ビジネスパーソンインタビュー
もはや、社会問題を解決するツール!?
GO三浦が考える「チームのパフォーマンスを上げる方法」に、現場社員が異を唱えた
新R25編集部
“個”を尊重する時代になっているからこそ、改めて注目されている“チーム”の力。
話題を生むアウトプットを数多く生み出しているチームには、どんなヒミツがあるんでしょうか?
そんなことが知りたくなり、今回は今話題のこの会社のオフィスにお邪魔することに。
The Breakthrough Company GO。CAMPFIREの「#夢を諦めてはいけない」、ケンドリック・ラマーの来日の黒塗り広告、三陽商会のパーソナルオーダースーツブランド『STORY & THE STUDY』など、話題となったプロジェクトを数多く手がける同社ですが、社員数はなんと20名。
これだけインパクトのある仕事を少数精鋭で手がけるパフォーマンス力には脱帽ですが、そのぶん日々の業務量は相当なものになっているのでは…?
そんな心配をした新R25編集部は、チームのパフォーマンスを上げるオンラインアシスタントサービス「CASTER BIZ」を運営する株式会社キャスターの須田綾乃さんと一緒に話を聞いてきました。
取材開始直前まで打ち合わせしている様子の2人。左がGOの代表でありPR/Creative Directorの三浦崇宏さん。右が2018年にGOに入社したプランナーの折茂彰弘さん
〈聞き手=於ありさ〉
「打ち合わせは2回まで」「考える時間もカレンダーに入れる」がGOのルール
ライター・於
早速ですが、まずは20人という規模感で話題になる広告を次々と手がけるGOのパフォーマンス力のヒミツについてお伺いしたくて…
三浦さん
基本的に、クリエイターにはクリエイティブの仕事に集中してほしいから、それ以外のムダは省いてるね。
たとえば、対面での社内の企画打ち合わせは基本2回まで。こまごましたことはチャットですませるようにしてるかな。あと基本どのプロジェクトもクリエイティブディレクターとビジネスプロデューサーを中心に少人数のチームで対応する。
大抵の広告代理店はさ、1つの企画が出来上がるまでに10人で5、6回とか集まって話してるんだよ。それがムダだったりするんだよね。
ライター・於
2回!? でも、さすがに少なすぎません?
三浦さん
だって、そんな時間があるなら企画を考えることにもっと時間を割いた方がいいよ。
三浦さん
社内ではGoogle カレンダーでメンバーの予定を共有しているんだけど、「企画を考える時間」を予定に入れている人が多いね。
みせてもらいました
三浦さん
企画を考える時間を予定に入れておかないと、どんどんアポが入っちゃうからさ。
ライター・於
そんなに企画タイムを優先させていいんですね?
三浦さん
当たり前だよ。俺たちの商品は企画だからね。
Aというクライアントが会いにくるから、Bのクライアントへの売り物をつくる時間を削るっておかしい話でしょ。
三浦さん
たとえばさ、予約したケーキを取りに行ったときに「お客様のケーキを作る時間に、別のケーキの注文を受けていたので、まだできあがってません」って言われたらどうよ?
ライター・於
怒りますね。
三浦さん
でしょ?
だから考える時間こそ一番の仕事になる。そこはブロックしておいて、集中できる状態を確保すべきだよね。
メンバーが「仕事の意義」を感じられると、チームのパフォーマンスは上がる
三浦さん
ただ、プレイヤーとして1人で考える時間をつくることも大事な一方、やっぱり「いいチーム」にならないといいアウトプットはつくれない。
おれのマイメンのグッドパッチっていうデザイン会社の土屋社長が「偉大なプロダクトは偉大なチームから生まれる」っていうパンチラインを残してるね。
「On Your Marks 前編」左ききのエレンHYPE|番外編 | 左ききのエレン
GOがプロデュースしたグッドパッチと左ききのエレンのコラボコミック
ライター・於
三浦さんのいう「いいチーム」って、どんなチームのことを言うんでしょう?
三浦さん
たとえば、プロジェクト単位のチームワークはもちろん、同僚の案件が忙しかったら手伝ってあげるとか、落ち込んでる人がいたら声をかけてあげるとか、チームのなかでそういう気持ちのパス回しが多いチームはいいチームだと思うよね。
三浦さん
GOって、これまで大手企業でエース級だったメンバーが多いから、どうしても個人主義になりやすいんだよ。
でも、GOという1つのチームであることにロイヤリティを持って頑張れると、やっぱり一人ひとりのアウトプットも圧倒的に変わってくるんだよ。
これ、なんでかわかる?
