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イケハヤさん、サラリーマンをdisるのはなぜですか!? 会社員が涙目覚悟で聞いてみた

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記事提供:Fledge
ブログのPVは月間500万PV、Twitterのフォロワー数は17万人。有料note『副業の教科書 〜情熱を仕事にする次世代副業スタイル〜』は価格が2980円にも関わらず1ヶ月で2500部を販売するなど、国内有数の影響力を持つトップブロガーの一人、イケダハヤトさん

そんな彼の最大の特徴といえば、終始一貫してブレない“アンチサラリーマン”のポジショントーク。彼の普段のツイートを見ても、出てくる出てくる。
「アンチサラリーマンのイケハヤです」

「無能な出版業界のサラリーマンたちを養うために作品作るのはアホらしい」

「その程度のリスク取れないうちは一生サラリーマンです」
なぜ彼はこんなにもサラリーマンを嫌うのか、なぜ彼はこんなにもサラリーマンをさげすむのか…!

都内勤務の会社員で、家族と回転寿司に行くことが唯一の幸せである、いわゆる平凡なサラリーマン代表のFledge編集長たくみが、雇用主の立場にある社長の新田を呼び出し、東京から遠く離れた高知の山奥に住む彼にオンライン取材を敢行しました!
【イケダ ハヤト】プロブロガー1986年神奈川県生まれ。2009年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、半導体メーカー大手に就職。その後、11ヶ月でベンチャー企業に転職。ソーシャルメディア活用のコンサルタントとして大企業のウェブマーケティングをサポートし、社会人3年目に独立。2011年からは専業ブロガーとして活動。現在は高知県に在住。
(入社以来、1度もしたことがないタッグを組むポーズで)取材に臨む意欲を見せる2人(左:新田/右:たくみ)
――というわけでイケハヤさん、最近もまたTwitter界隈でサラリーマン批判を繰り広げているようですが、その辺りの意図について本日はじっくりとお話を伺えればと思っております。どうぞよろしくお願いします!

イケダ ハヤト(以下、イケハヤ)はい、よろしくお願いします。
普段は「時間の無駄なのでインタビューは受けません」と語るイケハヤさんですが、今回はあっさりOKしてくれました

イケハヤさんだって、最初は“サラリーマン”だったじゃないですか!

――さっそくですが、今でこそ“アンチサラリーマン”の印象の強いイケハヤさんですが、もともとは大学を卒業後、新卒で「企業に就職」されていましたよね?

イケハヤ:はい、そうですね。

――このご時世に、サラリーマンをやるのはナンセンスじゃなかったでしたっけ?

イケハヤ:
それはそうですね。でもまあ今だったら、ぼくが新卒でも間違いなくサラリーマンはやらないでしょうね。これは言い訳ですけど、ぼくが就活していた2008年当時はまだSNSがなかったですからね。そりゃあ選択肢を知らなかったのは当然で、周りが大企業に就職するのでつられて就職しちゃいましたけど、今はもうそういう時代じゃないですからね。

――となると、やはり新卒でもフリーランスに?

イケハヤ:今は「これをやりたい!」って言ったら助けてくれる大人も結構いますし、それだったらあえて就職活動にコストを割いてまでやるかというと…やらないでしょうね。結局目的としては、自分でちゃんとお金を稼げるようになることじゃないですか

「就職して20万円稼ぐ」のと「自分のビジネスで20万円稼ぐ」のを天秤にかけたときに、自分でやった方が早いと考える人は一定数存在するでしょうし、ぼくも実際そう考えるでしょうね。
いきなりエンジン全開のイケハヤさん
――経歴を拝見すると2年ほどサラリーマン時代があったようですが、今と比べるとやっぱり縛られていたなという感覚だったんですか?

