ビジネスパーソンインタビュー
やっぱりみんなサロン主の“信者”なの?
なぜお金を払ってるのに働いてるの?「オンラインサロン」に入るメリットを聞いた
新R25編集部
みなさんは、話題の「オンラインサロン」をご存じでしょうか?
オンラインサロンとは、いま流行っている月額課金制のネット上のコミュニティのこと。主宰者の多くは作家や実業家、インフルエンサーなど、特別なスキルの持ち主。
彼らの知識・技術を吸収するため、あるいは憧れの人と一緒に活動するためなど、参加者はさまざまな動機でサロンに加わるとか。
ですが、クローズドなコミュニティなので、活動の実態はほとんどナゾ。「サロン内で仕事を与えられて、みんなでやる」みたいな話も聞くけど、お金を払って働いているということ…? いまいち理解しきれない。
その真相を探るべく、今回は『多動力』『お金2.0』『日本再興戦略』などのヒット本を次々と飛ばす編集者・箕輪厚介さんが主宰する「箕輪編集室」のメンバーに話を聞いてきました。
メンバープロフィール
早志香音さん
本業はオウンドメディアの編集者。箕輪編集室ではデザインチーム所属で、サロン内のイベントのバナー作成などに携わっている
小瀧友貴さん
イベント制作会社に勤務する26歳で、箕輪編集室では“公式ラジオ”の運営を手がけている
稲場友亮さん
早稲田大学社会科学部に通う19歳。箕輪編集室では動画チームに所属していて、最近では『情熱大陸』のオマージュで「箕輪大陸」という密着ドキュメンタリー映画を制作している
なぜオンラインサロンに入ったの?
ライター・佐藤
今日はオンラインサロンに対する疑問をぶつけさせていただきます。よろしくお願いします。
それぞれ本業とは違う活動をされているようですが、箕輪編集室へ入ったきっかけは何でしょう? やっぱりみなさん有名編集者である箕輪さんの“信者”だったんですか?
早志さん
いや、そんなことないですね(笑)。
私は完全に好奇心でした。「Abema TV」の番組を見ていたら、見城徹さんなど大物ゲスト相手に、箕輪さんがズケズケと意見してたんです。
「面白い人がいるんだなー」と興味が湧いて調べるうちにサロンの存在を知り、面白そうだったので、ポチッと。
稲場さん
僕は、具体的にやりたいことは決まっていませんでしたが、「何かに熱中したい」という思いがあって。箕輪編集室のことを知って「ここでの活動なら熱中できそう」と思って入りました。
大学に入ってから、ずっと“ひまつぶし”してる感覚だったんですよね。サークルにも入りましたが、高校時代の部活と比べると熱意に落差があって。
小瀧さん
私の場合も、当時はPR会社で働きながら「本当は何がしたいんだろう」とモヤモヤしてたタイミングに知りました。
ある日Twitterを開いたら、箕輪さんがサロンメンバーを募集しているツイートが目に入って、「よくわからないけどすごそう。ここに入ったら何か変わるかもしれない」と思いました。
初期メンバーの募集は10枠しかなかったので、電車のなかであわてて応募しましたね。
ライター・佐藤
みなさん共通しているのは「何かに熱中したい」という気持ちなんですね。
オンラインサロンの中ってどんな風になってるの?
ライター・佐藤
そもそもオンラインサロンって、どんな仕組みになってるんですか? イメージしづらくて、なんとなく怪しい印象を受けるんですが…
早志さん
メインはオンラインでの活動です。
箕輪編集室のFacebookグループがあって、いまや1000人(2018年5月時点)を超えるメンバーはみんなそこに入って、毎日コミュニケーションをとっています。
ライター・佐藤
1000人もいるんですか!
早志さん
すごいですよね(笑)。
全員が入っているグループのほかに「ライターチーム」「デザインチーム」などのグループもあり、グループに参加をしないと各チームのやり取りを見ることができないので、希望するチームへの所属が推奨されています。
ライター・佐藤
その「チーム」では、どんなことをやるんですか?
小瀧さん
たくさんありすぎて網羅的には説明できないのですが、たとえばライターチームであれば箕輪編集室のイベントレポートを「note」に投稿したり、デザインチームはイベントの宣伝用の画像を作ったりしています。
そのほかにも「オンラインサロンプロデュースチーム」では鈴木おさむさんなど、著名な方のオンラインサロンのプロデュースをしている人もいます。
ライター・佐藤
本当に色々な活動があるんですね! オフラインでの活動もあると聞きましたが…?
早志さん
月に数回、無料で参加できるイベントがあります。外部の著名人の方と箕輪さんが対談することが多いですね。
4月には見城徹さん、落合陽一さん、佐渡島庸平さんをお呼びしたイベントがあったりしました。
ライター・佐藤
とても豪華なゲストですね! 箕輪さんとはコミュニケーションを取れるんですか?
小瀧さん
はい。ただ、基本的に箕輪さんから寄ってきてくれることはありませんね。
稲場さん
“動いたもん勝ち”の世界です。箕輪さんはメンバーの活動をチェックしてくれてるので、行動すればレスポンスはありますよ。
たとえば僕が携わっている映像作品「箕輪大陸」も、最初は5~6人がやりたいと言ってるだけでしたが、今は箕輪さんが「いいね、やろう!」と後押ししてくれています。
何かスキルを教えてもらえるの?
