樺沢紫苑著『学び効率が最大化する インプット大全』より

ネットサーフィンで得る情報の9割はムダ。必要な情報だけが届く「情報の"宅配便化"」

仕事
我々が1週間で接触する情報は140個にものぼると言われていますが、そのなかで記憶に残っているのは、なんとたったの3%だそう。

そう語るのは、40万部のベストセラーとなった『学びを結果に変える アウトプット大全』の著者、樺沢紫苑(かばさわ・しおん)先生

精神科医の仕事をこなしつつ、作家として30冊の書籍を出版、メルマガやYouTubeを毎日更新と、膨大なアウトプットを継続する樺沢先生は、少ない時間で効率よくインプットをおこなう達人でもあります。

どうすれば最大効率で情報収集できるのか、樺沢さんの新著『学び効率が最大化する インプット大全』でその方法に迫りましょう!

「自分に必要な情報」だけ届く仕組みづくり

宅配便の再配達で、「家まで届けてもらう」のと「営業所まで自分でとりに行く」。

どちらが便利ですか?

いうまでもなく、家まで届けてもらうほうが便利でしょう

よっぽどでない限り、自分でとりに行くことはしないはずです。

しかし、不思議なことに、インターネットの世界では、ほとんどの人が自分から情報をとりに行き、平気で時間の無駄遣いをしています。

ネットのインプットでいちばんやってはいけないのは、「ネットサーフィン」です。

ネット上のいろいろなサイトを、興味のまま、気が向くままに次々と閲覧していく。

電車でスマホを見ている人の多くは、「なんとなくおもしろい情報はないかな」とアプリを次々と開き、ネットサーフィン的なインプットをしています。

10個の情報をながめても、あなたに必要な情報は1割もないでしょう。

仮に1割あったとしても、9割は無駄な時間ということになります。

30分やれば、27分は無駄。

最初から必要な情報だけ読めば、3分で終わるのです。

それを可能にするのが「情報の宅配便化」です。

自分に必要な情報」だけが、宅配便が家に送られてくるように、自分のパソコンやスマホに届けられる。

結果として、「必要のない情報」を探す時間と、それらを読む時間の両方を節約できますので、インプット効率は10倍以上になります。

「情報の宅配便化」は、一度設定すれば、あとは何もせずに全自動で情報が集まってくるので極めて便利です。

①タイムラインに一元化する

情報の宅配便化でいちばん重要なのは、情報をタイムラインに一元化することです。

TwitterやFacebookのタイムラインに、必要な情報がすべて流れるようにします。

キュレーターをフォローするのもそのひとつです。

たとえば、あるポータルサイトのニュースを読みたければ、そこの公式Twitterをフォローする。

そうすると、そのサイトの更新情報が、Twitter上に全自動で流れてきます。

そのサイトの情報をスマホで見ようとすると、専用アプリをダウンロードして、いちいちアプリを開いて見にいかないといけません。

仮にそういうサイト(アプリ)を10個チェックしようと思ったら、アプリを10個順番に開かなければなりません。

開く、閉じるの操作だけで20回です。

すべての情報をTwitterのタイムライン上に集約すれば、その手間は省けます。

②Googleアラート

Googleの数ある機能の中でも、私が最も便利だと思う機能のひとつが「Googleアラート」です。

しかし、私の調査では、Googleアラートを使用している割合は、たったの15%。

とても便利なサービスなのに、ほとんどの人に知られていません。

キーワードを事前に設定しておくと、今日Googleにインデックスされたそのキーワードに関するページ(記事)をすべてメールで送ってくれる、というサービスです。

たとえば、私の場合は「ウイスキー」という言葉で登録していますが、本日更新されたウイスキーに関するニュース、あるいはウイスキーのブログの記事などが、一網打尽で送られてきます。

ですから、自分で検索する必要がありません

メールで送られてきた一覧から、おもしろそうな記事を見ればいいだけ。

厳選された情報から、さらに厳選した記事を見にいくので、時間の無駄がありません。

Googleアラートの結果は、すべてメールとして保管されるので、あとからまとめて見ることも可能。

「ブログに書くネタがない」ということはあり得ない話です。

③RSSリーダー

いろいろなサイトやブログをチェックしたい、という人は多いはず。

何度も「開く」「閉じる」を繰り返す必要があるし、サイトを訪れてみたものの「新記事が更新されていなかった」「有益な記事がなかった」となれば、完全な時間の無駄となります。

