

ホワイト企業にこだわるワケとは?
「転職エージェントは全員が使うべき」サラタメが数々のしくじりから学んだ"ホワイト転職"の極意
新R25編集部
ビジネスパーソンなら、一度は頭をよぎったことがあるであろう「転職」の2文字。
そんな、一世一代のライフイベントである転職のノウハウを発信している人気YouTuberが「サラタメさん」です。
ブラック企業から倍率100倍のホワイト企業に転職してぬくぬくサラリーマンYouTuberをしているという、まさに“転職で人生を好転させた男”…。
今回はそんなサラタメさんに、超人気企業の内定を勝ち取るまでのエピソードを聞いてみました。
〈聞き手=石川みく(新R25編集部)〉
【サラタメ】東京生まれ、東京育ちの30歳。ブラック企業から超人気のホワイト企業に転職し、宣伝・広報関連の仕事に従事。現在はサラリーマンYouTuberとして活躍。チャンネル登録者数は約46万人(2020年9月時点)。YouTubeの書籍解説チャンネルや転職ノウハウ解説チャンネル、転職ブログ『サラタメのホワイト転職』などを運営
徹底して“意識低め”。サラタメさんがホワイト企業にこだわるワケ

石川
サラタメさん、動画でいつも「ブラック企業から倍率100倍のホワイト企業に転職を成功させて、ぬくぬくサラリーマンYouTuberしてる」とおっしゃってますが…
倍率100倍っていうのは本当なんですか?

サラタメさん
本当です(笑)。
普通は倍率ってわからないと思うんですが、私の場合、その時期に中途入社したのが自分1人しかいなかったんですよ。それで人事に「何人くらい応募があったんですか」って聞いてみたら「140人くらい」って。

石川
倍率100倍どころか140倍…!
ということは、本当に超人気のホワイト企業なんですね…

サラタメさん
めっちゃホワイトです。毎日ほぼ定時で帰ってますし、今日も有給を取ってきました(笑)。
※平日の真っ昼間にお時間をいただいてます。わざわざスーツ着用で

石川
(うらやましい)
そんなサラタメさんが転職に成功した秘訣をお伺いしたいんですが…
「ホワイト企業」を狙っていたのはなぜなんでしょうか?

サラタメさん
ひとつは…前職の上司がパワハラすぎたっていう…
サラタメさんの動画では、元上司(通称・パワハラ野郎)の話題がたびたび登場します

サラタメさん
もうひとつは、「ライフ・シフト」という本に衝撃を受けたからです。
「人間の寿命が長くなり、人生100年時代が到来する」「寿命の変化に合わせて、人生プランも変更していかないと痛い目を見る」といったことが現実味たっぷりに書かれていて、「このままじゃヤバいな」と。

石川
最近よく聞きますね。人間の寿命は伸びるのに、会社の寿命は短くなっていく…とか。

サラタメさん
そうそう。それでこれからの時代、死ぬまでぬくぬく楽しく生きるためには、大企業での「出世」よりも、定年退職した後も収入が見込める「副業」の方がよっぽど大事になってくると思ったんです。
どうやらビジネスパーソンの人生も60歳じゃ終わらなそうだ、と。
だから20代のうちにホワイト企業に転職して、遅くとも定年退職までには自分なりの“手作りのビジネス”を持てるように準備したいと思いました。
「通勤中の電車で…」元社畜・サラタメさんの“転職しくじりエピソード”

石川
倍率140倍のホワイト企業の内定を手に入れたということですけど、転職活動中の“しくじり”とかはなかったんですか?

サラタメさん
いっぱいありますよ! まず私、転職活動をはじめたてのころに、とんでもない勘違いをしてまして。

石川
勘違い…?

サラタメさん
内定をもらうためには、とにかく自分をハイスペックな人間に見せなきゃいけないと思ってたんですよ。
だから面接で「予算何億のプロモーションを成功させて…」みたいな話を、ひたすらドヤ顔で語ったりして。
そしたら2社連続、一次面接で落とされました。

石川
企業から見たら“ゴリゴリのデキる人”に見えそうですけどね。

サラタメさん
それが間違ってたんですよ。
私が転職しようとしていたのは、あくまで「ホワイト企業」。言い換えるなら、「イノベーション」なんかよりも、効率的に稼げる「既存の仕組み」を大事にしたい会社だったんです。
当然、面接官はみんなおだやかな人ばかり。なのに私が「御社に私の力でイノベーションを!」とゴリゴリにアピールをするので、今思えば、完全にドン引きされてましたね…

石川
なるほど…

サラタメさん
そんなしくじりを経て、転職活動において一番大事なのは、自分のスペックの高さどうこうではなく、企業との接点をアピールすることなんだと気づいたんです。
それからは、自分のことばかり深掘りするのではなく、志望企業のことをかなり念入りに調べるようになりました。
…これが、もう1つのしくじりのはじまりだったんですけど。
どういうこと…?

サラタメさん
四季報を買って志望企業のページを読み込んだり、公式サイトを見に行ったり、企業の口コミサイトを見たり…企業研究に労力をつぎ込むようになったら、とにかく時間がなくなってしまって。
ブラック企業の業務もこなしながら、スキマ時間を駆使して転職活動をする毎日…一番の特大しくじりは、その「忙しさ」が引き金となりました…
一言で言えば、失神しちゃったんです。

石川
!?!?!?

サラタメさん
通勤中に、過労で失神しちゃいました(笑)。ただ幸い、たまたま同じ電車に乗っていた仲のいい上司が救護してくれたので、事なきを得たんですけど。
後からその上司に聞いたら、急につり革持ったまま「ぐるんっ!!」ってなったらしくて(笑)。

石川
笑いごとじゃない…!

