ビジネスパーソンインタビュー
動画は【1月30日(月)20時】に公開!
“日常生活が困難”なADHDはどの程度? 当事者・医師と考える「ADHDとの上手な付き合い方」
新R25編集部
「ADHD」…この言葉自体はよく耳にするものの、どのような症状なのか正しく理解できている人は多くないのではないでしょうか。
また、「自分ももしかしたらADHDなのかも…?」と思い悩んでいる人もいるかもしれません。
そこで新R25と沢井製薬株式会社との共同で、ADHDへの理解を深めるイベント「市民公開講座 今知っておきたい、ADHDとの上手な付き合い方」を開催。1月30日(月)20時より、新R25公式YouTubeチャンネルでイベント動画を公開します。
古坂大魔王さんの司会進行のもと、国立精神・神経医療研究センターで発達障害を専門とされている医師・岡田俊先生と、ADHDを公表されているフリーライター・いしかわゆきさんをゲストに迎え、3部構成でADHDについて考えていきます。
① ADHDとは、いったい何なのか
② ADHDとの向き合い方〜自分編〜
③ ADHDとの向き合い方〜まわりの人編〜
今回は特別に、公開予定の動画から一部を先行してお届けします!
【古坂大魔王(こさかだいまおう)】1973年7月17日、青森県生まれ。1992年お笑い芸人「 底ぬけAIR-LINE」 でデビュー。ピコ太郎プロデューサー、文部科学省・CCC大使、総務省・異能vation推進大使。現在は、バラエティ番組をはじめ、コメンテーターとして情報番組への出演、世界のトップランナーと音楽、エンターテインメント等についてトークセッションをおこなうなど、幅広い分野で活躍中。
【いしかわゆき】HSP、ADHDを公表するフリーライター。2021年9月に上梓した『書く習慣〜自分と人生が変わるいちばん大切な文章力〜』(株式会社クロスメディア・パブリッシング)は2.2万部突破でAmazonベストセラー1位を獲得。2022年8月には『ポンコツなわたしで、生きていく。 〜ゆるふわ思考で、ほどよく働きほどよく暮らす〜』(技術評論社)が3刷を記録
【岡田俊(おかだ・たかし)】国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所知的・発達障害研究部部長、医師(精神科・児童精神科)、博士(医学)。京都大学、名古屋大学での勤務を経て現職。特別支援学校、児童相談所、知的障害者施設などでも務める
① ADHDとは、いったい何なのか
古坂さん
岡田先生、ADHDって何なんでしょうか?
岡田さん
ADHDというのは、「Attention Deficit(注意欠如)Hyperactivity Disorder(多動症)」の略称で、発達障害のひとつです。
古坂さん
ADとHDをくっつけた言葉…ということは、もうPPAP(ペンパイナッポー・アッポーペン)的な感じですかね?
古坂さん
具体的には、どういう症状・特徴があるんですか?
岡田さん
ADHDには、主にこんな特徴があります。
・ケアレスミスをよくする
・興味のあるものには深く集中できるけど、興味のないものには集中できない
・落ちつきがなく気が散りやすい
・時間を待てない
・計画的に行動できない
・思いついたらすぐに行動に移してしまう
岡田さん
このような特徴が自宅や職場や学校などのあらゆる場面で見られて、日常生活が困難になる場合にADHDと診断されるんですね。
昔は子どもの障害といわれていたんですけど、近年になって大人にもたくさんいることが気づかれてきているんです。
古坂さん
僕もいくつか思いあたりますけど…「日常生活で困る」というのはどの程度なんでしょうか。
実際にADHDと診断されたといういしかわさんは、どんなことに困っていますか?
いしかわさん
私の場合、不眠とオーバースリープ(過眠)の睡眠障害で、朝起きれないことにめちゃくちゃ悩んでいて。
社会人3年目まで、毎日親に起こしてもらってました。
古坂さん
睡眠のサイクルがうまくいかない?
