ビジネスパーソンインタビュー
樺沢紫苑著『精神科医が見つけた3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』より
人間が感じる“幸せの正体”を徹底解説。精神科医が教える「3つの幸福物質」の出し方
新R25編集部
「仕事を一生懸命頑張れば、幸せになれる!」
そう信じて、日々業務に勤しんでいる方も多いのではないでしょうか?
しかし精神科医の樺沢紫苑さんは、「よくある“幸せになる方法”は、たいてい間違っています」と言います。
頑張っても幸せになれないなら、何をすることで幸せになれるのでしょうか...?
樺沢さんの著書『精神科医が見つけた3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』より、精神医学・脳科学に基づく実用的な「幸せになる方法」について一部抜粋してお届けします。
幸せを感じる脳内物質は「ドーパミン」「セロトニン」「オキシトシン」の3つ
脳内物質の本を片っ端から読んでいくと、私たちの日常的な幸福感を構成する主たる幸福物質として、「ドーパミン」「セロトニン」「オキシトシン」の3つが特に注目されています。
さあ、有史以来、多くの人が頭を悩ませてきた「幸福とは何か」の問いに、たった10秒で答えを出してしまいましょう。
ドーパミン、セロトニン、オキシトシンが十分に分泌されている状態で、私たちは「幸福」を感じる。
つまり、脳内で幸福物質が出た状態が幸せであり、幸福物質を出す条件というのが「幸せになる方法」であると言えます。
それぞれどういった条件、状態、行動、アクションで分泌されるのかがわかれば、私たちは「幸福」になることができるのです。
① 最も基盤。心と体の健康による幸せ「セロトニン的幸福」
セロトニン的幸福を一言で言うと、心と体の健康です。
「体調がいい」「気分がいい」という状態。
具体的にセロトニンが分泌されたときに、どのような気分になるでしょう。
朝散歩をして
「ああ、青空がきれい。実に爽やか!気分が晴れ晴れする。気持ちいい!」
という感覚。
これがセロトニンが出ている状態です。
森林の中を散歩しているときにも、セロトニンは分泌されます。
「清々しい」「癒やされる」「リラックスする」「ホッとする」「のんびりできる」「安心、やすらぎ」。
特に「癒やされる!」というのは、重要なキーワードです。
朝起きて、気分が爽やか。
そんなことで幸福と言えるの?と思った人もいるかもしれません。
しかし、これが「当たり前」のようでいて、極めて「かけがえのない幸福」なのです。
失って初めてありがたさを知るのが「健康の幸福」であり、セロトニン的幸福なのです。
セロトニンが低下気味の人は、感情が不安定で、イライラする、怒りっぽい、キレやすい状態となります。
それとは正反対に、精神的に安定している。
いつも冷静で、ピンチにも動じず平常心でいられる。
心の安定は、他人の心にも伝染しますので、やすらいだ気持ちの人は、他の人を緊張させず、リラックスさせます。
セロトニン的幸福を持っている人は、人から信頼される。
プライベートも職場の人間関係も円滑になるでしょう。
幸せになるために、最も基盤となるのがセロトニン的幸福なのです。
② 人とのつながりがもたらす幸せ「オキシトシン的幸福」
続いて「つながり」の幸福であるオキシトシン的幸福に焦点を当ててみましょう。
「つながり」をもう少し広く捉えると、他者との交流、関係によって生まれる幸福全てと言っていいでしょう。
自分1人で、「ああ気持ちいい」「清々しい」「調子がいい」と感じるのが、セロトニン的な幸福。
それに対し、誰かと一緒にいて「楽しい」「うれしい」「安らぐ」のが、オキシトシン的な幸福。
オキシトシン的な幸福には相手が必要です。
夫婦関係、恋人、彼氏、彼女などの恋愛関係。
親子、兄弟の家族関係。友情で結びついた友人関係。
あるいは趣味サークルやスポーツの仲間。
こうした相手との安定した人間関係によって生まれるプラスの感情、プラスの喜びは、全てオキシトシン的幸福です。
職場という場面を考えたとき、オキシトシン的な幸福なしでは、仕事に集中、専念することすらできません。
例えば、「職場の人間関係が悪いので仕事を辞めたい」という人がたくさんいます。
「最低限の人間関係」がなければ、そもそも楽しく働くことができない。
