ひろゆき著『99%はバイアス』より
ひろゆき「ダマされる人は、“目の前の人”に勝手に同情し、自分からダマされにいっている」
新R25編集部
「ダマされる人は無意識に自分からダマされにいっている」
そう語るのは、動画再生回数は1億5千万回を超え、YouTubeとTwitterの総フォロワー数355万人超(2022年9月現在)のひろゆきさん。
自分からダマされにいくとはどういうことなのでしょうか?
今回は、ひろゆきさんの著書『99%はバイアス』より、ダマされる人の特徴と解決策について一部抜粋してお届け。
「自分は大丈夫」と思っている方ほど、見ておいたほうがいい内容でした…。
この記事はこんな人におすすめ(読了目安:5分)
・ひろゆきさんの考え方を知りたい人
・ダマされやすい、ダマされたくない人
・バイアスから逃れたい人
ダマされる人は自分からダマされにいっている
ダマされる人は、なぜ、ダマされるのだろうか。
じつは無意識に「自分からダマされにいっている」からだ。
ダマされる人の特徴は、目の前の人の「心の中」に勝手に同情してしまうことからはじまる。
「あの人は大変そうだな」「たぶん悲しんでいるだろうな」
そう考えているうちに、相手に感情移入して、「自分を賢く見せたい」「カッコよく見せたい」という思いが絡む。
そこが、自分で自分をダマす瞬間だ。
それに自覚的にならないと、いつのまにか相手に操られていることになる。
昔、僕はスーパーマーケットでバイトをしていた。
そのときに学んだのは、「相手の目を見て必死に声をかけると買ってくれる人がいる」ということだった。
100人いれば、その中の数人に「罪悪感」が芽生える。
「私に向かってわざわざ大声を出してくれているんだから、私が買ってあげなきゃ、この人はかわいそうだ」
そういう心理が、何人かに生じる。
スーパーならまだいいが、高額商材の詐欺に引っかかる人にも、「この人にならダマされてもいいか」と思ってしまう瞬間があるという。
お店でぼったくられたときも、「この人はきっと何か大変なことがあったんだろう」と思い込んでしまう。
もし、あなたがダマされやすい自覚があるなら、「あえて自分から断る練習」をすることだ。
「これ、食べていいですか?」とスーパーで試食したり、「これ着てみていいですか?」とアパレルショップで試着する。
そして、そのあと、絶対に断ってみよう。
「ちょっと考えます」「イメージと違いました」などと言って、ちゃんと断ればいい。
おすすめは、財布を家に置いてお金を持たずにやってみることだ。
そして、断ることに慣れる。
最初は「財布を持っていないのに試食して、申し訳ないな……」と思うかもしれない。
そんな葛藤も、回数を重ねるうちに気にならなくなる。
ナンパや飛び込み営業も同じ構造で、最初は無視されたり嫌な顔をされて、凹むと思う。
でも、何度も断られると、やがて慣れる。
これを「メンタルの強弱」で表現されることがあるが、こんなものはただの慣れだ。
ダマされないためには“自虐性”が必要
たとえば、いわゆる「陰謀論」にダマされる人は、優しくてマジメな人が多い。
僕の知り合いで人当たりのいい人が、陰謀論にハマってしまった。
それにより、どんどんまわりから孤立していった。
彼を説得して、少し踏み込んで介入したが、考えを変えるのは無理だった。
ヘタにトラブルになると接点がなくなるから、「いつでも関係性を戻せるように刺激しないでおこう」という結論になった。
1つの主義や思想に強烈に偏っていく人は、人間的に優しいあまり、「正義感」が暴走してしまうという点で共通している。
自分に都合のいい情報だけを集める脳の習性を「確証バイアス」というが、それによって、偏った考えを肯定する情報にしか目が行かなくなる。
通常は、どこかで情報をズレて理解してしまっても、そのズレを正す情報によってズレを解消することができるのに。
ここに「自虐性」があれば、最悪の事態は防げる。
「しょせん〇〇だ」と考えられるかどうか。
ビジネス的な理由で陰謀論を仕掛けているのであれば、まだマシだ。
「あらゆることは宗教だ」と言われる。
阪神タイガースを応援するのも、特定のブランドの服しか着ないのも、栄養ドリンクに頼るのも、宗教的な「思い込み」の要素がある。