いしかわさん
夜12時をまわっても全然眠くならなくて、寝たと思ったら10時間ぐらい寝ちゃって、起きたら昼…みたいな生活がずっと続いているんです。
その原因って、おそらく過集中と多動症なんですよ。
寝る前に本を読みだしたら絶対に読みきってから寝たいし、日中は考えまくったり動きまくったりしているから人よりも疲れて寝すぎちゃうんじゃないかなと。
古坂さん
なるほど…岡田先生、こういう睡眠の症状ってよくあることなんでしょうか?
岡田さん
睡眠障害はよくある症状のひとつですね。
ADHDの人は、活動と休息の切りかえが苦手で。活動性が落ちないまま夜になって、明け方になっても覚醒度が上がってこないので、朝なかなか起きづらいんですよね。
古坂さん
ほかに、仕事でも何か困ってることとかはありますか?
いしかわさん
たくさんあります。まず私、優先順位通りに動けないんですよ。
「この仕事を早めにやらなくちゃいけない」って頭ではわかってるんですけど、それよりも面白そうな仕事から着手してしまうんですよね。
いしかわさん
しかも過集中だから、一度やりはじめたらそのままずっと何時間でも続けたくなっちゃって…
会議とかで中断されると、すごい後ろ髪をひかれるんです。
古坂さん
うわ〜わかるな…仕事を中断されると、イライラしてしょうがないですよね。
いしかわさん
あと、マルチタスクも苦手です。
何か仕事をしているときにメールとかチャットとかが飛んできて対応すると、今やってたことを忘れちゃうんですよね。
古坂さん
それもわかる。マルチタスクをこなせる人ってこの世に存在するんですかね…
岡田先生、これらもよくある症状ですか?
岡田さん
はい。
「優先順位がつけられない」のと「過集中」は、ADHDの中核症状と言ってもいいかもしれないですね。
岡田さん
興味が湧くものには集中できるんだけれども、それ以外のものは難しい。目についたらやってしまって、終わるまで止めたくない。たまにじゃなくて、つねにこうなんですね。
約束の時間があるのに洗いものを始めちゃったり、「会議まであと10分です」と言われているのに1時間かかりそうな原稿に着手したり。
「ある〜!!! 」2人がハモりました
古坂さん
もう聞けば聞くほど、自分もADHDなのかもしれないと思えてくるんですけど…
でも僕みたいに、程度がわからないまま「俺も一緒だよ。みんなそうだよ」で終わっちゃう人が多いから、理解を得るのが難しいのかもしれないですね。
② ADHDとの向き合い方〜自分編〜
古坂さん
自分がADHDと診断された場合、どう向き合っていけばいいのでしょうか?
岡田さん
まずは、自分の得手不得手を知ることが大事です。
ADHDってネガティブな面だけじゃなくて、いろいろなことに興味を持てたり、面白いことがあったら人一倍集中して取り組めたり、優しくて素直だったりするポジティブな面もあるんですよ。
それを知ったうえで、「こうすると生きるのがラクだ」という工夫を積みかさねていくのがいいと思いますね。
古坂さん
そうか…芸人もそうだけど、いしかわさんのようなライターの仕事も、それを個性として活かせる職種ですもんね。
いしかわさんは、いつADHDの診断を受けたんですか?
いしかわさん
社会人3年目のときです。
仕事で人に迷惑をかけたり人間関係もうまくいかなかったりしていた時期で…
「何か解決方法を示してくれるんじゃないか」「もっとラクに生きる方法を提示してくれるんじゃないか」って、藁にもすがる思いで受診しました。
古坂さん
診断結果を聞くのは、怖くなかった?
