ヒカル著『心配すんな。全部上手くいく。』より
ヒカル「ライバルの“売り”を無力化せよ」レッドオーシャンのYouTubeで勝つための条件
新R25編集部
「ぶっちゃけ、これなら余裕で勝てると思った」
チャンネル登録者数486万人越(2022年11月現在)のYouTuber・ヒカルさんは、活動当初からご自身の成功を確信されていたそうです。
でも…すでにライバルが多かったYouTubeで、なぜ成功を確信できたのでしょうか?
その理由が解き明かされているヒカルさん初の書籍『心配すんな。全部上手くいく。』より、「仕事で勝つための条件」を3つ抜粋してお届け。
成功の裏に隠された、緻密な戦略とは…?
この記事はこんな人におすすめ(読了目安:5分)
・ヒカルさんの成功の秘訣を知りたい人
・新しいことを始めたい人
・勝てるビジネス戦略を練りたい人
勝つための条件① 正面から勝負をしない
仕事で勝つための第一条件。
それは「正面から勝負をしない」ことだ。
実績十分の強者がいるフィールドでは勝負しない。
少なくともその強者と同じ手法は取らない。
ようするに差別化だ。
どこでなにをやるか。どこでなにをやれば、あなたは強いのか。
差別化なくして成功はない。
2013年6月、22歳の誕生日を迎えて間もなく、僕はYouTube チャンネル「HikaruGames」を開設。
「HikaruGames」はその名のとおりゲーム実況チャンネルだ。
ゲーム実況に目をつけたのには理由がある。
当時、世界最多のチャンネル登録者数を誇っていたのは、PewDiePie(ピューディパイ)というスウェーデンのゲーム実況ユーチューバーだった(2013年時点でのチャンネル登録者数はおよそ1000万人)。
そして彼がYouTube をはじめたのが2010年である。
ITの世界では「欧米のトレンドが5~10年遅れで日本にやってくる」と言われる。
そろそろだ。もうすぐ日本にもゲーム実況の大きなブームがやってくる。
僕はそう見込んだのだ。
2013年、僕はそのときの日本のゲーム実況動画を徹底的に調べた。
どれもたいしておもしろくなかった。
100万回再生をコンスタントに稼いでいるチャンネルもあったがつまらない。実況のそのしゃべりがいまいちで、エンターテインメントになっていないのだ。
それでも再生回数は稼げている。
その理由はひとつだった。
「マリオ」シリーズなどの任天堂の人気ゲームをチョイスしているからだ。
ようするに単純に有名なソフトを、発売直後に最速でプレイし、いち早く攻略してみせていたからにすぎない。
ぶっちゃけ、これなら余裕で勝てると思った。
僕ならゲーム攻略にトーク力を吹き込める。
それはこれ以上ない差別化だ。
すでにたくさんのゲーム実況チャンネルが存在していたが、僕の勝ちは明らかだった。
勝つための条件② 新参者は未開の地を探すべし
勝つためにはまず勝たなければいけない。
ここが勝負のいちばん難しいところだ。
勝ちを知り、勝ち続けるためには、まず勝たなくてはいけない。勝つまえのあなたは勝ちを知らない。
でも勝たないことにははじまらない。
実績も経験も実力もない。
だから先行者と正面からぶつかるのはNG。
そこに勝ち目はない。それじゃ永遠に勝てない。
だから場所を選ぼう。勝てる場所に行くのだ。
そしてそこで人のやっていないことをやる。周りと異なる。
それが「最初の勝ち」をつかむ秘訣だ。
勝つべくして勝て。
僕はゲーム実況チャンネル「Hikaru Games」を開設した。
そのころのゲーム実況は「マリオ」シリーズなどの任天堂の人気ゲームが強かった。
そこにはすでに実績と知名度のある強者がいるわけだ。
ということは、ここは新参者の僕が通用する場所ではない。
まだ手つかずのゲームソフトは?手つかずだが目立つソフトはないだろうか?
