ビジネスパーソンインタビュー
無敵のメンタル術『自分は自分、バカはバカ。』より
人生をイージーモードに。これからの時代、本当に「資産価値のある個人」はこういう人
新R25編集部
「僕は、周囲の人たちを基本『見下しモード』でながめています」
2ちゃんねる開設者・ひろゆきさんの新著『自分は自分、バカはバカ。』の一文です。
人間関係に悩む人たちへ向けた「他人に振り回されない無敵のメンタル術」を中心に、ひろゆきさんの考える「これからの社会で生き残る人」や「自分の資産価値をあげる方法」について書かれている同書。
その内容の一部を3記事にわたってお届けします。
本当に「資産価値のある個人」
僕は、これからの時代に生き残るのは、資格みたいな「目に見えるスキル」をたくさん持った超優秀な人ではなく、そこそこ仕事ができてまわりに気に入られる、「目に見えないスキル」、メンタルスキルに秀でた人だと思ってます。
本当に「資産価値のある個人」というのは、こういう人じゃないでしょうか。
そして、そういう個人になるためには、「自分は自分、バカはバカ」と、自分を取りまく人間関係を客観視し、周囲の人々に振り回されないメンタルを持っているかどうかが鍵を握ります。
「スキル」自体では浮き上がれない
最近、会社員をしている若い人と話していて感じるのですが、「周囲から浮きたくない」「目立ちたくない」という人はすごく多いです。
出るクギは打たれ、同調圧力の高い日本の会社に勤めていると、そう感じるようになるのも無理はないですがね。
でも、社内で目立たないようにしていれば安心して働けるのかというと、それはちょっと違うような気がするのですよ。
目立ちたくないという人も、上司や同僚から避けられたくはないわけですよね。
人気者というほどではなくとも、そこそこ人から好かれたい、とは思っているのではないでしょうか。
人に好かれるということは、ほかの人たちと自分との間に何かしらの「差」が存在するということです。
もし、他人とまったく差がないのなら、その人はまわりから必要とされていない、ということでもありますから。
もちろん、その「差」がネガティブなもので、人から嫌われてしまうことはいいことではありません。
しかし、「差」があること自体はべつに悪いことではないと思います。
むしろ、ポジティブな差はあったほうが確実に気持ちよく働けますしね。
ただし、スキルで自分と周囲の人たちとの間にポジティブな差を作ることは簡単ではありません。
ものすごく頭が切れて難しい案件をいくつも取ってくる、みたいな、超優秀な人であれば、たしかにポジティブな差を持っているといえますけど、そんなことはすぐに実現できないですからね。
「ダメだけど憎めないヤツ」は超おいしいポジション
とはいえ、「エクセルの操作がちょっと得意」といったくらいのことでは、そもそもまわりから「差」としてなかなか認識してもらえません。
簡単に手に入るようなスキルは、ほかの人もすぐに真似できますから。
仕事で周囲に認められるスキルを身につけるのは時間と根気が必要なのです。あまり手をかけず、周囲から浮き上がる人になるにはどうすればいいのでしょうか。
そこで、僕がみなさんにおすすめしたいのが、「キャラづくり」です。
キャラ作りとはいっても、「不思議ちゃん」だとか、「お笑い芸人」のようなキャラを無理矢理演じろというのではありませんよ。周囲の状況に応じて、空いているポジションを取るということです。
たとえば、兄や姉のいる人は、家の中では無意識のうちに「弟キャラ」「妹キャラ」を演じていますよね。
小学校から中学校に上がったら、新入生の「後輩」キャラを演じるし、3年生になったら「先輩キャラ」を演じる。
クラスの中で「優等生キャラ」を演じるかもしれないし、「おっちょこちょいのムードメーカーキャラ」を演じる人もいるでしょう。
クラスの優等生キャラが、家ではおっちょこちょいキャラということもよくありますよね。
これ、会社でも同じです。
つまり、自分にとって自然に演じることができて、ほかの人とあまり被らないキャラのポジションを取れれば、かなり居心地がよくなります。
できれば、「ダメなヤツだけど、憎めない」くらいのポジションがおすすめです。
「優等生キャラ」や「とても優しいキャラ」だと、何か頼まれた時に断りにくくなってしまいます。
頼まれごとを断った途端にキャラとのギャップが生まれてしまいますから、どうにかキャラを維持するために、イヤなことでも延々とやり続けるハメになるでしょう。
「お前、ダメなヤツだなあ」とまわりから言われて、「えへへー」と返せるくらいが人生をイージーモードにするコツなのですよ。
「イヤな職場」もマッチング次第
仮に、何らかの能力についてすごくいい結果が出たとしても、それだけで人生が大きく変わるわけではありません。
男子100メートル走の世界記録はウサイン・ボルトが出した9・58秒で、これだけ速ければオリンピックで金メダルを取ったり、スターになったりして人生には大きな影響があるでしょう。
けれども、ゼロコンマ数秒遅ければ、ぜんぜん話題になりません。
まして、アスリートでもない人にとって100メートルを何秒で走るかといったことは、人生においてどうでもいいことです。
急いでどこかに行かなければいけないなら、電車に乗るなり自動車に乗るなりすればいい話ですから。
仕事もそうです。現代は知識社会だといわれていますが、情報処理のスピードはそれほど重要ではありません。
頭の回転が速い人はある問題を10秒で解けるのに対して、回転が遅い人は10分くらいかかるかもしれませんが、その違いが大きな問題になるケースはそんなにないでしょう。
ひと昔前なら、そろばんや暗算で速く計算できる人は重宝されましたが、今ならPCの表計算ソフトが人間の代わりに計算してくれます。
今は、個々人の「能力の差」はそんなに重要な問題ではなくなってきていると僕は思うわけです。
それよりも、職場の人とうまくやっていけるかどうかのほうが、よほど重要です。
同じだけの能力、スキルがあったとしても、相性のいい職場なら「こいつはできる」といいほうに誤解されるでしょうし、相性の悪い職場だと「使えないヤツ」とレッテルを貼られてしまう。
つまり、「いい職場」と「悪い職場」があるのではなくて、結局は「自分に合っているかどうか」なのですよ。
ノリがいい人も、体育会系文化の職場だと好かれるでしょうが、文化系の職場だと面倒くさいヤツと思われるかもしれませんしね。
あのGoogle にしても、人材採用の決め手は相性だそうです。
将来その候補者の部下になるメンバーや、本人の所属部署と直接関わりのない他部署の人たちを面接の場に呼んで、就職希望者と話をさせる。みんなが「こいつとは、うまくやっていけそう」と感じる人だけを採用しているようです。
まわりに左右されないメンタルが、これからの時代を生きる武器になる
タイトルにもなっている『自分は自分、バカはバカ。』という考え。ひろゆきさんならではの発想だと思いきや、実は僕らにとっても必要な視点でもありました。
まわりに対して、そこまで思い悩む必要なんてないのでは? そんなことを考えさせられる1冊です。
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