ビジパの悩みインサイト
「副業で幸せになれますか?」サラタメさんが主張。“年収1000万までの幸せ求めるなら副業よりやるべきことが…”
新R25編集部
「複雑なはずのビジパの悩みを、単純化して取材していた」「本質的じゃない悩みをでっちあげていた」
という反省のうえ、「個人のリアルな悩みにひもづいた取材」を改めてしていくことを方針とした新R25編集部。
今回は、新R25副編集長・天野の「本業にもメリットがある副業をしたい」という悩みについて。
成功するのに必要なこととは…? 副業を考えてる方、必見です…!
副業で「見積もりが甘かった」というリアルな声も…。副編集長・天野の悩みとは
天野
副業、皆さんどうです? されてます?
渡辺
俺は、スポットで講演したりはある。
森久保
僕は一瞬やって、性格的に無理だと思ってやめました。
天野
将基さんが言ってるスポットの副業って、「新R25編集長として登壇してください」みたいなやつですよね?
渡辺
そうだね、完全にそっち。
天野
それは…死ぬほどかっこいいじゃないですか。
渡辺
たしかに(笑)。森久保は、副業してたときは苦しかったって言ってたっけ。
森久保
めっちゃ苦しかったです…
天野
普通に会社の仕事があって、副業のほうでも時間を削られて、うわぁ~ってなるもんね。
森久保
そうです。僕は見積もりが甘くて、週1時間とかだったらいけるか~と思ったら、そんなんじゃ全然甘かったという。
天野
うちの会社は、副業を報告すると「全然いいですよ」ってむしろ応援してくれてるけど、やっぱり、ちょっと気後れするんだよな…
心のどこかで、「その時間、会社の仕事できるよね」って思われてないかなって、勝手に考えちゃう。
渡辺
浮気…みたいな?(笑)
天野
そう…
副業にコミットした結果本業がおろそかになったら、トータルマイナスになってね? って思うんですよ。それはイヤじゃん。
森久保
たしかに。
天野
でも、将基さんのはプラスになってるんですよ!
森久保
なんか、さっきからずっとすまし顔でマウンティングしてますけど…
渡辺
うん、なんか久しぶりにこういうマウンティングができてうれしい。
上司が言うことだろうか
天野
甘いかもしれないけど、「本業にもプラスになる」「人生を本当によくする副業」ってなんなんだろうなって。
本業の時間を削っちゃうことで、トータルで見ると山が低くなってるんじゃないかと思うんですよね。
渡辺
自己投資っていう意味でいうと弱まっちゃってるという…
森久保
箕輪さんが「5万顧問」みたいなことやってるじゃないですか。それでいろんな業界のことを知ることで、世の中の課題感がわかる。ああいうプラスになってる副業は最高ですよね。
天野
世の空気をとらえて、本をつくってる。…カッコいいわあ(笑)。
渡辺
あの人、全然時間使ってないよ。月1回ちょっと会うのと、たまに人を集めて飲み会やろうぜっていう(笑)。
森久保
すげえなぁ~~。
ということで、今回悩みを相談したのは、ビジネス系YouTuberとして“サラ”リーマンの“タメ”になる情報を発信しているこの方。
副業の心得を聞いてみると…想定外の答えが待っていました。
【サラタメ】サラリーマンYouTuber。ブラック企業でパワハラ&残業まみれ…から副業でYouTubeを開始。開始2年で「書籍解説チャンネル」登録者50万人突破(現在は76万人超)。同じく副業時代に立ち上げた「転職チャンネル」も登録者15万人超
副業は「向いてる人」と「向いてない人」がいる
天野
サラタメさん、よろしくお願いします。今日は副業についてお話が聞ければと。
サラタメさん
よろしくお願いします。
私自身は副業で人生変わったんで、副業はすごくポテンシャルがあるものだと思うんですよね。
一方で、副業にマッチする人ってごく限られた人でして。
天野
そうなんですね。
サラタメさん
しかも、副業にマッチする人は「優秀・優秀じゃない」とはまた別軸です。
超雑に言っちゃうと、なんならちょっと社会不適合っぽいというか。
天野
そういう人が向いている?
