手数料が限りなく少ない商品を選ぶのが鉄則

ラクだけど、実は損をしかねない商品ばかりだった! プロが教える「NG投資信託」

経済・マネー2018.08.01by 新R25編集部

記事提供:20's type

将来のライフイベントを見据えると、今からお金の備えは必須――でも、すぐに給料が増えるわけじゃないし、今の仕事だっていつまで続くか分からない。そう考えると、20’s世代はお金で失敗しているヒマなんてない!

そこで、マネーコンサルタントの頼藤太希さんが、若手がやりがちな「お金にまつわるしくじり」とその教訓を伝授。新時代を賢く生きるお金の知恵を伝えます!

今回、マネーコンサルタント・頼藤太希さんのもとへ相談にやってきたのは、29歳独身のD男さん。

29歳独身、「投資信託」の選び方が知りたい

【D男さんの情報】

・29歳独身
・職業:IT会社
・年収:420万円
・貯蓄:普通預金に300万円、投資信託100万円

IT会社にお勤めで、落ち着いた雰囲気のD男さん。相談内容は、「投資信託で失敗してしまったので、正しい選び方を知りたい」とのこと。早速お話を伺うことにしました。

そもそも、「投資信託」って何だ…?

投資信託とは、金融機関が投資家からお金を少しずつ集めて“ひとまとまり”にし、そのまとまったお金をプロである運用担当者が運用する金融商品のこと。簡単に言えば、投資信託は、株式や債券などの“詰め合わせ”です。

投資信託は100円~と少額から、自動で積立することが可能で、忙しい毎日を送っている人でも、あるいは面倒くさがりでズボラな方でも始めやすい投資商品といえます。

今、私たちの周りにはiDeCo(個人型確定拠出年金)、NISA(少額投資非課税制度)、つみたてNISAといった、個人の資産形成をサポートする優遇制度がたくさんありますが、これらの制度に共通しているのは「投資信託」を選べるという点です。

個人で購入できる投資信託は、現在、約6000本あります。そして、その6000本のほとんどが、実は「売る側にとって都合のよいNG投資信託」だということをご存じでしょうか?

つまり、私たちにとっては損をしかねない商品ばかりということ。正しいマネー知識がなければ、本当に儲かる商品(資産が増える投資)を選ぶのは至難のワザなのです。

数年後に元本割れで運用終了… D男さんが購入した「テーマ型投資信託」の落とし穴

さて、D男さんに話を戻しましょう。

数年前、D男さんは証券会社に勤めている友人から「良い投資商品がある」との連絡があり、早速話を聞いてみることにしたそうです。

D男さんの友人の話は、『BRICS』と呼ばれる、ブラジル、ロシア、インド、中国などの新興国へ投資する「テーマ型投資信託」の購入の勧めでした。その当時、BRICSへの投資に人気があり、投資信託もたくさん売られていた頃です。

D男さんも、BRICS(特にインドや中国)は、今後成長が期待できるだろうと思い、当時の貯蓄額200万円のうち半分の100万円を投資したそうです。

「テーマ型」投資信託とは、世の中で話題になっている「あるテーマ」に関連する銘柄に的を絞った投資のこと。

今回の『BRICS』のように地域を扱うテーマや、再生可能エネルギー、再生医療、ロボット、AI、ヘルスケア、FinTech(フィンテック)など、旬な事業領域をテーマにした、関連銘柄に投資する投資信託が多いです。

ただ、このテーマ型投資信託には落とし穴がありました…。

D男さんも、購入して半年から1年くらいは利益が出ていたそうですが、その後伸び悩み、数年経って繰上償還(※1)になってしまった時には、元本割れになっていたそうです。この手痛い経験からきちんとしたアドバイスを受けようと、相談に訪れたというわけでした。

(※1)信託期間が決まっている場合は期日を待たずに償還、信託期間が決まっていない場合は運用を終了すること

「テーマ型」投資信託は損をしかねない! 手数料の高い商品にご用心

実は、「テーマ型」は私たちにとっては損をしかねない商品、NG投資信託の一つです

テーマ型は、テーマに沿った銘柄を選別する「アクティブファンド(※日経平均などの株価指数を大きく上回る運用成果を目指す投資信託)」がほとんどなので、専門家の銘柄選定にかかる調査や分析などの負担も高く、手数料が高いものばかりです。

手数料が高くても高リターンが実現できるならば、良いのかもしれませんが、現状そんなテーマ型はほとんどありません。あったとしても好成績が長く続かないものばかりです。

なぜ好成績が長く続かないのか。それは、世間で注目されるテーマは時間と共に変化し、あっという間に忘れられてしまうからでしょう。

注目度が低くなっても、投資している企業の業績が長期的に伸びていれば、株価も上昇する可能性はありますが、注目度が低くなって業績も伸びなければ、投資の運用成績も悪化するという悪循環です。

また、D男さんのケースのように、テーマが忘れさられると、投資信託への資金流入が減り、純資産総額(投資信託が組み入れている資産の時価総額のこと)が少なくなるため、運用継続が困難になって繰上償還されることもあります。

しくじりに学ぶ:投資信託の知識、商品の特徴や手数料について事前に把握する

NG投資信託は他にもあります。例えば、資産形成層には向かない「毎月分配型」、商品内容が複雑でリスクが大きい「通貨選択型」などです。

投資信託の手数料には、購入時に支払う「販売手数料」や、投資信託を持っている間ずっと支払う「信託報酬」がありますが、「テーマ型」「毎月分配型」「通貨選択型」などの商品は共通してこれらの手数料が高く、利益の出しにくいものばかり。

販売手数料は2%~3%かかりますし、信託報酬は年1%~3%のものが多い
のが現状です。

手数料が限りなく少ない商品を選ぶのが、投資信託で勝利するための鉄則です。手数料は確実な損失ですので、販売手数料はかからないもの、信託報酬は低い商品を選ぶといいでしょう。

D男さんの例であった「テーマ型」も、メリット・デメリットを知り、手数料を踏まえて納得の上、投資したのであれば何もいうことはありません。

でも、商品の特徴や手数料のことを知らずに投資してしまったのであれば、損するべく投資をしたと言えます。

また、投資信託を始める時は、最低限の知識も必要だということも知っておきましょう。純資産総額が少なくなると、繰上償還になるといった知識を事前に持っておけば、未然に損失を減らすことができたかもしれません。

なお、テーマ型が絶対にダメとは言いません。コストが高い上にリスクが大きく、オススメできる投資信託とはいえませんが、どうしてもテーマ型に投資したいという方は、長期的にそのテーマが存続しうるのかをしっかり検討しましょう。もしくは、短期的に投資すると割り切って行うのが良いでしょう。

監修者紹介

頼藤 太希さん

マネーコンサルタント/(株)Money&You代表取締役。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。女性向けお金の総合相談サイト「FP Cafe」、女性向けマネーメディア「Mocha」などを運営。マネーに関するコラム執筆、書籍の執筆・監修、講演など日本人のマネーリテラシー向上に努めている。

著書は「つみたてNISAでお金は勝手に増えていく!」(スタンダーズ)、「やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)など多数。日本証券アナリスト協会検定会員。ファイナンシャルプランナー(AFP)。

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