ビジネスパーソンインタビュー

なぜ超大手企業から医療ベンチャーに…? 転職者に突撃したら、医療ベンチャーの可能性がわかった

「社会が確実によくなっていると実感できる」

なぜ超大手企業から医療ベンチャーに…? 転職者に突撃したら、医療ベンチャーの可能性がわかった

新R25編集部

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2022/03/02

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医療ベンチャー企業・CUCグループ

医療業界」と聞くと、医師や看護師といったような医療従事者が働いている世界というイメージで、我々ビジネスパーソンにとっては距離の遠い存在のように感じます。

しかし、そんな医療ベンチャーであるCUCグループに、国内大手総合商社外資系企業など、就活生が注目するような企業からの転職者が集まっているんだとか。

新卒から中途まで、あらゆるビジネスパーソンを今まさに求めているという医療ベンチャー・CUCグループの魅力を、新R25が複数の記事にわたって徹底解剖します。

その名も特集「アツいぞ! 医療ベンチャー」。

第2回となる今回は、CUCに中途入社した社員に突撃。

お話をうかがったのは、ゴールドマン・サックス証券丸紅から転職したおふたり。

就活生からも大人気の企業で働いていたのに、なぜ医療ベンチャー企業に入社することにしたのでしょうか?

現役ビジネスパーソンから見た、CUCの魅力を聞いてみました!

〈聞き手:福田啄也(新R25編集部)〉

【橋本淳(はしもと・じゅん)/左】東京大学教養学部卒業。2007年に新卒入社したゴールドマン・サックス証券株式会社 投資銀行部門を経て、2021年にCUCへ転職 【牧村英祐(まきむら・えいすけ)/右】東京大学経済学部卒業。2007年に新卒入社した丸紅株式会社 電力本部門を経て、2020年にCUCへ転職

外資系証券会社と総合商社。超エリートたちはなぜ医療ベンチャーに?

福田

経歴を見てびっくりしたのですが、おふたりとも超エリートなキャリアを歩んでいますよね…

なぜそれぞれが医療ベンチャーの世界に転職したのかを教えていただけますか?

橋本さん

超エリートですか…(笑)。

私は前職で、ヘルスケア業界の企業M&Aや資金調達にかかわることも多く、もともとこの領域に興味はあったんですよね。

福田

なるほど。

前職では、とくに現状に不満があったわけではなかったんですかね?

橋本さん

とくに不満はなく、楽しく仕事をしていました。

ただ、証券会社ではアドバイザーという立場での関わり方となるため、自分で事業を動かす側に行ってみたいなとはぼんやり考えていて。

そんななか、知人にCUCを紹介してもらったんです。

日本の医療費は膨れ上がっていくし、高齢化も進んでいく。そんな日本社会の課題に挑めるのは面白そうだなと。

牧村さん

僕はもともと医療業界に興味があったんですよね。

学生時代、自分の親族が必要のない入退院を繰り返していて、なぜだろうと疑問に思っていました。

それで調べてみると、経営に苦しんでいる病院がたくさんあることがわかって、そのせいかと。

そのころから、日本の医療は何かがおかしいなと思っていたんです。

福田

学生が病院の経営状況を気にすることあります!?

めちゃくちゃ意識が高いですね…

学生時代、漫画喫茶を「第二のキャンパス」と呼んで入り浸っていた自分が恥ずかしくなってきました

牧村さん

だから就活では「医療×経営」をできるところを探していて、丸紅に入社したんです。面接のとき、今後はヘルスケア領域にも力を入れていると聞いていたので。

ただ、実際に配属されたのは電力事業だったんですよね。

福田

新卒あるあるですね。やりたいことがあって入社したけど、そこに配属されないという…

牧村さん

でも与えられた環境でちゃんと頑張ろうと思って、国内外の電力事業の開発や経営に携わりました。

そして、13年目で大きなプロジェクトがひと区切りついたので、改めて「医療×経営」ができる企業に入ろうと思って。

そこで出会ったのが、CUCだったんです。

福田

ちなみに、そのひと区切りというのは、どんなことをやっていたんですか?

