ビジネスパーソンインタビュー
『スタンフォード式 最高の睡眠』に学べ!
昼に眠くなる“睡眠負債”を解消!入浴や食事で「深部体温を下げる」快眠の鉄則を伝授
新R25編集部
ランチのあと、仕事中についウトウトしてしまう…という経験は、誰しもあるだろう。
日々、睡魔と戦い続けている(?)ビジネスマンにおすすめしたいのが、日中のパフォーマンスを最大化するための方法が書かれた『スタンフォード式 最高の睡眠』(西野精冶著、サンマーク出版刊)だ! 20万部以上発行するなど、話題になっている。
同書によると、睡眠の研究者は、睡眠不足がつづいている状態を「睡眠負債」と表現するそう。日々の少しの睡眠不足が“借金”のようにじわじわと積み重なり、がんや糖尿病の原因にもなるほど心身に悪影響を及ぼすこともあるそうだ。
今回は、睡眠に詳しい御茶ノ水呼吸ケアクリニックの村田朗先生に、同書に書かれている「睡眠負債を減らすコツ」について解説してもらった!
「深部体温」が下がるタイミングで寝ると快眠に!就寝前なら湯船につかるよりシャワーがおすすめ
村田先生によれば、足りない睡眠を埋めるためには、どうやら「深部体温」がキーワードになるようだ。
「毎日の睡眠の質を上げるためには、からだの『深部体温』(からだの内部の温度)をコントロールするのがポイント! 例えば、就寝前の入浴はシャワーでからだを温めるのがオススメです。人は、深部体温が下がりはじめたタイミングで眠りはじめます。そのため、寝る前に体温を少し上げておくことが大切なのです。こうすることによって、スムーズに質の高い眠りにつけます。逆に、あまり熱いお風呂でからだを温めすぎるとクールダウンに時間が必要になって、眠るのにも時間がかかってしまいますよ」
シャワーだけで済ませるとよくない…と思っていたけど、意外と睡眠の質向上にもつながることもあるのか。
体温計で有名なテルモ社の公式サイトにも、
「電気毛布で加熱したままの状態で眠ると、夜中に目覚めることが多くなります。電気毛布が必要な人は、タイマーで加熱を切るか、最弱レベルに切り替わるようにすると、眠りが深くなります」「部屋の暖房が強すぎる場合も、体の内部の温度が低くなりにくいので眠りが浅くなります」
との記述が。“あったかいほうがよく眠れそう…”と思って暖房器具を使いすぎると、深部体温が下がるのをジャマしてしまうのでNGらしい!
また、運動もからだの深部体温が上がってしまう原因。眠りにつく3時間前(0時に寝るなら21時か…)には終えておくべきだという。
寝る前にお腹が空いてしまったときは「冷やしトマト」や「納豆」を食べるといい!
さらに、深部体温は食べものでコントロールすることも可能だそう。
「本のなかでも『ぐっすり寝るなら「冷やしトマト」を食べるのがいい』と書かれています。トマトは、水分やカリウムを豊富に含んでいるため、深部体温を低下させます。寝つきもよくなり、ぐっすり眠れるようになります」(村田先生)
なるほど~。これはすぐに実践できそう。ほかにも、アボカドや納豆もいいとのこと。寝る前にどうしてもお腹が空いてしまったときのために覚えておきたい!
スッキリ目覚めるには「深部体温と皮膚温度の差を広げる」こと。冷水で手を洗うのがおすすめ!
スッキリと目が覚める方法も知っておきたいところ。『スタンフォード式 最高の睡眠』によれば、朝から脳を目覚めさせるには、手を冷たい水で洗うのがおすすめとのことだが、これはどういうことだろう…?
「深部体温の低下」は、手足や皮膚から熱が放出されて起こる。つまり、人は眠りにつく際に深部体温は下がっているが、皮膚温度は上がっている状態になっている。
人間の深部体温は(手足などの)皮膚温度よりも高い状態を保っているので、このとき深部体温と皮膚温度の差は縮まっているということになる。厳密にいえば、これにより眠気を感じるようになるのだ。
その逆で、冷水で手を洗うことで皮膚温度を下げて両者の温度の差を広げられれば、スッキリと目覚められる。「『皮膚温度と深部体温の差が縮まると眠くなる』という性質を逆手にとる」(499ページ)というわけ。
快眠のルールは意外とシンプル。できることから試してみよう!
〈取材・文=三崎りの〉
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