「どこか自分を出し切れていないと感じていた」

上司と部下で一緒に複業! 社会人3年目の営業マンがテニスYouTuberになった理由

仕事・ビジネス2018.06.05by 新R25編集部

記事提供:Fledge

学生時代に好きだったことを、社会人になっても活かしたい―。

激しく打ち込んだものがあった人ほど、そんな風に思うことが多いのかもしれません。

会社員として働きながら、自分の得意なことを活かすためにはどうしたらいいのでしょうか。

今回は元学生トップテニスプレイヤーの経験を活かしながら、テニスYouTuberとして活動されている権さんを取材させていただきました。

【権 大亮(ごん だいすけ)】元学生トップテニスプレイヤー。小学5年生からテニスを始め、東北大会は12~18歳以下まで全て制覇。全国大会でも個人・団体含めトップの戦績を残す。慶應義塾大学体育会テニス部卒業後はサイボウズ株式会社に入社。全国を飛び回る営業として活躍するかたわら、複業としてYouTubeチャンネル「テニスのゴンちゃん」の運営を開始。チャンネル登録者数は4か月で4,500人を突破

【インタビュアー・熱田 優香(あつた ゆか)】
新卒1年目から3社で働くパラキャリ女子。サイボウズ株式会社で働き方改革に関するマーケティングをしつつ、個人でも育児や多様な働き方についてゆるゆると執筆している

上司がプロデューサー!? 本業も複業も二人三脚

熱田:権さんのYouTubeチャンネル「テニスのゴンちゃん」では、元学生トップテニスプレイヤーの権さんがテニスのコツを教えたり、実際の試合動画を配信したりしていますよね。

本日は「社会人になっても得意なことを活かすには」というテーマでお話をお伺いできればと思います! ところで、隣のお方は…?

上司の勝沢さん(左)と部下の権さん(右)

権:会社の上司の勝沢さんです。「テニスのゴンちゃん」は勝沢さんが動画を撮り、編集をしています。

熱田:えええええ! 上司と部下で一緒に複業をしているということですか!?

権:はい。上司の勝沢さんは「テニスのゴンちゃん」の企画や編集、つまりプロデューサーの役割を担っており、僕はいわゆるプレーを極めるという役割で分業をしています。

熱田:上司と部下で複業というのは面白いですね!

どこか自分を出し切れていないと感じていた

熱田:お二人が「テニスのゴンちゃん」というチャンネルを始めたきっかけをお伺いしてもよろしいですか?

権:社会人3年目になり、営業の仕事は好きだけれど、どことなく自分を出し切れていないと感じていました。

営業という職種は、経験がモノを言う世界だと思っていたので、まだ経験が足りない自分に自信を持てていなかったんです。

権:すでに複業として週末にテニスコーチの活動はしていたのですが、やはり社会人になるとテニスの経験を活かす場はどうしても少なくなってしまいます

学生時代あれだけ磨いてきたテニスのスキルは無駄になってしまうのか…と悔しく思っていた時期もありました。

そんな中、上司の勝沢さんに「YouTuberをやってみないか」と声をかけていただき、大好きなテニスの活動でやりがいを得られたら良いなと思ったんです。

熱田:なるほど。勝沢さんはなぜ、YouTuberをやってみないかと声をかけたのでしょうか?

勝沢:上司として権くんのポテンシャルを引き出したい、と思ったからです。

勝沢:権くんの上司になって2年間、彼のことをずっと見てきました。

権くんは何事に関しても寡黙に取り組むタイプで、僕は相当彼に厳しく接してきましたが、それにもめげずによくここまで成長してきたと思います。

でも、どこか彼が会社では自分を出し切れていないように感じていました。

彼が会社の部活動で見せるテニスの姿や、お客様からテニスの話題を振られて楽しそうに話している姿を見ているうちに、権くんの能力を最大限に引き出すには、テニスに対する「欲」を刺激するのが良いのではないかと思ったんです。

勝沢:また、私自身も社会人10年目で、自分自身の成長に不満を感じていた部分がありました。

そして、周りを見渡すとサイボウズには新しい働き方をしている人がたくさんいます。

自分自身も何か新しいことに取り組みたいと思い、その選択肢としてYouTuberが目にとまりました。

4か月でチャンネル登録者数4,500人超! イベント出演やコーチ依頼も

テニスのゴンちゃん

熱田:「テニスのゴンちゃん」のチャンネルを始めてから、何か変化はありましたか?

権:始めは再生回数が全く伸びなかったのですが、チャンネルを開始してから4か月ほど経ち、今は1本動画をあげれば1日で1万回以上再生され、コメントも100件近くつきます。

熱田:えええ! 大人気ですね!!

権:最近はテニススクールのイベントにゲスト出演依頼が来たり、大学の体育会テニス部からコーチ依頼も来ていますね。

熱田:す、すごい…! 視聴回数が伸びるようになったきっかけはあるのでしょうか?