牧村さん

日本初の商業洋上風力発電事業で、数百億円規模の資金調達を成功させました

規模が異次元…というか、牧村さんは日本の電力史に残る人材だったのでは?

福田

外資系証券会社と総合商社。

正直、待遇などは申し分なかったと思うのですが、ベンチャー企業に就職することに対して不安はなかったんですか…?

牧村さん

かなり不安でしたね。

でも、ヘルスケア業界は今後伸びることがわかっているのに、まだ圧倒的なNo.1がいない状況なんですよ。そのなかでCUCは急速に成長していて。

だから今のうちに転職すれば活躍のチャンスがあるのではと思っていました(笑)。

目を伏せているのは、目の前に広報の方がいるからですかね?

「こんな若手、商社にもいない」別業種から見て驚いたCUCの環境

福田

実際に入社してみて、入社前の想像とのギャップはどんな点で感じましたか?

橋本さん

想像以上に、若い人が活躍していることですね

次々に新規事業が立ち上がるんですけど、その責任者になるのに年齢は関係ない。

熱意と実力があれば、どんどん裁量を持たせて動かす文化です。

今、ベトナムで初の日系病院の運営支援をしているのですが、新卒入社6年目の若手がリードしてやっているのに驚きました。

福田

海外なのに、若手が事業運営をリードしているんですね…!

牧村さん

僕が入社して携わった在宅治験事業も、入社3年目の若手がリードしています。

多くの事業会社や病院の方とのやり取りが必要になるのですが、彼は1人で奮闘していて。

こんな若手、商社にもいなかったな…」とびっくりしましたね。

福田

商社にもいない人材…! すごい育成環境ですね。

橋本さん

もちろん周囲のサポートはあるものの、自分でプロジェクトを運営しなければならないと考えると、経営・プロジェクトマネジメント・実行など全方位に関して責任感を持って仕事をすることになる。

だから多分、荒波に飲まれるタイミングが早いんだと思います(笑)

福田

ただ…それだけ若手が抜擢されている環境だと、異業種から転職した中堅世代が活躍できる場面が少ないのでは…?

牧村さん

いや、まったく違う業界から来る人のほうが重宝される場面もあるんです。

たとえばIT業界出身だったら、「この業務ってオンラインでも完結できますよね?」みたいに、新しい視点から課題を発見することができる。

じつは今、他業界からの人たちこそ、医療業界で活躍できるんじゃないかなと

なるほど…あとで編集者のニーズもあるか聞いてみますね

福田

ちなみに、牧村さんご自身も電力事業からの転職ということで、医療は専門外だったんですよね。

最初のうちは苦労も多かったのでは…?

牧村さん

たしかに、最初はありきたりな仮説しか立てられなかったんですが…

半年も経つと、知識が体になじんできた実感がありました。

もちろん入社した人向けの教育サポートもありますし、なにより実際の医療現場の方々と一緒に、課題感がリアルにつかめるんですよね

福田

なるほど…でも、入社してわりとすぐに現場にいかせてもらえるんですね。

それは不安だけど、すぐに適応できそうだな…

「想いを叶えることで利益がついてくる」商社とは違う、医療業界の仕事

福田

ところで、おふたりは今どんな業務をやっているのでしょう?

橋本さん

私は前職の経験を活かして、CUCの全社成長戦略の検討などをおこなっています。

たとえば今後会社が大きくなっていくうえで、どこに投資をしていくべきかを決めるようなことですね。

コロナウイルスの影響で進めにくいこともありますが、海外事業や新規事業をさらに伸ばすための戦略や予算検討についても関わっています。

福田

かなり経営陣に近いポジションなんですね。

牧村さんはどんなことを?

