Testosterone著『超筋トレが最強のソリューションである』より

Testosterone「自信がない人は筋トレしろ。不安・焦燥を取りのぞく科学的根拠がある」

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2020年 ジブン改革

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平成から令和へと変わった2019年

この1年を振り返ってみると、「人生を変えるような転機があった」「成長した実感がある」「なんとなく過ごしてしまった…」など、さまざまな思いがあるはず。

年末年始は、多くのビジネスパーソンにとってしばしの休暇になります。

そこで、新R25では年末年始にかけて、これまでの自分の働き方を振り返ったり、心機一転してスタートダッシュをきったりできるような書籍をピックアップする特集を考えました。

その名も「2020年 ジブン改革」。
今回取り扱うのは、Twitterのフォロワーが94万を超えるTestosterone(テストステロン)さんの著書『超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由』。

数多くの金言が散りばめられた同書。今回はその中でも、メンタルやビジネスに絶大な効果を発揮する「筋肉の処方箋」について、抜粋してご紹介します!

理論部分を解説してくれる、ご意見番的存在の久保先生との、クスリとしてしまうやり取りにも注目です。

筋トレで自信がつく5つの理由

自信がない人は筋トレをして下さい。

①身体がカッコよくなる

②異性にモテる

③テストステロンというホルモンがあふれて気分上々

④上司も取引先もいざとなれば力ずくで葬(ほうむ)れると思うと得られる謎の全能感

⑤恋人に裏切られてもバーベルがいるという安心感

以上の理由から自信がつきます。

悩みや心配は筋トレで返り討ちにする

悩むな。悩んで解決する問題などほとんどない。

心配するな。心配ってのはまだ起きてもいない問題を頭の中で創り出しストレスを感じる無駄な行為だ。

人間はじっとしてると悩みや心配が止められない生き物だ。

悩みや心配が襲って来たら筋トレで返り討ちにしろ。筋トレすれば悩んだり心配したりする余裕など消える。

自尊心と筋肉は兄弟のようなもの

筋トレは筋肉と一緒に自尊心も育てる。

挙がらなかった重量が挙がった」「腹筋が見えてきた」等の超わかりやすい成長で自尊心は当然高まるし、それに加えて「最近痩せた?」「良い体してるね」と他人から褒められれば倍速で自尊心は高まっていく。

自尊心は幸せな人生を送るのに不可欠。筋トレするのだ。

筋トレでブレない自信をゲットする

筋トレはブレない自信を与えてくれる。

挙がらなかったベンチプレスが挙がった。二度と拝めないと思っていた腹筋が目視できた。

そうした成長を続け自分の限界を打ち破り続けた結果、ブレない自信が手に入る。

不可能なんてなくね?」という自信が生まれる。

その自信は人生の他分野でもそのまま使える。

金や人よりも筋肉を信じる者は救われる

金も人間も裏切る。その点筋肉は良い。

筋肉が一夜にして消滅する事なんてないし、仮に10年筋トレを怠り筋肉が激減してもマッスルメモリーにより筋肉は短期間で復活する。

あなたが筋トレをやめ筋肉を裏切っても筋肉は「あたしあなたを待ってるわ」と健気にずっと待っていてくれるのだ。筋肉はズッ友。

筋トレによってメンタルヘルスは向上する

久保先生:精神面の健康、つまりメンタルヘルスが不調をきたすと、焦燥感や不安感に襲われたり、自己肯定感が低下したりといった症状が現れます。

深刻な精神疾患の場合以外でも、こうした症状が重なって「死にたい」という感情にまで高まってしまうことがあります。

個々の焦燥感や不安感の元となるストレッサーを取り除くことができれば一番良いのですが、それは簡単なことではありません。

ただ、筋力トレーニングには、メンタルヘルスを向上させる働きがあることが、多くの科学的研究によって裏付けられているのです。

筋トレはメンタルヘルスに悪影響を与える可能性が高い「焦燥感」「不安感」「慢性疼痛」「認知機能」「睡眠の質の低下」「自尊心の低下」などについてポジティブに働くという多くの研究があるんです。

テストステロンさん:つまり、筋トレをすれば世界が平和になりもう筋トレはとてつもなく素晴らしいということだな?知ってた。よし、次のトピック行こう。

久保先生:焦らないでください(笑)。まず、焦燥感に関する研究から説明します。

2010年に米国のO'Connor が発表した総説論文(※それまでに発表された研究をまとめたり、要約したりしたもの)によると、多くの研究で筋トレをすることによって、寝不足や不健康から誘発される焦燥感が改善される可能性がある、とされています。

筋トレをすることによって寝不足や健康の不安が解消されるため、結果として焦燥感を減らすことにつながるわけです。

テストステロンさん:筋トレと一言で言っても、筋肉ちゃんを育てるのに必要な三大要素は筋トレ×食事管理×睡眠ってのがカギと言えそうだな。

筋肉が欲しい一心で食事と睡眠にも気を使い生活習慣が整う。十分な栄養と睡眠が確保できれば、嫌でも健康になっていく。

あ、サラダチキン食べる時間だ!