イケハヤ:それはありましたね。僕が最初に就職した会社は大企業だったので、「この会社に勤めていますとかTwitterで言っちゃいけない空気でしたしね。そのあと転職した会社はソーシャルメディアマーケティングの事業を行っていた会社なので、そこは名前出して発信していいよと言ってくれました。とはいえ、ゆうてもクライアントビジネスですからね。当然書けないこともありましたし、上司から「書いた記事を消せ」って2回くらい言われたことがありましたね

――そうだったんですね!

イケハヤ:「書いちゃいけないことってあるよね」というのはわかるんですけど、まあモヤモヤした気持ちになったのは覚えてますね。

――そんな貴重なサラリーマン時代の中で、しいて挙げるとしたらどんなことが得られたと思いますか?

イケハヤ:得られたもの?サラリーマン時代に?

――はい

イケハヤ:…無いですね。

――(笑)

イケハヤ:こうして「ネタ」になったくらいじゃないですか?w

――なるほど…!

サラリーマンだと、いつまでたっても働き続けなければならないですよね?

――ではそろそろ核心に迫りたいと思うのですが、イケハヤさんはなぜそんなにサラリーマンをディスるのでしょう。サラリーマンという働き方のどの部分にもっとも違和感を覚えるのですか?

イケハヤ:今の御時世、今後の世の中を考えていくと、普通にサラリーマンをやり続けると、いつまでたっても働き続けなければならないですよね。そこにみんな気づいているんだろうか?というのはすごく不思議に思ったりしますね。

今後もいろんな仕事がAIに代替されていって、実際に管理職の人も現場で働く人もどんどん減らされていった時に、サラリーマンである自分がAIにはない価値を市場に提供することはどんどん難しくなっていきますよね?

それがわかっているんだったら、あなたたちはこのまま労働し続けていいんですか?って問いたいですね。ぼくはそこにすごく違和感があったので、自分でビジネスをやって「自分の事業資産」を積み上げられるような生き方に舵を切りましたよ。

今、副業もせずにただ時給労働をしているサラリーマンの人たちって、これから大変になるのをわかってるのかな? まあわかってないんでしょうね。そういう点に一番違和感を覚えます。
今日いちの“ドヤ”出ました
――じゃあ、例えば会社員でもっと自分の名前を積極的に出して情報発信するとか、そういうことで変わってくるものですかね?

イケハヤ:
ZOZO(TOWN)に行った田端さんとか、ああいう人はいいですよね。自分の名前をちゃんと資産にして影響力を獲得している人だったらまったく問題ないと思うんですけど、99%のサラリーマンはそうじゃないですよね。

会社が用意した売り物を売るために、自分の時間を切り売りして、それで辞めたらまた0から資産を作んなきゃいけないわけですから。それって大変じゃね?というのは、ごく普通に思いますよね。

――イケハヤさんは、最初の会社員時代からその辺を意識して後々の資産になるようなブログを始められていた、というわけですか?

イケハヤ:そうです、そうです。あえて象徴的なエピソードを思い出すと、例えばハードワークで有名な某大手広告代理店の人たちって、どんなに頑張って仕事をしたとしても、結局はその会社の成果になるに過ぎないじゃないですか

ぼくもそこで働いている優秀な人たちを何人か知っていて、中にはこの人すごいなっていう人もいるんですけど、結局は会社に評価が吸い上げられるわけですよね。事業でどんなに頑張って資産を作り上げたとしても。

これまではこういった疑問を抱くこともなかったんでしょうけど、今の時代においてはめちゃくちゃもったいないことですよね。素晴らしいパフォーマンスで仕事をしたのに、なぜそれが全部会社のものになってしまうのか、というのを僕は横で見ていてすごく違和感があったんですよね。

でも、結局当時のぼくもサラリーマンをやっていたら同じだなと思って、やっぱりちゃんと名前と紐づくような「自分の資産」にしないともったいないと強く思って、会社を辞めたというのはありますね。
だいぶトーンが落ちてきてしまった2人…

「利益率が高いビジネス」を作れていれば、そもそも長時間働かなくてもいいはず

――で、ではちょっと話題を変えましょう。個人目線の話が続きましたが、今度は企業目線ということで。今、多くの企業が取り組んでいる「働き方改革」については、どうご覧になっていますか?