あった――。
「実況パワフルプロ野球」だ。通称パワプロ。
スポーツゲーム好きならみんな知っている国民的人気ソフトである。
YouTubeのホームページで「マリオ ゲーム実況」で検索すると無数のヒットがあった。
ところが「パワプロ ゲーム実況」だとわずかだ。
ここなら勝てる。
勝てる場所はピンポイントで見つかった。
勝つための条件③ 相手の嫌がるやり方をする
あとはやり方だ。
周りとどう異なるか。
人気のゲーム実況ユーチューバーたちの特徴ははっきりしていた。有名ソフトを最速プレイ&最速攻略してみせる。
そしてさらにもうひとつ共通点があった。それはみんなしっかり作り込んだ動画をアップしていることだ。どれも丁寧に編集され、クオリティが高い。
でもクオリティが高いぶん、アップのペースは1日1本、多くても1日2本だ。
僕はそこに着目した。
相手が1日1本なら、僕は1日10本。
1日10本はだれもやっていなかった。
あたりまえだ。
YouTube 動画は、企画→撮影→編集→アップロード作業、という工程を踏む。手間のかかる作業なのだ。
だから僕はその手間をはぶくことにした。編集作業を除外したのだ。
ようするに「撮って出し」だ。
ゲームを20分間プレイし、それをそのまま1つの動画としてアップする。
もちろん動画のクオリティはよくない。
でもそれでいい。
1日10本という数そのもののインパクトも強烈だが、「撮って出し」にはもうひとつ大きなメリットがある。
それはライバルたちの売りを無力化できることだ。ライバルたちの売りを総取りできることだ。
彼らのいちばんの売りは最速プレイ&最速攻略。
でも1日1本だと、その速度にも限界がある。
だから必然的にだれよりも最速プレイ&最速攻略となる。
パワプロ。
1日平均10本の撮って出し。
質より量。
数とスピード。
僕のゲーム実況チャンネル「Hikaru Games」はそれでスタートを切った。
もちろん初期の再生回数はしれていた。
でもしだいに手ごたえが得られるようになった。
チャンネル登録者数が増えるにつれ、とうぜん1本1本の再生回数も増えていく。
ライバルたちは僕の「Hikaru Games」が邪魔でしかたなかったはずだ。
効果的な差別化とは、ライバルが嫌がる手を打つことだ。
勝てる場所を見つけ、勝てる場所で異なる。
そこに必ず勝機はある。
あなたは、勝負できる場所に身を置いているだろうか
僕は高校卒業後、地元兵庫県の田舎町にある工場に就職した。
でもその職場の方針とソリがあわず数か月でやめた。
そこから自宅でいわゆるニート暮らし。
毎日、ゲームに明け暮れた。
そんな僕を見かねた友達がこう言ってきた。
「兄貴の話をいっかい聞いてみないか?なんかアドバイスしてくれるかもしれないよ」
聞けば、その人は会社を経営しているらしい。
暇を持て余していた僕に断る理由はなかった。
そしてその出会いが僕の人生の決定的な転機になる。
数日後、約束したファミレスで待っていると、その人物はあらわれた。
高級外車で乗りつけ、颯爽と降り立つさまには成功者のオーラがあった。
田舎のファミレスには不釣り合いなオーラだった。
年齢は見ため30手前。
イケメンで、いかにも仕立てのよさそうなスーツを着ていた。
彼はテーブルをはさんで腰かけると、やわらかな物腰で自己紹介をした。
そこからしばらくは他愛もない世間話。
彼の話しぶりは終始おだやかだった。
「で、きみはいくら稼ぎたいの?」
「月100万円あったら最高っすね」
「なるほど。きみはいまなにをしてるの?」
つい最近まで工場勤務をしていたが不満があってすぐやめたこと。
いまは無職でなにもしていないこと。
僕はありのままを正直に話した。
聞き終えた彼は小さくうなずいたあと口を開いた。
「工場か」
無職のほうを指摘されると思ったがそうではなかった。
「工場勤務で月100万も稼げるかな?」
もっともな意見だった。
僕は苦笑いするしかない。
で、彼はさらにこう続けた。
「きみがやってるのはプロ野球選手を目指しながら、だらだらとサッカーの練習をやっているのと一緒だよ」
なにも言い返せなかった。
ガツンと金槌で殴られたような気分だった。
そのとき僕はようやく目が覚めた。
なりたいものになれるのは、なろうとしたものだけだ。
無謀に思われる目標でも、どんどん公言する
「僕は日本一のユーチューバーになります」
夢や目標は、公言することで一歩近づけると語っているヒカルさん。
同書では、日本一という目標を掲げて突き進むヒカルさんの、活動前から現在に至るまでのすべてが解明されています。
この一冊で、頂点を目指すヒカルさんの人生に巻き込まれてみてはいかがでしょうか。
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