牧村さん

今は「在宅治験事業」ですね。

薬をつくるときって、効果があるかどうかを見定める臨床実験が必要なんですけど、そのためには通院しなければいけないんですよね。

でも、通院すること自体が難しい難病の方の場合、お医者さんがご自宅に向かわなければいけないと治験ができなかったんです。

そこをオンラインで完結できるような仕組みをつくっています。

福田

へええ。それってこれまではなかったことなんですか?

牧村さん

そうですね。国内事例としてここまで大規模に展開しているケースはあまり多くないと思います。

コロナ禍によって「オンライン通話ツール」が普及したことで、初めて実現した事業だと思います。

福田

国内でもあまり事例がないとのことで、かなりハードルが高そうな事業だと思うんですけど…どのような難易度があるのでしょうか?

牧村さん

やっぱり医療従事者の方々の協力が必要な点ですね。

医療現場の方々と一緒に課題を解決していくことが、私たちにとって第一優先だと考えています。

でも、その前提がしっかり伝わらないと、連携がうまく行きません。

とにかく目の前の患者さんに喜んでもらいたいという想いと、事業として合理的に判断することの狭間で悩むことはありますね。

福田

たしかに…それはジレンマですね。

牧村さん

僕も入社したてのころは、数字を中心に物事を考えていたんですよ。

でも、早々にまわりの方から「数字よりも想いを優先して動いてみてほしい。想いを叶えることで、利益がついてくるから」って言われたんです。

商社時代とはまったく違う考えで驚きました。

「商社マンって「PLおばけ」って言われてるくらい数字主義なので(笑)」

福田

実際に働いてみて、業界の面白さというのはどんなところがあるのでしょうか?

牧村さん

社会が確実によくなっていると実感できることですかね。

顕在化する医療課題に対して、ソリューションを提供していく。そしてできることが増えていったら、どんどんそれを各地で展開していく。

実際に医療現場の中に入って働くことになるので、患者さんが喜ぶところを見れるのはほかにない経験だと思います。

福田

めっちゃいいですね…

ちなみに、CUCではどんなビジネスパーソンが活躍できるのでしょうか?

牧村さん

自分のやることに制限をかけない人です。

入社したらすぐにプロジェクトを任されるのですが、ノウハウもないなかで動かないといけない。

だからこそ、「これはできない」と勝手に制限をかけるのではなく、実現に向けてまわりを巻き込んで動いていけることが必要なんだと思います。

福田

そこはベンチャーらしいマインドが大事になるんでしょうね。

個人的に、2人からお話を伺って僕も医療ベンチャーに興味が出てきました。

ただ、そこまで医療業界への課題意識はないな…とも思っていて。どうやったら医療課題に気づくことができるのでしょうか?

橋本さん

たとえば自分が死ぬときのことを想像することですかね。

どんな環境で最期を迎えたいか? それは現在の医療では実現できるのか?

そういうことに目を向けると、医療の世界にはまだ変えられる部分があるかなと思うはずです。

牧村さん

あとは、身近なところに目を向けてみてもいいかもしれません。

給料から社会保険料が引かれているけど、これって引かれすぎじゃない?とか、病院ってなんでこんな待たされるんだろう?とか。

福田

たしかにそうだ…!

ちょうどこのあと歯医者の予約があるので、視点を変えてみてみます!

本日はありがとうございました!

自分の仕事が社会に対してどんな影響を与えているか。

先輩ビジネスパーソンの方々の話を聞いてみて、医療業界は自分の働きがダイレクトに反映させられる、どの業界にもない魅力があることがわかりました。

次回は、キャリアの専門家である北野唯我さんをお招きして、「若手が医療ベンチャー業界に進むべき“知られざるメリット”」について聞いていきます。お楽しみに!

〈取材・文=福田啄也(@fkd1111)/編集=石川みく(@newfang298)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉

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