ビジネスパーソンインタビュー
「“よくわからなさ”こそが、アートの価値なんだよ」
GO三浦さんに「アートってビジネスに役立つの?」と聞いたら、説教混じりに“本当の価値”を教えてくれた
新R25編集部
「アート」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?
そもそも美術館に行く機会もないし、価値もよく理解できないし…自分には縁のない高尚な趣味だと感じているビジネスパーソンも多いのでは。
一方で「名の知れた経営者や投資家はアート好きが多い」という話もよく聞きます。社長の豪邸には必ずステキな絵が飾ってあるイメージ、みなさんもありますよね…!?
そんなアート好きの経営者のひとりが、The Breakthrough Company GOの代表で、PR/CreativeDirectorの三浦崇宏さん。
【三浦崇宏(みうら・たかひろ)】1983年生まれ、東京都出身。博報堂、TBWA HAKUHODOを経て現在The Breakthrough Company GO代表取締役。著書に『言語化力 言葉にできれば人生は変わる』(SBクリエイティブ)『超クリエイティブ 「発想」×「実装」で現実を動かす』(文藝春秋)『「何者」かになりたい 自分のストーリーを生きる』(集英社)がある
複数のアートを所有し、自社のオフィスにもたくさんのアートを飾っているという三浦さん。
やっぱり、アートってビジネスと縁が深いものなのでしょうか。もしかしたらアートに興味を持つと、ビジネスパーソンとして大きく成長できるのでは…!?
そんな期待を込めて取材に行ってみたところ…のっけから三浦節全開で叱られてしまいました。
〈聞き手=石川みく(新R25編集部)〉
Q「アートはビジネスに役立ちますか?」A「そんなこと考えてるからダメなんだよ!」
石川
三浦さんに限らず、アート好きの起業家や経営者の方って多いですよね。
やっぱりアートって、ビジネスにいい影響をもたらすものなんでしょうか?
三浦さん
「ビジネスにいい影響をもたらすのか」って考えてる時点で、もうダメでしょ。
のっけから怒られた
上記写真の作品:
牧田愛 2021年 《 Composition-Landscape 》
三浦さん
ビジネスなんてのは、人生を豊かにするための「手段」のひとつでしかないわけ。
「手段のための手段」を求めたって、何も前に進まないじゃん!
新R25はなんでもビジネスにつなげようとするけど、そろそろ「ビジネスに役立つか」って基準で物事を判断するのはやめろって話だよ。
石川
ウッ…三浦さんにはいつも怒られてばっかりだな…
三浦さん
だってお前ら、こういう展開大好きじゃん!
俺いっつも初対面の人に「怖そうだと思ってたけど意外といい人なんですね」って言われるんだよ。
絶対新R25のせいだからな!
そんな二次被害が…いつも説教芸(!)をさせてすいません
石川
とはいえ、アートって初心者にはよくわからないし、ハードルが高い気もするんですが…
三浦さん
その「よくわからなさ」こそが、アートの価値なんだよ。
三浦さん
今のビジネスパーソンって、“短期的な正解”に追われがちじゃん。
目の前のCTRやらCVRやらを血眼で追いかけて、毎日少しでも数字を上げることに必死になったりさ。
石川
まさに毎日そんな感じですね…
三浦さん
でも、目の前のCTRだけを追いかけてる人が、1兆円のビジネスを考えられるわけないんだよ。
10年後、100年後の世界を変えるような「大きな絵を描く」ことを同時にやってないと、器用だけどちっちゃくてつまらないヤツになっちゃう。
石川
うわ…ツラい言葉の並びだ。
三浦さん
しかもさぁ、この世の中、何が正しい選択かってマジでわかんないじゃん。
「新R25をいいメディアにすること」が今の石川さんにとってはすごく大事かもしれないけど、それが未来から見て正しい選択なのかは誰にもわからない。
石川
たしかに…そうですね。
三浦さん
そこで必要なのが、自分の軸となる「強い価値観」。
何が正しいかわからない時代だからこそ、社会に振り回されない強固な自分の軸を持ったほうがいい。
石川
強い価値観…!
三浦さん
たとえば石川さんのなかに「人が元気になれるコンテンツを増やすことが私の幸せなんだ」っていう強い価値観があれば、たとえ新R25がなくなろうとWeb3.0になろうと、生き様はブレないじゃん。
ようは「正しいか正しくないか」じゃなくて、「自分自身が何を素敵だと思うか」「何を美しいと思うか」を軸に生きることが大事なんだよ。
三浦さん
でも「強い価値観」ってものは、何も見ないでゼロから作れるほど簡単なものじゃない。
そこで役立つのがアートってわけ。
石川
おお…!
