ひろゆき著『無敵の独学術』より

英語もフランス語も話せるひろゆき。どうやって言語を覚えていったのか?

仕事
コロナ禍で時間に余裕ができ、「新しいことを始めたり学び直したりしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか?

「プログラミングやウェブデザイン、料理や外国語、スポーツといったことまで、だいたいのことは独学でも学べてしまう」と、2ちゃんねる開設者のひろゆきさんは言います。

独学でプログラミングや外国語などを習得した経験をもつひろゆきさんは、一体どのような学びのプロセスを踏んできたのでしょうか...?

新著『無敵の独学術』より、「独学のコツ」や「理路整然とした話し方のコツ」など、一部抜粋してお届けします。

英語を学ぶ目的をハッキリさせて、適切な方法で学ぶことが大事

英語ができるようになりたいと思う人は、自分の目的を明確にしてから、それに合った方法を選ぶことが大事です。

英語ができる人になりたいというフワッとしたことではなく、何のために英語を勉強したいのかをはっきりさせる。

英語を喋れるようになりたいのか?

それともTOEICでいい点数を取れるようになりたいのか?

英語を喋れるようになりたいのであれば、英語圏の国に住んだり、英語しか話せない異性と付き合ったりしたほうが手っ取り早いですし、TOEICでいい点数を取りたいのであれば、日本語できちんと英文法を学んだほうが手っ取り早いはず。

自分の目的に合った手段を選ぶことが大事になってくると思うのです。

TOEICで高得点を取りたい場合:文法は日本語で学んだ方が効率的

TOEICで高得点を取りたいのであれば、英会話ができるだけでは厳しいです

TOEICはテストなので、長文読解や文法の間違いを指摘するような問題が出題されます。

もちろんリスニングもありますが、文法と長文読解ができるようにならないと、いい点数を取るのは難しい。

日本語で会話ができるからといって、現代文のテストでみんなが高得点を取れていないのと同じようなものです。

英語圏に留学すれば、いつのまにか英語ができるようになるんじゃないか?と思い込んでいる人もいます。

アメリカにいようが、日本にいようが、そのための勉強をしない限り、文法が理解できるようにはならないというのは同じなのです。

僕はアメリカに留学した際に英語の文法を勉強したのですが、これは失敗でした。

文法用語を英語で理解するという「壁」がひとつ増えてしまったからです。

たとえば、「過去完了」のことは英語で「past perfect」というのですが、なんでパーフェクトなんやねん、というところで止まってしまうのです。

日本語で「現在完了」「過去完了」「前置詞」と聞けば一発で理解できるのに、余計なところでつまずいて、ワケがわからなくなりポカンとしてしまったり、先に進めなくなってしまう。

つまり、文法を学ぶのであれば、日本語で学んだほうが断然理解しやすいのです。

英語の文法について英語で書いてある解説をきちんと理解できるのであれば、もはや文法を勉強する必要がないレベルなわけです。

でも、そうではなく文法を勉強する必要があるのなら、日本で勉強したほうが間違いなく効率はいいです。

英語が喋れるようになりたい場合:現地へ行けば喋れるようになる

逆に、TOEICなど関係なく「英語が喋れるようになりたい」というのならば、英語圏の国に住んでしまうのがいちばん手っ取り早いです。

僕は今、英語とフランス語を話せますが、どちらもアメリカとフランスに住んで、現地の言葉を使わないと生活できない環境にいることで話せるようになっていきました。

その環境に浸ってしまうのが一番です。

少し脱線しますが、フィリピンであれば、20万円ほどで1カ月英語学校に通いながら暮らすことができます。

フィリピンの公用語はタガログ語ですが、アジアのなかでも飛び抜けて英語が使われている文化圏で、実際に英語圏で使用されているセキュリティソフトのコールセンターなどはフィリピンの企業が対応していることもあるくらいです。