サラタメさん
そうです。サラリーマンでうまいことできないような人のほうが、やや向いてる感がある。
天野
なるほど。
サラタメさん
私は3年前ぐらいに出した書籍『シン・サラリーマン』で、サラリーマンとして必要な素養として「副業力」というのを挙げていて。
サラタメさん
本のなかでも副業はぜひやるべきだと言ってるんですけど、よく読むと「(ただし)限られた人」って書いてるんですよ。
そこから年々、副業に向いている人はより“限られた人”になってきてるなって思うようになりました。
天野
そうなのか…
サラタメさん
環境的に厳しくなってきたというのが大きいですね。
というのも、副業を考えたとき、多くの人のファーストチョイスに上がってくるのって、だいたいメディア運営なんですよ。
天野
ブログだったりYouTubeだったり。
サラタメさん
あとはインスタだったり。
そういうメディア運営にプロが入りすぎちゃって、メディアを一人でぶち上げる難易度がかなり高まってきてるなという。
天野
たしかに…元テレビ局の人がYouTubeつくってとか、そういうことですね。
サラタメさん
クライアントワーク系もそうですね。ライターさんとか、動画編集とか。
とくにライターさんが、AIの台頭で、初速むずくなってきたなって。
天野
なるほど…
サラタメさん
こういう人じゃないと副業は厳しいっていう3つの条件が、「野心」「崖っぷち」「余裕」だと思ってるんです。
天野
…崖っぷちと余裕は相反しているような気がするんですけど。
サラタメさん
そうなんですよね(笑)。まず「野心」が源で、一番大事。お金の野心と仕事内容の野心、どちらかです。
たとえばお金がめっちゃほしいと思っても、サラリーマンなら、戦略的にステップを踏んでいけば、40歳ぐらいで1000万も見えてくる。
天野
まあ…はい。
サラタメさん
1000万円とは言わないまでも、800万ぐらいとか、幸せに生きられる収入が見えてくると思うんです。
でも、会社員以上…たとえば「30代で年収2000万欲しい」というような人はそれが副業をするエネルギーになる。
仕事内容としても、「こういう仕事がしたくてしょうがない」というような野心はエネルギーになります。
野心……あなたはどれだけありますか?
サラタメさん
ただ、野心があって崖っぷちの状態でも、時間的に余裕がない人は向いてません。天野さんはこれだと思うんですけど。
要は時間や体力に余裕がないと、副業は無理なんですよね。ただのエネルギーの分散になっちゃう。
天野
そうですよね…
サラタメさん
なかでも「時間」は、副業をする人にとってめちゃくちゃ大事。
副業といえども、言ってみればスモールビジネスの起業です。
その場合、人を雇ってどうするみたいな話ではないですよね。
天野
自分がやらなきゃいけない。
サラタメさん
そうなんです。超労働集約的になるので、時間がない人はいつまでたっても立ち上がらない。
なんだかんだで“最強”な副業は…
天野
『シン・サラリーマン』ではYouTubeやブログが金脈というようなニュアンスを感じたんですけど、今の時代はまた変わってますか。
サラタメさん
そうですね…しいていえばですが、よりメディアが金脈になってる感じはしますね。
天野
というと?
サラタメさん
なんだかんだYouTubeが最強説。
天野
動画編集ってことですか?
サラタメさん
いや、メディアを自分でつくる、「天野チャンネル」っていうことですね。
今やるなら、それがいちばん価値があるなと思います。
天野
それはやっぱり、請け負い仕事だと、単価をどんどん叩かれておいしくないからですか?
サラタメさん
そうですね。あと、働く人と依頼したい人をマッチングするプラットフォームもどんどん発達してるんで。
前までは「面倒くさいから、今までお願いしていた天野さんにまとめて依頼する」みたいな感じがあったけど、そこらへんも、マッチングプラットフォームを使えばよくない?という感じになっている。
つまり、仕事を依頼される確率がどんどん減っていく。そういう時代には、端的に言っちゃうと、自分でYouTubeチャンネルを立ち上げるのが一番可能性がありますね。
天野
サラリーマンができる副業としてはそれがベスト?