多くのサイトをチェックしたい方は、「RSSリーダー」を使いましょう。

「RSSリーダー」とは、事前にサイトのURLを登録しておくと、そのサイトの更新情報をまとめて教えてくれるサービスです。

たった1画面を見るだけで、数十個のサイトの更新情報を一度にチェックすることが可能になります。

パソコン版もスマホアプリも、さまざまなRSSリーダーが出ていますので、ぜひ使ってみてください。

情報の宅配便化を行うと、全自動で情報が送られてきて、必要な情報がひとつの画面にギュッと集約されている状態になります。

アプリを開いて閉じる、というくだらない作業から解放されますので、ぜひ試してください。

情報収集の効率が、最低でも2〜3倍、上手に使えば10倍以上にアップします。

必要な情報に最短でたどり着くコツ

前項で「情報を宅配便化しよう」という内容をお伝えしました。

そんな中、唯一自分から情報をとりにいくネットのインプット術が「検索」です。

情報は鮮度が命です。

1カ月前のニュースには、ほとんど価値がありません。

ですから、情報は事前に集めて保管・保存しておくのではなく、「今」必要な情報を「今」集めて、「今」使うほうがはるかに効率的。

それが「検索」です。

検索を使わない人はいないでしょうが、上手に検索できる人は意外と少ないかもしれません。

便利で上手な検索ノウハウについてお伝えします。

①コマンド(演算子)の活用

検索にはいくつかのお約束(コマンド、演算子)があります。

コマンドを使うと複雑な検索も一瞬で完了します。

Googleのコマンドだけで数十個ありますが、特に知っておいたほうが便利なコマンドをまとめました。

②画像検索

「画像」を選択すると、ほしい画像のみを検索することができますが、少し応用した画像検索の方法があります。

たとえば、「情報と知識の違い」を知りたい場合、多くの人は「情報と知識の違い」と普通に検索するでしょう。

私なら、そのキーワードで最初から「画像」で絞り込みます。

そうすると、「情報と知識」について比較した表や図が出てきます。

表や図は視覚情報ですから、見ればその内容について一瞬で理解できます

次に、いちばんわかりやすい図表のサイトを表示して読みます。

わかりやすい図表」を掲載しているサイトの説明も、またわかりやすいのです。

③期間検索

「あっ地震だ!震源はどこだ?」と思ってGoogleで「地震」と検索しても、昔の地震の記事やニュースが出てくるだけ。

そんなときは「期間」を指定して「1時間以内」を選べば、先ほどの地震についての情報が表示されます。

「ツール」をクリックすると「期間指定」のオプションが表示され、特定の期間を選択できます。

情報のストックは一元化が鉄則

ネットでいろいろなサイトを見ていると、「これは役立ちそう!」という情報に出くわします。

そのとき、あなたはどうやって保存しますか?

集めた情報をどのように保存、ストック(蓄積)するかという問題。

多くの人は、そのサイトを「ブックマーク」、つまり、URLを保存するでしょう。

しかし、ブックマークは、情報のストック法としては不適当です。

ニュースサイトは期間限定公開のところが多いからです。

情報をストックするツールとしては、「Evernote(エバーノート)」が有名です。

ウェブページの保存に限らず、ノート、メモ、手帳、画像、PDFなどあらゆるファイルをストックして、検索によって瞬時に取り出せる便利なソフトです。

ノートやメモなどをデジタルで記録している人、たくさんのファイルやサイトを日々ストックする人には便利でしょう。

ただ「ウェブページの保存」だけするのであれば「PDFで印刷」で十分です。

ネットでおもしろい記事を見つけたら「PDFで印刷」して、所定のフォルダに保存します。

あらかじめ自分にとって重要な分野ごとにフォルダをつくっておき、そこにPDFを保存するのです。

パソコンで普通にウェブサイトを保存すると、HTMLファイルと画像などが含まれるフォルダの2つがつくられてしまい、管理がとても面倒です。

しかし、「PDFで印刷」すると、ウェブサイトをひとつのファイルとして扱うことができます。

PDFファイルにすることで、普通に文書ファイルとして扱うことができます。

たとえば、ネットでインプットに関する研究論文を見つけた場合は、「インプット大全」-「インプット大全資料」というフォルダに保存します。

「インプット大全」に関する資料は、このフォルダにすべて保存されるので、必要なときにはこのフォルダを開くだけ。

検索する手間はゼロで、時間が省略できます。

注意点は、保存するときに、適切な「タイトル」をつけること。

記号やURLがタイトルになっていると、あとから探すのに苦労します。

スマホでウェブサイトを閲覧している場合は、スクリーンショットが簡単です。

撮った画像は「スクリーンショット」のフォルダに保存されるのでそのフォルダが「ネタ帳」となり、充実していきます。

日々の生産性を上げるインプット術をもっと学ぼう

学び効率が最大化する インプット大全

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効率よく情報を取り入れたいが、何から始めたらいいのかわからない。

世の中の話題についていきたいけど、時間がない。

そんなときに役立つのが、95個の情報収集術が記された『学び効率が最大化する インプット大全』。

「本の読み方」「ニュースの見方」「話の聞き方」など、シーン別のノウハウが網羅されているので、あなたに合ったインプット術を試すことができます。

知識の引き出しを効率よく増やしたい方は、ぜひ手に取ってみてください!