三浦さん
アートって、「正解がなくて」「よくわからない」ものじゃん。
だからこそ、自分のセンスや価値観を広げるためのガイドラインになるわけ。
「自分が何を好きで、どんなものに心躍るのか」を知るためのヒントとして、アートほど適したものはないと思うよ。
さすがの言語化力
三浦さん
そうやって「これが好きだな」「これだったら熱中できるな」ってものに全力で向き合った人だけが、結局ビジネスでも成功するんだよ。
誰よりも服が好きな前澤(友作)さんだからこそ、ZOZOを大きくできたわけでしょ?
「ビジネスに役立つものあるかな」と思って生きてるうちは、ビジネスなんかできねぇよ!
オーバーキル
初心者がアートを楽しむ第一歩は「これ好きだな」に“直感”で出会うこと
石川
ちょっとアートに興味が湧いてきたものの…今までまったく触れたことがないので、何から始めたらいいかわからなくて。
三浦さん
まずは、事前情報なしで美術館に行ってみなよ。
そこで1作品でいいから「これ、死ぬほど好きだ」って思える作品を探してみたらいいと思う。
石川
1作品でいいんですか? なんとなく美術館って、全作品をじっくり鑑賞しないともったいない気がしちゃうんですけど…
三浦さん
いや、美術館って、センスと価値観のビュッフェみたいなもんだから。
ビュッフェ行って「絶対に全メニューを食べ尽くすぞ!」とはならなくない?
石川
たしかに…おいしそうなものをいくつか選んだらそれで満足しますね。
三浦さん
でしょ? 全部食べたらお腹パンパンで味わうどころじゃなくなるじゃん。
美術館も同じで、全部を味わい尽くそうとしなくていい。
その代わり「これ素敵だなぁ」と思った作品はじっくり観て、ちゃんと味わったほうが楽しいよね。
三浦さん
「観る」って簡単に聞こえるかもしれないけど、ほとんどの人は「観てる気になってるだけ」なんだよ。
たとえば、さっきからここに素敵なモニターがあるけどさぁ…
こちらの素敵なモニターについては後ほどご紹介しますね
上記写真の作品:
牧田愛 2021年 《 Composition-Landscape 》
三浦さん
今映ってる絵ひとつとっても、ちゃんと観れば観るほどいろんな興味が湧いてくるはずなんだよ。
「なんで真ん中に十字架があるんだろう?」「この十字架はなんで少し歪んでるんだ?」「右下のバイクは何を表してるんだろう?」「そもそもこれは本当にバイクなのか?」…みたいな塩梅でさ。
そうやってじっくり向き合えば向き合うほど、「自分がなんでこの作品に惹かれたのか」が明確になっていくと思うんだよね。
石川
…!
それが先ほどの「強い価値観」の確立につながってくると。
三浦さん
そうそう。“好き”を深掘りしていくと、自分の意外な才能とか能力に気づくこともあるからね。
ただ、深掘りするといっても、最初は直感で選んだほうがいい。
その展示の目玉作品が大事なんじゃなくて、自分が「これ素敵だな」と思える作品を見つけることのほうが大事だから。
石川
「事前情報なしで行ったほうがいい」というのはそういう意味だったんですね。
三浦さん
うん。今は情報も多いし、AIやSNSの他人からいろんなものをリコメンドされすぎて、みんな自分が何を好きなのかわからなくなってるでしょ?
「自分は本当にこれが好きなのか、まわりにそう思わされているだけなのか?」みたいなさ。
石川
まさにそうですね…
三浦さん
そういう人ほど、自分の心が動く作品を直感で選んでみたらいいよ。
高尚な理由なんてなくていい。最初は「なんか素敵だな」でいいんだから。
石川
そうだったのか。なんかこう…アートを観たら気の利いた感想とか言わなきゃいけないのかと思ってました…
三浦さん
そんなもんいいの、いいの!
「気の利いた感想が言えないヤツはつまんない」みたいな風潮、もううんざりでしょ。
俺だって『トップガン マーヴェリック』観たときは良すぎて「2億点!」しかツイートできなかったもん。
「52いいねしかつかなかった」とのこと。結構ついてる
三浦さん
もちろん、感想を言えるようになると感性がさらに育つし、もっとアートを楽しみたいなら美術史なんかを学んでみるのもいい。
でも、そんなことやんなくたってアートは楽しいんだよ!
