簡単につくれる絶品ツナレシピも教えてもらった!

「“ツナわたり”から始まって、やっと“ツナがった”」ツナの可能性に賭ける男の挑戦

仕事
一見、それだけではビジネスにならなさそうなのに、「一点集中」でビジネスにしている人たちがいます。

たとえば「ツナ」。コンビニおにぎりの具材としては不動の人気だけど、どちらかといえば“名脇役”的な存在のツナにこだわり、専門店まで出してしまった関根仁さんもそのひとり。

関根さんはなぜ「ツナ」を偏愛し、ビジネスにしようと思ったのか? くわしくお話をうかがってきました。

「ないならつくろう」小料理屋をやめてまで賭けてみたいと思ったツナの“可能性”

今回は「ツナ偏愛」がテーマということで、コンビニおにぎりの具材はツナマヨ一択の編集長・渡辺が猛烈にカットインしてきました…。

ということで、渡辺とともに高級ツナ専門店「おつな」を訪問。
「おつな」の暖簾をくぐる渡辺
編集部・N

編集部・N

今日は高級ツナ専門店への取材なので、ツナ好きの編集長がついてきてしまいました…
関根さん

関根さん

ツナはみんな大好きですから、むしろうれしいですよ(笑)。

とりあえず、「おつな」のツナを試食されますか?
「おつな」で取り扱う10種類のツナをオシャレな器で振る舞ってくれた!

ただし、渡辺は「おいしー」「やばい」「ごはんほしー」「ビールほしー」をひたすら繰り返すだけ。そのボキャブラリー力を破壊するほどの美味しさ…ということでしょうか。
編集部・N

編集部・N

ツナ専門店ってめずらしいですよね。専門店を出しちゃうくらいツナ愛が深いってことでしょうか?
関根さん

関根さん

僕に限らず、みんなツナ愛ってありません? 編集長だって相当お好きみたいだし(笑)。
【関根仁(せきね・じん)】高校卒業後、都内の魚屋で働きながら魚の目利きを極める。30歳で都内に魚メインの小料理屋「仁」をオープン。10年目を機に小料理屋から高級ツナ専門店「おつな」へと業態を変える
編集部・N

編集部・N

たしかに。コンビニが発表する「好きなおにぎりの具材」でも不動のトップだし、どの家庭にもだいたいストックがありますもんね。

日本人ってなぜこんなにツナ好きなんだと思いますか?
関根さん

関根さん

まだ日本が貧しかったころ、安くて栄養価の高い保存食としてツナ缶が普及したことも関係してると思います。

いまでもひとつ100円ちょっとで買えてあれだけ美味しいから、僕も大好きですよ。
編集部・N

編集部・N

ただ、関根さんの場合は専門店出すぐらいだから、やはり普通のツナ好きのレベルではないような…

「好き」以外に何がモチベーションになったんですか?
関根さん

関根さん

ツナに「可能性」を感じたんです。
編集部・N

編集部・N

可能性、というと?
関根さん

関根さん

プレーンなもの以外にも、使っているオイルや味付けのバリエーションで「ツナはもっと極められるんじゃないか」と。

高級なチョコレートやオイルの専門店があるのに、高級なツナの専門店はまだない。なら僕がつくろうって思ったんです。

あと、これは直感的なんですけど、ツナ」という語感にもピンとくるものがあったんです。
編集部・N

編集部・N

語感?
関根さん

関根さん

ツナがり」「たいせツナ」「とくべツナ」…どの言葉にも「ツナ」が入ってるでしょ? 縁起がいいしギフト向きだなと。
編集部・N

編集部・N

なるほど! 単なるダジャレ…というわけでもないんですね。
関根さん

関根さん

ちなみに、ギフトユースを想定してるから、パッケージにもこだわってます。結婚式の引き出物やお祝いに使ってくださるお客さんが多いです。
箱の文様は「つながる」の意味を持つ「七宝」を採用。相当のこだわりが垣間見える
編集部・N

編集部・N

ツナを縁起物と考えるのはおもしろい!

