ビジネスパーソンインタビュー
香りや味を学び、自分だけのブレンドをつくるワークショップを開催
自分に合う一杯は、自分でつくれる。90分で学ぶ「ハーブティーブレンド講座」の魅力
新R25編集部
「いまの自分には、どんな一杯が合うんだろう?」
毎日の飲み物を、そんなふうに自分の状態に合わせて選ぶ機会は、意外と少ないかもしれません。
有限会社BRONCO代表のセタユウジさんが手がけるハーブティーブランド「ROEROE(ロロ )」では、自分だけのオリジナルブレンドをつくる「ハーブティーブレンド講座」を開催しています。
▼ROEROE誕生までのストーリーはこちら
自身の経験から植物療法を学び、2024年に同ブランドを立ち上げたセタさん。90分のワークショップでは何を学べるのか。講座を続ける理由と、ハーブティーに込める想いを伺いました。
〈聞き手=鳥山可南子(新R25編集部)〉
自分だけの一杯をつくる「ハーブティーブレンド講座」

鳥山
ROEROEでは、ハーブティーの販売だけでなく、自分でブレンドをつくるワークショップも開催しているそうですね。

セタさん
「ハーブティーブレンド講座」というワークショップで、まずハーブについて簡単に学んだあと、シングルハーブ5〜6種について、1種ずつ五感を使って特徴を確かめる“官能評価”をして、自分だけのブレンドをつくります。
完成したブレンドは、ROEROEオリジナルのパッケージに詰めて、お持ち帰りいただけます。


鳥山
いきなりブレンドするのではなく、まずは一つひとつのハーブをじっくり味わうんですね。

セタさん
そうです。
たとえばローズは、ブレンドティーによく使われますが、シングルで淹れると「こんな味だったの⁉︎」と驚かれる方も多いんですよ。

鳥山
たしかに、ブレンドしているハーブティーの内容を聞いたときによく挙がる名前ですが、言われてみれば単体の味は知らないかも…

セタさん
阪急うめだ本店では2025年4月の初開催以来、これまでに4回開催しています。
テーマは毎回変えていて、たとえば2025年10月は「ストレスケアの回」、2026年1月は「冬に備える免疫ブレンドの回」を開催しました。
2026年4月からは、新シリーズとして「時間帯ごとのハーブティーの取り入れ方」をテーマに、朝・昼・夜の全3回を展開しています。


鳥山
飲むタイミングによって、おすすめの取り入れ方も変わってくるんですね…!

セタさん
はい。朝なら脳をクリアに目覚めさせるハーブでブレンドを構成します。
昼はリフレッシュにいいハーブ、夜は鎮静とリラックスが得意なハーブから選びます。

鳥山
所要時間や参加費についてはいかがですか?

セタさん
所要時間は90分で、参加費は回によって異なり、5,500円から。
定員8〜12名のアットホームな空間で、楽しみながら学んでいただけます。
また、DEAN & DELUCAでも、2026年2月に六本木店、品川店、たまプラーザ店の3店舗で開催しました。
DEAN & DELUCAで恒例のお茶の企画があり、そのタイミングで先方からお声がけをいただいたんです。


鳥山
阪急うめだ本店やDEAN & DELUCAで開催されているのも、ROEROEらしいですね。

セタさん
僕はもともと、雑誌のアートディレクションなどを通して、ライフスタイルを提案する仕事を長くしてきました。
植物療法も、効能やスペックだけではなく、暮らしのなかでどう楽しむかを提案したい。そこは、これまでのキャリアとハーブティーがつながる、自分ならではの部分だと思っています。


セタさん
講座やワークショップの開催時期やテーマ、会場は回ごとに変わります。
ROEROEの最新情報は、公式サイトで随時ご案内していますので、ぜひチェックしてください。
ハーブティー専門店が「教室」を開くワケ

鳥山
ところで、なぜハーブティー専門店が「教室」という形でワークショップを開いているのでしょう?

