ビジネスパーソンインタビュー
「苦手な人にこそ悩みを打ち明けろ」
3日で2.5億を売り上げるキャバ嬢・エンリケが教える「心を掴むコミュニケーション術」
新R25編集部
「エンリケというすごいキャバ嬢にインタビューできるのですが、ご興味はありますか?」と担当編集から突然連絡が入りました。
彼女は日本一の売り上げを誇るキャバ嬢と言われています。名古屋の繁華街・錦町にある「アールズカフェ」で働いているのに、自身の誕生日イベントには、全国各地からファンがお祝いに駆けつける人気ぶりなんだとか。
めちゃくちゃ稼ぐキャバ嬢にコミュニケーション術を聞いたら、私たちビジネスパーソンにも生かせることはあるはず!と思い、彼女のいる名古屋のお店に駆けつけることにしました!
〈聞き手:ライター・ほしゆき〉
【小川えり(通称:エンリケ)】週7日出勤、年間360日働くというストイックな姿勢で、名古屋の錦三丁目・アールズカフェでNo.1キャバ嬢に。絶頂期のなか、2019年11月に引退することを発表。自身2作目となる著書『日本一売り上げるキャバ嬢の 億稼ぐ技術』が3月4日に発売された
ほし
人生初のキャバクラですごく緊張しています…今日はよろしくお願いします!
エンリケさん
あはは、うちは女性のお客さんも多いので、緊張しなくても大丈夫ですよ。
あ、ほら置いてある豆とかお菓子自由に食べちゃって(笑)。私も食べちゃお~っと。
ドギマギしている私にこの笑顔。すでに「デキるお姉さま感」がすごい。好きです
きっかけはブログとインスタ。バースデーイベントで2億5000万円を売り上げるキャバ嬢へ
ほし
さっそくお金の話なんですが、エンリケさんは「日本で一番稼いでいるキャバ嬢」だと伺いました。
実際、どのくらい稼いでいるのでしょうか…?
エンリケさん
2018年のバースデーイベントでは、3日間で2億5000万円を売り上げました。
最終日には150人以上のお客様が来てくださって、みなさんがシャンパンをいれてくださり、過去最高額を更新しています。
@eri.ogawa1102がシェア
誕生日イベントの写真の一部。これ全部シャンパンなんですよ…!
ほし
に、2億5000万を3日間で…!
エンリケさんは、18歳からこの業界に入って、最初は全然指名されなかったと聞いたのですが、どうやってここまで売れるキャバ嬢になったのでしょうか?
エンリケさん
私はもともと、「おしとやかにしていればいい」と思っていたんですよ。
それで自分の素を隠して、遠慮して接客していました。でも、全然指名が入らなかったんです。
あるとき、同伴したお客さんから「同伴だと面白いのに、店だとつまらないね。素を出してみたら?」と言われて、自分の素を出して接客してみたんです。
名古屋弁全開でフレンドリーに接してみたら、一気に好感度があがって、気がついたらお店で1位の売り上げになりました。
ほし
すごい…エンリケさんの素が人を惹きつけるものだったんですね。
その後、お店のみならず、全国で名前が知られるキャバ嬢になったのはどうしてでしょうか?
エンリケさん
私の場合はブログのおかげです。
ブログはもともと6年前からやっていたんですが、内容がネイルとかキラキラしたものを投稿するだけで全然読まれなかったんです。
でも、あるとき酔っ払った勢いで、自分の素をさらけ出す投稿をしたらすごく反響があったんですよ。
ほし
おお! さらけ出す投稿、とは?
エンリケさん
ま○ぐり返しのポーズをしてる姿(笑)。
ほし
えっ…
エンリケさん
「昨日ネイル行ってきたよ~」って投稿してた人が、急にま○ぐり返しポーズの写真を投稿するってやばいですよね(笑)。
でもその画像にすごく反響があって。
それから酔っ払った自分の画像をブログに載せるようにしたら、「面白いキャバ嬢がいる!」と話題になったんです。
エンリケさん
ブログで反響があったことはSNSでも生かせると思っていて。
2015年には、私がシャンパンを瓶ごと豪快に飲んでる動画をインスタにアップしたら、それにも大反響があったんです。
ブログと同じように、私自身が素をさらけ出してはっちゃけている動画はインスタでも需要があるんだとわかりました。
そこからは「#エンリケ空間」というタグをつけて、シャンパンを飲みまくってる動画を頻繁に上げるようにしましたね。
@eri.ogawa1102がシェア
それがこちら
※注意:イッキ飲みは急性アルコール中毒につながり、最悪の場合死亡することもあります。決して真似してはいけません。
ほし
それで「エンリケ=シャンパンを直飲み」というイメージがついたんですね。
エンリケさん
そう。「エンリケはシャンパンを豪快に飲んで盛り上げる女」という印象を、インスタを見ている人に与えて、みなさんが「エンリケに会いたい!」と思うようになってくださったんです。
ちなみにシャンパンの「直ビン」は1回10万円。
高額なのにみなさん指名してくださるので、売り上げに大きく貢献しているんだと思います。
ほし
10万円でも、生で見たい!という人がたくさんいらっしゃるんですね…
エンリケさんがなぜここまで稼ぐことができるのか、その理由がわかった気がします!
