ビジネスパーソンインタビュー
「#枝野寝ろ」から「#枝野来る」へ
フォロワーは3日で政党最多に!いつの間にか支持率2位「立憲民主党」急成長のワケ
新R25編集部
10月2日、民進党の代表代行を務めていた枝野幸男氏が新たに「立憲民主党」を立ち上げた。世論調査(10月16日JNN調べ)によれば、最新の支持率は7.3%で、自民党の32.8%についで2位! 小池百合子氏が率いる「希望の党」(同5.2%)が話題だったが、いつの間にか急速に台頭しているのだ。
この立憲民主党とは一体どんな党で、なぜ注目されているのだろう?
“ブレ”があった民進党。「保守派」は希望の党へ合流し、「リベラル派」は立憲民主党へ
Rodrigo Reyes Marin/アフロ
袂を分かった枝野氏(左)と前原氏(右)
もともと民進党は、自民党に対抗する「最大野党」。「憲法(9条含め)改正」「原発再稼動」など、いわゆる保守的な政策をすすめる自民党に対し、“リベラル”寄りとされていた。
だが、実際にはさまざまな考えの人が集まっていて、政党としてはブレがあったといえる。たとえば「憲法」に関しても、前原誠司氏は「改正」派なのに対し蓮舫氏は「9条は絶対に守る」と発言していた…。
今回の民進党分裂騒動では、党内で保守寄りの考えを持っていた議員たちが希望の党へ合流。一方、リベラル派の筆頭である枝野氏(左寄りなイメージを嫌ってか「リベラル保守」と自称)を代表に据えたのが立憲民主党だ。
・憲法9条の改悪(=いわゆる“憲法改正”)に反対
・使用済み核燃料の処理に関する具体的なロードマップ(計画)を示す「原発ゼロ基本法」を策定
・長時間労働の規制、最低賃金の引き上げ、同一価値労働同一賃金の実現といった労働政策
・特定秘密保護法の廃止
・LGBTなどの差別解消
といった公約を掲げており、民進党時代に比べて党の姿勢がはっきりしたといえそう。それゆえに、選挙では非自民党の受け皿として、リベラル層からの支持をこれまで以上に集める可能性が高い。
Twitterのフォロワー数はたった3日で政党最多に!“中の人”の丁寧かつ親近感のある運用がウケている?
画像はTwitterのスクリーンショット
そんな立憲民主党、注目すべき点はネット上での影響力だ。
2017年10月に開設したTwitterアカウントはまたたく間にフォロワーを増やし、たった3日で8年以上前に開設した自民党のフォロワー数(当時11万3000)を抜き去った。10月13日時点のフォロワー数は約17万5000人となっており、いきなり国内最大の政党アカウントへ急成長したのだ。同アカウントでは、枝野代表の発言や街頭演説の動画にくわえ、演説の予定などが事細かに投稿されている。
SNSに慣れた世代からすると“当たり前”な運用にも思えるが、他の政党アカウントでは、それができていないのが現状だ。
また、一般ユーザーから寄せられた質問などのリプライに真摯に答える姿勢も見える。
政策に関する質問を受けた際も、アカウント担当者が適切かつ細やかに対応。
さらには、ユーザーからの“ネタ”に乗っかったり、くだけた語り口の投稿にも親近感がわく。
ここ数年、企業の公式アカウントなどが、気の利いたツイートやリプライで「中の人」として人気を博すことが増えているが、立憲民主党はその流れを政界に持ち込んだ。ネット活用に力を入れているのは間違いなさそうだ。
枝野氏は46歳の若さで内閣No.2を経験。確かな実績とアイドル好きとのギャップでマスコット的存在に
10月14日、街頭演説に立つ枝野氏
そもそも、枝野氏の政治手腕を評価する声は以前から多かった。2011年に現行制度では最年少の46歳で内閣No.2である内閣官房長官に就任。東日本大震災・原発事故の際に、不眠不休で対応をしていた枝野氏に対して、称賛の意味で「#枝野寝ろ」というハッシュタグが広まったのも記憶に新しい。現在では街頭演説に関するツイートに「#枝野来る」「#枝野来た」と付けて投稿する人もおり、数年前からの枝野氏の「ネットウケ」が再燃したともいえそうだ。
また、枝野氏の見た目が「カピバラ」や「ウォンバット」に似ているというネタや、アイドル好きで「ひとりカラオケに行きたいよ、(欅坂46の)『不協和音』を歌うんだ」(産経ニュース)と語ったというネタも鉄板。政治家としての実績とイジりやすさのギャップで、ネット上ではマスコット的存在として愛されている。
とある現・民進党議員の政策秘書は、「Twitterなど、ネット上の勢いばかり注目されていますが、電話調査や街頭での反応を含めた肌感覚でも、立憲民主党を支持する声はかなり大きいです」と語っており、全国各地での選挙戦においても存在感があるという。
とはいえ、野党が分裂して各政党が入り乱れた結果、現在は“自民党の一人勝ち”と見る人も多い。10月22日の衆院選開票日には、どのような結果が待っているのだろうか?
〈取材・文=ブルトン森〉
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