セタさん
日本では、ハーブティーがまだ本当の意味で浸透していないと感じているからです。
よく聞くのが、「どこから手を出せばいいかわからない」「飲み方がわからない」「どんな種類があるのかわからない」という声なんですよね。

鳥山
私もハーブティーを選ぶときにそこまで深く考えず、なんとなく飲んでいるかも…

セタさん
ワークショップでお客さまにいちばん驚かれるのは、香りのよさと味わいです。
市販のティーバッグは、茶葉が細かくされているものも多く、どうしても香りが飛びやすい。一方、リーフティーは植物の形が残っているので、豊かな香りや奥行きのある味わいを楽しめます。
実際に飲んでみると、その違いを感じていただけると思います。


セタさん
僕の妻も、ROEROEを始めたころからずっとテイスティングしてくれているのですが、日常的に飲み重ねるうちに、どんどんセンサーが開き、細かく感想を伝えてくれるようになっていて。
ハーブティーって、知れば知るほど楽しくなる飲み物なんです。

鳥山
飲み続けることで、感じ取れるものも増えていくんですね。

セタさん
ヨーロッパでは、ハーブティーが家庭に常備され、老若男女問わず日常的に楽しまれています。
日本でも、まずは本来の香りや味わいに触れてもらう入り口をつくりたい。それが、僕がワークショップに取り組んでいる理由のひとつです。
ネットショップだけでは、中身や味わいまではなかなか伝えきれません。ポップアップなら実際に試飲していただけますし、ワークショップではさらに、ハーブ一つひとつの個性や、歴史のなかでどのように使われてきたかまでお伝えできます。
背景を知ったうえで飲んでみると、お茶に対する感度が上がって、感じ方も変わってくるんですよ。


鳥山
なるほど。ただ飲むのと、知って、納得したうえで飲むのとでは、感じ方が変わりそうですね。

セタさん
僕自身、植物療法士の資格を取るために勉強していたとき、教科書をいくら読んでも、なかなか実感が湧かなかったんです。
そこでシングルハーブを自分で買って、実際に一つずつ飲んでみたら、初めて気づくことがたくさんありました。
一つひとつの味や香りを知っていると、ブレンドを飲んだときにも、「この香りはあのハーブかな」と、感じ方が驚くほど繊細になっていくんです。
ワークショップは、そんな体験を90分で気軽に楽しめる場でもあります。

鳥山
ハーブの知識がまったくなくても大丈夫ですか?

セタさん
もちろんです。参加される方も、「ハーブのことは全然わからない」という方がほとんどですよ。
でも、シングルハーブを1種ずつ、メモを取りながら香りや味を確かめて、その印象を発表してもらうと、皆さん驚くほど表現が豊かなんです。
感じ方は人によってまったく違う。それでいいんです。
完成したブレンドを隣の人と嗅ぎ比べたり、感想を伝え合ったりするうちに、参加者同士が自然と仲良くなっていく。前のめりに質問してくださる方もいて、だんだん場に一体感が生まれていくんです。
「みんなでつくり上げていく時間」にしたいと思っていたので、それが実現できるのもうれしいですね。


鳥山
正解を覚えるというより、自分がどう感じたかを楽しむんですね。

セタさん
僕は、お茶を選ぶことは、自分の身体に対する解像度を上げることだと思っています。
「いま自分はどういう状態だろう」と自分をスキャンして、そのときの自分に合うものを選ぶ。それ自体が、セルフケアの入り口になると思うんです。
リーフティーを淹れるには、お湯を沸かして、茶葉をポットに入れて、蒸らして、少し待つ時間が必要ですよね。
ちょっと面倒かもしれないけれど、その数分が、マインドフルネスやメディテーションのように、1日のなかで自分自身のためにつくるブレイクになる。

鳥山
忙しい毎日だからこそ、あえてそんな時間をつくる、と。

セタさん
一杯のお茶なら、始めやすいと思うんです。
時間の流れや情報の波をいったん断ち切って、「自分」に帰る。
ハーブは種類が本当に多くて、一つひとつに歴史や物語があります。知れば知るほど、知的好奇心をくすぐられる世界なんですよ。
▼ROEROEが提案するコンディショニングティーとは?

