ビジネスパーソンインタビュー
人たらしほど、給料をたくさんもらえる!?
とっておきの必勝テクは“フライング”!? 仕事に活きる「人たらしの心理術」を学ぶ
新R25編集部
そこまで仕事ができるわけではないのに、まわりにやたらと好かれて、ひょいっと簡単に仕事を取ってくる人っていますよね。そんなふうにまわりから評価されたら、仕事ってやりやすそうだよなぁ。
…とボヤいていたところ、一冊の本を見つけました。
「『人たらし』のブラック心理術」
「人たらしの技術を持っていると、1%の努力で100%好かれる」
「人たらしほど、給料をたくさんもらえる」
「人たらしほど、リストラされにくい」
…まさに夢のような話。これはぜひ、なれるものなら「人たらし」になってみたい!!
というわけで今回はビジネスシーンを中心に、「人たらし」テクニックを心理学者の内藤誼人先生に聞いてきました。
〈聞き手:いしかわゆき(新R25編集部)〉
【内藤誼人(ないとう・よしひと)】心理学者、立正大学心理学部客員教授。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。ビジネス心理学の第一人者として、実践的な応用法に力を注いでいる。著書に『人たらしのブラック心理術』『人前で緊張しない人はウラでズルいことやっていた』など
いしかわ
本日は1%の努力で100%好かれる人になるべくやってきました!
…でも、私は非常に面倒くさがりなので簡単で実践しやすいものだとうれしいです!
内藤先生
わかりました。ではまず、商談のときに使えるテクニックから…
スッ…(おもむろに両手を開く内藤先生)
いしかわ
えっ…な、なんですか?
内藤先生
人たらしポーズです。
いしかわ
!?(戸惑い)
内藤先生
実は、手のひらを開いて相手にできるだけ見えるようにすると、「僕はあなたに心を開いてますよ」ってサインになるんです。
なので、商談などで話すときはこのポーズをするだけで相手からの印象がグッと上がりますよ!
いしかわ
えぇ、どうしてですか?
内藤先生
人は、本能的に手のひらを見ると安心するんです。仏像もこんな感じで手のひらを見せているでしょう?
それは、かつて手のひらを見せることは、「武器を持っていません」「あなたを受け入れます」というサインだったからなんです。握手という行為もそこから始まったと言われています。
内藤先生
そしてこれが、1番やっちゃいけない「人見知りポーズ」ですね。印象がとても下がります。
いしかわ
(慌てて手を机から出す)ポージングひとつで、人への印象って変わってくるんですね…。これは確かに1%の努力…今からすぐにできそう!
人たらしは健啖家? ワックスで得られる驚きの効果
内藤先生
次に、手っ取り早く人をたらすには「健啖家(けんたんか)」になることがオススメです。人たらしは、健啖家なんですよ!
いしかわ
けんたんか?
内藤先生
健康でエネルギーに満ちあふれた人のことです。エネルギッシュな人って、「太陽」を錯覚させるんですよ。
そして、人間は、本能的に太陽が好きなんです。それは、動植物には走光性と言って光に集まる性質が備わっているからなんですね。明るくて、力をくれる人が好きなんです。
いしかわ
ふむ…。とはいえ、病弱や根暗な人はどうすればいいんでしょう…
内藤先生
ハッタリでいいんですよ!
例えば、やせ型なのであれば細く見えないような服を、暗い印象の人は明るい色の服を選ぶのが有効です。そして肌は小麦色で、若干脂ギッシュでツヤツヤしているのがいいですね!
実は僕も今日は薄くファンデーションを塗っています。
ツヤッ!
内藤先生
…ファンデーションはちょっと抵抗があるかもしれませんが、髪にワックスをつけてツヤを出すのもオススメです。女性の場合は赤みが出るようにチークやリップを塗って血色感を出すのもいいですね。
特に商談や会食の日にはいつもより気をつけて行くとグッと好感度が上がりますよ。
いしかわ
目からウロコです。メイクって本来かわいくなるためのものじゃなかったんですね…
内藤先生
実は健康的に見せるためでもあるんですよね。なので、体調が悪いときは肌のノリも悪いですし、できれば人に会わないほうがいいんです。
無理をして会うことで逆にマイナスなイメージを与えてしまいますから。
食事や飲み会の場で「人たらし」になるには?
内藤先生
あと、ビジネスマンで商談の次に多いのが「会食」「飲み会」だと思うんですけど…
いしかわ
そういえば、どうしてビジネスマンはよく取引先と会食をしているんですかね?
内藤先生
実は「ランチョンテクニック」と言って、一緒にご飯を食べることは人をたらしこむのにとても有効な手段なんですよ。
例えば、いまだに外国から総理大臣が来たら必ず会食が開かれますよね。会食抜きの国際儀礼なんてない。太古の昔から、人間は一緒にごはんを食べることで、敵意がないことを示していたんですよ。
いしかわ
なるほど。確かに人の集まるところには必ず食事が用意され、私たちは食べながら話すことで自然と仲良くなっているんですね。
内藤先生
そうなんです。だから、ちょっとした打ち合わせでもお菓子などを持参するとより仲良くなれると思いますよ。
そして、飲み会のセッティングにはちょっとしたコツがあります。
内藤先生
それは、安い赤提灯の3000円のお店に4回行くのではなく、1万円のお店に1回連れて行くこと。そのほうが絶対に喜んでもらえるし、相手の記憶にも残るのでやってみてください。
高級なお店やちょっと変わったお店に1回だけ連れて行くのが、真の人たらし。
いしかわ
頻度高くやるのではなく、1回で大きなインパクトを残すんですね。
内藤先生
そうなんです。そして、飲み食いをするときは豪快に食べてください。人間って楽しいときはいっぱい飲み食いをするんです。
だから、裏を返せばいっぱい飲み食いをすることで「楽しい」というアピールにもなる。
いしかわ
もし少食だったらどうすればいいですか?