いしかわさん
怖かったです。だって「私は障害なんだ」って受け止めないといけないじゃないですか。
でも同時に、「私の生きづらさには原因があったんだ」というのを知って、諦めたい気持ちもあったんですよ。
いしかわさん
それまでは「頑張ればできるはず」とか「できないのは努力不足」とか思ってたんですけど、診断を受けることで「自分はそういう性質だから、ある意味できなくても仕方のないことなんだ」って諦められたんです。
そのときに「ADHDだけどイイ感じに生きていこう!」って切りかえたんですよね。
古坂さん
重たい荷物をいっぱい持ってるんだから、1個くらい外しておこうよと。
「身軽ですか?」って聞かれたら身軽ではないんだけど、「さっきよりは軽いよ」というね。
古坂さん
具体的には、どんな工夫をしたんですか?
いしかわさん
もう徹底的に自分の苦手を排除していくって決めました。
会社員からフリーランスに転身して得意な仕事だけを選ぶようにしたり、「午前中は絶対に仕事を入れない」というマイルールをつくったり。
古坂さん
なるほど…得意を伸ばせる環境を自らつくったんですね。
先生、個人で戦える能力を持っていなかったりまわりの理解を得られなかったりして、いしかわさんのようにうまく乗りこえられない人はどうしたらいいんでしょう?
岡田さん
そういう人は、自分ひとりで解決しようとしすぎないことが大事です。
うまく乗りこえるための方法はいくつかあって…
③ ADHDとの向き合い方〜まわりの人編〜
古坂さん
まわりでADHDと診断された人とは、どんなことを心がけて接するのがベストなんでしょうか?
とくに親は「子どもがADHDだったらどうしよう」って悩むこともあると思います。
岡田さん
小さい子どもの場合は、その子が過ごしやすい状況に置いてあげることが大事です。
たとえば刺激が多い場所で興味のままに動きまわるなら、静かな場所に連れていって落ちつけるまで待つとか。
逆に絶対やっちゃいけないのは、「どうしてあなたはできないの?」と責めること。
岡田さん
責めても癇癪を起こすだけですから、どういう点で困っているのかをまず観察してあげてください。
とはいっても、まわりの人を納得させるために、親が代わりに落ちつきのない子どもを叱ってしまうこともあると思うので…
専門家の助言を受けて、状況を解釈するのがいいと思いますね。
「人目を気にして怒っちゃうのって悔しいんですよね…」
古坂さん
友人や職場の人、パートナーの場合はどうでしょう?
岡田さん
たとえばパートナーの場合でも「恋人」と「結婚したあと」と「子どもが生まれてから」では接し方が違ってくるので、“これ”というのは難しいんですけど…
ADHDの当事者が、「自分はどんな特性を持っていて、まわりにどんなふうに接してほしいのか」がわかる“トリセツ”のようなものを明文化して、相手に共有するといいと思います。
古坂さん
いしかわさんは、もうガッツリ“トリセツ”がありますもんね?
いしかわさん
あります。ライターとしてADHDを公表してるのもそうです。
それって自分のためでもあるけど、仕事相手のためでもあるんですよ。
どういうことかと言うと…
ADHD当事者やまわりの方が抱える赤裸々なお悩みに、専門家は果たしてどんな答えを提示してくれたのでしょうか…?
本イベント「市民公開講座 今知っておきたい、ADHDとの上手な付き合い方」は、2023年1月30日(月)20時ごろに、新R25のYoutubeチャンネルにてアップされます。
Youtubeのチャンネル登録+通知設定をして、動画の公開をお待ちください!
「市民公開講座 今知っておきたい、ADHDとの上手な付き合い方」
タイトル
「市民公開講座 今知っておきたい、ADHDとの上手な付き合い方」
公開日時
2023年1月30日(月) 20時
登壇者
司会進行:古坂大魔王(タレント)
ゲスト:岡田俊(医師)
いしかわゆき(ライター)
動画概要
トークセッション
① ADHDとは、いったい何なのか
② ADHDとの向き合い方〜自分編〜
③ ADHDとの向き合い方〜まわりの人編〜
視聴方法
YouTube「新R25チャンネル」で公開
主催・協賛
主催:株式会社CAM
協賛:沢井製薬株式会社
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