サラタメさん
そうですね。
天野
でも、たまにYouTubeで再生回数2桁みたいなチャンネルにぶつかると、「うわ、つらそう…」と思っちゃう。再生回数が全然伸びないリスクもあると思うんですけど。
サラタメさん
めちゃくちゃあると思いますよ。
なので、「本当に副業をやる?」っていうところになる。
天野
そもそもか…
サラタメさん
結局は、さっき言った条件ですね。野心があるの? 本当に崖っぷちなの? 余裕あるの? っていう。
天野
それがそろわないのであれば、本業を頑張ったほうがメリットが大きいということか。
サラタメさん
絶対そう思います。一般的な幸せを手にするんだったら、そっちのほうが近道。
しかも、私が本を書いたころより状況が変わっているのが、どこもみんな人手不足ということです。
天野
そうなんだ。
サラタメさん
一方で、天野さんのご相談みたいに、「転職」「副業」って、みんなめちゃくちゃよそ見してるんですよ。
天野
たしかに(笑)。
サラタメさん
なので、逆に「この会社にコミットしますので、任せてください、管理職もガンガンやりますよ」っていう人は、もはやごく少数しかいない。
逆に、こっち(本業)があいてきてるという状態。
「結局は、弱肉強食です」サラリーマンでダメなら副業もダメ…?
天野
ただ、Amazonランキングで副業本がランクインしてたり、みんな副業で何か稼げないかと考えている風潮があるのは、世の中の経済不安にともなって「ある」のかなと思ってたんですけど…
サラタメさんは、世の中の“副業したい熱”は感じますか?
サラタメさん
感じますね。
でも、生々しい話をしてしまうと、副業もサラリーマンの本業も、どっちもめちゃくちゃ弱肉強食化してる。勝者総取りというか。
サラタメさん
サラリーマンで年収が上がる見込みがない人も増えていて、いろんな不安から副業に飛びついているんですけど、結局は弱肉強食です。
サラリーマンとして自分の野心や野望が達成できなかった人が副業にチャレンジすればエネルギーが出てうまくいきやすいけど、それはごく少数。
普通に“サラリーマン不適合”な人の大半は、副業もうまくいきません。
天野
身もフタもない……
サラタメさん
ここ、けっこう勘違いする方が多くて。
「サラリーマンとしてポンコツだったけど、スモールビジネスやったらうまくいきました」みたいな発信も多いから、それで夢を見る人も多いんですけど…
サラリーマンとしてポンコツな人は、スモールビジネスをやっても大半はポンコツです。
なので、どうせやるんだったら安心してポンコツできるのはサラリーマンです。
強いのは、“濃い原液”をつくれたおじさん達
天野
冒頭でサラタメさんは「副業には可能性がある」って言ってましたけど、それはどういう可能性があるということですか?
サラタメさん
私も今スモールビジネスをやっている一人として思うんですけど、AIとフリーランスというふたつの発達がすごいなと。
まずAIに関しては、チャットGPTが出て、クリエイティブな領域にもちゃんと使えるようになってきた。
それこそ、AIサラタメが返答する「サラタメチャットボット」とか。
サラタメさん
あと、直近で私が超お世話になっているのは、フリーランスの方々です。
私がめちゃくちゃお世話になっているのは、事務作業をやってくれるオンライン秘書さん。私が苦手なボールを拾ってくれるので、個人の力さえあれば、それをどんどん拡張してくれる環境はどんどん広がっているんです。
天野
今おっしゃってた話って、ふたつ軸があると思うんですけど。
ひとつは、最初に自分の名前でチャンネルを立ち上げると、それがAIの力で複利が利くというか、何倍にもなるということ。
それは裏を返せば、最初に「サラタメチャンネル」的なものを立ち上げないと、AIがあったとしても何倍にもならないっていうお話ですか。
サラタメさん
まさにそうですね。AIは原液を超えないので。自分で濃い原液をつくることができないといけない。
だから、それがもうすでに終わっている人は強いですよね。パッと思い浮かぶのは、ホリエモンとか箕輪さんとか。
天野
田端さんとか。
サラタメさん
そうなんですよ。なので、“おじさん強い説”はあるんですよね。
天野
そのへんのペーペーは真似できない。
サラタメさん
そうなんですよ。
天野
キツいな…
サラタメさん
そのおじさんたちが疲れてきて、コンテンツの量が減ってきた隙間に差し込んでいくのが、少し下の我々世代なのに、AIとフリーランスがまた個人の力を超拡張していってしまいそうですよね。
その“副業熱”は本物なのか
サラタメさん
今回ご相談をいただいたときに思ったんですけど、副業をやりたいって思ってるんじゃなくて、シンプルに、誰かにマーケティングされてるだけだろうなっていう気がしたんですよね。
天野
というと…?
