?
神木さん
素直な人です。
うれしいときは「うれしい」、悲しいときは「悲しい」と、しっかり自分の気持ちを表現できる人が隣にいると気持ちがいいと思います。
ライター・池山
なるほど。でも、神木さんはその家訓を意識しなくてもずっと「かわいげのある人」だと思いますが…
神木さん
いやいや!ボクも思春期のころは素直に謝れませんでした。
「自分が折れてしまうのが嫌」と思っていたので。
それでしょっちゅう母親とケンカしていました。
ライター・池山
へええ! 神木さんってどんな理由で親とケンカするんですか?
全然イメージがわかないんですけど…
神木さん
たとえば、母から「その言い方冷たくない?」と言われて、「いや、別に冷たくないでしょ」と言い返してしまったりしていました(笑)。
ライター・池山
いや、普通だと思いますが…!
神木さん
素直になるというのは、意識しないと難しいことです。
「うれしい」「悲しい」とかの感情を表に出すには、みんなまわりの目を気にして我慢してしまうと思います。
だから、天然で素直な人はうらやましいなあと思います。
仲良くなりたい人には素直に好意を向ける
ライター・池山
ちなみに、先ほどの「性格のかわいい人でありなさい」という家訓を実践して、得したエピソードとかありますか…?
神木さん
たくさんあります! 仲良くなりたいと思った方には、第一声からすごく親しげに話しかけます。
今回出演する『フォルトゥナの瞳』で志尊淳くんと初めて共演することになったのですが、「おーい!淳~!!」と話しかけに行きました。
ライター・池山
いきなり距離がめちゃくちゃ近いですね(笑)。
神木さん
淳はかなりびっくりしていました(笑)。
でも、会えてうれしいという気持ちをまっすぐ伝えたから、すぐに仲良くなれたなあと思います。
「嫌われたくないから相手に失礼のないようにしよう」とみんな思ってしまいますが、「会えてうれしい」と素直に伝えると、より人間関係が良好に進む気がします。
ちなみに淳には、出会ったその日に家まで車で送ってもらいました。「方面一緒だから、乗っていってもいい…?」と聞いて。
「楽しさは自分で作る」神木隆之介流のセルフマネジメント
ライター・池山
神木さんってずっとニコニコしていますよね。今だってかなり忙しいはずなのに…
神木さん
どんな仕事も楽しいですから!
ボク、楽しいこと以外したくなくて(笑)。
ライター・池山
でも仕事だったら、どんなときも楽しいことばかりではないのでは?
神木さん
それは、自分でいかに楽しくするかが重要です。
たとえばボクの場合、難しい役を任されたとします。
たしかに最初は「自分らしくできない」とつまらなく感じるかもしれませんが、試行錯誤して少しでもその役がわかってくると、「オレできるかも、やったー!」と自分を誉めます。
とにかく自分を誉めると、勝手に楽しくなります。
ライター・池山
すごくポジティブですね…
神木さん
自分のテンションは自分で上げていくものだと思っています。
あとは、撮影現場でもまわりの人にどんどん話しかけます。いい作品をつくりたいという思いを持っているのは全員同じ。
だからこそ、みんなで気持ちよく芝居できたらいいし、楽しい現場だなと思ってもらいたいです。
神木さん
ちなみに何度か共演している佐藤健さんには、いつも朝一に耳元で「おはよー!!」と話しかけてウザがられています(笑)。
期待される=「自分で気づいていない可能性がある」
ライター・池山
人に見られる仕事をずっと続けてきて、息苦しさを感じたことはないのでしょうか?
神木さん
ないです!
ライター・池山
即答! プレッシャーに押しつぶされそうになったこともないですか?