…ですが、ツナだけのお店を出すのは勇気がいりそうです。
関根さん

関根さん

不安はありましたよ。

僕はもともと、「おつな」開業以前に魚メインの小料理屋として10年、その前は魚屋として約20年築地で働いていました。
編集部・N

編集部・N

小料理屋をやめてまでツナに特化するなんて、思い切った決断ですね。
関根さん

関根さん

小料理屋時代には、いまでもつながりのあるお客さんとたくさん知り合えましたし、楽しかった。

でも、個人経営の飲食店って限界があるんですよ。自分が体をこわしたらやっていけないし、小料理屋」という空間以上には広がりもない
関根さん

関根さん

でも、ツナ専門店なら手づくりだから量産はできないけど、自分のペースで商品をつくれるし、ネット販売ができるから日本全国のお客さんを相手にできます。

寝ている間にも注文が取れます
からね(笑)。

ツナを保存する難しさに直面。“ツナわたり”の関根さんを救ってくれた“ツナがり”

編集部・N

編集部・N

関根さんは魚一筋30年であれば、ツナづくりにも自信があったんですか?
関根さん

関根さん

確かに仕入れや料理で魚にはずっと触れてきましたけど、瓶詰めのツナに特化した途端、これまでの経験はまったく通用しないことに気づきました。
編集部・N

編集部・N

と言いますと?
関根さん

関根さん

その場で提供する料理と瓶詰めの保存食はまったくの別物だったんです。

すごく難しくて勉強が必要だと思い、まずは主原料の魚選びから見直す日々でした。
編集部・N

編集部・N

使う魚にはどんな選択肢があるんですか? ツナはマグロですよね?
関根さん

関根さん

マグロとひとくちに言っても、キハダ、ビンチョウ、メバチ、クロマグロなどさまざまです。
編集部・N

編集部・N

そうなんですね。ちなみに、「おつな」で使っているのは?
関根さん

関根さん

ビンチョウマグロです。ビンチョウの一番の特徴は、火を入れても身の白さが保てること。味もさることながら、見た目の美しさも「ツナ」の命ですから。

ただ、ビンチョウのなかでも季節や漁場によって身の色が変わってくるんですけどね。
編集部・N

編集部・N

魚選びだけでも大変なんですね。ほかにも苦労した点はありますか?
関根さん

関根さん

売り物としてしっかり保存するために、この1年は苦労の連続でした。最初は瓶の密封がうまくできなくてオイル漏れはするわ、賞味期限が1日と持たないわで…

そこから小料理屋時代のお客さんや加工会社の社長さん、保存の専門業者さん、そして家族に助けてもらいながら乗り切ったかんじです。
編集部・N

編集部・N

それで、今はどれくらい保存できるようになったんですか?
関根さん

関根さん

開封前だと常温で1ケ月までもつようになりました。今後は瓶詰めだけでなく、さらに長期保存できる缶詰めも考えています。
「すべてゼロからのスタートでした」辛かった1年振り返る関根さん
関根さん

関根さん

みなさんとの「ツナがり」がなければ、ここまでこられませんでした。もちろん、つながりがあるだけではダメで、実際に行動を起こすことが大事なんですけどね。
編集部・N

編集部・N

頭で考えるだけでなく。
関根さん

関根さん

壁にぶつかったときこそ、とにかく動けば抜け道は必ず見つかるものです。

同時に、自分よがりの常識や固定観念は捨てる。これは相当勇気がいりますが、捨てたときに道が開けます。
編集部・N

編集部・N

「おつな」は、関根さんが築いてきた「つながり」と「行動」の結晶なんですね。
関根さん

関根さん

「ツナわたり」から始まって、やっと「ツナがった」ってところです(笑)。

でも本当に、単なるダジャレではなく「おつな」の瓶のなかには、僕の経験といろんな人の想いが詰まっている。「たいせツナ」宝物です。

R25男子でも簡単にできる絶品「おつな」レシピを教えてもらった!

ここで編集長がカットイン。
編集長・渡辺

編集長・渡辺

関根さんの想いの詰まった「おつな」を先ほど試食させていただきましたが、そのまま食べてもめちゃくちゃ美味しかったです!