サラタメさん
物価が高くなってる、円安になってる、副業しかないって。
これって、副業をやりたいんじゃなくて、外的要因で、誰かに言われて副業したほうがいいよって思ってるだけ。
天野
ああ…
サラタメさん
自分の内側から、「ポルシェが欲しいから、めっちゃお金欲しい」「タワマン住みたい」「家族4人でハワイ行きたい」みたいな欲求が湧いて副業するならわかるんですけど…
外的要因で副業をしようと思っているということは、誰かから「皆さん、大丈夫ですか? これから物価が高まりますよ、円安になりますよ、お財布大丈夫ですか?」「副業やりませんか、うちの情報商材ありますよ、うちのスクールありますよ」って。
天野
ヤバい。
サラタメさん
そういうセールストークや広告に触れすぎてるだけ。
外的要因を起因として副業を考えている人は、副業をやりたいんじゃなくて、マーケティングをされているだけなので、一回深呼吸して顔洗って、本気で今の仕事を頑張りましょうねっていうことなんだろうなって気はしますね。
天野
それこそ誰かのビジネスのターゲットにされている。
サラタメさん
そうです。
サラタメさん
ゼロから始めて月1万円、5万円を稼ぐってすごく大変なことだと思うんですよ。しかも、誰かに雇用されてではなく、自分がビジネスオーナーとしてやるってとんでもなく大変。
でも、これをちゃんと一周まわせるようになったら、ある意味スキルとしての資産になる。
そうしたら、これをもとにまた別の分野にどんどん派生していく、みたいなこともできるとは思いますね。
天野
起業経験みたいなことなんですかね。
サラタメさん
そうですね。SEOメディアとかYouTubeみたいに資産性があるものがベストですが、そこはもはやレッドオーシャンなので、とにかくゼロイチから月5万円、10万円の収入を得るっていうビジネスモデルを一回つくってみるだけでもすごく価値がある。
天野
それって多くの人にとっても、副業をするぐらいなら「それを会社でやったほうがいいんじゃない?」ってなる可能性はあるということですか?
サラタメさん
そうです。
本当にめちゃくちゃ熱量があって、絶対やりたいんだって思ったものって「サラリーマンとしてやってもいい」ってことを、ぜひ検討してほしいんですよね。
天野
なるほど…そう言われると、たぶん多くの人は副業に何か夢見てる気がしますね。
それでも副業したいなら、すればいい
サラタメさん
私も時流を読んで発信しなきゃと考えてるんですけど、今は副業が一般化してきたからこそ、ブレーキを踏む時期かなと思いますね。
天野
えぇ〜、なんと。
サラタメさん
私は転職チャンネルやってるんで、転職をポジショントークしてる面もあるし、『シン・サラリーマン』でも副業を推したけど、今はそこに一回くさびを打ちたいなと思っています。新R25さんと一緒に。
天野
正しておきたいっていう?
サラタメさん
はい。これまでの私の発信を見て、副業収入は青天井だし、自分の好きなこともできるしって、テンションが上がりきっていた方には、ちょっと水かけさせてもらって。
それで目を覚まして、今日の動画見て「本業に集中しよう、よそ見するのやめよう」ってなるのもいいし、「厳しいことはわかっててやりたいんだよ」っていう人は、突っ走ってほしい。
この動画がいいスクリーニングになったらいいなと思います。
「何か副業をやりたい」では、「絶対にこのビジネスをやりたい」という人に勝てるわけがない。
サラタメさんに水をかけられて、目が覚めた天野でした。
副業は大きな可能性を秘めている一方で、厳しい世界でもあることがわかりました。ぼんやり「副業したい」と考えていた方は、まずは自分自身ともう一度向き合ってみては?
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