セタさん
コーヒーが「こだわりの飲み物」として定着したように、ハーブティーもいずれそうなっていくと思っています。
まずは気に入ったものを一つずつ、自分の身体と相談しながらライフスタイルに取り入れて、自分なりにアレンジしてみてほしい。
ワークショップが、その一歩になれたらうれしいです。
仕事の合間にも“自分のパフォーマンスを上げる”一杯を

鳥山
自分の状態に合わせて選ぶという意味では、仕事中にもハーブティーを取り入れられそうですね。

セタさん
僕が最初につくったブレンドが、まさに仕事中に飲むための「EUREKA|ひらめき」なんです。
名前は、アルキメデスの「Eureka(ひらめいた)」から取りました。
アイデアに詰まったときや、気持ちを切り替えたいときに飲みたいと思ってつくったもので、ローズマリー、ゴツコラ、ギンコー(イチョウ葉)など8種のハーブをブレンドしています。
すっきりとシャープな口当たりで、僕自身、今も仕事中によく飲んでいます。


鳥山
ハーブティーというと、リラックスタイムに飲むイメージが強かったです。

セタさん
もちろん、ゆっくり休みたいときにもいいですが、僕は「ここで一度切り替えよう」というタイミングにも取り入れています。
仕事に集中したいときや、ここ一番という場面を迎える前に、自分を整えるための一杯として、男性にもぜひ飲んでみてほしいですね。
ただ、ハーブティーは薬ではありませんし、飲めばすぐに何かが変わるようなものでもありません。
毎日のなかに取り入れながら、自分の状態に目を向けるきっかけになる。僕は、そんな飲み物だと思っています。

鳥山
だから、一度飲んで終わりではなく、日常の習慣として取り入れてほしいと。

セタさん
まずは3カ月、日々のなかで飲む習慣をつくってみてほしいと思っています。
2026年8月から定期便のサブスクリプションを始めたのも、そのためです。
毎日の生活にお茶の時間が組み込まれると、「今日はどういう一杯にしよう」と考える時間も自然と生まれます。自分の状態に目を向ける習慣も、一緒に育っていくと思うんです。


セタさん
それから、もっと気軽にハーブティーを楽しんでもらうために、新しくティーバッグもつくりました。
実はこれまで、ROEROEにはティーバッグの商品がなかったんです。ティーバッグにするには茶葉を細かくする必要があることも多く、香りや味わいの面で、僕たちが納得できるものをなかなかつくれなくて。
それでも、働く方にももっと身近にハーブティーを楽しんでほしいと思い、提携工場と何度も話し合いを重ねました。
試行錯誤の末、ようやく満足できるものが完成し、2026年9月に発売する予定です。
2煎目まで、しっかりと香りと味わいを楽しめるティーバッグになっています。

鳥山
忙しい日はティーバッグ、時間に余裕がある日はリーフティーと、生活に合わせて選べるようになるんですね。
「自分」に帰る時間を、もっと多くの人へ

鳥山
お話を聞いていると、ワークショップはハーブの知識を学ぶだけでなく、自分自身と向き合う時間にもなっているんですね。

セタさん
僕自身、仕事が大好きで、好きだからこそ終わりがなくて。寝に帰るだけのような生活を何年も続けた結果、心身のバランスを崩した経験があります。
コロナ禍で立ち止まらざるを得なくなり、初めて自分と向き合う時間ができました。薬だけに頼るのではなく、自分にできることを探すなかで出会ったのが植物療法です。
世界中からハーブティーを取り寄せて飲んでみたものの、当時は心から「これを飲みたい」と思えるものになかなか出会えませんでした。
それなら自分でつくろうと思ったのが、ROEROEの始まりです。


鳥山
そのときの体験が、今のワークショップにもつながっているんですね。

セタさん
あのとき僕自身が感じたハーブティーの魅力を、今度は自分の言葉で、目の前の人に直接お伝えしたいんです。
商品を手に取ってもらうだけでは伝わりきらない香りや味わい、ハーブの背景まで共有して、その人自身に感じてもらう。それが、ワークショップを続けている原点です。
これからも全国いろいろな場所に伺って、なるべく多くの方と直接お会いしながら、ハーブの魅力を伝えていきたいと思っています。
慌ただしい毎日のなかでは、「いまの自分はどんな状態だろう?」と立ち止まって考える時間さえ、つい後回しになりがちです。
ハーブの香りや味を確かめ、自分の感覚で選び、自分だけの一杯をつくる90分。
「いまの自分には、どんな一杯が合うんだろう?」
ROEROEのワークショップが、そんなふうに自分自身へ目を向けるきっかけになるかもしれません。
気になる方は、ぜひ公式HPでワークショップの情報をチェックしてみてくださいね

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