土井英司著『「人生の勝率」の高め方』より

お金と時間に余裕を持て。こんまりをヒットさせた男が語る「運」を呼び込む7つの習慣

仕事
才能がないのなら、才能がなくても結果を出せる選択をすればいい。努力するのが嫌なら、努力しなくても勝てる選択をすればいい。

結果を出したいなら、「選択がすべて」です。

出典 『「人生の勝率」の高め方』

土井英司さんの著書『「人生の勝率」の高め方』の一文です。

土井さんは、Amazon.co.jpの日本サイト立ち上げに参画し、50万部突破の『ユダヤ人大富豪の教え』を発掘するなど、「Amazonのカリスマバイヤー」と呼ばれた方。

また、独立後に手がけた『人生がときめく片づけの魔法』(近藤麻理恵著)は世界で販売数1100万部を突破するなどプロデューサーとしても成功を収めています。

その裏には、自身が講演でも話す「人生の勝率」が大きく関係しているんだとか。

同書より、「成功する人がやっている選択法」「『運』を戦略的に呼び込む7つの習慣」の2テーマを抜粋してお届けします!

運は人が運んでくるもの

ビジネスの場において「」を語ることはナンセンスという風潮もありますよね。

でも、成功者の中には、はっきりと「自分は運が良かった」と口にする人もいます。

僕も、運は大事な要素だと思います。

ただ、運は「天に任せる」ものではなくて、自分で戦略的に呼び込んでいくものだと考えています。

「運がいい人」って、結果的にたまたま運が良かったのではなくて、「運が良くなる習慣」を実践しているのではないでしょうか。

僕は「運は人が運んでくるもの」だと思っています。

では、どんな人が運を運んでくれるのかというと、「まわりの人に信用されている人
です。

「まわりの人に信用されている人」のところには仕事が舞い込み、それが僕たちにも回ってくる。

だから、信用されている人に囲まれることが、運を良くする秘訣だと思いますね。

ーーじゃあ、どうすれば信用されている人に囲まれたり、運が良くなったりするのですか?

運を呼び込むには、次の「7つ」の習慣を日頃から意識することが大切です。

1. 自分の「変わる力」を信じる

2. 貢献できる武器を磨く(本業を磨く)

3. 「感謝の気持ち」を忘れない

4. 簡単に投げ出さない

5. 自分の業界の「タイタニック」を愛する

6. 「お金」と「時間」に余裕を持つ

7. 時代の流れに乗り、物事を「対義語」で考える

習慣1. 自分の「変わる力」を信じる

以前、お正月に元アスリートの兄に誘われて、地元(秋田県男鹿市)の「寒風山(かんぷうざん)」に登ったことがあります。

片道で7キロ。

真冬の寒風山は吹雪いていて、最初の1キロくらいで僕は音を上げたんです。

「もうやめたい。絶対に凍え死ぬ。この1キロでこんなに辛いのに、あの山に登って帰ってくんの?」って思ったんです(笑)。

ところが次第に体が適応しはじめて、なんなく登りきることができました。

人間は、すごいポテンシャルを持っていて「変われる」んですよね。

厳しい局面に立たされたとき、人は、「こんなに厳しいところでは生きていけない」とか「こんなにしんどい仕事はできない」と弱音を吐きたくなるけれど、「自分の変わる力」を信じてほしい。

都合の悪いことや辛いことに直面すると、どうしても逃げたくなります。

逃げたくなる気持ちもわかりますが、逃げる人に、運は巡ってこないと思います。

なぜかというと、社会的な評価として「逃げた人」というレッテルを貼られるからです。

辛いこと、大変なこと、苦しいことから逃げないで立ち向かった人のほうが、評価は上がりますよね?