言いづらいことも基本「みんながいる場所」で伝える
ほし
エンリケさんがここまで稼げるのって、お客さんはもちろん、店のスタッフの方からも信頼されているからだと思うんですよね。
人の信頼を集めるために、コミュニケーションで意識していることはありますか?
エンリケさん
まず、店内の人とのやり取りは基本的にオープンな場所でしてます。
ほし
それはどうしてですか?
エンリケさん
一緒に働く人に対しては、「裏表のない人である」ことが大前提です。
陰でコソコソ話をする人は、普段から隠し事をする人だと思われてしまいます。
ほし
なるほど…! でも人前で言いにくい話もありますよね。
エンリケさん
私は後輩に注意するときも、意見を伝えるときも、お客さんの前で話します。
たとえば後輩が何かミスしても、お客さんの前で「あ、それ違うよね?」とか「ダメだよ」って言うんですよ。
もちろん、お客さんが気まずくならないように柔らかくね!(笑)
ほし
そういうのって、後で呼び出されてキツく注意されるものだと思ってました。特にキャバクラの世界は…
エンリケさん
たしかに、ミーティングとか全員がいる場所では意見を言わずに、終わってから「実はこう思ってた」って個人的に伝える人がいるけど、あれもダメ。
こっそり呼び出して、クローズドなところで叱ったり、自分の想いを伝えたりするのって基本的にいいことはないんですよ。
だって、呼び出されること自体が怖いじゃないですか。そんな状態で注意をしても、嫌な印象を持たれると思います。
だったら、パブリックな場所で完結させるべき。
エンリケさん
自分のミスでメンバーに恥ずかしい頼みごとをしなきゃいけないときも、コソコソ隠さずにみんなが見てる前でお願いをします。
ほし
ミスをしたことを知られたら信頼されなくなるかも…とは思わないんですか?
エンリケさん
未熟だとしても、自分の非をちゃんと認められる人は応援したいと思われます。
健全なコミュニケーションを徹底している人だったら、人が離れていくことはないんですよ。
「苦手かも」と思う人にこそ、積極的に自分の悩みを打ち明けるべき
ほし
では、お客さんと接するとき、意識していることはありますか?
たとえば来てくれたお客さんで、話が合わなそうだなって思う人はいると思うのですが…
エンリケさん
あ~、人のグチばっかり言ってる人とかね。
ほし
そうです!
私はとくにそういう先輩が苦手で、自分も色々言われているんだろうなって思うと、静かに距離を置いてしまうんです。
エンリケさん
うーん、でも「この人苦手だな」って思うときって大体、心を閉ざすには早すぎるタイミングなんだよね。
第一印象で人のことを決めつける人には、誰もついてこないと思うの。
グサッ…!!
エンリケさん
そういう人にこそ、自分の悩みを相談したほうがいいよ!
思い切って本当に自分が悩んでることを打ち明けて頼ってみることで、その人の尊敬できる考えとか、優しさが見えてくるから。
ほし
それってものすごく怖くないですか? その悩みを人に言いふらされるかもしれないし…
「まあね〜!わかる〜!(笑)」
エンリケさん
でも、相手に嫌われないようにうわべだけの会話をしていても、その人の本当の姿はわからないままでしょ。
ちゃんと心を打ち明けて仲良くなると、自然にお互い応援し合える関係ができるんです。それを続けていくと、どんどん頼れる人が増えていく。
だから若いうちはとくに、居心地のいい人とばかりつるまないで、苦手だと思う人にガンガン近づいていったほうがいいですよ。
失敗したら、「行動で謝る」のがエンリケの鉄則
ほし
エンリケさんも新人のころは、接客で失敗したことはあるんですか?
エンリケさん
もちろん。何度もお客さんを怒らせてしまったことありますよ。お客さんから「接し方が気に食わなかった」とか、「気が利かない」って言われたことがあります。
でも、すぐに口に出してくれる人は、また来てくれることが多いんです。
本当に自分に失望したお客さんって、絶対に文句を言わないで帰っていくんですよ。
ほし
うわぁ…厳しい…
そういうお客さんがいたとき、どんな対応をしたんですか?
エンリケさん
接客中に突然帰ってしまったお客さんがいました。
何も言わずに帰ってしまったので、何が悪かったのかもわからない。
だから、自分で何が悪かったのか全部振り返って、そのお客さんに毎日謝罪のメールを送りました。
ほし
自分の何が悪いかわからなかったのに、そこまでするんですか!?
エンリケさん
何も言わずに離れていくお客さんこそ、簡単に諦めちゃいけないと思っていて。
どうしたらよかったのかを自分で考えつづけないと成長しないんですよ。
ほし
ストイックさがすごい…
結局そのお客さんはどうなったんですか?
