ビジネスパーソンインタビュー

仕事しながら地方創生ってどうやるの…? 自治体と経験者に“ゼロイチ話”を聞いたらワクワクした

「発想次第で“何でもできる”余白がある」

仕事しながら地方創生ってどうやるの…? 自治体と経験者に“ゼロイチ話”を聞いたらワクワクした

新R25編集部

Sponsored by 日経電子版

2023/05/31

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働き方が多様化している昨今。「副業に関心がある」「本業以外で自分のキャリアやアイデアを試したい」と考えるビジネスパーソンも多いのではないでしょうか?

そんな方に向けて日経電子版が新たな“探究の場”を提供するべく開始したのが「Xplorer(エクスプローラー)」プロジェクトです。

4月〜6月の本プロジェクト第1期のテーマは「地方創生」

全国各地の地方自治体や団体から、今取り組みたい「リアルな課題」を提供いただき、本プロジェクトの参加者がその解決策を探ります。

今回は、イベント第2回目となる「都市と地域『二拠点で働く』という選択肢」のパネルディスカッションの様子をお届けします。

(左から)北海道上士幌町・梶さん、香川県土庄町・多田さんと岡さん、北海道斜里町・初海さん、日経・清水さん

世界遺産の知床・斜里町「“観光”と“移住”のグラデーションを濃くしたい」

まずは横浜と北海道・斜里町の二拠点で“まちのクリエイティブディレクター”として働きながら、斜里町の自治体で地域ブランディングもおこなう初海さん

斜里町・初海さん

斜里町(しゃりちょう)のある知床は、世界遺産にも選ばれている場所です。

とは言っても、手付かずの大自然というわけではなくて、そこには人がいて暮らしがあるんですよね。

私は、そういった自然と人が共生する“新しくて多様な斜里町のイメージ”をつくっています。

日経・清水さん

具体的にはどのような仕掛けをしているんですか?

斜里町・初海さん

たとえば、「知床トコさん」というキャラクター。

知床の場所やお店をめぐるスタンプラリーや、アウトドアブランドとコラボしたグッズ販売など、このキャラクターを軸に最後には地域に還元されるような企画を展開しています。

斜里町・初海さん

ほかにも企業と連携して、プロのスノーボーダーが地元のスキー場で子どもたちと一緒にすべるプログラムの実施なども試みていまして。

子どもたちがその体験を覚えていて、5年後〜10年後に同じようにこの地域でいい循環を生むキッカケになるような“持続可能な取り組み”がしたいと思っています。

土庄町・岡さん

一つ質問いいですか。

たくさん自治体があるなかから、斜里町を選んだ決め手は何だったのでしょう?

斜里町・初海さん

2015年に、当時勤めていた広告代理店のコンペでこのプロジェクトに参画したんですけど…

役場で働く方たちの先進性にびっくりしたんですよね。

「新しい発想を求めてコンペをやろうとする人がいるんだ」と思って。そんな人たちの中に入って一緒に何かしたいと思い、去年会社を辞めて飛び込みました。

日経・清水さん

チャンスを与えてくれる自治体の懐の深さがあるんですね。

初海さんのように二拠点目に斜里町を選んだ方たちと、一緒に解決したい「課題」は何でしょうか?

斜里町・初海さん

“観光”と“移住”の間にあるグラデーションを濃くしたいです

今って「1泊すると観光」で「365泊すると移住」というふうに捉えられていると思うんですけど、その中間があれば地域との接点って増えていくと思うんですよね。

都会暮らしの人が観光以外で地域に関わるアイデアを、ぜひ一緒に考えてもらえたらと思っています。

香川県・豊島「スーパーもコンビニもないから…“つくる余白”があります」

香川県にある人口700人の豊島で生まれ育った多田さんと、去年豊島に移住した岡さんの、誕生日が4日違いという“24歳コンビ”が登壇

豊島・岡さん

僕は、去年から東京と豊島(てしま)の二拠点で活動していまして。

豊島では「豊島エスポワールパーク」という宿の運営に携わっています。

ガーデンや宿泊施設、レンタルスペースを兼ね備えた複合施設です

豊島・多田さん

僕は豊島でイチゴ農家をしているんですけど、アフリカのケニアにも拠点を置いて、イチゴ栽培に挑戦しています

気候の面でもマッチしますし、治安が安定しているうえにアフリカのなかでも今一番成長が著しい国なので、富裕層を狙って売っていこうと思っていて。

収穫のない閑散期を狙って、2カ月ほどケニアに行ったりしています。

日経・清水さん

宿と農業、どちらもハコにべったりくっついてやらないといけない仕事のスタイルなので、移動など大変な面もあると思うんですが…

それを上回る、二拠点で働くメリットって何ですか?

