メンタリストDaiGo著『人間関係をリセットして自由になる心理学』より

付き合う人次第で、仕事は3倍成功しやすくなる。DaiGoが教える“人間関係”が影響を与える3つのコト

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2020年 ジブン改革

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平成から令和へと変わった2019年

この1年を振り返ってみると、「人生を変えるような転機があった」「成長した実感がある」「なんとなく過ごしてしまった…」など、さまざまな思いがあるはず。

年末年始は、多くのビジネスパーソンにとってしばしの休暇になります。

そこで、新R25では年末年始にかけて、これまでの自分の働き方を振り返ったり、心機一転してスタートダッシュをきったりできるような書籍をピックアップする特集を考えました。

その名も「2020年 ジブン改革」。
第2回ではメンタリストDaiGoさんの著書『人間関係をリセットして自由になる心理学』をピックアップ。

同書では、イヤな人間関係を絶たなければならない断固とした理由や、絶つことで得られるさまざまなメリットについて詳細に語られています。

内心ではイヤだと感じながらも、行きたくない飲み会で予定を埋めることで、本当に会いたい友人に会えてなかったり、自分ひとりで何かをインプットする時間を取れていなかったりする人は、同書より抜粋した本記事内のアドバイスを参考にしてみてください!

①人間関係のよし悪しで寿命が15年変わる

振り回される人間関係=他人に選ばれる人間関係を脱し、いい人間関係を自分で選べるようになること。そこには、想像以上の大きなメリットがあります。

たとえば、こんな衝撃的な研究があります。

良好な人間関係は、最大で15年も寿命を延ばす」というアメリカのブリガムヤング大学の研究です。

この研究は、過去に発表された論文をもとに、30万人分以上のデータを調査し、寿命を伸ばすのに効果的な要素を明らかにしたものです。

どれくらい効果的かというと、定期的なエクササイズやダイエットと比べると3倍ほどの効果があり、減塩・禁煙さえ上回るというのだから驚きです。

何をもって「良好な人間関係」とするかは人それぞれでしょう。

しかし、いずれにしても、人間関係を選べることが、その前提となることは間違いありません。

人間関係で振り回される人と、つき合う人をみずから選べる人とでは、15年も寿命に差が出る可能性があるわけです。

②良好な人間関係はモルヒネより効く?

他にも、人間関係が健康に与える影響については、これまでに多くの研究が蓄積されています。

たとえば、ハーバード大学では、被験者に「空気椅子」をやってもらって、苦痛への耐性を調べるというおもしろい実験が行われています。

この実験でわかったことは、友人が多い人ほど苦痛に強い、ということ。

友人と会ってコミュニケーションをすると、脳内麻薬の一種であるエンドルフィンが分泌されます。

エンドルフィンの効果は鎮静剤として知られるモルヒネ以上と言われています。だから、友人が多い人ほど苦痛に強くなるわけです。

つまり、良好な人間関係はモルヒネよりも効く、と言うことができるでしょう。

研究のディレクターである心理学者のロバート・ウィールディンガーがTEDで紹介して話題になった「ハーバード成人発達研究」については、知ってる人もいるかもしれません。

この調査は、724名にのぼる対象者を、75年間にわたって追跡調査するという前代未聞の試みでした。

2年ごとに全員の健康状態、メンタルヘルス、ライフスタイルなどを詳細に調査し、ほぼ一生涯を研究するというのですから、徹底しています。

こうして724人の生涯を追跡調査した結果、何がわかったか。

健康や幸福をつくり出す最大の因子は、富でも名声でもエクササイズでもなく、よい人間関係である、ということです。

ここでも、家族や友人と良好な人間関係を保っている人は、健康で長寿であるという結論が出ています。

また、人間関係は脳機能に与える影響も大きく、50代の時点で幸福な結婚生活を送っている人は、80代になってから認知症にもかかりづらく、メンタルが安定しているということもわかっています。

なお、ここで言ういい人間関係というのは、とにかく友達が多いほうがいい、という意味ではないことに注意が必要です。

重要なのは量より質だ、というのです。この点は、私も含めた内向的で友達の数が多くない人には朗報でしょう。

SNSでやたらと多くの人とつながろうとしたり、異業種交流会のような場に出かけていく必要はない、ということです。

③人間関係を選べば、仕事で3倍成功しやすくなる

ハーバード成人発達研究は、よい人間関係がもたらす経済的なメリットについても明らかにしています。

人間関係がいい人は、人間関係が悪い人に比べて、3倍も仕事で成功しやすい。当然、年収も高くなるということになります。

これを裏付ける事例もあります。

航空会社レイセオンのBLP研修という、人的ネットワークづくりや人間関係を選択するスキルをアップさせることを目的としたメソッドがあります。

この研修で、BLPを社員に学ばせたところ、受講者の社内での評価は平均で35%アップし、昇進率は43%アップした、というのです。

また、離職率は42%減ったといいます。

つまり、人間関係を選択できるようになった人は、仕事でまわりから評価されやすくなり、結果として昇進しやすくなった、ということです。

さらに、離職率の低下にも重要な意味があります。これは、人間関係を選べるようになったことで、会社のなかで居心地が良くなったということに他ならないからです。

人間関係を自分で選ぶ、というと、「カドが立つのではないか」「まわりの人とうまくいかなくなるのでは」といった心配をしてしまう人は、特にこの点に注目しましょう。

人的ネットワークが充実していて味方が多い人を叩いたり、コントロールしようとしたりするのは難しいことです。ということは、めんどうな人、やっかいな人の標的になりにくくなるわけです。

そう考えると、人間関係を選べるようになれば、会社のなかでの居心地がよくなるのは当然と言えば当然なのです。

よい人間関係には、「仕事をしやすい環境を整えてくれる」「成功しやすく、より高い収入を得やすくしてくれる」という経済的なメリットがあるということがおわかりいただけるでしょう。

ストレスになりえる人間関係を楽に捉えることができるメソッド

人間関係をリセットして自由になる心理学

人間関係をリセットして自由になる心理学

少しの付き合いが積み重なると、大きな労力や時間を割くことにつながるもの。

ストレスがかかるのがイヤで現状の輪を重んじるあまり、自分が本当に大切にしたい人をおざなりにしたり、自分の健康を損ねたりするのは本末転倒でしょう。

年末年始で少し落ち着ける今だからこそ、日頃の人間関係について一度振り返ってみてはいかがでしょうか。

そして心機一転、2020年の日々をスタートしましょう!

〈写真撮影=小川孝行〉