サラタメさん
気がついたら駅のベンチに座ってて、上司が「お前、意識失ってたんだよ。今日は休んだほうがいい」って。

石川
…さすがに、その日は休んだんですよね?

サラタメさん
会社は休ませてもらったんですが、次の日が面接だったんで、内心「よし、これで明日の準備ができるぞ」と(笑)。

石川
全然反省してないじゃないですか!

サラタメさん
当時はほんとに「今後の人生がかかってる」って焦りが強かったんですよね…感覚がバグってるというか。
今思うと、ちょっとやり方がヘタだったなって思います。さすがに失神までしなくてもよかったはずなのにな、って。
「ビジネスパーソン全員が使うべき」サービスとは?

石川
ほかに転職活動を振り返ってみて、「もっとこうすればよかった」と思うことってありますか?

サラタメさん
そうですね…転職って、なんの準備もしてない状態で急にはじめるから大変なんですよ。
転職するかどうかはさておき、もっと早くから転職“活動”だけでもしておけばよかったなって思います。転職ってものを、もうちょっと身近にしておけばよかったなって。

石川
転職する気がなくても…?

サラタメさん
たとえば、転職エージェントさんと話してみる。
転職エージェントのコンサルタントさんは、何人ものキャリア相談を受けているプロですからね。
自分の実績や今後のキャリアプランを整理するためにも、“健康診断”のつもりで定期的に話をしてみるといいですよ。
あ、健康診断っていうのは、新R25の記事で田端(信太郎)さんがおっしゃってたのを見て、「これはいい表現!」と思って丸パクりしてるんですけど(笑)。
田端さんの発言をパクるサラタメさん

サラタメさん
転職エージェントは無料で使えるし、ビジネスパーソン全員が使うべきです。

石川
全員…ですか?

サラタメさん
はい。私も転職活動中はもちろん、今も定期的に相談に行っています。
まず転職エージェントに登録すると、自分の経歴や実績に合った求人案件を紹介してもらえますよね。
それを見れば「このくらいのネームバリューの会社に、このくらいの年収で入れるかも」と見当がつきます。
自分の市場価値を知るという意味では、これ以上ない判断材料になると思います。

サラタメさん
あと、個人的に一番ありがたかったのが、エピソードの取捨選択をしてくれること。
私の場合、前職で社内の大規模なプロジェクトメンバーに選ばれたことがありまして。
社内では名誉のあることだし、出世しそうなメンバーが選ばれるって噂もあったので、そのプロジェクトの話にすごい自信があったんですよ。
それで、転職エージェントのコンサルタントさんにドヤ顔で話をしたら「それは御社だけの内輪の話なので、転職ではあまり使えませんよ」とバッサリいかれて。

石川
キビしいですね…!

サラタメさん
でも言われてみれば、社外で評価される話ではないんですよね。
私は、自分のYouTube動画の中でも常々「上司ではなく、お客さんを喜ばせる仕事をすべきだ」とか意識高く言ってたりするものの、思い返すとあのころは上司を喜ばせることにばかり必死になってたな〜と。
つまり「どの仕事に力点を置くか」の判断が間違ってたんです。健康診断的には“異常あり”の状態だった。

石川
異常あり…

サラタメさん
特に若手って、自分の市場価値が高まる仕事だけに専念できるわけじゃないですよね。
無限に湧いて出てくる「雑用」とか、メンドくさすぎる「社内行事」、偉くはないのにやたら偉そうなおっさんへの「接待」など、市場価値とはほど遠い仕事で忙殺されがちです。
そんななかでも、コンサルタントさんに“エピソードの取捨選択”をしてもらう機会を定期的に設けられれば、市場価値の感覚が養われると思います。
がんばるべき仕事と、ある程度でいいやって仕事の区別がつく。どの仕事に力点を置くべきかが、段々わかるようになってくるはずです。

石川
そういう話って、同じ立場の同僚とかに話してもあんまり見えてこなそうですよね。

サラタメさん
そうなんですよ。もっと早く相談に行っていれば、普段の業務をもう少しスマートにこなせたのにな〜と思います。そうすれば失神しなくてすんだかも(笑)。
転職エージェントは格好の“壁打ち相手”

石川
転職活動中には、どうやって転職エージェントを活用していたんですか?

サラタメさん
言葉を選ばずに言うと、格好の“壁打ち相手”だと思って使ってました(笑)。たくさんのコンサルタントさんに会って、自分の転職ストーリーを聞いてもらった。
あとは模擬面接として、企業に話すつもりのエピソードを聞いてもらったり。そうすると、話した内容に矛盾がないかを指摘してくれたり、先ほど話したようなエピソードの取捨選択をしてくれたりするんですよ。

石川
フィードバックをくれる壁か…いいな…

サラタメさん
プロの知見とニュートラルな目線で話を聞いてくれて、アドバイスももらえる。しかも無料。最高じゃないですか?

サラタメさん
転職エージェントは「ただ求人案件を紹介してくれるだけ」と思っている人も多いですが、実は全然そうじゃなくて。
自分が考えていることの輪郭をはっきりさせるのにも役立つし、キャリアの健康診断としてだって使えます。
もっと気軽に転職エージェントを使う人が増えるといいなと思いますね。
サラタメさんが語ってくれた「しくじりエピソード」から見えてきたのは、中立的な立場でキャリアの相談に乗ってくれる“壁打ち相手”の重要性。
理想の転職を叶えたい人はもちろん、今の会社でこのまま過ごしていいのか悩んでいる人も。頑張りすぎてあわや失神…となる前に、キャリアのプロに頼ってみてはいかがでしょう。
〈取材・文=石川みく(@newfang298)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉

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