ビジネスパーソンインタビュー
「怒鳴る上司にはカニ食わせろ」
『サラリーマン山崎シゲル』作者が、上司に関するお悩み相談にシュールなイラストで回答
新R25編集部
シュールなのにほっこりする漫画としてTwitterで話題となり、2014年には書籍化もされた『サラリーマン山崎シゲル』
お笑いコンビ・ピースの又吉直樹さんにイラストの才能を認められて描き始め、女優の二階堂ふみさんやタレントの菊地亜美さんなど、芸能界にもファンが多いことで有名です。
その作者、お笑い芸人の田中光さんがイラスト回答を担当した新刊『奇跡のストレスフリー講座』(宝島社)。ストレスフルな若手ビジネスマンのためのメディア(?)『新R25』としては気になる…さっそく田中さんを直撃しました!
シュールな笑いでサラリーマンの悩みを解消! 『奇跡のストレスフリー講座』
【田中光(たなか・ひかる)】1982年生まれ、京都府出身。お笑い芸人、漫画家として活躍。代表作『サラリーマン山崎シゲル』のほか『レタス2個分のステキ』など著書多数。最新作『奇跡のストレスフリー講座』も好評販売中。2018年秋には自身初の絵本を刊行予定
編集部・N
最新作『奇跡のストレスフリー講座』発売直後のお忙しいところ、お時間をいただきありがとうございます!
田中さん
いえいえ。よろしくお願いします。
編集部・N
新刊では仕事、恋愛、人間関係など現代人のストレスになる悩みに正面から答えつつ、「あるいはこんな解決策」として田中さんワールド全開の1コマ漫画が添えてあって、めちゃくちゃおもしろかったです。
田中さん
ありがとうございます!
イラストを見るだけでストレスフリーになる
編集部・N
いきなりですみません。自分、記事中ではいつもこのアイコンなんですが、今日は田中さんが描いた似顔絵でいきたいな~なんて思っております。
田中さん
いいですよ。
「似顔絵はあまり得意じゃないなぁ」…。ムリ言ってすみません!
田中さん
どうですか? 力強さを出してみました。
田中さんの目にはNがこう見えている…
編集部・N
あ、ありがとうございます…。めっちゃ迫力ある。今日はコレでいきます。
お悩み1:「店で女性客に絡みまくるセクハラ上司の封じ込め方」
編集部・N
さて、ここからはR25世代サラリーマンのリアルな悩みにイラストでお答えいただこうと思います。
田中さん
ちゃんと答えられるかな。
編集部・N
「飲みに行くと知らない女性客に絡みまくるセクハラ上司、どう注意したらいいですか?」
これはどうでしょう?
田中さん
お酒が入ると近くの客にやたら話しかける人、いますよね。こういうセクハラおじさんは、きっと注意しても聞かなそう。だったら…
田中さん
これでどうでしょう?
どこかで見たことのあるブース…
田中さん
某人気ラーメン店「◯蘭」のような完全個室スタイルの飲み屋に行けば、隣の席にちょっかいも出せませんよね?
編集部・N
いやこれ、部下とも会話ができないのでは?(笑)
田中さん
そこは現代的に、SNSやチャットツールで。
編集部・N
直接会話しない! それなら上司との飲み会が苦痛な場合でもイケますね。上司に飲みに誘われたら毎回「◯蘭に行きましょう!」と言う。
田中さん
「〆のラーメン」に行く手間も省けるので、新しい飲みのスタイルに最適じゃないですか。
現実的に、個室のお店を選ぶのはアリでしょうね。上座に座らせれば、上司の動きを封印できるし。
編集部・N
「上司の悪癖をブロックできる店を選ぶ」。いただきました!
お悩み2:「部下を怒鳴り散らすパワハラ上司への対処法」
編集部・N
では続きまして2つ目のお悩み。
「来客中だろうがなんだろうが、部下を怒鳴り散らす上司がストレスです。どう対処すればいいですか?」
田中さん
営業系には多いパターンですね…。
アルバイトでしたけど、僕も営業経験ありますよ。とにかく光回線を売りまくるっていう。そのときの上司がまさにそんな感じで、怒鳴り散らしてめっちゃ怖かったなぁ。
怒鳴り“散ら”させなければいいんですよね?
編集部・N
???
田中さん
固定するんです。
怒鳴り散らしおじさん固定装置!?
田中さん
怒鳴りを一方向に固定する。怒鳴りはしてるけど散らしてない(笑)。
編集部・N
ロボット風になってる…。めっちゃシュールですが、これ現実的にどうやるんですかね?
田中さん
散らさせない作戦はダメか…。なら、“黙らせる”作戦で。
田中さん
王道ですが…
田中さん
これで。
何してるんですか…?
田中さん
どんな人でも黙るカニしかないでしょう。「上司が怒鳴りそうになったらカニを食わせる」。どうですか?
編集部・N
いや、シュール(笑)。
現実的な線でいうと、お菓子とか食べ物を“与えておく”ってところでしょうか…。
お悩み3:「自分を棚に上げて部下の遅刻を責める不条理上司に返す言葉」
編集部・N
では最後のお悩みです。
「遅刻した部下を激詰めした次の日、自分が遅刻する上司が不条理すぎてストレス。腹が立ちます。どうしたらいいでしょう?」
田中さん
うわー、これむっちゃムズイな。なんか言ってやるんですよね?
田中さんを悩ませてしまった…
一見して普通の謝罪のようですが?
田中さん
「昨日は遅刻してすみませんでした」と、しつこく謝罪し続ける。そうすると上司も自分遅刻してるから言いづらくなるはず。
編集部・N
なるほど! これは実用的かも?
田中さん
「おとといは遅刻してすみませんでした」「先週は遅刻してすみませんでした」…ことあるごとに遅刻謝罪を続ければ、遅刻上司も詰めないですよ。
ストレスに負けないようにするには…「働く目的を見つめ直す」
編集部・N
難しいお悩みに答えていただき、ありがとうございました。
最後に、仕事にストレスを感じている若きサラリーマンにメッセージをお願いします。
田中さん
仕事そのものが生きがいって人は、どんなストレスも跳ね除けられるし、むしろストレスすら感じていないかもしれない。そうでない人は、「働く目的」をふと見つめ直してみるといいです。
編集部・N
働く目的の見つめ直し?
田中さん
僕の場合、関西から上京してきてバイト生活が長くて辛かったんですが、「バイトするために東京来たんとちゃう」って考えたときに、バイトで最低限の生活費を稼ぐことの先に、「芸人としてやっていく」「漫画を描く」という目的があった。そのためならストレスに負けてる場合じゃないし、がんばれるな~と。
生活のため、趣味のため、夢のため…。目的はそれぞれちがうと思いますが、自分はどういう目的のために仕事してんねやろう? ってふと考えることは大事やと思いますよ。うまく言えなくてすんません(笑)。
インタビュー中、終始穏やかで淡々とした語り口だった田中さんからは、『サラリーマン山崎シゲル』の世界観同様、シュールなのにどこか示唆に富んだお話が聞けました。
問題あり上司との付き合いにストレスを感じる若きサラリーマンのみなさん、目の前のストレスは適度に笑い飛ばしつつ、その先にある“目的”を見失わずにがんばりましょう!
〈取材・文=新R25編集部/撮影=冨永智子〉
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