ビジネスパーソンインタビュー
創業5周年。多彩なプロジェクトを形にするプロデュースカンパニーの現在地
企画力×ホスピタリティで領域を越える。合同会社オルゴールが切り拓くプロデュースの可能性
新R25編集部
企業ブランディング、SNS運用、YouTube、歌舞伎、イベント、地方プロモーション、教育——。
一見すると異なる領域を、「企画力」と「ホスピタリティ」でつないでいるのが、合同会社オルゴールです。
「みんなの毎日を楽しくする」をミッションに掲げ、エンタメを原点としたオールジャンルのプロデュースを手がけてきた同社は、2026年9月で創業5周年を迎えます。
この5年間で、仕事の領域や組織はどう広がってきたのか。代表・広瀬基樹さんと各プロジェクトを担うメンバーに、オルゴールの“現在地”と、これからについて伺いました。
〈聞き手=鳥山可南子(新R25編集部)〉
「プロデュースカンパニー」としてジャンルレスに活動してきた5年間

鳥山
前回の取材から約2年。2026年9月で創業5周年を迎えられましたが、この間にどんな変化や手応えがありましたか?

広瀬さん
創業以来、「みんなの毎日を楽しくする」というミッションを掲げて、幅広い領域でプロデュースを行ってきました。
もともと僕たちは、制作会社やマーケティング会社のように特定の領域に活動を絞るのではなく、最初から自分たちのことを「ジャンルレスなプロデュースカンパニー」と定義していたんです。
その結果、少しずつお任せいただく範囲が広がり、今では企業の広報やブランディング、地域の課題解決、教育まで、多様なプロジェクトに携わるようになりました。

鳥山
最初から「ジャンルレス」と定義づけしていたのですね。でも会社としての実績が積み上がっていない創業したばかりのころは、理解してもらうのも大変だったのでは?

広瀬さん
創業当初は、「オルゴールは映像制作会社じゃないんです」とか、たくさん言ってきましたね(笑)。
でも、その姿勢を変えずにいた結果、少しずつお任せいただく仕事の領域が広がっていきました。
企業からは、SNSやYouTubeで配信する広報コンテンツの設計をはじめ、もう少し大きな枠組みでは、企業自体のリブランディングなどもご依頼いただくようになりました。エンタメ領域で培ったノウハウを、企業の課題解決にも活かせるようになってきたんです。
さらに、地方からいただく課題解決のご相談にも、企画やプロデュースのスキルが役立つことを実感しています。
こうして多様なプロジェクトに携わるなかで、目標としていた「プロデュースカンパニー」の姿を、少しずつ体現できるようになってきたと感じています。
▼前回記事はこちら

鳥山
領域を絞らなかったことが、今の事業の広がりにつながっているんですね。

広瀬さん
そもそも僕は大のテレビっ子で、起業した一番の目的は「楽しいエンタメコンテンツをつくること」でした。
でも、エンタメの世界で培ってきた企画やプロデュースのノウハウは、コンテンツ制作以外にも活かせる。当たり前のことではあるのですが、エンタメ業界外からご相談をいただくなかで、その可能性に気付けたんです。

鳥山
事業領域が広がる一方で、原点であるエンタメの仕事にも変化があったのでしょうか?

広瀬さん
エンタメ領域でも、案件の種類や規模が広がり、関わるメンバーも増えました。
オルゴールでは、メンバーそれぞれが複数の得意分野を持つことを大切にしているので、それぞれの才能を掛け合わせることで、僕自身が想像していた以上にできることが増えてきたんです。
これは、この5年間で生まれた面白い変化の一例だと思っています。

鳥山
オルゴールの企業ビジョンにも、「人とモノを思いやって働くことができる同志を募り、育てる」と掲げていますよね。

広瀬さん
ありがたいことに、少しずつですが、素敵な仲間が集まってくれるようになりました!
ここからは、各領域のプロジェクトを担当しているメンバーの話も交えながら、今のオルゴールがどんな仕事をしているのかをご紹介できればと思います。

原点のエンタメから、プロデュースの幅はさらに広く

鳥山
ではまず、オルゴールの原点でもあるエンタメ領域では、どんな変化があったのでしょうか?

飯田さん
アシスタントプロデューサーの飯田です。
これまでは単発でご依頼いただくコンテンツ制作も多かったのですが、現在は長期間をかけて企画・制作・プロモーションまで担当させていただくケースも増えています。
さらに、クライアントの内側からチームマネジメントをお任せいただくケースも出てきました。

鳥山
「コンテンツをつくって終わり」ではなく、その先まで関わるようになっているんですね。

飯田さん
たとえば、吉本興業ホールディングス元会長・大﨑洋さんの著書『あの頃に戻りたい。そう思える今も人は幸せ』のPRをお手伝いしていたときのことです。
書店での対談イベントを行うことになり、代表の広瀬が「大﨑さんとの対談なら、西野亮廣さんしかいない!」と。
広瀬自身がお二人の大ファンだったこともあって、吉本興業を退社したお二人が5年ぶりに再会する対談企画が実現しました。
ジュンク堂書店池袋本店でイベントと配信を行い、西野さんのYouTubeチャンネルでも対談動画が公開されています。