ライター・於
えっ、なんだろう…より一体感を感じられるようになるから…とか?
三浦さん
う〜ん、惜しいね。
人間って、他人のためにしか本気を出せないからなんだよ。
三浦さん
人って、1人ではどう頑張っても100パーセントの力までしか出せないのに、他人のためになった途端、120パーセントの力が出せたりするもの。
だから働く意味や目的を自分の外においてあげるのは、チーム全体のパフォーマンスを上げる上ですごい重要なんだよね。
ライター・於
なるほど。
三浦さん
たとえば、GOでは毎週月曜日に、メンバー全員を集めて売上や利益を開示するようにしてるんだけど、これも「うちの会社の成長が社会においてどういう意味があるのか」「なんのために自分が働いているのか」を意識してもらうためにやってる。
ライター・於
クリエイティブの会社って、売上を良い意味で意識していないイメージがあったので意外です。
三浦さん
GOには「社会のあらゆる変化と挑戦を支援する」っていうスタンスがあるから、売上が20億円だと言われたら、「自分たちは20億円分社会に変化と挑戦を生んでるんだ」って思えるじゃん。
三浦さん
みんな、自分が正しいと思ったものにしか全力を出せないからね。
「俺たちのやっていることは間違っていない」っていう、組織の信念っていうかある種の宗教をみんなで信じることによってスピードやパフォーマンスを上げてるっていうのはあるかな。
「僕は三浦さんに振り回されてます」
折茂さん
あの…なんかカッコいいこと言ってますけど、僕は三浦さんにさんざん振り回されてるんですけど…
三浦さんの話に異を唱える折茂さん
ライター・於
え?
折茂さん
たとえば、いきなり電話がきたと思ったら「1時間後の講演会に来い」って言われて。講演会が終わったらその感想を聞かれる会がはじまるんですよ?
あれ? さっきまで「クリエイターの仕事はクリエイティブすること」って言ってましたよね?
折茂さん
あと、「明日までに調べておいて」っていうリサーチ業務の依頼が結構多くて。これがしんどいですね。
案件によっていろいろあるんですけど、「ネットで使われているありとあらゆる罵詈雑言をリストアップしろ」 、「全国的には知られてないけど、あるローカルで爆発的人気があるタレントをまとめろ」、 「Twitterのフォロワーが1万人以上いる、領域を越境して活躍している人を探せ」とか…
ライター・於
…折茂さん、企画を考える時間はあるんですか?
折茂さん
いや、ないっすよ!
限られた時間でつくるしかないんです。それで不十分な仕上がりで三浦さんに見せて怒られるっていう負のスパイラルで…
ライター・於
三浦さん、さっき聞いてた話と違いますが…
三浦さん
限界をさ、超えればいいと思うわけ。二日おきくらいにさ。
折茂さん
ええ…
これは問題になりそうなブラック発言
折茂さん
そのほかにも突発的な会食のお店の予約とか、撮影の準備物とか入ってくると、ガッと集中して考える時間がとれなくて結構しんどくて…(小声)
ライター・於
だんだん声が小さくなってますが、まさにそんなときにオンラインアシスタントの「CASTER BIZ」が大活躍するんです!
ここからは、同サービスを運営する須田さんに説明していただきたいと思います。
須田さん
よろしくお願いします。
想像以上に幅広い業務をカバー。オンラインアシスタントサービス「CASTER BIZ」でできること
須田さん
早速ですが、おふたりは「オンラインアシスタント」と聞くとどんなことをやってもらえるイメージですか?
三浦さん
秘書みたいな感じですよね? 会食のお店探してもらったり、ネットで備品を購入してもらったり…
須田さん
それももちろん可能です。
ただ、CASTER BIZはそれだけじゃないんです。お店探しだけでなく、もっと幅広い業務を依頼していただけるんです。
須田さん
たとえば、さっき折茂さんがおっしゃっていた「Twitterのフォロワーが1万人以上いる、領域を越境して活躍している人を探せ」というリサーチ業務も可能ですよ。
三浦さん
あ、そうなんですね。
須田さん
1カ月あたり、プランに応じてオンラインアシスタントの“時間”を買っていただくイメージなので、依頼内容に制限がないんです。
須田さん
ちなみに、会社によって繁忙期や閑散期などあると思いますので、時間の繰越や前借りも対応しています。
折茂さん
依頼はどんなツールでもできるんですか?
