堀江貴文著『堀江貴文のゼロをイチにするすごいプレゼン』より

ホリエモンが「一緒に仕事をしたくない」と思う、3つの“ダメダメプレゼン”

仕事
社会人にとって欠かせないスキルのひとつが「プレゼン力」。

でも、求められる要素が多岐にわたり、世の中で“いい”と評価されているプレゼンのスタイルも千差万別。「結局、いいプレゼンってなんなの?」と頭を抱えるビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。

そんな疑問を解決できるのが、堀江貴文さんの新著『堀江貴文のゼロをイチにするすごいプレゼン』。

人一倍“ムダ”を嫌い、電話ですら「コスパが悪い」と切り捨てる堀江さんですが、プレゼンには「わざわざやる価値」を見出し、自身のオンラインサロンでも定期的にプレゼン勉強会が開催されているんだとか。

ホリエモンが提唱する「プレゼンの本当の価値」とは? そして、これまで数え切れないほどのプレゼンを見聞きしたなかで実感した「成功するプレゼンの極意」とは?

同書の中に、その答えがたっぷり詰まっていました。

目的がはっきりしないプレゼンに意味はない

ダメダメなプレゼン」には驚くほど、共通項が多い。

代表的なのは、データや装飾をここぞとばかりに盛りまくったスライド。時間をかけて準備したのだろうが、情報量が多すぎて何がポイントなのか全然わからない。

威勢はいいがトークが支離滅裂で「で、結局は何が言いたいの?」と、思わず突っ込みたくなってしまうようなプレゼンも多い。

プレゼンターには悪いが、こんな発表に遭遇したら僕はスマホをいじり始めるだろう。

プレゼンでは、「あなたが伝えたいこと」、そして「あなたがゲットしたいもの」が何であるのかを明確にしよう。

「商品を買ってほしい」のか、「投資してほしい」のか、それとも「ビジネスパートナーになってほしい」のか。ゴールを即答できないようなら、プレゼンなんてやる意味がない。

ダメダメプレゼン1:意味のない話をする「時間泥棒」

登壇さえすれば最後まで話を聞いてもらえると思っていたら、大間違い。

プレゼンは、たとえ自分の持ち時間が残っていたとしても、聴衆が興味を失った時点で終了したも同然である。「聞いてくれる相手(聴衆)」なくして、プレゼンは成り立たないからだ。

僕はムダ話、つまり中身のない話が大嫌いだ。挨拶代わりに「今日はいいお天気ですね」なんて言われると、思わずイラッとしてしまう。

なぜなのか。多くの人は「TIME IS MONEY」という言葉通り、時間はお金と同等に大切だと考えるが、僕に言わせれば、惜しむべきはお金よりも時間。「TIME IS LIFE」なのだ。

僕は「お金なんて全部なくなったって構わない。命だけは削らないでほしい」と思っている。お金なんてなくなっても、また稼げばいい。

大事なのは時間。不死身の人間などおらず、誰にとっても人生は一度きりである。つまり、時間とは命そのものなのだ。

だからこそ、中身のないプレゼンをすることは「聞いてくれている相手の時間を奪う行為」だと思っている。

ムダに長い説明に耳を傾けることは苦痛だ。

1秒でも早く本題に入り、議論を始めなくては時間がもったいない。

また、要点がまとまっていない、話が長い、というのは相手に負担を強いることだ。それを理解できていない人がまだまだ多いと思う。

「お時間を取ってすみません」なんていう前口上で保険をかけ(こういう、守りに入っている言動も嫌いだ)、ダラダラと喋り続ける人がいるが、そういう人とはどんなにプレゼンの内容がよかったとしても「一緒に仕事したい」とはとても思えない

「手短に話す」。一見すると難しいことのようだが、苦手な人は練習すればいいだけのこと。普段から意識し場数を踏めば、誰にだってできることだ。

「時間泥棒」にだけはなってはいけない

プレゼン内容は、なるべくシンプルになるよう心がけよう。

せっかくの機会なんだから、と要素を詰め込みたくなる気持ちもわからなくはないが、過ぎたるはなお及ばざるがごとし

欲張りすぎると焦点がぼやけてしまい、残念な結果しか招かない。

簡潔なフレーズを用いて話すために必要なのは、センスよりもテクニック。ムダな要素をカットできるのは、重要なポイントがはっきりと見えているからだ。

これができるようになると、普段の会話でも中身のない話が少なくなってくると思う。

相手が理解できるように、要素をシンプルにして伝える。重要度に沿って、わかりやすく優先順位をつける。相手が飽きないようにテンポよく進める―。

これらはすべてプレゼンに欠かせないことだが、まるで話し方のコツのように見えるだろう。

それもそのはず。質問もプレゼンも、相手とのコミュニケーションなのだから

ダメダメプレゼン2:要領を得ない「つかみ」と「締め」

初めに「つまらない」と思われてしまったら、話の続きをまともに聞いてもらえなくなる可能性は急上昇する。

プレゼンの内容を相手の記憶に残すためには、自分の名前を名乗ってから(これは基本!)、冒頭10秒の「つかみ」に全力でアイデアを注ごう

つかみ」同様、「締め」も大事だ。クロージングがビシッと決まらないと、「で、結局なんなの?」と思われてしまうのがオチだ。 

面白いキャッチフレーズを盛り込むのもいい。一人でも多くの人に「伝わる」表現を意識的に選びとることが大切だ。

HIU(堀江さん主催のオンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学校」)メンバーによるプレゼンは、原則として制限時間「3分間」で行われている。

