出演者にも変化が？ 加熱する「リアリティショー」の最新トレンドを聞く

最近、「リアリティショー」が人気らしい。AbemaTVでも「REALITY SHOW」というチャンネルがあるし、Amazonプライム・ビデオの『バチェラー・ジャパン』にハマっている人も多い！

「リアリティショー」とは事前の台本や演出がない素人参加型の番組で、さまざまな状況に置かれた参加者の様子を、臨場感を持って楽しむというものだ。

2000年代には、“ラブワゴン”に7名の男女が乗り込んで世界各地を旅し、そのなかで生まれる恋愛を描いた『あいのり』（フジテレビ系）などが人気を集めていた。

そして、2012年の『テラスハウス』（フジテレビ系）で人気が再燃して以降、ネットテレビを中心に新しいリアリティ番組が続々と誕生。そのトレンドを解剖してみた！

サイバーエージェントとテレビ朝日が展開する「AbemaTV」のプロデューサー・横山祐果さんはこう語る。

「以前に比べて、より映像的に美しい、“フォトジェニック”なリアリティショーが人気を得るようになってきたと感じています。2012年の『テラスハウス』あたりからその傾向は顕著になっていて、視聴者が求めているものを反映していった結果ですね」

リアリティショーといえば、けっこうドロドロした恋愛模様を描くことも多いイメージですが、フォトジェニックさも必要なんでしょうか？

「そうですね。むしろ女子が好きな『恋愛のドロドロ』と『見栄えがキレイなもの』の掛け合わせが、現在のリアリティショー人気につながっているといえそうです。『インスタ映え』などの流行にもある通り、いまの若い女性は『キレイなのが当たり前』という感覚すらある。私が担当していた『オオカミくんには騙されない♡』という番組でもそれは意識していて、美男美女の恋愛と、人狼ゲームの“人を騙す要素”をミックスしたような内容でした」

横山さんいわく、憧れを生む「フォトジェニック要素」として、同番組内にも幻想的な「縁むすび風鈴」が美しい川越氷川神社や、湘南の海なども登場させるようにしたという。

2000年代の人気番組『あいのり』は、世界一周の旅の途中、さまざまな名所に行くことも多かったが、東南アジアや南米のリアルな生活をリポートするなど、「フォトジェニック」というよりは放浪の旅的なビジュアルイメージも強かった。

1990年代に流行した『進め！電波少年』（日本テレビ系）の「ヒッチハイクシリーズ」の流れも汲んでいたのだろうか…。

さらに、以前のリアリティショーは「素人参加」が基本だったが、最近は芸能人やタレントの卵などが出演するように。

2015年から2016年まで放送されていた『ラストキス〜最後にキスするデート〜』（TBS系）は、芸能人が1日限定でカップルとなり、最後には必ずキスをするという過激な企画が大きな反響を呼んだ。

これに対して横山さんは、「こちらもSNSの影響か、視聴者は『身近な憧れ』を抱ける出演者を求めているといえそうです。『オオカミくん』もそこを意識していますね」とのこと。

『オオカミくん』には雑誌『Popteen』のモデルなどが起用されているが、それが単なる“視聴率稼ぎ”であれば、ウソに敏感な現代の視聴者には見透かされてしまう。

そういった出演者たちが本気で恋をするというリアリティが、見ている人を夢中にさせているといえそうだ。

ちなみに、海外は日本よりもリアリティショーの放送も多く、なかにはかなり過激なものも！

『Are You the One?』は、10人対10人の独身男女が運命の相手を探してお見合いバトルをする番組。参加者は一般の恋愛下手の独身男女だが、共同生活にはブンブンルームという、いわゆるエッチOK部屋というものも設置され、1日目からその部屋を使うカップルも出てくる。

『Dating Naked（裸でデート）』は、はじめて顔を合わせた男女が、デートを重ねながらカップルになるかどうかを決めていく番組。デートをする場所は南国リゾート地だが、ただデートをするのではなく、なんと男女ともに全裸でデートをするのだ…。

『Naked and Afraid』は、一糸まとわぬ姿の男女ペアが、ジャングルや無人島などの過酷な環境で3週間の原始生活に挑む番組。アメリカのディスカバリーチャンネルの人気番組で、日本のディスカバリーチャンネルでも『The Naked』として放送開始。

規制の少ないネット番組が台頭していることもあり、日本のリアリティショーも（ここまではなさそうだが）より過激になっていく可能性が高そうだ。

今後どんな人気番組が出てくるか楽しみにしたい！

〈取材・文＝新R25編集部〉