ライター・佐藤
皆さん精力的に活動されているようですが、「お金を払ってスキルを学ぶためにサロンに入っている」わけじゃないんですね。
小瀧さん
最近の箕輪編集室は「インプット型」ではなく「アウトプット型」の人が多いですね。
ライター・佐藤
ん? どういうことでしょう、もう少し詳しく教えてください。
小瀧さん
箕輪編集室ができたばかりの頃は、情報収集を目的とした「インプット型」の人の割合が多かったです。けれど今年に入ってからは、経験の有無に関わらず、手を動かしながら覚えていく「アウトプット型」の人が一気に増えたと感じています。
何かを受身で教わるのではなく、自らの行動を通して、“何か”を身につけるイメージです。
なぜお金を払っているのに働いてるの?
ライター・佐藤
毎月5000円以上の参加費を払っているわけですよね。それなのに何かをしてもらえるわけじゃなく、むしろ出版の手伝いをしたりと、“タダ働き”に見えてしまうのですが…?
小瀧さん
通常は有料で参加するようなイベントも無料ですし、「払った額以上の刺激を得ている」から損しているとは全然思いません。
さらには、自分のやりたいことをやれるのが最大の価値ですね。会社だとやりたいことがあっても、ふたつの壁があると思うんです。
ひとつは収益化できるか、もうひとつは会社としてやる意義があるのか。どちらかに引っ掛からなきゃダメ。でも、箕輪編集室はシンプルで、「それ面白いね!」と賛同するメンバーがある程度いればやれるんです。
ライター・佐藤
収益化を考えないからこそ、面白さを追求できると。
早志さん
いわば部活みたいなものだと思います。部費を払って自らの目標に向かっていく、みたいな。
稲場さん
僕の場合は少し意見が違って、「お金は後から返ってくる」という発想ですね。箕輪編集室を通して何かを成し遂げていけば、実績や知名度、人脈につながります。
実際、オンラインサロンがきっかけで地上波の番組の映像制作のお仕事をいただいたり、映画の撮影に同行する機会もあったりして。
沖縄でおこなわれた「ホリエモン祭」では、光栄なことに堀江(貴文)さんとディナーをご一緒することにもなりました。
ライター・佐藤
実際の仕事にもつながることがあるんですね! チャンスが得られると。
稲場さん
箕輪さんにはよく「プロジェクトで自分を語れるようになれ」と言われます。僕の名前を知らない人でも、プロジェクトの名前を教えたらピンとくる。
そんな存在を目指して、今はがむしゃらにやってます。サロンに入っている人は、お金どうこうを気にしていないと思いますよ。
(お金にこだわる自分が恥ずかしくなってきた…)
稲場さん
むしろ、お金を払って参加する仕組みは、「参加者側にもメリットがある」と感じています。
ライター・佐藤
どういうことでしょう?
稲場さん
払っているお金分の価値を感じられない人は、どんどん辞めていくんです。すると自然と熱量の高い人だけが残ります。
ライター・佐藤
ふむふむ。会社は勤めているだけでも給料をもらえるので、社員ごとのモチベーションにムラがありますよね。
“ぶら下がり社員”という言葉もありますし。オンラインサロンだと、それがなくなると?
小瀧さん
そう、熱量は本当に高いですよ。たとえば、ライターチームは「note」のコンテンツ(イベントレポートなど)を毎晩22時に、運営チームは箕輪編集室の活動報告である「日刊みの編NEWS」を毎朝7時に投稿していて、絶対に1日2本のコンテンツを投稿しています。
これ、仕事だったら続かないと思いませんか?
ライター・佐藤
確かに…
ネット経由で人が集まると、いろんな人がいて大変じゃない?
ライター・佐藤
だいぶ良さがわかってきたのですが、もう少しツッコませてください。
ネット経由で1000人も集まると、いろんな人がいてプロジェクトが進めづらくないですか?
稲場さん
いや、人数は多いですが、似たような価値観の人が集まっているから気持ちよく動けます。
サロンの規模が拡大していく過程で、堀江さんの『多動力』や前田裕二さんの『人生の勝算』など箕輪さんが編集された本をみんなも読み、すぐにサロンで実行しているんです。
共通言語があるのでとても動きやすいですよ。
小瀧さん
あと、個人の意志もつぶされづらいと思います。
会社だったらスポイルされてしまうような人も、熱意やいい案さえあれば「いいですね、それやりましょう!」と協力してもらえますから。
ライター・佐藤
なるほど。
早志さん
批判しない文化のお陰で、“子供の頃に戻れている”気がします。幼少期って、何をしても許されるだけあって、発想や行動も自由だったじゃないですか。
箕輪編集室は、大人になった私たちでも常識にとらわれずにアイデアを出し、挑戦できる場所だと思います。
ライター・佐藤
普通に入りたくなってきました…。ヘンに疑ってすみません!
最近は「安心安全を保障すると、コミュニティは自走する」という考え方がサロンで取り入れられているんだとか。
つまり、オンラインサロンが「いるだけでもいいんだ」と参加者にとって安心できる居場所となれば、どんな参加者でも自分をさらけ出せるし、思っていることを素直に主張できる…ということのよう。
“信者”ばかりでタダ働きでさせられているんだと思っていたら、実は若者たちの「居場所」としての役割があったのだ。
記事を読んでピンときた人は、思い切って飛び込んでみてはいかが?
〈取材・文=佐藤宇紘/取材・編集=葛上洋平(@s1greg0k0t1)/撮影=福田啄也(fkd1111)〉
箕輪編集室 - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
『多動力』堀江貴文『たった一人の熱狂』見城徹などを手がけた幻冬舎編集者、箕輪厚介による編集サロン。
↑この記事のために限定で参加枠を開けてくださってます。
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