普通に会社員をしていても、仕事で期待されるとプレッシャーで押しつぶされそうになるんですよ。
それよりももっと大きなプレッシャーが神木さんにはかかっていると思うのですが…
神木さん
期待されるということは、つまり、「自分のなかに、自分自身で気付いていない可能性がある」ということだと思います。
自分では難しいと感じていても、ほかの人は「神木ならできる」と思うからこそ期待してくれている。
神木さん
映画『フォルトゥナの瞳』も、ラブストーリーは初めての挑戦だったので最初はとても緊張して。
でも、まわりの方が「神木ならできる」と思ってこの役を与えてくれたわけだから、もう頑張るしかないと思いました。
4度目の共演となったヒロイン役の有村架純さんもとても信頼できる女優さんなので、助けてもらいながらのびのびとチャレンジできました。
ライター・池山
なるほど。プレッシャーで萎縮するのではなくて、「自分はまだ可能性を秘めてるんだ」ってポジティブにとらえればいいんですね。
神木さん
はい。「期待してもらっているということは…オレできるかもしれない!」と、解釈するようにしています。
それでもし実際にうまくいったら、「本当にできた!!」とめちゃくちゃ調子に乗ります!
ライター・池山
なんて素直な人。
神木さん
逆に怒られたりすると、わかりやすくテンションが下がるタイプです。怒られたくないです。
ライター・池山
ここでそんな素直さを発揮されましても…(笑)
「ボクにとって定年は40歳くらい」それまではとにかく目の前のことを楽しむ
ライター・池山
「素直」「楽しむ姿勢」というのが神木さんの愛される理由なんだとわかりました。
そんなポリシーを貫きつつ、今後も俳優業に専念していかれるんでしょうか?
神木さん
う~ん、どうでしょう。今は将来のことは考えられないくらい、毎日が楽しくて。
あ、でも40歳くらいまで働いたら、その後の人生について一度考えるかもしれません。
ライター・池山
どうして40歳で?
神木さん
普通の人は、就職してから定年退職までって約40年くらいですよね。
ボクの場合は、デビューから考えると43歳くらいまで働いたら定年かなと考えていて。
ライター・池山
なるほど。でも、そしたらあと15年くらいじゃないですか。
神木さん
そのときに、俳優を続けたいと思うか、違う仕事をやりたいか、まだわかりません。
監督や、演技を指導する立場にも興味がありますから。
ライター・池山
でも、演技の世界から出たいとは思わないんですね。
神木さん
はい。そもそも、俳優という職業をまわりから強制されたことは一度もありません。
ボクは小さいころ、身体が弱かったので、母が“思い出作り”のために芸能界に入れました。母はすぐに辞めさせるつもりでしたが、とにかく演じることが楽しかったので、自分でこの道で生きていくと決意しました。
せっかくこんな大好きな職業に出会えたんだから、毎日目の前の仕事を夢中で楽しみたい、全力で没頭したい。今はそう思っています。
テレビやスクリーンで見ていると、遠い存在のように感じてしまう神木さん。
でも、実際にお会いすると、ハキハキと話してずっと笑顔を振りまく、等身大の25歳の青年でした。
目の前の楽しさを、素直に享受すること。それが長年トップを走りながらも、みんなに愛されてきた理由なのかもしれません。
〈取材・文=池山由希子(@yukiko0731ikym)/編集=福田啄也(@fkd1111)/撮影=長谷英史〉
神木隆之介さんからのお知らせ
(C)2019「フォルトゥナの瞳」製作委員会
映画『フォルトゥナの瞳』が2月15日から公開です。「死を目前にした人間が透けて見える能力」を持った男・木山慎一郎を演じる神木隆之介さん。「ラブストーリーは初めてだったけど、とにかく楽しく撮影できました」とコメント。その演技をぜひ劇場でご覧ください!
【監督】三木孝浩
【原作】百田尚樹『フォルトゥナの瞳』(新潮文庫刊)
【脚本】坂口理子、三木孝浩
【音楽】林ゆうき
【キャスト】神木隆之介、有村架純、志尊 淳、DAIGO、松井愛莉/北村有起哉、斉藤由貴、時任三郎ほか
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