勝沢:始めの頃は全く視聴回数が伸びなかったのですが、1本の動画で、ノウハウを全て凝縮する方向に転換したんです

YouTuberは次々に動画をアップしていかなければならないため、それまでは「このプレイのコツは後編で!」というように、コツを何本かの動画に分けて解説をしていました。

でも、前編の動画が面白くないのに、後編が見られるはずがありません。

そのことに気づいてからは、とにかく1本の動画で多くのヒントを得られるような企画に変更しました。

熱田:徹底的なユーザー目線ですね。いつもどうやって企画を立てているのですか?

勝沢:ターゲットはいつも自分です。

私はテニスのことは詳しくありませんが、小学校からずっと野球を続けているので、野球をテニスに置き換えて「自分だったらこういう動画を見たいかも」と仮説を立てることはできます。

なので、「自分だったら、このテニス動画を本当に見たいと思うか?」「こんなのがあるよ!と、友達に紹介したくなるか?」ということを追求して企画を立てています。

権:YouTubeの場合は結果がすぐに視聴回数にあらわれるので、「こういう企画がウケるかも」と自分なりの仮説を立てて、それを検証していくのは楽しいですね。

YouTuberを始めてから、少しずつ視野が広がってきた

熱田:本業とは違う学びが得られそうですね。YouTuberの活動を始めてから、自身の心境に変化はありましたか?

権:YouTubeチャンネルを始めたことによって、確実に視野が広がったと思います。

社会人になってから2年半、ずっと営業しかやってこなかったので、「自分は営業しかできないんじゃないか」という漠然とした不安がありました。

他の部署の経験はなかったので、マーケティングや採用には興味がないと思い込んでいたんです。

でもYouTuberをやってみて、少しずつ変わってきました。視聴者の層を分析していく中で「Webマーケティングも意外と楽しいんだな」と思うようになったんです。

自分が夢中になれる「テニス」という入り口だったから興味が湧くようになったのだと思います。自分の可能性を広げることができている実感はありますね。

熱田:勝沢さんはいかがでしょうか?

勝沢:サイボウズで働くのとは違う刺激を得られるようになったと思います。

勝沢:僕はサイボウズで働くのは大好きですが、サイボウズはすでにグループウェアでトップシェアを誇る企業です。社員も500人以上いるので、明日自分がいなくなっても、普通に会社は回っていきます。

一方で、YouTubeの場合は自分の企画の反響が100%結果として返ってきますし、自分がやらなければ誰も代わりにやってくれる人はいません。

権くんのプロデュースを始めてからは、理論から入るのではなく、視聴者の反応を見ながら柔軟に次の課題設定ができるようになりました

今後違う分野の仕事をすることになっても、YouTubeで学んだことを活かすことができると感じていますね。

本業を減らす可能性は?

熱田:お二人は営業なので出張も多く忙しいと思うのですが、撮影の頻度はどれくらいなのでしょうか?

権:基本的には土日に撮影をしていますが、空き時間があれば平日の夜にも撮影をしています。

勝沢:僕はプロデューサーとして編集の仕事が残っているので、そこからさらに6時間ぐらいかけて1本の動画を編集します。

熱田:6時間…! 会社員をやりながら両立するのは大変そうな印象を受けるのですが、今後「テニスのゴンちゃん」がさらに有名になったとして、「本業であるサイボウズの割合を減らす(※)」という選択肢はあるのでしょうか?

勝沢:今のところ「本業を減らす」という選択肢は考えていません。

ここが上司と部下で複業をしている場合に難しいところなのですが、僕は権くんの本業をマネジメントする立場にあるので、権くんの本業を疎かにさせてはいけないと思っています。

上司としての立場と、もっとチャンネルを伸ばしていきたいという思いの間で葛藤することはありますが、今は本業も複業もフルでやり切りたいですね。

※サイボウズ株式会社では、「複業のために本業を減らす」という選択も可能。

好きなことを発信するだけで価値になる

熱田:好きなことや得意なことで複業を始めてみたい方に、一言お願いします!

権:複業の仕方にも2つあると思っていて、「本業を活かして複業をする」タイプと、僕のように「本業と全く関係ない分野で複業をする」タイプがあると思っています。

本業のサイボウズでは「できないことができるようになる」やりがい、複業のYouTuberの方は「自分がすでに得意なことで人の役に立てる」という別のやりがいがあります。

僕の場合は勝沢さんという素晴らしい上司に出会って、複業を始めることができました。

音楽が好きな人、スポーツに本気で取り組んできた人、色々な人がいると思いますが、好きなことがある人はそれを発信するだけで、同じものが好きな人にとっての価値になります

人としての幅が広がると思うので、すでに好きなことや得意なことがある人は、是非それを発信して価値に変えていってほしいです。

編集後記

元学生トップテニスプレイヤーという強みを、複業によって活かすことができた権さん。

人気テニスYouTuberとして勢いを伸ばしつつある裏側には、上司の勝沢さんと信頼関係を築きながら、二人三脚で歩む姿がありました。

自分の得意分野を仕事で活かしたい!と思っても、一筋縄ではいかない時もあると思います。

今の仕事で自分の強みが活かしきれていないな…と思う人は、「複業」という手段で自分の得意なことを発揮してみるのも良いかもしれませんね。

(※本記事は2017年09月22日時点の情報となります)

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