私の地元・ナゴヤドームが開催地で、どこに行っても「珠理奈が1位」と言われてたんですよね。

「ファンの方々も頑張って投票してくれてる」とほとんど寝ずに頑張って…命を懸けるつもりで臨んだ総選挙だったんです。

そして本当に命懸けた結果、倒れました（笑）。

放っておくと、ボロボロになるまで頑張ってしまうんです。

昔から、「できる？」と言われたら「はい」しか言えません。

肺炎にも2回なってるし、帯状疱疹にもなってる。

当時、身体がボロボロすぎて、踊った次の日の朝起き上がれなかったんですよ。治療にも通ったんですけど、お医者さんに「プロレスラーよりもひどい」って言われました。

秋元先生にも「そんなに生き急ぐなよ。今年1位じゃなくても来年もあるだろ」と言われてましたね。

自分のためにストイックになると、自分が削れちゃうと思うんです。自分がいい仕事に就きたいからとか、自分がいいポジションに行きたいからとか。

私は「自分のために」を卒業するのが早かったんです。それはすごくラッキーだったと思いますね。

…11歳？

それは、私には「SKE48を認めさせる」という使命があったから。

当時、「認めてないから」と私と握手してくれない方もいっぱいいて。「AKB48の偽物でしょ」とかいろいろ言われてましたからね。

悔しくて、毎日練習しながらみんなで「AKB48に勝つためにはどうすればいいか」を話しあっていました。

ただ私、総選挙後に休養して、ようやく「頑張りすぎなくてもいいんだ」と思えるようにもなったんですよ。

私がいなくても、SKE48がうまくいってたから。

私、「自分はSKE48に絶対必要な存在だ」と思ってたんです。でも、私が抜けてる間にメンバーはSKE48を盛り上げてくれてた。

「私、珠理奈さんが卒業したあとセンターやりたいと思ってる」という子が何人もいたんです。

「え、私がいなくても大丈夫じゃん」って思えたんですよね。

それで、私は「強がりメイク」をやめてもいいのかなって…

そもそも私は強い人間なんかじゃなくて、「強がってるだけ」なんですよ。

みんなそうじゃないですか？

本当はみんな弱くて、ただ「強くありたい」と頑張ってるだけ。

等身大の自分よりかっこよく、きれいに見せたい。だから私たちはメイクをして、かわいい服を着ますよね。

それと一緒で、自分の心もメイクしてるんですよ。

それは、悪いことじゃないと思うんです。

私も、ストイックに強がってきたからこそ叶えてこられた夢がいっぱいあると思うので。

ただ、「強がりメイク」を濃くしすぎると自分のキャパ以上に「強い人」だと思われちゃうんですよ。これがしんどい。

「この人は強いから何でも任せちゃおう」と思われるし、褒められなくもなる。

「珠理奈だからできて当たり前」で終わる。こっちは見えないところで超努力してなんとかクリアしてるのに！（笑）。

だから、「強がり」もナチュラルメイクがちょうどいい。

疲れたら、一回立ち止まって自分に聞いてあげてみてください。

「心のメイク、濃くなってない？」って。

いや、抱え込む人はねえ…結局一生抱え込みますよ！（笑）

これはもう直しようがない。それも性格だし、いいところでもあると思いますよ、私は。

私も、強がって抱え込んで、ストイックに頑張ってきたからこそ叶えられた夢もいっぱいあると思う。

最初の握手会で握手をしてくれなかった人から「アンチだったんだけど、好きになっちゃったんだよね」って言ってもらえましたし。

ただ、結果が出るのってそんなに早いもんじゃない。

「これだけ頑張ったから」ってみんなすぐに結果を追い求めるけど、無理無理！（笑）

私もYouTubeを始めたけど、再生回数もなかなか増えないし、どうすればいいのかわからないもん（笑）。結果を早く追い求めないで、ゆっくり自分と向き合うといいと思います。

それに、本当に一人だけで孤独に頑張らなきゃいけない人なんて絶対にいないと思います。探せばいるから、どこかに同じような人が。

そう！

「俺だけこんなに抱えて…」と思って横を見たら、同じように「俺だけこんな抱えて…」ってなってる人が絶対いると思う。

そういう仲間を見つけて、頑張って仕事したあと「自分たちマジお疲れ～～！」ってビール飲んで焼き鳥食べたら、また笑顔で出社できるから！