ビジネスパーソンインタビュー
副業人材のコミットメントを高めるには?
「副業人材」は新規事業のグロースに最適!? 成功企業×失敗企業のぶっちゃけトーク
新R25編集部
副業が世に浸透するにつれ、副業人材を活用した新規事業立ち上げに挑戦する企業が増えています。
新R25もその例に漏れず、副業人材の活用にチャレンジした時期があったのですが…応募者との連絡や面談が追いつかないなどの難しさが。
副業人材の活用って難しくない? うまく活用できる秘訣はあるの?
ということで今回は、「成功企業×失敗企業のぶっちゃけトーク」を敢行!
編集長の渡辺が、副業募集プラットフォーム「Kasooku」を運営する株式会社ドゥーファ代表・一戸健人さんと、Kasookuを活用して事業立ち上げに成功したという伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)の松田賢司さんに話を聞いてきました。
【一戸健人(いちのへ・けんと)】(写真左)株式会社DYMでエグゼパート事業(顧問紹介事業)を立ち上げ、株式会社MCJ・DYMパートナーズ取締役社長としてスタートアップの資金調達の支援を行うなどし、2017年に株式会社ドゥーファ創業。【松田賢司(まつだ・けんじ)】(写真右)伊藤忠テクノソリューションズ株式会社でビジネスチャットツール「Tocaro (トカロ)」の立ち上げに携わり、現在、同サービスの製品責任者兼コンサルタントを務める
〈聞き手=渡辺将基(新R25編集長)〉
「副業したい」「副業人材を活用したい」双方のニーズが明らかに高まっている
渡辺
最近は自分の身の回りでも副業を始めている人が増えていますが、やはり「Kasooku」の登録者も増えているんでしょうか?
一戸さん
明らかに増えてますね。Kasookuでは、毎月約1000人くらいのユーザーが新規登録しています。
渡辺
毎月1000人はすごいですね。どんな職種の登録者が多いんですか?
一戸さん
営業を筆頭に、マーケター、エンジニアとさまざまな方にご登録いただいています。
副業だと転職のように給与ダウンの心配もないので、新しい経験やスキルアップを求めるハイクラス層の登録も非常に増えてるんですよ。
渡辺
なるほど。優秀な副業人が増えているとなると、企業側のニーズも高まってきそうですね。
一戸さん
まさに、「優秀な人材を低コストで獲得できる」というのは、企業が副業人材を活用する大きなメリットだと思います。
一戸さん
コロナショックの影響で、正社員の採用をリスクに感じる企業が増えたのも、副業人材の需要が増えた要因です。
たとえ企業の経営状態が厳しくても、正社員に「給料2ヵ月分止めさせてくれ」とは言えないじゃないですか。
その点、副業人材なら稼働量に応じた報酬の調整が可能なので。
渡辺
それはありますね。
副業人材と相性がよいのは「営業」や「新規事業」。その理由は?
渡辺
副業人材を活用するうえで、相性のいい職種や事業はありますか?
一戸さん
まず、やはり営業は副業人材を活用しやすいと思います。ノウハウを継承しやすいですし、その方が持っている人脈を活かして営業先を開拓することもできるので。
あと、「新規事業」も相性がいいですね。
実際にCTCさんは、新規事業のグロースに副業人材を活用されています。
松田さん
我々のようにすでに収益の柱となっているメイン事業がある会社では、新規事業に社内の(人材)リソースを割いてもらえないことが多くて。
私のチームでもまさに営業人材を必要としていたのですが、新たな社員の採用はできず、既存のメンバーで営業をするのも効率が悪くて八方塞がりな状況でした。
渡辺
そこで、副業人材を活用することになったんですね。もう少しくわしく話を聞きたいです。
松田さん
新規事業としてビジネスチャットツール「Tocaro (トカロ)」の営業範囲を広げるタイミングで、Kasookuを通じて2名の法人営業の方にジョインしてもらいました。
渡辺
その2名の方は、今松田さんのチームにどれくらいコミットしているんですか?
松田さん
テレワークになる前は、週に数日トライアル申し込みのあったクライアントに向けてフィールドセールスをしていただいてました。
弊社の名刺も作成して、社員と同じように営業してもらっています。
渡辺
名刺まで! 正直、副業人材と聞くと「本業の片手間に参加してもらう」イメージがあったので、予想以上のコミット具合に驚いています。
そこまで副業人材のコミットメントを高められる秘訣があればお聞きしたいんですが…
松田さん
「副業人材だから即戦力になるだろう」と過度な期待をせず、長期視点で考えることですかね。
優秀な方だとしても会社の文化や業務に慣れるまで時間がかかるので、「契約数」という最終的な成果だけでなく、それまでの過程にある「アポ率」などのKPIを細かく設定し、個々人と丁寧に向き合うようにしています。
その結果、2人が入って半年ほど経ったここ3ヶ月で、どんどん受注に至っています。
渡辺
すばらしい。副業人材にも社員と同じように接する心構えが大切なんですね。
しかし、副業人材の活用には難しさも… 新R25の「失敗談」とは?