短く感じるかもしれないが、徹底してムダを省けば、大抵のことは3分あれば伝えられる。

プレゼンの構成は、導入」「本題」「まとめの3部構成が基本。3部の時間配分はテーマや本題のボリュームによって変わってくるが、30秒・2分・30秒を基準と考えるとつくりやすい。

3部構成の導入は、「つかみ」の部分。いかに聴衆の興味を引くかがポイント。プレゼンの全貌と結論を先に言ってしまうのがいいだろう。

本題は、3つくらいに絞ったセールスポイントを目一杯アピールする部分。事前に箇条書きにして整理したメリットを聴衆に強く印象づけよう。

本題で話した内容も、聴衆は聞いていくなかでどんどん忘れていく。最後のまとめでは、念押しのためにプレゼンの要点だけをまとめて伝えよう。

ダメダメプレゼン3:原稿をひたすら読み上げる

原稿をひたすら読み上げるだけ、というのは最低最悪のプレゼンだ。

これはもはや、「プレゼン」というスタイルを採用する必要がないので論外。すぐにでもプレゼンを中止して、原稿をメールで一斉送信すればいい。そもそも、時間をかけて話を聞いてくれている相手に失礼すぎる。

当たり前だが、プレゼンは、ニュース報道とは根本的に違う。

アナウンサーは手元にある原稿を読んでいるが、その目的は情報を伝達することであって、視聴者に何かを訴え共感を集めたいわけではない。

したがって、収録した動画をオンエアしたり、ネット配信することで十分に目的が果たすことができる。

ありがちなのが「完璧な原稿を準備して、それを丸暗記してプレゼンに臨む」パターン。この場合、必然的に「読んでいる感」が出てしまい、不自然さ満載のプレゼンになってしまう。生真面目な人によくある失敗例だ。

しかし、「原稿ダダ読み感」のあるプレゼンは、どんなふうに相手の目に映るだろうか? 

記憶の中にある原稿を“読む”のに必死な姿を見せられたら、「こちらの反応なんてどうでもいいんだな」と、聴衆の心は離れていってしまうだろう。

理想とすべきは、相手が1人だろうと100人だろうと、1対1の会話をしているかのように自分の言葉を届けるプレゼンだ。目の前にいる人に、「話をもっと聞きたい」と思ってもらえた時点で、本当の意味でのプレゼンがスタートするのだ。

しかも、困ったことに「完璧な原稿を丸暗記」したプレゼンターに限って、臨機応変な対応ができなくなってしまう。

プレゼンの最中には不測の事態が発生することがよくある。

たとえば急に質問やツッコミが入ったり、アガってしまって“せりふ”を飛ばしてしまったりすると、すっかり慌ててプチパニックに陥ってしまうのだ。

僕は基本的に原稿なんて用意しない。その場で出てくる言葉やリアル感がなければ「リアルの場」でプレゼンする必要なんてないと思っているからだ。

プレゼン下手でも「応援したくなる」例外もある

先ほど、僕は「ダメダメなプレゼンはスルーしてしまう」と書いたが、厳密に言うと例外もある。プレゼンターのことを事前に知っているケースだ。

あるとき、お世辞にも上手とはいえないプレゼンをしたHIUメンバーがいた。

フィットネスジムの事業化を呼びかける内容だったが、説明がグダグダで、プレゼンの目的が全然伝わってこない。

でも僕は「そのトレーニング、今俺とやってみようぜ」と彼を誘い、おすすめだというトレーニングを壇上でやってみたのである。

助け舟を出した理由は二つあった。HIUメンバー間のスレッドで、僕は以前から彼が提案する事業内容を面白いと思っていた。

そして、おそろしく説明が下手ではあったが、彼にはノリのよさと情熱、ガッツがあったので応援したくなったのだ。

あなたを知ってもらうことで、相手が味方になってくれる可能性は飛躍的にアップする

些細なことでも構わないので、自分の存在をアピールできるチャンスがあったら見逃してはいけない。

「堀江式メソッド」初公開。人生を変えるプレゼン術がここに!

堀江貴文のゼロをイチにするすごいプレゼン

堀江貴文のゼロをイチにするすごいプレゼン

数え切れないほどのプレゼンを見てきた堀江さんが、独自のメソッドをついに初公開!

堀江貴文のゼロをイチにするすごいプレゼン』には、あなたのプレゼンスキルを飛躍的にアップさせる、堀江流のテクニックが凝縮されています。

堀江さんいわく、プレゼンとは「伝える力」。相手に想いを伝え、心を動かすためには欠かせないスキルなんだとか。

大事なプレゼンを控えた人はもちろん、プレゼンに苦手意識がある人にも手にとっていただきたい一冊です。