一番怖いのは、逃げることで「自分自身が、自分を評価しなくなる」ことです。

「オレは逃げた」という負い目を引きずってしまい、自信をなくしてしまう。

何度失敗しても、うまくいかなくても、「自信」を失わなければ、必ずまた復活できます。

だから、逃げてはいけない。

「自分は変われる」と信じて、乗り越えていく気概を持つ人に、運は巡ってきます。

習慣2. 貢献できる武器を磨く(本業を磨く)

僕は最近、「アートフェア」にハマっていて、世界中のアートフェアを見て回っています。

ニューヨークの「アクアヴェッラ」というギャラリーに行ったとき、フィンドレーさんという、目利きのギャラリストと知り合う機会がありました。

フィンドレーさんは、世界大オークションハウスのひとつ、クリスティーズの印象派のトップだった人です。

「僕がプロデュースをした近藤麻理恵さんの本が、アメリカでベストセラーになった」と伝えると、フィンドレーさんが興味を持ってくださり、「私も本を出しているんだよ。日本で翻訳できないか?」と声をかけてくださいました。

結局、本業を通じて運は良くなるんだと思います

なぜなら、本業が一番「他人に貢献できる」からです。

習慣3.「感謝の気持ち」を忘れない

僕は、出版業界に感謝しています。

孤独だった僕を救ってくれたのは本だったし、最初の就職に失敗したあと、道に迷っていた僕を拾ってくれたのも出版でした。

感謝をすると、お返ししたくなるじゃないですか。

だから、必要以上に頑張りますよね。

必要以上に頑張れば、自分の器がデカくなる。

自分の器がデカくなれば、今まで以上の結果が出る。

今まで以上の結果が出た状態こそ、「運がいい状態」だと思います。
その業界のことが「好き」だから、実力以上に頑張れるわけですね。

出典 『「人生の勝率」の高め方』

「好き」という感情も大事だけれど、「好き」では、ちょっと弱いかな

「好き」は「頑張る」とは結びつかないんです。

好きではなくなったとたん、やめてしまうから。

好きなことでも、辛いとやめてしまうから。

でも、「感謝」や「恩返し」はやめるわけにいかないんです

「相手が自分に期待してくれたから、その気持ちに応えたい」とか、「あの人が自分を救ってくれたから、今度は自分が救いたい」という気持ちを持っていれば、少しくらい辛いことがあっても、頑張れるんですよ、相手のために。

「好き」よりも「感謝」のほうがパワーは上なんですね。

だから、「好きを仕事にしよう」もその通りだと思いますが、「感謝していること」を仕事にしたほうがもっと強くなれるし、あきらかに運が良くなるんです。

習慣4. 簡単に投げ出さない

結果が出ないからといって、簡単にあきらめないことも運を良くするポイントだと思います。

僕は、何か新しいことをはじめるとき、「結果が出るまで、どれくらいの期間が必要か」を見積もるようにしています。

なぜなら、結果にはすぐに出るものと、すぐには出ないものがあるからです。

僕は、会社を立ち上げる前から、次のように言っていたんです。

「本は、完成するまでに1年はかかる。1年かけてつくった本を売ってみて、その結果から自分が学習し、修正を加え、次の本につなげていくことを考えたら、ベストセラーを出すには、おそらく『7年』は必要ではないか。7年間、感謝の気持ちを持ち続け、出版業界のために尽力して、それでも結果が出なければ、『自分は向いていない』と判断しよう。年間10冊の本に関わり、7年間で70冊。70冊本をつくって1本もベストセラーにならなければ、『僕には才能がない』と判断しよう」
で、結局、何年でベストセラーが出たのですか?

出典 『「人生の勝率」の高め方』

2004年に立ち上げて、ちょうど7年後に、100万部オーバーの本をプロデュースしました。『人生がときめく片づけの魔法』です。

すぐに結果を求めると、小さなリターンしか得られない。大きなリターンを得るには、時間がかかる。

だから、すぐに結果が出ないからといってあきらめず続けていくことが大切なのですね。

習慣5. 自分の業界の「タイタニック」を愛する

僕は「自分の業界のタイタニックを愛せない人は成功しない」と考えています。
自分の業界のタイタニックって?