鳥山
「エンタメ業界出身だからこそ、この組み合わせが面白い」という発想が、そのまま企画になったんですね。

飯田さん
ほかにも、広瀬が歌舞伎俳優の中村橋之助さんと親交があったことをきっかけに、2027年春に上演される『第五回神谷町小歌舞伎』のプロデュースにも携わっています。
公演のプロデュース以外にも、僕は成駒屋一門に密着するYouTubeチャンネルを担当し、ドキュメンタリー企画の撮影・編集を行っています。

鳥山
歌舞伎という伝統芸能を、YouTubeで新しい層に届ける、と。

飯田さん
はい。僕自身も、恥ずかしながら、この仕事をきっかけに初めて歌舞伎を観劇しました。2025年は映画『国宝』のヒットもあり、歌舞伎に興味を持つ若い方が増えたとも聞きます。
僕自身も20代なので、その目線を活かしながら、古典演目に真摯に取り組む3兄弟の姿を、これまで歌舞伎に触れたことがない方にも届けたいと思っています。

鳥山
伝統的なものでも、届け方にエンタメのノウハウを活かせるんですね。

飯田さん
そしてオルゴールのホスピタリティを象徴するのが、1つの仕事をきっかけにクライアントとの関係が深まり、より広い範囲でご一緒する機会が増えていくことです。
2025年に、2日間に約1万5000人が来場して開催された親子向け音楽フェス『nobinobi』のプロデュースに参加したことをきっかけに、現在は主催企業であるつむぱぱ社の社内マネジメントをお手伝いしています。


鳥山
音楽フェスをきっかけに、社内のマネジメントにまで…! かなり仕事の内容が変わりますね。

飯田さん
経営方針や企業の見られかたなど、エンタメを生み出す会社を支えるという観点でサポートしています。
つむぱぱ社は、クリエイターのつむぱぱが描くコンテンツを中心に、家族をテーマにした素敵なコンテンツを届けている会社です。僕自身も父親なので、その活動を支えることに大きな意義を感じています。

鳥山
コンテンツ制作を起点に、その企業が活動しやすくなるように「体制を整える」ところを一緒に考えるようになっているんですね。
決められたパターンにはめない。“オートクチュール型”の企業プロデュース

鳥山
エンタメで培った企画力が、企業のブランディングにも広がっているんですね。こちらでは、どんな支援を行っているのでしょうか?

上野さん
プランナーの上野です。クライアントのSNSやYouTubeを中心に、企業の発信をサポートしています。
目的は、ブランドの認知を広げたい、採用につなげたいなど企業によってさまざまです。
チャンネルの立ち上げから企画、撮影、編集、分析まで、運用に必要な業務を一式お任せいただくこともできますし、既存アカウントのテコ入れやリブランディングにも対応しています。

鳥山
企業によって、「ここまでお願いしたい」という範囲も違いそうですね。

上野さん
SNSを活用したいと思っていても、社内の担当者だけではなかなか手が回らないというご要望も多いので、ご担当者さまとの役割分担も含めて柔軟にご提案しています。
あらかじめ用意したパッケージに当てはめるのではなく、企業ごとの課題や体制に合わせて施策を設計する“オートクチュール型”で伴走することを大切にしています。

鳥山
実際には、どんなプロジェクトがありますか?

上野さん
たとえば、創業125周年を迎えた横浜元町の老舗ブランド「近沢レース店」さんでは、YouTubeのリブランディングを担当しています。
長年にわたって愛されている企業なので、派手な演出をするのではなく、商品や、ブランドの魅力が伝わることを一番に考えています。
企画提案、動画制作、公開後のインサイト分析など、先方と密にコミュニケーションを取り合いながら、一連の運用をサポートしています。

鳥山
老舗ブランドの魅力を、YouTube領域でどう届けるかをプロデュースしているんですね。そのほかの事例はいかがですか?

上野さん
中野優作さん率いるBUDDICAさんでは、愛車を甦らせるプロフェッショナル施工の「BUDDICA PHOENIX PRO」とカーケア用品ブランド「BUDDICA PHOENIX BODY」のSNS運用をお手伝いしています。
こちらは社内のご担当者さまがスムーズに運用できるようにサポートする伴走型の運用です。
僕たちが代行業者として運用に必要な工程のすべてを実行するのではなく、スケジュール管理や制作のマネジメントなど、仕組みを整えながら業務サポートを行っています。

鳥山
同じSNS運用でも、「外部に任せたい」企業と「自社で運用したい」企業では、支援の仕方がまったく変わるんですね。

上野さん
僕たちが何を提供したいかではなく、ご依頼いただいた相手にとってどんな形が一番いいのかを考える。
それぞれの企業に合った方法を一緒につくっていくことが、オルゴールらしいプロデュースだと思っています。
地域、教育へ。メンバーの“好き”から広がるプロデュース

