

「受け継がれるレシピを現代に蘇らせる」デザイナーが手がけるハーブティーブランド「ROEROE|ロロ の薬草店」
植物療法の知恵が詰まった、次世代のお茶
新R25編集部

日々、疲れたまま寝て、起きて…その繰り返し。新R25世代にも、そんな毎日をなんとなく過ごしている人は多いのでは?
数々のファッション誌を手がけてきたデザイナーの有限会社BRONCOの代表・セタユウジさんが店主を務めるハーブティーブランド「ROEROE|ロロ の薬草店」ではストレスを避けて通れない現代の社会生活で必要とされている「癒やし」を届けているそう。
なぜデザイナーがハーブティーを手がけることになったのか、セタさんの体験が詰め込まれたプロダクトが誕生するまでのストーリーをお伺いしました。
〈聞き手=森田志穂(新R25編集部)〉
新ブランドは、自身の経験から始まった。

セタさん
「ROEROE|ロロ の薬草店」は、2024年4月にローンチしたハーブティーブランドです。

森田
セタさんはデザイナーなんですよね。なぜデザイナーさんがハーブティーを?

セタさん
僕は三重のすごい田舎出身なんですね。小学校に行くのに、歩いて1時間かかるような。
ただ当時の僕の目標は、とにかく「田舎脱出」。大学進学時に上京して、卒業後はアート・ディレクターとしてがむしゃらに働いていました。
もうね、忙しくて休みもとれないぐらいのほうが“売れっ子”の証、みたいな感じで。

森田
休みもないくらいに…

セタさん
そうです。田舎育ちで体力には自信があったし、気合いで乗り切れると思っていて。
でも、その裏で身体と心は病んでいっていて…ある日、パニック障害を発症しました。

森田
自分のことを後回しにしてしまったんですね…

セタさん
病院に通いながら「メンタルの悩みに良い」といわれているものを片っ端から試すなかで、僕に癒やしをもたらしたのがハーブの力を使った植物療法だったんです。
そしてさらに深く知りたくなり、植物療法士やアロマセラピーの資格も取って。

森田
本格的ですね。

セタさん
全国のハーブ農家もまわりました。そのなかで、北海道のある生産者さんのハーブ畑の土に触れたとき、“本来の自分らしさを取り戻す力”を確信しました。

セタさん
植物療法の歴史は古くて、植物を使った薬草茶=ハーブティーが、もっぱら人々の不調を治す役割を担ってたんですよね。そう、人々はハーブティーを飲んで健康を維持してきたんです。
そんな、ハーブの歴史的な使われ方を知って自分でも色々試してみたくなったんですよね。
でも、ハーブティーを買おうと色々探したのですが、自分が欲しいと思える商品がなくて。

森田
どういう点が、セタさんの“イマイチ”ポイントだったのでしょうか?

セタさん
まずおいしいものがなかった。それにパッケージもピンとくるものがなく…
自分が手に取りたいと思えるものがなかったんです。

森田
デザイナーのセタさんらしい視点ですね。

セタさん
そうなのかもしれません。癒やしだけじゃなくて、気持ちが上がるものが欲しい。
コーヒーやワインだと既に世の中に存在する、“カッコいい”がハーブティーにもあってもいいんじゃないか?と思いました。
そして味も重要です。おいしくなければ続かないと思うんです。
ブランドづくりでは、何度も試行錯誤を重ねて、味も香りも今までにない、“五感が喜ぶ”ハーブティーを目指しました。
「ハーブティーはマズい」をくつがえす

森田
「ROEROE|ロロ の薬草店」の特徴を教えてください。

セタさん
まず、植物療法士がハーブをブレンドしています。ヨーロッパで長く使われてきた植物療法のメソッドにのっとって作られたハーブティー です。
そして、“おいしい”ということも特徴です。
「ハーブティーはおいしくない」って都市伝説的に思い込んでいる人、結構いますよね。

森田
たしかに、クセが強いイメージがあります。

セタさん
でもハーブってあまり一般的には知られていないけど、たくさん種類(100種類以上)があって、さらにブレンド時の配合・組み合わせも無限にあるので、本当はすごい可能性があるんです。
私たち「ROEROE|ロロ の薬草店」では、世界中から集めたハーブやスパイスを新しい発想で再構築。
独自に開発した、“味のマトリクス”を使って、香りや口当たり、後味など細かく調整することで、ちゃんと“おいしい”ハーブティーをとことん追求しました。