出典 『「人生の勝率」の高め方』

『タイタニック』という映画がありましたよね。あの映画を観て、素直に泣く人と、「あの映画ってさ…」と批判する人がいます。

批判する人は、メジャーなものを受け入れる視野が足りないと思います。

メジャーなものを批判することがカッコよさだと履き違えているのかもしれません。

自分の業界においても「アンチ・メジャー」の姿勢でいたら、その人は決してヒットを飛ばすことはできない。

なぜなら、消費者の気持ちに背を向けているからです。

斜に構えて物事を批判したりしない。

「売れているもの」を素直に好きになり、「なぜ売れるのだろう」と考えてみることが運を良くする秘訣です。

習慣6. 「お金」と「時間」に余裕を持つ

運を良くするには、「お金」に余裕を持つ必要があると思います。

僕は、お金がなかったときから、「お金を何に使うか」「何に使わないか」を決めていました。

僕は「未来をつくる」ことにはお金を使うけれど、未来をつくらないものにはお金をかけなかった。

だから、お金に余裕を持つことができたんです。

たとえば、「旅行にはお金を使う」と決めていて、「年間100万円」の旅行予算を組んでいました。

どうやって旅行予算を捻出していたかというと、「家賃」にお金をかけなかったんです

なぜなら、旅行は未来をつくるけど、住宅費が未来をつくることはないからです。

成功してもいないのにいい家に住もうとしたら、未来をつくるための原資がなくなりますよね。

未来をつくらないものにお金を使うから、運が悪くなるんです。

それと「お金」と同じように、「時間」に余裕を持つようにすると、運を良くします

忙しくても、「この人と付き合いたいな」「この人と仲良くしたいな」と思う人には、「暇です」と言っておくんです(笑)。

「暇にしておく」というのは、僕はひとつのスキルだと思います

先日、あえて「暇な日」をつくってみました。

で、SNSで「暇です」と書き込んだらどうなったかというと、大阪から遊びに来た知人が僕を連れ出してくれて、元首相のご家族に会わせてくれたり、ミュージシャンに会わせてくれたりして、めちゃくちゃ人脈が広がったんですよ。

実際に暇じゃなくても、「暇です」と言っておいたほうが、チャンスに恵まれると思います。

習慣7. 時代の流れに乗り、物事を「対義語」で考える

僕は、「流れに逆らうと、運が悪くなる」と思っています。

時代の波に自分を合わせられるかどうか。

合わせられる人は運が良くなると思いますね。時代に逆行したやり方で成功するのは難しいと思う。

さきほどの「タイタニック」にも共通しますが、時代の流れに乗ってみなければ、消費者の本当のニーズはわかりません。

僕は「未来予測は意味がない」と考えています。

なぜなら、予測に必要な材料は変わり続けているので、絶対の予測などできるはずがないからです。

では、僕がどのように時代の流れを読んでいるのかというと、すべての物事を「対義語」で考えています。

今が「豊か」な時代なら、次は「清貧」の時代になる。

今が「個人主義」の時代なら、次は「全体主義」の時代になる。

「今を表す言葉と、その対義語が何か」を考えれば、時代の波は読み取れると思うんです。

東日本大震災が起こった年のキーワードは、「混沌」です。

混沌の対義語は「秩序」です。

だから、このタイミングで片づけが流行し、こんまりさんの本は売れました

同じタイミングで、長谷部誠さんの『心を整える。勝利をたぐり寄せるためのの習慣』(幻冬舎)も売れました。

乱れたあとには整えたくなる。

反対に、安定のあとには、無秩序で自由奔放なものが受け入れられるんです。

元Amazonカリスマバイヤーの成功法則をもっと学ぼう

「人生の勝率」の高め方

「人生の勝率」の高め方

選択する力を磨くことこそ、凡人が結果を出すための最良の方法だ」と土井さんは言います。

どんな職業を選択すれば、年収が高くなるか…。

どんな人と付き合えば成功に近づくか…。

そんな選択の極意がつづられた『「人生の勝率」の高め方』を読んで、成功への最短ルートを進みましょう!