鳥山
企業ブランディングだけでなく、地域に密着した活動や教育分野でもプロジェクトが立ち上がっていますよね。

磯部さん
僕自身、オルゴールではプロダクションマネージャーをしていますが、一方でDJとしても活動していて。
オルゴールでは、そうしたメンバーそれぞれの“もう1つの顔”が、新しい仕事につながることも多いんです。
たとえば、僕自身がDJとして活動している横浜でのWebメディア運営や、代表の広瀬の地元である岡山・瀬戸内エリアでの取り組みなど、メンバーと縁のある地域でプロジェクトが広がっています。

鳥山
会社として新しい地域に進出するというより、人とのつながりやメンバーのバックグラウンドからプロジェクトが生まれているんですね。

磯部さん
横浜に特化したWebメディア『JAN!』が、まさにそうです。
横浜の広告代理店・横浜アーチストさんと一緒に運営していて、Webサイトのデザインから記事の企画・制作までをオルゴールでプロデュースしています。
地域の情報をただ発信するのではなく、「読みたい」と思ってもらえるコンテンツをどうつくるかという部分で、これまで培ってきたエンタメのノウハウを活かしています。

鳥山
エンタメで培った「人を惹きつける企画力」が、地域の発信にも生きているんですね。



磯部さん
さらに、教育分野でもプロジェクトが始まりました!
元吉本興業ホールディングス会長の大﨑洋さんが校長を務める、2027年4月開校予定の通信制高校「雨ニモマケズ高等学校」のプロモーションのお手伝いとして、SNSコンテンツの制作をサポートしています。
また、岡山の瀬戸内エリアで、同校の学習支援施設の開設を目指して準備を進めています。


鳥山
エンタメから始まった会社が、教育にまで関わるようになるとは…!

磯部さん
僕自身、もともと教育分野にも興味があったので、その領域でエンタメのノウハウを活かせることには、とてもやりがいを感じています。
オルゴールでは、それぞれのメンバーが持っている経験や興味関心が、新しい仕事につながることも多いんです。
扱う領域が広がっているのも、そんなメンバーの個性が掛け合わされているからだと思います。
「1人が2つ以上のプロに」。個性を掛け合わせる組織づくり

鳥山
ここまで伺ってきただけでも、本当にさまざまな領域でプロジェクトが動いていますね。かなり忙しそうですが、社内は大丈夫ですか…?

新井さん
少数精鋭といえば聞こえはいいのですが、おかげさまでいつも忙しくさせていただいています(笑)。
ただ、その分いろいろな領域の仕事に関われるので、刺激も多い環境です。オルゴールでは、「1人が2つ以上の領域でプロフェッショナルである」ことを、メンバーの目標として掲げています。
それぞれが得意分野を伸ばしながら、新しい領域にも挑戦して、互いに切磋琢磨しています。


鳥山
飯田さんの「アシスタントプロデューサー×ビデオグラファー」や、磯部さんの「プロダクションマネージャー×DJ」のように、1人が複数の顔を持つことが、会社としての強みにもなっているんですね。

新井さん
私自身も、子育てをしながらオルゴールでアシスタント業務を担当し、ピアニストとして自分の音楽活動も続けています。
リモートワークをベースに、働き方も比較的フレキシブルなので、それぞれが自分の活動や生活と両立しながら、得意なことを仕事に活かせる環境だと思います。

鳥山
そんなオルゴールでは、現在新しいメンバーも募集しているとか?

新井さん
はい。オルゴールの仕事やコンテンツづくりに興味がある方、「誰かの毎日を楽しくしたい」と思っている方…
学生・キャリア・性別・勤務地を問わず、ぜひ一度お問い合わせいただきたいです!

鳥山
そして6年目に向けて、新しい展開も考えているそうですね。

広瀬さん
6年目のオルゴールでは、「会社を愛社に」というキャッチコピーで、「企業のIP化」をお手伝いするサービスを提供していく予定です。
企業の魅力を見出し、優しく光を当てて発信することで、経営課題を解決できるような仕事にも力を入れていきたいと思っています。
…が、まだまだ人手が足りません! これからのオルゴールを一緒につくってくれる、未来のプロデューサー候補の方からのご連絡をお待ちしています!
エンタメを原点に、企業ブランディング、地域、教育へと、プロデュースの領域を広げてきたオルゴール。
その根底にあるのは、「プロデュースと、クリエイティブの力で世界中の日常を(ほんの少しだけ)変えていく」という企業コンセプトです。
企画するものも、携わる領域もさまざま。それでも、「みんなの毎日を楽しくする」という想いは、創業から変わりません。
創業5周年を迎え、6年目はさらに新しい挑戦へ。オルゴールが次にどんなプロジェクトを形にしていくのか、これからの展開にも注目です。

ビジネスパーソンインタビュー