英会話を身につけるという意味においては、手近な留学先としてフィリピンはオススメです。

「今はコロナ禍だし、留学なんて無理」という人は、オンラインで外国語ネイティブ人と会話をするサービスを利用するという手もあります。

このときに大切なのは、日本語が使えない環境に自分を置くこと

ほかに日本人がいない状況で、日本語ができない人とだけ会話できるタイプのものがいいと思います。

手軽に始めたいなら、映画の2カ国語字幕がオススメ

海外旅行どころか、外国語でのオンラインサービスもハードルが高い、と思っている人にオススメなのが、2カ国語の字幕を出しながら映画を視聴するというもの。

ただし、英語字幕だけで視聴するという意識の高いことをやっていると、ストーリーを追えなくて映画そのものが楽しめなくなって挫折してしまいます。

なので、英語と日本語の両方の字幕を出して映画自体を楽しむことを優先してください。

試しにネットフリックスなどでやってみるといいと思います。

PCになってしまいますが、「クローム」というブラウザのアドオンという機能を利用すれば、ネットフリックスの字幕を日英同時に出せたりします。

これを使うと、耳からはネイティブの英語発音が入ってきて、目からは無意識のうちに英語の単語表記が入ってくる。

それと同時に日本語字幕も表示されるので、何度も繰り返し出てくる表現などはなんとなく覚えてしまうはずです。

「わたゆぅどぅーいん?」というサウンドと「What are you doing?」が一致しないのが、日本人の先生による英語教育の限界だったりするのですが、2カ国語字幕をダラダラと見続けていると、自然とこの2つが重なってきたりします

英単語をラクに覚えるテクニック

また、英単語にはそれぞれ語源があります。

「injection(注入する)」であれば、「in(中に)」「ject(投げる)」「ion(もの)」という語源から成っています。

「ject=投げる」のイメージを記憶していれば、これを軸に、「pro(前に)」+「ject(投げる)」で「映し出す」

「re(後ろに)」+「ject(投げる)」で「拒否する」といった具合に、言葉の思い出し方が芋づる式につながっていくわけです。

まずは恐れずに英語を喋ってみよう

英語が喋れるようになりたければ、まず喋ってみることです。

ところが、なかなか喋ろうとしない人の場合、「この文法は合っているのだろうか」 「この表現は適切だろうか」「正しい発音は」といった具合に、どうでもいいことばかり気になってしまって、肝心の喋ることが後回しになってしまいます

というのも、僕自身がそうだったのです。

大学時代、アメリカに留学したばかりのころは、アタマの中で、日本語を英語に変換しながら喋っていたのですが、先にいろいろ考えすぎてしまってなかなか喋れなかった。

でも、お酒を飲むと、よく考えずにけっこう喋れたりするのですね。

つまり、細かいことが気にならなくなる。

文法がめちゃくちゃだったとしても、伝えたいことがあれば案外なんとかなります

海外から旅行で来日した人に話しかけられても、日本語で単語を羅列されれば、その意図を把握できたりするのと同じです。

もし、それで伝わらなければ、身振り手振りを交じえて言い換えればいいだけのことです。

そういうことをやっているうちに、日本語で考えるのではなく、英語で思い浮かべながら英語で喋るという状態になりやすくなります。

ひとりでじーっと思い悩んでいては、何事も始まりません。

自意識過剰にならないでまずは喋ってみる

つまり行動することが大事です。

ひろゆきさんの独学論が詰まった一冊

無敵の独学術

無敵の独学術

「信頼できる『と、思われる』インフルエンサーなんかに頼っていないで、『なんで?』『どうして?』と自分のアタマで疑問を抱き、自分の力で情報をとりにいく癖をつけたほうがいいと思うのです」。

最新刊『無敵の独学術』は、ひろゆきさんが大切にする「学ぶための前提」や「学ぶうえで必要なこと」といった、独学を志す人にとっての土台や支柱となるようなトピックスを集めた一冊。

独学で何か新しいことを始めようと思っている方自分軸で持論をもてるようになりたい方は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。