久保先生:それから、自分の限界に近い重さを用いるより、ある程度回数をこなせるちょうどいい重さのトレーニングのほうが焦燥感を取り除く効果が高いという興味深い結果も出ています。

日本国内でTsutsumi ら(1998)が行った研究によると、高重量(80%1RM ※1回持ち上げるのが限界、という重さの80%という意味。50㎏を1回持ち上げられる人なら40㎏が該当する)ではなく、中重量(50-60%1RM ※50㎏を1回持ち上げられる人なら25〜30㎏)の方が焦燥感の軽減に関しては効果的だったそうです。

テストステロンさん:先生、高重量を扱わないと筋肉が小さくなっていく気がして、女の子にモテない気がして焦燥感が止まらないんですけどどうすればいいですか?

久保先生:少し黙っていてください。話を続けます。そもそも20年以上前から日本国内で筋トレと焦燥感の関連についての研究が行われていたとは驚きですよね。

逆にSingh ら(2005)の研究では、低重量よりも高重量でトレーニングしたときのほうが、睡眠の質が向上することもわかっています。

ちなみに、Broocks ら(1998)の研究では、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動でも焦燥感を取り除けることがわかっています。

テストステロンさん:筋トレをする気力がないから困っているんだよ!という人はウォーキングや軽いジョギングから始めてみるといい。

まずは動き出すこと、運動の習慣をつけることが大切だ。

ーー不安感についてはどうでしょうか?

久保先生:必ずしもそうではない、という意見もありますが、焦燥感と同じように多くの研究で不安感を取り除くという結果が出ています。

Ohira ら(2006)の調査では筋トレそのものではなく、身体組成の変化などを通じてQOLが向上することを示唆していますし、Hakkinen ら(2001)の研究では線維筋痛症(リウマチ性疾患)の患者に筋トレが効果を発揮したそうです。

テストステロンさん:科学的エビデンスがあるものについても万人に効果があるというわけではない。

逆にまだ科学的に調査結果が固まっていないからといってそうした効果がない、と断定できるものでもない。

個人差があることを踏まえて、自分にあった筋トレの活用法を見つけていってほしいところだ。

俺? 筋トレはこの世の問題の99%を解決できると思ってる。

久保先生:それから心理学的に「自己に対する肯定的な態度」と定義されることの多い「自尊心」についても筋トレはすごい効果を発揮します。

なんと、スポーツ科学や心理学の分野における113本の論文で「筋トレは自尊心を保つ、もしくは高めること」が報告されているのです。

テストステロンさん:今までに1万回ぐらい言っているが、「自分を好きになれる」というのは筋トレの一番大きな効果と言っていい。

科学的根拠とか抜きにロジックで考えて、必死で努力して、自己管理して、理想の体型を手に入れて、挙がらなかったバーベル挙げて、自慢の大胸筋、誰もが息をのむプリケツを毎朝起きるたびに鏡で眺められたら自分のことを好きにならないわけがなくない?

僕自身も筋トレによって40㎏近いダイエットに成功したことが大きな自信になった。

今も仕事やプライベートで落ち込むことがあったら、筋トレをして筋肉を確かめ「自分大好き♡」という感情を取り戻すようにしている。
※編集部注

筋トレにはうつ状態の予防や改善に一定の効果がある、という研究がありますが「うつ病を治す」ことは証明されていません。精神疾患の疑いがある場合は必ず心療内科を受診してください。

筋トレは「人は変われる」ということを教えてくれる

久保先生:大人を対象にした研究で、こんなものもあります。

Heiestadら(2016)は18歳から65歳の肥満気味(BMIが25以上)の女性143名をA群(ボディパンプという筋トレプログラムを行う)、B群(パーソナルトレーナーをつける)、C群(自己流で筋トレをする)、D群(何もしない)に分けました。

12週間、週に3回それぞれのプログラムを行った結果、「1年前の自分と比べて、今のあなたの健康をどう評価しますか?」という質問に対して、B群及びC群が何もしない場合と比べて有意に高得点を示しました。

面白いのは「自己流で行う群」の得点も高くなっていたことです。

言い方が悪くなりますが、筋トレの成果が出ていなかったとしても、筋トレを行っていると自分に対する評価が高くなる、ということになります。

テストステロンさん:筋トレは数字(体重や扱う重量)、視覚(鏡に映る自分の体)、他者からのフィードバック(「痩せた?」「筋肉ついた?」)で成長が如実に感じられるから自己満足がすごく得やすいんだよね。

重たいものを持ち上げる、汗をかくっていう行為自体もすごく達成感あるし。たとえ自己満足だとしても、自分に対する評価が高くなるのなら万歳だ。

自分に対する評価が低い人は是非筋トレしてみてほしい

筋トレはすべてを解決することを教えてくれる一冊

超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由

超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由

強引だけど論理的、パワフルなのにコミカル。そんな彼の言葉を聞いていると、不思議と「筋トレ始めてみようかな」と思わされます。

身体を鍛えることは、心や仕事、そして人生に大きな影響があることを伝えてくれる同書。

皆さんもここはひとつ、テストステロンさんの言葉に便乗して筋トレを始めてみませんか?