渡辺
実は我々(新R25)も過去にKasookuを利用して営業人材を募集したんですが、そのときはちょっとうまくいかず…
渡辺
驚くほどたくさん求人応募をいただいたんですが、メール返信や面談対応が追いつかなくなってしまったんですよね。
一戸さん
新R25のように知名度の高いメディアや人気の企業さんだと、どうしても応募が殺到してしまいますよね。
その場合は、ぜひKasookuの「proプラン」を使っていただきたいです。
一戸さん
以前ご利用いただいた「マーケプラン」は、企業と副業希望者が直接やりとり・契約できるプランでした。企業は毎月5万円の掲載料を払えば、人数制限なく、応募者と面接、マッチングができます。
一方、「proプラン」では、求人掲載後の副業希望者への応募対応や面談、マッチングまでを弊社が代行するプランなんです。
渡辺
なるほど。能力や適正を見て応募者をスクリーニングしてくれるわけですね。
かなり労力がかかる部分なのでありがたいですが、どんな仕組みで選定しているんですか?
一戸さん
そこは単純にマンパワーで、Kasookuのスタッフが1件1件スクリーニングしているんです。
…それこそ、手伝ってくれる副業人材が欲しいくらいですよ(笑)。
松田さん
CTCでも、多数の応募から正社員採用では出会えなそうなハイスキルな方を5〜10人ほど厳選して紹介していただき、本当に助かりました。
一戸さん
求める人物像をヒアリングしたうえで選考や面接を1件1件丁寧におこなっているので、そう言っていただけるのはうれしいですね。
松田さん
あと、「proプラン」の場合は契約対象がdofaさんになるので、それも我々のような大企業にはありがたかったですね。
一戸さん
個人と契約するハードルが高い企業さんは意外と多いんですよね。
登録者とのやりとりは不要。良質なリードのみを提供する 「エンタープライズプラン」
一戸さん
また、最近では「エンタープライズプラン」という新プランも開始しました。これは企業さんと登録者とのやりとりは一切不要で、Kasookuがご希望の条件に合ったリード(見込み顧客)を副業人材から吸い上げ提案させていただくプランです。
ベースの掲載料に加え、弊社が提供したリード数に応じた価格設定になります。
渡辺
へぇ、提供されるリードに課金する形態なんですね! 我々はもともとリード獲得を目的に副業人材と成果報酬型で契約するつもりだったので、エンタープライズプランがベストマッチだと思います。
松田さん
CTCも、「proプラン」に加え「エンタープライズプラン」を併用しています。「エンタープライズプラン」で獲得したリードに対し、「proプラン」の副業人材が提案を進める形になってますね。
おかげさまで、今は月30件ほどのリードを提供していただいています。
渡辺
月で30件はかなりの数ですね。 気になるのがリードの質ですが、そこはどうなんでしょうか?
松田さん
質にはかなり満足しています。一定基準をクリアした、契約につながりやすいリードを提供していただいていますね。
一戸さん
Kasookuでは、クライアントと求めるリードのレベルをすり合わせて、リード獲得のために動いている登録ユーザーに、「これはリードと見なしません」と会社ごとの基準を共有します。
そのうえで、集まったリードから僕らが精査してご提案するので、結果的に良質なリードを担保できるんです。
松田さん
Kasookuスタッフの方が私たちのニーズを汲み取って「こういう基準で進めましょうか?」と提案してくださるので本当にラクですね(笑)。
我々はいくつかのメディアに広告出稿もしているのですが、今のところそのなかでもかなりコスパよくリードを獲得できています。
渡辺
これはリード獲得の新しい形ですね。我々も使ってみたいです。
一戸さん
ぜひご検討ください!
〜インタビュー終了後〜
渡辺
今日はありがとうございました。 それにしても、CTCさんのような大企業で、積極的に副業人材を活用していたのは正直意外でした。
松田さん
実は、Kasookuを利用するまで私も含めて副業人材に抵抗感があったんですよ。
今だからできるぶっちゃけトーク
松田さん
渡辺さんがおっしゃっていたように、「副業人材」と聞くと、どうしても「片手間で仕事されてしまうんじゃ?」という不安感を抱いてしまっていて。
一戸さん
たしかに、「副業人材」という言葉そのものに抵抗感がある企業さんは多いです。
優秀な人材を低コストで活用できますし、決してネガティブなものではないんですけどね…
松田さん
単に優秀なだけでなく、まったく異なる業界のスキルを持った方と働けるのも副業人材活用の魅力だと思います。
CTCでも、正社員採用では出会えないようなスキルを持った副業メンバー2人から斬新な考え方やアイデアを吸収できてますね。
一戸さん
新たな挑戦に向けて少し舵を切るとき、優秀で柔軟性の高い副業人材を活用することで、ぜひチームや会社全体のレベルアップにつなげていただければと思います。
渡辺
ちなみに、CTCさんは今後も副業人材を活用していく予定はあるんでしょうか?
松田さん
もちろん、引き続きKasookuにお願いするつもりです!
新しいビジネスや施策を始めるときは、その分野にくわしい社員が見つからなかったりアサインできなかったりすることが多いので、そのときはまた職種を変えて、副業人材をご紹介いただけたら助かります。
一戸さん
ぜひ! これからもよろしくお願いします!
人的リソースの確保だけでなく、正社員採用では出会えないようなハイレベルな人材と出会えたり、チームの成長につながったりと、副業人材の活用は思いがけない可能性を秘めていることがわかりました。
Kasookuでは企業の状況やニーズに応じたさまざまプランが用意されています。今後新しいチャレンジを始める際には、ぜひ副業人材も候補にいれてみてはいかがでしょうか?
〈取材・編集=渡辺将基(@mw19830720)/文=市川茜(@ichi_0u0)/編集=森久保発万(@vneck_now)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉
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