イケハヤ:これはぼくのブログでも頻繁に書いてますけど、結局イケてない大企業とかが「働き方改革」をしたところでまず何も変わらないでしょうね。むしろサービス残業が増えるだけというパターンが容易に想像できますし、実際にそうなってますよね。

そうすると、ぼくも経営者の一人なので経営者目線で考えてみるんですが、「利益率が高いビジネス」や「効率のいいビジネス」を作れていれば、そもそもそんなに長時間働かなくてもいいはずなんですよ。

働き方よりもむしろ、そっちの方を改革しないと意味ないよねっていうのはむちゃくちゃ思ってますね。
イケハヤさん、本日2度目のドヤヤーン
イケハヤ:今は日本企業がもともと持っているビジネスモデル自体がめちゃくちゃ生産性が悪くなってると思うんですよ

銀行とかはいい例で、どうやっても稼げなくなってきている状況の中で、働き方改革をやろうっていうのは無理ゲーだと思うんです。結局はビジネスモデルの問題なのに、働き方にフォーカスしても何も変わりません。現場にしわ寄せがいって可哀想な感じすらありますよね。

――必要であれば、根っこの事業をピボット(方向転換・方針の変更)するところから改革していかないとダメということですね?

イケハヤ:いやだって、普通に考えてそっちの方が効率的ですよね。いいビジネスモデルを作れたらみんな楽に働けるし、そもそも社員にだって有給をたくさん与えられるわけですし。それでも事業は伸びていく、という状態を作ればいいんですよ

ぼくらIT系のビジネスをやっている人たちは、実際に利益率の高いビジネスができているじゃないですか。最近注目されているメルカリなんかは、働き方や制度もイケてますけど、あれはやっぱりメルカリの事業が優れているからできるわけです。

利益率もすごく高いですし、優秀なビジネスモデルだから伸びていっているんでしょうね。そこを経営者はやれ!って感じじゃないですか?ここは社員の人がどうこうできる問題ではないんですよ。まったくもって経営者の責任。

――これを受けて、経営者である新田さんはどうですか?(笑)

新田:いやあ、イケハヤさんのおっしゃる通りですよね(笑)なので難しいんですよね。結局労働集約型のビジネスって世の中にはたくさんあって、それをいかに知識集約型のモデルに転換していくかは、確かに重要だなと。

IT業界を見るとやっぱり利益率はめちゃくちゃ高いですし、営業利益率が20~30%とか普通にあったりしますよね。でも一方でメーカーとかになると、本当に4~5%とかそういう世界で。確かに決算書なんかを見ていると、シンドイんだろうなというのは思うことはありますね。なのでうちもしかりなんですけど、そこはしっかりしなきゃと思いますね。
新田、必死に経営者としての面目を保とうとするの図
――さきほどメルカリさんの話が出ましたけど、事業以外の部分で注目しているところはありますか?

イケハヤ:やっぱり創業者がイケてますよね。代表のキャリアが何よりイケてるというか、すごいですよね。彼は純粋に尊敬できるプレイヤーだと思うので、そこの会社で同じ空気を吸えるだけでも貴重だと思います。こういう魅力的な人と一緒に働けるんだったらいいなって、ぼくに限らず同意する人は多いと思いますけどね。
※株式会社メルカリは、2018年5月14日に東京証券取引所マザーズへの新規上場が承認されたことを発表。それにあたって、創業者である山田進太郎氏からのメッセージを公開し、大きな話題を呼びました。
あれ、意外とサラリーマンもまんざらではないのでは…?という表情を見せるイケハヤさん

トラックの運転なんて、全部自動運転になればいい!

――続いての質問としては、テクノロジーの分野にも造詣が深いイケハヤさんなので、今後の働き方に影響を及ぼすであろう「新しい技術」について伺いたいです。特に関心を持っている分野を教えてください!