セタさん
また、パッケージにもこだわりました。
「ROEROE|ロロ の薬草店」のパッケージは、ジェンダーレスに手にとってもらえるシンプルなビジュアルです。

森田
スッキリと洗練されていて、美しいです。

セタさん
というのも、これまで僕がハーブに接するなかで、商品パッケージの雰囲気やハーブ店の世界観は常にヒラヒラしていて女性的で…
もしかすると、そうした点が男性をハーブティーから遠ざけているのかもしれないとも思ったんです。僕もあの感じは苦手でした。

森田
たしかに、かわいらしいものが多いですよね。

セタさん
僕はむしろ男の人にももっとハーブティーを手にとってもらいたい。コーヒーやワインのように、ハーブには背景やストーリーがあり、追求したくなる奥深さがあります。
男女の差なくハーブの魅力を幅広い層に伝えていきたいと考えています。

セタさん
さらにボックスパッケージは一つひとつ手作業で仕上げています。リボンを十字にかけ、封はロウを溶かしてスタンプを押しています。

森田
古い洋画で見る、手紙の封に使うやつですね…!

セタさん
そうそう、それです。
ロウが固まらないうちに上から紋章を押すスタンプのことで “シーリングスタンプ”といい、二つ同じ形のものはつくれません。

森田
とても手間がかかっていませんか…?

セタさん
僕たちは“手間をかける”ことの価値を大切にしたいと思っていて。
というのも、便利さや効率を追い求めて、「手間」を削ぎ落とし続けてきたことで大切なものを失ったような気がするんです。“ゆとり”とか“余裕”のようなものが。
ロゴがあしらわれたシーリングスタンプ

セタさん
でも、その手間と時間こそが、今必要な「心の安らぎ」や「癒やし」をもたらしてくれるんじゃないかなと。

森田
人の手がかかっていることを感じられると、あたたかい気持ちになるというか。

セタさん
「お茶をする」 「一服する」という行為には「リフレッシュ」 「リセットする」 「自分と向き合う」などいろいろな意味があると思っています。今この瞬間に心を寄せる「マインドフルネス」的なニュアンスも。
ハーブティーというフォーマットを使った、今の時代に必要な「お茶の時間」こそが、私たちROEROE|ロロ の薬草店が提供している価値だと思っています。
生活に取り入れてもらうことが大切。

セタさん
日本では、ハーブティーの魅力やハーブカルチャーはまだまだ浸透していません。
そこで僕は日本のハーブの第一人者である林真一郎氏と一緒に、ハーブティーやウエルネスに関する情報発信を行なうウェブマガジン『WHOLLY(ホーリー)』を創刊しました。

セタさん
編集長の林真一郎氏は黎明期からハーブの普及活動をされてきた方で、現在は日本メディカルハーブ協会理事長を務めています。
健康を、「心」 「身体」 「精神」 「環境」など、人をとりまく様々なことが影響し合った総合的な視点で捉えることを「ホリスティック」(全体的な)といいます。
そうしたホリスティックな視点を持ってライフスタイルに関わっていくマガジンです。

森田
発信も大切にされているんですね!

セタさん
そうです。ハーブについてのさまざまな情報はもちろん、メンタルや身体のことについて、また世界のお茶情報など、ウエルネス情報を更新中。
今後「ホリスティック」や「ハーブティーのある暮らし」を広げるべく、いろんな分野の方に登場してもらったり、コラボレーションしていくことを計画しています。
将来は自社農園で栽培されたハーブのブレンドも…

セタさん
現在、ロロのハーブティーで使用している原材料は、メディカルクオリティの安全なハーブです。

セタさん
昨年5月からは、自分でももっとよくハーブのことを理解したいと思って、生まれ故郷・三重の自社農園で、家族とハーブ農園を始めました。

森田
すごい…!

セタさん
無農薬、無化学肥料で、これまで試行錯誤で栽培したハーブは40種類にのぼり、2024年6月からは「みつがの本草園」というブランドで販売しています。
近い将来、ROEROEブランドからも自家農園で収穫されたハーブを使ったブレンドの販売も開始する予定です。
自然の摂理、植物の営み、土との対話など…農園での学びと試練は、今後、ROEROEの大きなエッセンスとなるでしょう。
気が付かないうちに、仕事やストレスを抱え込んでしまう人も多い現代。
「ROEROE」のハーブティーで、セタさん自身が体験した癒やしを感じることができるかもしれません。気になる人はぜひHPをチェックしてみてください!
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