須田さん
はい。会社で使っているSlackやChatWorkなどのツールでグループを作成いただき、そこから依頼していただく形になります。
こんな感じで気軽にやりとりしていただけます。
折茂さん
三浦さん、これいいですよ! すぐ導入したいです。
自身の仕事の悩みを解消できそうなサービスを発見し、前のめりな折茂さん
若手がクリエイティブ業務だけに集中できるように、「マルチに使えるアシスタント」として活用したい
三浦さん
若手プランナーの仕事ってリサーチがかなりのウエイトを占めるんですけど、それって正直、プランニングのスキルに直結する仕事ではないんですよね。
もちろんリサーチによって世の中の空気を掴むとかも必要な部分ではあるんだけど。
須田さん
そうなんですね。
三浦さん
だからそこをお願いして、みんながもっとクリエイティブな仕事に集中できるようにしたい。
左利きのエレンっていう漫画のなかに「才能とは集中力の質である」って言葉があるんだけど、本当その通りで、クリエイティブも時間の濃度をどれだけ高められるかが大事で。
三浦さん
だから、ふだん企画書の作成に割いてる時間も、本当はすべて企画を考える時間にあてたいんですよね。みんな混同してるけど、企画書を作る時間と企画する時間ってまったく別ですからね。
そういう部分でも何かお願いできないですか?
須田さん
よく依頼されるのが、PowerPointのリデザイン業務ですね。そちらでつくっていただいた企画書のラフをもとに、キレイな資料をつくることも可能です。
折茂さん
それ、めっちゃ助かります!
三浦さんは企画書の中身が大事っていつも言ってるのに企画書がダサいとすごく怒るので…そこまで見てもらえるとうれしいです。
三浦さん
「オンラインアシスタント」って聞くと本当に作業的なことしかできないと思ってたけど、これはいいね。
須田さん
こういった業務にも対応できるのは、採用倍率100倍のなかから選ばれた優秀なアシスタントが対応しているからなんです。
実際にAdobe系のソフトを使えるスタッフがデザイン修正も対応したり、バイリンガルのスタッフもいたりします。
須田さん
依頼を受けたあとの流れはこんな感じで、専属のディレクターが1社に1人ついて、そこから依頼内容ごとにそれぞれのキャストへ業務を振り分けます。
須田さん
依頼を受けるディレクターはかわることがないので、利用していただけばいただくほど仕事はやりやすくなると思います。
折茂さん
(はやく導入したい…)
三浦さん
仕事って、「特定の人間にしかできない仕事」「人間にしかできない仕事」「AIでもできる仕事」の3つに分けられるじゃないですか。
三浦さん
たとえばそこで「人間にしかできない仕事」をCASTER BIZがカバーしてくれれば、こちらは「特定の人間にしかできない仕事」や「経験を蓄積できる仕事」に集中できて、個人のスキルアップにつながるからいいですよね。
CASTER BIZは、進化する組織とキャリアアップしたい個人の矛盾を埋めてくれる存在になる
三浦さん
CASTER BIZって単なる外注先を超えて、社会が抱える矛盾を解決してくれるツールになっていく気がしますよ。
須田さん
…どういうことですか?
三浦さん
組織が成長していくには、業務をどんどん効率化して、あらゆる仕事から属人性を排除していかないといけないですよね。
でも、そうすると「人間がやらないといけないけど、誰でもできる仕事」とか「特定のスキルが高まるわけではない仕事」というのが増えていく。
三浦さん
でも一方で、今はどんどん“個の時代”になってきていて、個人がいろんな組織を移動しながら、「自分だけのスキル」を身につけようとしてるじゃないですか。
このスキルって、極めて属人的な仕事でしか得られないんですよね。
須田さん
まさにそうなんです。
CASTER BIZは「業務の属人化を防ぐ」ことを目指しています。弊社でシステム化を担うかわりに、個人のスキルアップにつながるような本質的な仕事を社内に増やしてもらいたいなと。
三浦さん
だからこれって、成長していく組織と、キャリアアップしたい個人という現代のビジネスにおける構造的矛盾を埋めてくれる存在になると思うんですよ。
そうすることでチーム全体のパフォーマンスも底上げできるし、いいことしかないね!
須田さん
なんだか、私たち以上にサービスのことを魅力的に語っていただいた気がします(笑)。
ちなみにこの取材後、GOさんではCASTER BIZを契約し、早速利用しているそうです!
取材中、三浦さんが折茂さんに問いかけた「折茂にしかできない仕事って何だ?」という言葉。
私たちも今一度胸に刻みながら、「自分しかできない仕事」を生み出すために。これからの時代の働き方改革のツールとして、CASTER BIZを味方につけるのは賢い選択肢かもしれません。
〈取材・文=於ありさ(@okiarichan27)/編集=宮内麻希(@haribo1126)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉
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