イケハヤ:人間をどんどん不要にしていく」みたいな技術には関心がありますね。ぼくは出張の時によく車を運転するんですけど、この間も大阪に向かうために高速道路に乗っていて。これ毎回思うんですけど、ホント信じられないくらい酷い運転をするやつらとかいるじゃないですか。

――確かにいますね。

イケハヤ:あんなのはね、もう全部自動運転になればいいわけですよ! 自動運転が普及すればそういう問題もなくなって、もっと安全に、安心して高速道路を運転できる世の中に変わっていきます。そうすると保険料も安くなったりするかもしれないですし、道路の維持コストももっと下がる可能性があるわけですよね。

そういうところで、より機械に任せた方が効率的な産業ってまだたくさんあるはずなんですよ。今までは単に技術的に不可能だったから人間がやっていた、と。まあ自動運転がわかりやすい例ですけど、無人コンビニとか飲食店の店舗も無人化が進んできてますよね。

という中で、まだまだぼくらが想像できないような仕事でも機械に代替されていくというのが今、急速に動き出していきますよね。そうなったときに社会のあり方がどうなるかというのは、なかなか考える余地があるテーマですよね。

人間がやる仕事がどんどんなくなっていく中で、社会制度とか経済のあり方がどうなるか、そしてその時に格差がどうなるのか、というのは問いとしてすごくエキサイティングですよね。
テクノロジーのことを語り出すと、目が生き生きとして話が止まらなくなるイケハヤさん
――それでは最後に、もう、ちょっと忘れかけているかもしれませんが…今まさに消耗している、会社に搾取され続けているようなサラリーマンに向けてメッセージをお願いします。

イケハヤ:問いとして頭に入れておいて欲しいのは、まあ、あなたが仕事を頑張りましたとしましょう。頑張って年収が上がりました。で、それでいいんだっけ?と。お金を稼ぐために働いていたんでしたっけ? と。

サラリーマンっていくら稼いでも楽にならないじゃないですか。仮に年収が2,000万あったとしても働き続けなくちゃいけないんだったら意味がないじゃないですか。万が一そこで体を壊したら終わりですからね。それはだって、今の生活の延長線上で想像してみればわかることですよね?

そろそろね、会社で年収上がって、ボーナスもらってハッピーとか喜んでる場合じゃないですよ!みんな、本当は薄々気づいてるんじゃないですか?

それこそ昔は選択肢そのものがなかったので、ボーナスを使って人参ぶら下げた馬みたいに走らされても違和感なかったかも知れないですけど、今はね、違和感バリバリですよ!

せっかく頑張ったのに、なぜ働き続けなくちゃいけないんだろう?」というのは、間違っていない疑問だと思うので、ぜひそういうところに気がついて欲しいですよね。果たして今の生活の延長線上に何が待っているんだろう?というのをよく考えた上で、しかるべき行動をとってもらいたいなと強く思いますね。

――なんか、胸のあたりが苦しくなってきました…(笑)

イケハヤ:まあ、じゃあ結論どうすればいいの? というような人は、ぼくのブログを読んだり、Twitterフォローしたり、メルマガを購読したり、Voicy聞いたり、『副業の教科書』『マネーの教科書』あたりを読んでもらえれば、ヒントになると思うので。ぜひwww

筆者あとがき

イケハヤさんは、これまでに自身のブログで、SNSについて語り、NPOについて語り、スタートアップについて語り、移住について語り、働き方について語り、最近では「仮想通貨」について語るなど、いつも時代の変化を敏感に感じとり、情報を発信されています。

そんな彼だからこそ、時代が大きく変わっているにも関わらず、それに気づかずに旧来のままのマインドでいるサラリーマンに対して違和感を感じ、独特の言い回しで警笛を鳴らしているのかもしれません。

みなさんはどう感じましたか? まだサラリーマンで消耗してるの?

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