エンリケさん
半年後に、突然来てくれたの!
私はそのお客さんに対して、「心から楽しんでもらえなかった」ことが問題だと思っていたので、何事もなかったように「久しぶり~!全然こなかったじゃん、元気?」って最初からフランクに接しました。
ほし
ええっ!まず頭を下げるところから、ではないんですか?
エンリケさん
今まで謝りつづけてきたけど、対面でもう一度チャンスをもらえたときには、絶対に謝罪から入っちゃダメなんですよ。
その場で謝られても、まわりの人もいるし相手も居心地が悪いじゃないですか。謝罪の場なのに、相手に気を遣わせてはいけません。
ほし
たしかに…それじゃむしろ迷惑か。
エンリケさん
そうです。私は「謝罪の気持ちは行動で見せる」というのを大事にしています。
結局何に怒っていたかなんて、その人にしかわからない。でも、まずは「行動で見せる」。
その日は、目一杯楽しんでもらえるようにして、お代もいただきませんでした。そしたら、こちら側の誠意をわかってくださったのか、そこからずっと来店しては私を指名しつづけてくれているんです。
口先だけで謝るんじゃなくて、とことん向き合って謝罪の気持ちをぶつける努力をする。
それで離れていってしまった人からも、もう一度信頼を得ることができると思っています。
ほし
許してもらえるまでに時間がかかるし、ずっと心が重たいけど、そういう失敗こそ大事にしたほうがいいんですね。
エンリケさん
本当にそうだと思います。行動で謝罪ができる人には、失敗するたびに味方になってくれる人が増えていきます。
No.1になれたのも、ダメな自分も見守ってくれた人たちのおかげだと思っていますね。
信頼されるためには、とにかく「相手の顔を見ること」と話しており、まさに私の目をしっかり見てインタビューを受けてくださったエンリケさん。
たった1時間だったのに、自身の経験を振り返りながら答えてくれる姿勢にすっかりファンになってしまいました。
最初に「女性のお客さんも多い」と言っていたので男女比を伺ってみたら、なんと1カ月のお客さんのうち、半数は女性なのだとか!
キャバクラ=男性というイメージがあったので「そんなに!?」と驚きましたが、エンリケさんの仕事への誇りと、ストイックな姿勢を目の当たりにしたら、たしかに女性が憧れるのも納得。
✓
オープンなコミュニケーション
✓
苦手な人にほど心を打ち明ける
✓
行動で謝罪する
この3つを忘れずに、まずは目の前の人と真摯に向き合っていかなくてはと、肝に銘じました。
〈取材・文=ほしゆき(@yknk_st)/撮影・編集=福田啄也(@fkd1111)〉
日本一売り上げるキャバ嬢の 億稼ぐ技術 | 小川 えり |本 | 通販 | Amazon
Amazonで小川 えりの日本一売り上げるキャバ嬢の 億稼ぐ技術。アマゾンならポイント還元本が多数。小川 えり作品ほか、お急ぎ便対象商品は当
エンリケさんが3月4日に上梓した新著。日本一のナンバーワンキャバ嬢の「働き方」「稼ぎ方」「生き方」のコツ、すべてを詰め込んだ1冊だそうです。「売り上げ」「稼ぐ技術」といったビジネスパーソンでも使える技術が満載なので、ぜひご一読を!
エンリケさんが引退します!
女性である私もすっかりファンになってしまったエンリケさんですが、2月12日に「2019年11月30日をもって引退する」と宣言されました。
@eri.ogawa1102がシェア
この記事でエンリケさんのファンになった方、11月30日までは毎日お店にいるそうなので、名古屋までぜひ足をお運びください!
また、今後の活動については、自身のアメブロで報告するとのことなので、更新をお待ちくださいませ!
公式SNSで最新記事やあしたの予告をチェックしよう!
新R25は公式SNSを積極運用中。ツイッターでは最新記事の情報、インスタでは「#あしたの予告」を更新しています。
読者の皆さまはぜひフォローをお願いします!
ビジネスパーソンインタビュー
またスゴいことを始めた前澤さんに「スケールの大きい人になる方法」を聞いたら、重たい宿題を出されてしまいました
新R25編集部
【不満も希望もないから燃えられない…】“悟っちゃってる”Z世代の悩みに共感する箕輪厚介さんが「幸せになる3つの方法」を伝授してくれた
新R25編集部
「実家のお店がなくなるのは悲しい… 家業を継ぐか迷ってます」実家のスーパーを全国区にした大山皓生さんに相談したら、感動的なアドバイスをいただきました
新R25編集部
「俯瞰するって、むしろ大人ではない」“エンタメ鑑賞タスク化してる問題”に佐渡島庸平が一石
新R25編集部
社内にたった一人で“違和感”を口にできるか?「BPaaS」推進するkubell桐谷豪が語るコミットの本質
新R25編集部
【仕事なくなる?そんなにすごい?】“AIがずっとしっくりこない”悩みへのけんすうさんの回答が超ハラオチ
新R25編集部