ビジネスパーソンインタビュー
田中修治著『大きな嘘の木の下で』より
「人の上に立つ」なんて性根が腐っていて気持ち悪い。これからのリーダーは“円を描ける人”だ
新R25編集部
14億円もの負債を抱えていたメガネチェーン店「OWNDAYS」を立て直した、実業家・田中修治さん。
4月15日に発売された新刊、『大きな嘘の木の下で 僕がOWNDAYSを経営しながら考えていた10のウソ。』では、20年間のビジネスの現場で培った考え方が網羅されています。
田中さんは著書のなかで、とくに「私たちには疑うべき世の中の“常識”がある」と言います。
猛スピードで変化していく今の時代、私たちが知っておくべきことは一体何なのでしょうか? 3記事に渡り、抜粋してお届けします!
「人の上に立つ」時代は終わった
よく若いスタッフや就職希望の人たちと話をしていると「将来は管理職になって、人の上に立つ仕事がしてみたいです」的な言葉を聞く。
他にも、どこかの偉い社長さんが「そんなんじゃ人の上に立つ者として失格だ」みたいな感じで注意しているのもよく見かける。
「人の上に立つ者の心構え」とか「人の上に立つ者の資格」だとか「人の上に立つ者の条件」だとか、そういう類の本や、記事も沢山目にする。
どうやら世の中の多くの人は「出世すること」=「人の上に立つ」ということだと解釈しているっぽいが、この考え方は根本的に間違っているし時代遅れだし、何より偉そうで気持ちが悪い。
人の上に立っていると思っている人は、いったい何様なんだろうか。人は人である。上も下もない。
上に立った人間は気持ちがいいかもしれないが、でも一方で、上に立たれた「下」の人間はまったく嬉しくないだろう。
「人の上に立つ」という傲慢な表現は、上に立たれて下になった側の人の気持ちなんて、一切考えていない。
自分が「下」の時はその状態を快く思っていなかったくせに、その人から望まれていない「上」の立場になりたいというのは、なんだか階級社会的、差別的で考え方の性根が腐っていて気持ちが悪いので、口にしない方が良い。
これからはピラミッド型ではなく、円を描こう
OWNDAYSでは、出世することを人の上に立つとは定義していない。
「中心に近づく」、そう定義している。
出世すればするほど、真ん中に近づいていく。ピラミッドではなく円。
その円を回している一番の中心は社長である。
当然、円の中心に近づけば近づくほど、回転の速度は上がっていくし熱量も上がっていく。外側よりも激しくハードだ。
熱量の高い人、速度の速い人が、円の中心に沢山集まれば集まるほど、その円の全体はより速く、どこまでも力強く回転していくし、より大きく膨らんでいく。
だからOWNDAYSで働くスタッフには、出世していくことを「上に立ちたい」ではなく「中心に近づきたい」、そういう風に表現するように繰り返し伝えている。
「上に立つ」とか「上に行く」なんていう表現はOWNDAYSの社内ではNGワード・禁句だ。
「上に行く」という言葉には、誰かに引き上げてもらったり、周囲の人間を押しのけていったりするイメージがある。
でも「中心に行く」為には、その円に所属する多くの人から必要とされなければいけない。
人から必要とされていない人が中心にいたら、その円は決して力強くは回らない。
それにこれだけLINEやらTwitterといったコミュニケーションツールが進化している今の時代では、社長とスタッフが意見交換する際にあった物理的な障害やハードルのほとんどがなくなっているわけで、社長の声や考えは一瞬にして世界中のスタッフに届くし、その逆もまた然りである。
そんな今の時代に「人を管理する」という発想自体がもう時代遅れだし、人を管理することそのものが仕事の管理職も、もはや不要になりつつある。
新時代のリーダー像は「キャプテン型」
これからの時代に強いリーダーのスタイルは「キャプテン型」だ。
サッカーのキャプテンを思い浮かべてみてほしい。キャプテンは、選手と一緒に試合に出て、自分が一番動いて、自分が中心になって戦っていく。
今は「上の為に働く」時代ではなく、「自分の為に働く」時代だ。上の為に働くという考え方は、今の時代には何一つ合っていない。
戦国武将型は厳しいし嫌われる。上の為に尽くしたところで、上の人が今後どうなるかもわからない。
キャプテン型の組織と、戦国武将型の組織が戦ったら、今はキャプテン型が圧倒的に強い。
キャプテン型の方がチームのメンバーの力を100%発揮させてあげることができるからだ。
今の時代は、全員がプレイヤーでないと生き残れない。
一人一人が自分の頭で考え、自分の持ち味を活かして、チームを勝利に導く為に行動しなければいけない。
チームを引っ張るキャプテンは、メンバーの力が有機的に結びついて、1+1を10にも100にもできるように、自分が中心となって指揮をとりながら率先して最前線で動き、その背中を見せてみんなを引っ張っていかなければいけない。
もしあなたが、会社や組織でリーダー的な立場にいるなら「出世して上を目指せよ」などという、尊大な言い方はやめて「出世して中心に来いよ」という言い方を心がけるようにするといい。
そうすれば、間違いなく自分自身の熱量も上がっていく。
これからの時代に備えたい。あなたの“常識”にメスを入れる一冊
親や先生をはじめ、目上の人から教わったことは、いつしか自分の中の“常識”になる場合がほとんどです。
ですが本書では、私たちに刷り込まれた常識に対して、角度を変えた見方を伝授してくれます。
幸せ、仕事、成功、人生など、生きる上で欠かせない項目からメスを入れてくれますよ。
同書を読んで、時代の変化に耐えられる思考を身につけましょう!
〈撮影=池田博美〉
ビジネスパーソンインタビュー
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