ビジネスパーソンインタビュー
考古学の知見をもとに再現。後継者不要・EC購入可能な「竹田式古墳墓」の仕組み
自分のお墓に“古墳を選ぶ”時代へ。令和に「前方後円墳」が生まれたワケ
新R25編集部
散骨、合葬墓、樹木葬——。お墓をめぐる選択肢が多様化するなか、なんと「古墳に入る」という選択肢も登場しています。
かつて大王や豪族など、当時の有力者が眠った古墳を、現代のお墓として再構築したのが、株式会社前方後円墳が手がける「竹田式古墳墓」。
一般の人も入ることができ、後継者不要。プランは19.3万〜で、契約・決済はネット上で完結します。
とはいえ、ただ前方後円墳のかたちを再現しただけではありません。その背景には、日本のお墓の歴史をさかのぼって考えた、独自のこだわりがあるのだとか。
令和の時代に、なぜ“古墳”なのか——。
株式会社前方後円墳の代表取締役・竹田恒泰さんに、誕生の背景からその仕組みまで、詳しく伺いました。
〈聞き手=鳥山可南子(新R25編集部)〉
「継ぐ」から「選ぶ」へ。古墳墓誕生の背景

鳥山
実は以前、テレビで竹田さんが前方後円墳をつくっているとお話しされているのを拝見していて、ずっと気になっていたんです。

竹田さん
ありがとうございます。
株式会社前方後円墳では、一般の方々に手ごろな価格で古墳墓を提供しています。


鳥山
古墳といえば、その時代の大王や豪族など、有力者が眠るお墓というイメージがありますよね。
そこに一般の人も入れるというのも、驚いたポイントでした。
そもそも、なぜ現代に前方後円墳をつくろうと思ったのでしょう?

竹田さん
私の母方のお墓は仏式の一般墓なんですが、父方は神式の墳墓、上円下方墳なんです。
父は三男なので、新たに墳墓をつくらなくてはと思っていたところ、周囲の人たちから「古墳をつくってほしい」と、ものすごく言われまして。

鳥山
そこで“古墳”という発想につながったんですね。

竹田さん
一方で、今は墓石を建てないという選択をする方も増えています。
かつては、お墓は「家族が守るもの」「代々受け継ぐもの」という考え方が一般的でした。
でも、核家族化やライフスタイルの変化によって、お墓との向き合い方も変わってきています。

鳥山
「家のお墓を継ぐ」という前提自体が、変わってきていると。

竹田さん
そうです。
だからこそ、お墓も“義務として受け継ぐもの”ではなく、「自分はどんなお墓に入りたいか」を考えて、自分で選べるものになっていいと思うんです。
私たちが提供する古墳墓は、日本の歴史を象徴する“古墳”というかたちを取り入れながら、現代のお墓事情に合わせた前方後円墳型の樹木葬です。

「純日本式の樹木葬」を考えた先に、“古墳”があった

鳥山
「前方後円墳型の樹木葬」とおっしゃっていましたが、「古墳」と「樹木葬」って、私のなかであまり結びついていなくて…

竹田さん
樹木葬と聞くと“新しい埋葬の考え方”のように思われていますが、私は先土器時代から縄文時代、弥生時代を経て大和時代に至るまで、日本人のお墓は樹木葬が基本だったと考えています。
古墳も、その1つです。

鳥山
“古墳も樹木葬”という捉え方なんですね。

竹田さん
そうです。
仏教が日本に入ってくる以前は、今のように墓石を建てるお墓ではありませんでした。
現在主流になっている樹木葬は西洋式のものが多いですが、「では、純日本式の樹木葬とは何だろう?」と考えると、自ずと古墳に行き着くのではないかと思ったんです。

鳥山
新しいお墓をゼロからつくったというより、日本に古くからあったお墓のあり方を、現代に合わせて再構築したと。

竹田さん
はい。ただ土を盛って前方後円墳のかたちにした、“なんちゃって古墳”をつくっているわけではありません。
考古学者や神道学者、建築家などの知見を取り入れながら、現代につくる古墳のあり方を追求しています。


鳥山
かたちだけでなく、当時のお墓や祭祀(さいし)のあり方まで意識されているんですね。

竹田さん
もちろんです。
考古学によってわかってきた当時の祭式も研究して、現代の神道祭祀に反映させています。
古墳自体も、3世紀の大和の古墳をモデルに、段築や水堀、葺石、石室など、当時の構造を再現しています。

鳥山
想像以上に“ガチ”ですね。

竹田さん
ガチです(笑)。
古墳には副葬品も欠かせませんから、鏡・剣・勾玉なども再現しています。
せっかくつくるのであれば、古墳文化そのものをきちんと後世に残せるものにしたいですからね。

鳥山
ここまで聞くと、かなり本格的ですし、相当ハードルの高いお墓なのかなと思ってしまいます…

竹田さん
実は、価格は比較的手ごろなんです。
古墳墓によって異なりますが、合祀(ごうし)墓なら19.3万円から購入できます。
しかも、購入はECサイト「古墳の窓口」からできます。

鳥山
この“ガチな古墳”が、ネットで20万円以下で買えてしまうんですか?