ということは、オキシトシン的幸福があって初めて、周囲のサポートや応援が得られ、仕事の成功が加速するのです。
ドーパミンとセロトニンの「要」となるのが、オキシトシン的幸福です。
③ 成功の高揚による幸せ「ドーパミン的幸福」
ドーパミン的幸福は、一言で言うと「成功」の幸福です。
ドーパミンは脳を興奮させるので、ドーパミン的幸福には「高揚感」が伴います。
「やったー!」と思わず手を上げてしまうような「喜び」「楽しさ」「達成感」が、ドーパミン的幸福です。
例えば「スポーツの大会で優勝」して、「やったー!」と大喜びするシチュエーションがわかりやすいでしょう。
ドーパミン的幸福とは、言い換えると「何かを得る、達成した喜び、幸せ」です。
お金を得る。
欲しい物を手に入れる。
あるいは昇進、昇給などの仕事での成功、地位や名誉なども当てはまります。
人から認められるのもそうです。
何かを「得る」には、行動や努力が必要です。
頑張らないと昇進したり、会社で認められることはない。
結果を出すためには、いろいろ労力や時間もかかる。
あるいは何かを買うには、お金もかかります。
つまり、ドーパミン的幸福を得るには、「対価」が必要であるということ。
ドーパミン的欲求というのは、ある意味大変なのですが、だからこそそれを得たときの喜びは大きいのです。
実は簡単にドーパミンを出す方法があります。
例えば、お酒です。
お酒を飲むと、ドーパミンが分泌します。
だからお酒に酔うと「楽しい」気分になるのです。
しかし、そこには「落とし穴」があります。
ドーパミンというのは、「依存症」の物質でもあるのです。
お酒、薬物、ギャンブル、買い物、ゲーム、スマホ。
こうした手軽に手に入る「快楽」でドーパミン的幸福を得ようとして、ドはまりすると「依存症」になります。
幸せになれない人が間違えている「3つの幸福」の優先順位
「健康」「つながり」「お金、成功」。
その全てが手に入ればいいなあ、とあなたも思ったはずです。
しかし、「3つの幸福」の全てを手に入れている人は非常に少ない。
なぜでしょう?
それは、「3つの幸福」を得るためには、「優先順位」があるから。
そして、ほとんどの人がその優先順位を間違えているから、幸せになれないのです。
ズバリ結論から言いましょう。
セロトニン的幸福→オキシトシン的幸福→ドーパミン的幸福の順番。
これが正解です。
精神科医が見つけた3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法
ドーパミン的幸福は一番最後です。
この順番を間違えると、幸福になるどころか、むしろおもいっきり不幸になる可能性もありますし、私はそうなった人を山ほど見ています。
メンタル疾患の患者さんは、非常に真面目で、勤勉です。
風邪をひいたくらいでは、有給休暇をとらずに、無理してでも出社するタイプ。
メンタルが不調になっても頑張る。
うつ的な症状が出ているのに、それでも頑張る。
精神科を受診して「中等症以上のうつ病と診断されるので、1週間自宅療養してください」と言われても、「自分がいなければ、今のプロジェクトは進まない。仕事は休めません」と言います。
自分の健康を犠牲にしても、仕事を頑張ろうとするのです。
「頑張る」には、「健康」という基盤が、絶対に、絶対に必要なのです。
セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福を盤石にして、ドーパミン的幸福を積み上げていく。
結果として、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福、ドーパミン的幸福の3つの幸福、全てを手に入れることができます。
精神科医が教える「幸せになるための実践的なガイドブック」
「私たちは漠然とした『幸せ』を強く望むものの、具体的に何をすれば『幸せ』になるのかをわかっておらず、間違った努力をして『幸せ』への道筋をおそろしく遠回りしている」と樺沢さんは言います。
同書は、ありきたりの「幸福論」ではなく、精神医学・脳科学に基づいた「幸せになるための実践的なガイドブック」として、「幸せ」への道筋がハッキリと示されている一冊です。
仕事や学びと密に結びついている「幸福」の正体について、同書で学んでみませんか?
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