ただ、心の中の自分に、「まあ、本気ではないけどね」という自虐性があれば、あなたはあなたのままでいられる。
それを失ってしまうと、利用されるだけの信者で終わってしまう。
「ディベート」でバイアスから逃れる
「あなたの好きな人の『悪いところ』はどこですか?」というような質問をすると、それを考えることすら苦痛に思う人がいる。
「この人のすべてが丸ごと大好き。だから、悪いところは1ミリもありません」
こういうことを言い出す人は、かなりマズい。
自分で自分をダマそうとしていることに気づけていない。
あなたは、「ディベート」ができるだろうか。
ディベートとは、対立する2つの意見のどちらかを選び、2つのチームに分かれて意見を言い合うゲームだ。
たとえば、「浮気をしてもいいか、浮気をしてはいけないか」という2つの考えがあるとする。
おそらく、あなたにも個人的な考えがあるだろう。
ディベートのいいところは、「自分が思っていないほうの考えも、いったん受け入れて演じないといけない」ということだ。
僕は、個人的には「浮気しないほうがいい」と思っている。
しかし、ディベートの場で「浮気してもいい」側のチームに選ばれたら、僕は普通に「浮気することのメリット」を考える。
これがすなわち、「相手の立場になって物事を考えてみる」ということの本質だ。
バイアスから逃れられない人は、「反対意見に立って、いったん演じてみる」ということができない。
「浮気なんてダメだ。メリットのことなんて考えられない!」と固執してしまうのは、バイアスに弱いことを認めてしまっていることになる。
バイアスにまみれている人は、「意見を否定された」ということを「自分が否定された」と勘違いする。
反対意見を言われただけで、その人を丸ごと嫌いになってしまう。
そうではなく、自分の意見を反対されたり、自分の価値観と異なる人が現れたときに、逆に興味や関心を持てるかどうか。
思考停止して「この人は嫌いだ」と思わないかどうか。
そういうことからはじめてみるといい。
私たちは「思い込み」でできている。
「見たくない」と思うものを「見る」ということで、簡単にバイアスから外に出る訓練になる。
自分で自分をダマさないこと
人は自分で自分にウソをつく。
信じたいものにダマされにいく。
思い込みは、自分自身で作り出してしまう。
たとえば、ネットの情報と、どのように付き合っていけばいいのだろうか。
デマは正しい情報よりも拡散されるスピードが速い。
だから、面白半分のもっともらしいウソも、なかなかウソであると見抜けない。
では、どのように判断すればいいか。
大事なのは、「わからない」という中途半端な状態でいることに慣れることだ。
学校教育やクイズ番組のせいで、すぐに「正解」か「間違い」か、「〇」か「✕」かを確かめないと気が済まないようになってしまっている。
しかし、世の中は、そんなにハッキリと白黒がつくものばかりではない。
その状態で「モヤモヤする」「気持ち悪い」と思うのなら、かなりダマされやすい脳になっているはずだ。
「保留にしている」ということに自覚的になろう。
あるいは、いったん答えを出しつつも、「まだ詳しくはわからない」ということを自分の心の中に留めておくようにするといい。
そうすることで、自分で自分をダマす一歩手前で踏みとどまれる。
それを可能にするのが、「わからない」と正直に認める態度だ。
「知ったかぶり」をせず、わからないことはわからないと言う。
たまに僕も、「知ったかぶりをするな!」と批判されることがある。
それは、とりあえず答えを出しておくことで、相手の脳が喜ぶことを知っているからだ。
心の中の僕は、「ひろゆきの言うことを信じるな」と思っている。
バイアスとの上手な付き合い方について学べる一冊
切り抜き動画などをきっかけに巻き起こった「ひろゆきブーム」や、ひろゆきさんの戦略の裏側について書かれている同書。
2020年に出版された『1%の努力』の続編として書かれていますが、未読でも存分に楽しんでいただける内容となっています。
自分にとってのあたりまえを、この一冊で覆してみてはいかがでしょうか?
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