でも、できればツナを美味しく食べるレシピも知りたいなと…。しかも独身のR25男子でも超簡単につくれるような!
関根さん

関根さん

いいですよ! ちょっと待っててくださいね。
ツナの仕込み場である厨房“おつなラボ”に入って調理開始
〜約3分後〜
関根さん

関根さん

お待たせしました!
カップラーメンとほぼ同じ所要時間で、めちゃくちゃオシャレな料理が!
関根さん

関根さん

まずは、「おつな」のポルチーニ味を使った「おつなリゾット」です。
〈材料〉
・ごはん(冷凍でも可):1膳分
・おつな(ポルチー二味):大さじ3~4
・コンソメスープの素(顆粒):5g(小さじ1)
・水:200cc(カップ1)
・加塩バター:10g
・イタリアンパセリ(または普通のパセリ):少々
・粉チーズ:少々
・ブラックペッパー:お好みで

〈つくり方〉
鍋に水とコンソメスープの素を入れてひと煮立ちさせたら、ごはんと「おつな(ポルチーニ味)」を入れて混ぜ、全体がなじんだら最後にバターを入れてひと混ぜ。器に盛って粉チーズをかけ、イタリアンパセリを添えたら完成。お好みでブラックペッパーをかけても美味しい!

出典 レシピ提供:おつな

編集長・渡辺

編集長・渡辺

このビジュアルはたまらないです。早速いただいていいですか?
関根さん

関根さん

どうぞどうぞ。
パクっ!
あまりの美味しさにこの表情
編集長・渡辺

編集長・渡辺

やばぁ〜! うまっ!

…うわ、でもリゾットにしてもしっかりツナの味がする
関根さん

関根さん

身質がよくて酸味のないビンチョウマグロを使っていることと、瓶詰めで缶の臭みがないことで、旨味と風味が生かせてるんです。
編集部・N

編集部・N

編集長、私の分の残しておいてください…
Nの声も耳に入らず食べ進める渡辺。もちろん完食です
関根さん

関根さん

続いて、「おつなサンド」です。
オシャレカフェの一品のようなサンドイッチ!
関根さん

関根さん

ツナサンドと言えばマヨネーズ味になりがちですが、「おつな」のオーガック粒マスタード味だとマヨネーズを使わなくてもマイルドに仕上がりますよ。
〈材料〉
・ピタパン(市販のもの):1枚 ※なければ普通の食パン2枚
・おつな(オーガニック粒マスタード味):大さじ1〜2
・レタス:1枚
・トマト:2〜3切れ
・アボカド:2〜3切れ

〈つくり方〉
ピタパンにレタス、トマト、アボカド、「おつな(オーガニック粒マスタード味)」をはさむだけ。

出典 レシピ提供:おつな

編集長・渡辺

編集長・渡辺

これは「オシャレおつな」ですね。…でもガブッといかせていただきます!
豪快に食べる
完璧な美味しさに自然と「いいね」ポーズ
美味しそうに食べる渡辺を前に、関根さんもこの笑顔
編集長・渡辺

編集長・渡辺

うん! 完璧にうまい!
編集部・N

編集部・N

ツナ好き編集長なのに、全然ツウなコメントできてないじゃないですか! 表情は完璧ですけど(笑)。
味つけにこだわる元小料理屋の技が詰まった「おつな」なら、お店で出てくるような一品が簡単にできてしまう。

関根さんが愛し、人生を賭けたツナには確かに「可能性」を感じます。
レシピ2品で使った以外には、ガーリック&オレガノ、ドライトマト&バジル、えごま大葉味噌、島唐辛子などめずらしいフレーバーがそろっている
最後に関根さんは、こう語ってくれました。

「人よりうまいとか秀でているではなく、自分が好きだと自信が持てるもの』をひとつでも持つことが人生には大切。僕の場合は魚から始まり、いまのツナに至りました」

最近よく聞く「好きなことを仕事にする」というフレーズ。関根さんの苦悩と希望に触れて、それが単なる強者の理論じゃなく、妙に説得力を持つ言葉に聞こえた夜でした。

〈取材・文=新R25編集部/撮影=福田啄也 新R25編集部(@fkd1111)〉
「たいせツナ」人へのギフトや自分ご褒美にピッタリ「おつな」

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