内藤先生
ここもハッタリで、ちょっと大げさなくらい「おいしい!」と言いながら大食いのフリをしましょう。
本当にお腹がいっぱいになってもう入りきらなくなったら、その姿をあまり長く見せるのも良くないので、お開きにするのがいいでしょう(笑)。
人見知りが「人たらし」になるには?
いしかわ
私は人見知りなんですけど、最近多くの人が集まる場に行くことが多くて…
たくさん人がいると緊張して、空回りしちゃうんです。そんな場でも「人たらし」になるにはどうすればいいんですかね。
内藤先生
そもそも人見知りって人付き合いへのエネルギー量が極端に少ないんですよね。なので、大勢の集まりでも、相手を1人だけ決めて、その人とだけ喋りましょう。
全員と名刺交換をしても印象に残らないじゃないですか。だったら1人に強烈なインパクトを残したほうがいい。他の人は背景にしましょう。
いしかわ
背景(笑)。とはいえ、1対1でも何を話したらいいのか迷うんですけど…
内藤先生
でも、例えばタモリさんなんて全然喋らないでしょ?(笑)。話題なんてストックしなくていいんですよ。「最近なにか楽しいことありました?」とかでいいです。
それで、質問を返されたら、「いやいや、私のよりもあなたのエピソードが聞きたいんですよ~」って言っちゃう(笑)。
人は、質問してくれた相手に対して「自分に興味があるんだな」と好感を持つものなんです。タモリさんになりましょう。
いしかわ
なるほど。あとは、そういう場で「タメ語で話そうよ!」みたいなことを言われると迷ったりしますね。距離感に困るというか…
内藤先生
実は、真の人たらしは年下だろうが後輩だろうが敬語を使って話します。
ビートたけしさんも後輩には「年下やスタッフ含め、どんな相手だろうと必ず“さん”付けで呼びなさい」と指導しているそうです。
いしかわ
どうしてですか? タメ口のほうが壁が取っ払われるような気もしますけど…
内藤先生
店員さんにもタメ口で話す人ってそれだけですごく横柄に見えるじゃないですか。反面、丁寧で謙虚な人が嫌われることってまずないんですよ。
ビジネスシーンでもフレンドリーでいいじゃないか、なんて言われたりするけど、それが嫌な人は絶対いるんですよね。
僕は学生にも丁寧に話すんですが、学生からの評価も非常にいいです!
さすがです
人たらしの必勝テク…それは「フライング」!!
内藤先生
最後に、とっておきの人たらしテクニックを伝授しますね。それは、フライングをすることなんです。
いしかわ
…フライング。
内藤先生
今どきは飛び込み営業じゃなくて、必ずメールなどでアポを取ってから会いますよね。そのときに、アポを取って終わり!じゃなくて、メールの頻度をちょっと増やすんです。
アポの3日前や直前に、「楽しみです!」とか送るだけでオッケー。それだけで、勝手に「いい人だなぁ」と思ってもらえます。
いしかわ
そんなちょっとしたメールで!
内藤先生
ゼロスタートを、いかにプラススタートにするかがミソなんですよ。
例えば、知人に知人を紹介するときも、双方に「あの人はいい人だよ」と良い情報を吹き込んでおくだけで、初対面でも互いに好印象を抱いた状態で引き合わせることができますよね。
そんな、プラススタートの状態で会えば、すぐに打ち解け合うので、そうすると「こんないい人に巡りあわせてくれた内藤先生はなんていい人なんだ!」と、僕の株も上がるわけです。
「これが、人たらしです」(ニヤリ)
いしかわ
なんという策士…いや人たらし…!!
内藤先生
なんでもない日の手みやげや、ちょっとしたプレゼントもいいですよ。
会った瞬間に、「駅前で見つけたんですけど!」ってポンとお菓子を渡すだけで「えっ!」とフライングで好感度アップ!
「駅前で見つけたんですよ~!」
内藤先生
値段は全然高くなくて、100円のお饅頭とかでも何でもいいです。「喜んでくれるだろうな」と思うことを率先してできるのが人たらしなんですよ。
内藤先生
さらに、「待つ」というのも相手を喜ばせる行為でもあります。それもフライングですよね。
経営の神様と呼ばれる松下幸之助さんは、料亭に行くときは必ず自分が一番に行き、相手が座るであろう席に空調が当たらないかを確認、次にトイレの位置を確認し、それから相手を迎え入れたといいます。
いしかわ
…あの、ちょっといいですか。だんだん1%の努力じゃなくなってきているような気がするんですけど…
内藤先生
…と思うじゃないですか。
でも、最初にこれさえやっておけば、あとの努力が何もいらないんですよ。だって出会いって、その後何十年の付き合いになるかわからないじゃないですか。
そのあとの人生、全部楽できるんですよ!?
いしかわ
はっ!! 確かに人生単位で考えると1%の努力だ…!!
内藤先生
実は、人間関係において最も大事なのは「第一印象」なんです。裏を返せば、第一印象さえよければずっといい関係を築けるんです。
なので、ぜひみなさんも人たらしテクニックをマスターし、1%の努力でストレスなく生きていってほしいですね!
〈取材・文・撮影=いしかわゆき(@milkprincess17)〉
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