豊島・岡さん

なんと言っても、家賃が安い

東京に住んでいたときに比べて破格で住めるので、二拠点生活の交通費を差し引いても、ちゃんとお金が貯まるんです。

あとはやっぱり旅が好きなので、「明日行ってみたいな」となったときに行ける身軽さもいいなと思ってます。

豊島・岡さん

あと豊島って、スーパーもコンビニもないくらい都市部と相反するまちなんですけど…

それって裏を返せば、発想次第で“何でもできる”余白があるということなんですよ。

そこで今回僕たちが持ってきたのは、「あなたが『これだけは必要でしょ!』と思うものを一緒にカタチにしよう」という課題です。

豊島・岡さん

僕が「豊島にこれだけは欲しい」って思ってるのがサウナなんですけど。

彼(多田さん)が実家の裏山にたまたま素晴らしい森を所有しているので、そこにサウナをつくるプロジェクトを進めています。

この僕の「サウナつくりたい」ぐらいの気持ちで、一緒に何かをつくっていける人がいたらうれしいなって。

上士幌町・梶さん

サウナといえば…

斜里町では、流氷を見ながら入る「流氷サウナ」が人気だと思うんですけど。

斜里町・初海さん

ありますね。

上士幌町・梶さん

じつは上士幌町では、牛を見ながら入る「牧場サウナ」っていうのが人気なんです(笑)。

ぜひ、豊島ならではのサウナをつくってほしいと思いますね。

日経・清水さん

豊島は、“アートの島”として知られる直島が近いから観光客やインバウンドも多いですし。

漁業とか米とかも含めて自給自足できちゃうので、“ていねいな暮らし”を送りたい移住者も多いですよね。

ART SETOUCHI

ART SETOUCHI は、3年に1度開催される「瀬戸内国際芸術祭」とその間に取り組まれる活動の総称です。

2025年には3年に1度の「瀬戸芸」が開催。訪日客のニーズがさらに高まります

豊島・多田さん

もう今は小中学校に子どもを通わせていらっしゃる親御さんの半数ぐらいが移住者のようですし、移住者が増えていることを肌でも実感してます。

ただ、ずっとここに住んでいると新しい発想が薄れてくるので…

外からの視点で新しい風とか意見が欲しいなっていうのが僕たちの思いですね。

北海道・上士幌町「兼業・副業で二拠点活動する“企業人”を増やしたい」

最後は、北海道・上士幌町のデジタル推進課で課長を務める梶さん

上士幌町・梶さん

十勝にある上士幌町(かみしほろちょう)は、人口5000人、牛が9倍の4万5000頭くらいいる、食料自給率3500%を誇るまちです。

牛のふん尿をバイオガス発電のエネルギーに変えて町民の年間使用分を賄った事例が評価され、ジャパンSDGsアワードの内閣官房長官賞をいただいたりもしました。

私はそんな上士幌町のデジタル推進の部署で、持続可能なまちをつくる取り組みをしています

上士幌町・梶さん

たとえば高齢者が利用するバスを、利用者の予約に合わせて運行する「デマンド型交通」に変えたのもその一つです。

80代〜90代の方でもわかりやすく使える予約用のタブレットを貸与し、オペレーターなしで対応できるようにしました。

これを持続可能にするために、自動運転のバスが定常的に走っているんですよね。

道内初の自動運転バスは、今年中に完全無人化を目指しているのだそう

上士幌町・梶さん

ほかにも、物流を持続可能にするためにドローンも活用していまして。

深夜2時までやっている無人ストアから農村地域に商品を届けたり、逆に観光スポットから市街地にハンバーガーを届けたり…というのを、ドローンと連携してやっています。

日経・清水さん

すごい…最北のスマートシティですね!

上士幌町・梶さん

もちろんこれらの取り組みは、さまざまな技術を持つ企業さんの協力があって実装できたことです。

上士幌町が抱えている課題はまさにそこで…

上士幌町と関わっていく“企業人”をもっと増やしたいんですよ。

上士幌町・梶さん

いきなり都会から移住してくるのはハードルが高いと思うので…

まずは都会のビジネスパーソンと地元企業とをつないで課題解決をする「縁ハンスプロジェクト」から、兼業・副業として参画してみてほしいんですよね。

斜里町・初海さん

じつは僕も、このプロジェクトで豆農家さんとマッチングして、「Oribe Beans」という新しいブランドラインを立ち上げたんです。

ちょうどコロナ禍だったのでデザイナーさんと一度も会えなかったんですが、「それでもものづくりできるんだ!」という発見がありましたね。

上士幌町・梶さん

初海さんのようにデザインの力でまちをつくれる人材も不足しているので、デザイン関連のワークショップも定期的に開催していますし…

1企業につき年間10万円で最大5名まで泊まれるお手頃なシェアハウスの用意など、企業人の受け入れ体制が充実しています。

人口5000人のマーケットで一つサービスができれば、同じ悩みを抱える180くらいの自治体で横展開できる大きなビジネスになるので…

ぜひその一歩をこの上士幌町から始めてほしいです!

各自治体が発表しているプロジェクトをおさらいすると…

【斜里町】
観光と移住の間のグラデーションを濃くするアイデアを一緒に考える

【豊島】
コンビニもスーパーもない人口700人の島の「これだけは必要!」をカタチにする

【上士幌町】
① 企業人としてのリソース・アイデア・テクニックを持って関わる
② 生産者の課題を解決する「縁ハンスプロジェクト」への参加

どれもあなたの提案次第によっては、自分のアイデアで地方創生につなげる大きなビジネスが生まれる可能性も!?

プログラムやスケジュール、各プロジェクトへの募集などはGooglechatコミュニティでおこなうそうなので、気になった方はまずはこの記事から参加申し込み(無料)をしてみてください。

第4回「動こう!地域で”コト”を起こす」
 6/7(水)18:30~Wework原宿で開催

第5回「世界に通じる”サステナブルな観光資源”」
 6/22(木)18:30〜Wework渋谷スクランブルスクエアで開催

第6回「未来につながる里山SDGs(仮)」
 6/27(火)18:30〜Wework丸の内北口で開催

「自分の力を本業以外で試したい」「スキルアップのきっかけにしたい」という方は、ぜひ「Xplorer」に参加して、実務を通してビジネスパーソンとしての力をつけてみませんか?

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