竹田さん
そうなんです(笑)。
クレジットカード決済などにも対応していて、契約から決済までオンラインで完結します。
当社調べでは、お墓の購入をインターネット上で完結できる仕組みは日本初です。

鳥山
ネットで購入できるだけでなく、先ほどおっしゃっていた「後継者がいらない」というのも大きな特長ですよね。

竹田さん
古墳墓は集合墓なので、一般的なお墓のように、子どもや孫に代々管理してもらう必要がありません。
永代にわたって必要となる管理費も契約時にまとめてお支払いいただくので、毎年管理費を払い続ける必要もないんです。

鳥山
自分が亡くなったあとに、家族がお墓を継いだり、管理費を払い続けたりしなくていいと。

竹田さん
そうです。
埋葬方法は、大きく分けて2つあります。1つは個別の区画に埋葬する「永代祭祀墓」。もう1つが前方部分に設けられた「合祀墓」です。
一基の前方後円墳全体が、大きな集合墓になっています。
場所によってはペットと一緒に入れる区画もありますし、それぞれの希望に合わせて選べるようになっています。
生前に“自分のお墓”を選ぶ。「古墳同窓会」が生むつながり

鳥山
こうした古墳墓を、実際にはどんな方が選んでいるんでしょう?

竹田さん
生前に、ご自身のお墓として契約される方が多いですね。
たとえば大阪メモリアルパーク古墳墓では、販売開始から1カ月で363区画をご契約いただきました。

鳥山
1カ月で363区画! かなりの反響があったんですね。

竹田さん
大阪では、契約者の約8割が生前契約です。
今は「墓じまい」という言葉もよく聞くようになりましたし、樹木葬や合葬墓など、従来のお墓とは違う選択肢も増えています。
ただ、お墓の話というと、どうしても「残された家族に迷惑をかけないために」という、少し後ろ向きな終活になりがちじゃないですか。

鳥山
「子どもに負担をかけたくないから、お墓をどうにかしておこう」といった考え方ですね。

竹田さん
もちろん、それも大切です。
でも、自分がこの世を去ったあとにご遺族のための供養の場を残すことも、とても重要です。
古墳墓は、家族に管理の負担を残さずに、自分らしい“終の住処”を選べるお墓でもあると思っています。

鳥山
「お墓をどう処分するか」ではなく、「自分はどこに眠りたいか」を考える終活なんですね。

竹田さん
そうです。
実際に、「自分の還る場所が定まったことで、これからの人生をより前向きに歩めるようになった」といった声もいただいています。
それに、契約者同士が交流する「古墳同窓会」も開催しています。同じ古墳に入る予定の方々が、生きているうちから顔を合わせる場です。

鳥山
ユニークなネーミング(笑)。いわば、“未来の古墳仲間”と生前から交流できるわけですね。

竹田さん
そうです(笑)。
お墓というと、亡くなったあとのことだけを考えるものに思えますが、古墳墓をきっかけに、生きているうちから人とのつながりが生まれる。
そういうところも、これまでのお墓とは少し違うところだと思います。

全国100基へ。“古墳に入る”を身近な選択肢に

鳥山
ここまでお話を聞いていると、「古墳に入る」ことが、最初に思っていたほど突飛な選択ではなくなってきました。

竹田さん
現在は、千葉・香川・大阪・宮城の4カ所で古墳墓が完成・販売されています。
今後はさらに全国へ広げ、100基の古墳墓をつくることを目指しています。


竹田さん
古墳というと、一部の特別な人のためのお墓というイメージが強いと思います。
でも、私たちはこれを現代のお墓の選択肢の1つとして、もっと身近なものにしていきたいんです。

鳥山
歴史的な背景を踏まえて本格的につくられていながら、後継者不要で、購入はネットで完結する。
最初は「令和に前方後円墳!?」という驚きでしたが、お話を聞くと、現代のお墓が抱えている課題にも合った仕組みなんですね。

竹田さん
お墓をどうするか悩んでいる方や、古墳墓に興味を持ってくださった方には、まず「古墳の窓口」を見ていただけたらと思います。
古墳という日本古来のお墓のかたちを、現代のお墓事情に合わせて再構築した「竹田式古墳墓」。
後継者不要、管理費一括、購入はネットで完結。一方、その裏側には、古代の墓制や祭祀までさかのぼるこだわりがありました。
「ここに自分が生きていた」という痕跡を、静かに、穏やかに残していく。
これからのお墓選びに、“古墳”という選択肢が加わっていくのかもしれません。

ビジネスパーソンインタビュー

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