今はNFTとかアート関連のプラットフォームも出てきて、関わり方も多彩になってるんだから、気軽に触れてみたらいいじゃん。
「こんなの良さしかないじゃん!」世界中のアートとつながれる次世代インテリアに注目
石川
すでに話題に上がっていますが…
アートを気軽に楽しむきっかけになりそうなのが、こちらの「glancy」というコネクテッド・インテリアです。
アートとデジタルを融合した新しいインテリアで、気分に合わせて好きなアートを飾り替えられるんですよ。
作品クレジット:
牧田愛 2021年 《 Composition-Landscape 》
三浦さん
さっきから見てるけど、めちゃくちゃ画面キレイだよね。
石川
そうなんですよ!有機ELの4Kディスプレイで、リビングのような明るい環境でも、寝室のような暗い環境でも、鮮明で美しい色が再現できます。
しかも、映像制作のプロの現場でも利用される「RGB30bitカラー」に対応しているので、10億7374万色の色が出せるそうなんですよ。
まるで本物の絵画さながらに繊細な色を再現できるんだそうです。
本体は約4.5kgと軽量。簡単に回転できるので、縦横問わず好きなアートを自在に飾ることができます
上記写真の作品:
小山泰介 2022年 《 PHOTONS (RMGCBY)03 》
石川
さらにこちら、ちょっと贅沢なモニターとしても使えるんですよ。
横にしてYouTubeやVODのコンテンツを流すこともできますし、普通にPCをつないで仕事で使うこともできます。
三浦さん
最高じゃん。かつてないレベルで欲しい。いくら?
すごい食いついてくれている
石川
それが…本体は183,700円(税込)と、ちょっとお値段が張るんです。
三浦さん
え!?むしろめちゃくちゃ安いじゃん!
有機ELの4Kディスプレイなら、普通のモニターでも20〜30万円するイメージだから。
これだけ高機能なら、てっきり40万ぐらいすると思ってたよ。
glancyの担当さんに伺ったところ、「このサイズと性能で10万円台を実現するためにかなり努力をしています」とのこと…高いどころかむしろお買い得でした
上記写真の作品:
小山泰介 2022年 《 PHOTONS (RMGCBY)03 》
石川
今日映している作品は、glancy専用ギャラリーアプリの「J-GARO」に収録されている作品です。
「J-GARO」があれば、古典アート約500作品、風景作品約400作品を月額980円で、そこに現代アート約150作品を加えても月額2,980円で、好きなだけ作品を飾り替えられるんですよ。
特に現代アートはglancyのオリジナル作品もあるので、好きなアーティストに出会えるチャンスも広がります。
三浦さん
圧倒的にいいじゃん。現代アートまでカバーしてるのは最高だね。
これだけ作品が揃ってたら、それこそビュッフェみたいに好きな作品を直感で見つけられるだろうし。
「J-GARO」アプリと連動すれば、スマホでワンタッチで表示作品を切り替えられます
上記写真の作品:
テズ・パク 2021年 《 Hard Disk Drive 》
三浦さん
俺、アートの一番の価値って「所有できる」ことだと思っててさ。
タンジブル(「触ることができる」の意)にモノと向き合うことで、日常にハリが出るんだよ。
徹夜続きでクタクタになって帰っても、家に自分の感性をくすぐるアートがあったら「もう少しだけ頑張ろうかな」って思えるじゃん。
石川
たしかに。アートのある生活、憧れます…
三浦さん
とはいえ…アートって高いじゃん。
俺こないだ、スイスのバーゼルのアートフェアで素敵な作品に出会ってさ。
ゲルハルト・リヒターっていう今一番アツい現代アーティストの作品で、「欲しい!」と思って値段を聞いたら13億円だったんだよ(笑)。
「『フーン、今日はやめとこうかな』みたいな顔して逃げ帰るしかなかったよね…」最後の最後にめっちゃ情けないエピソード出てきた
三浦さん
もちろんそれだけの価値があることは理解してるんだけど…さすがの俺もR25世代に「いますぐアートを買え!」とは言いづらいわけ。
でも、「glancy」ならアートが好きに飾れてモニターとしても使えて、インテリアになって18万でしょ?
良さしかないじゃん。欲しさしかないじゃん。
石川
13億円と比べたら、たしかに激安に感じてきました…
三浦さん
もはや一家に一台レベルだよ、これ。子どもの感性を育てるのにもいいしさ。
クタクタで帰って「もうこれ以上なんの情報も入れたくない」ってときに、ボーッとみてるだけでも心が安らぐと思うし。
…これ、みんな買うでしょ。もうこれ以上、俺が気の利いたこと言う必要なくない?
もはや言葉はいらないとのことなので…ここらで強制終了! 最後に三浦さんとglancyのドヤな2ショットをお楽しみください
上記写真の作品:
牧田愛 2021年 《 DNA 》
「これ本当に欲しい」「俺の社長室のモニターにしたい」と具体的な要望を呟きながら去っていった三浦さん。
正直「ちょっと高いかも…」と感じていた筆者も、三浦さんの食いつきをみていたら本気で欲しくなってしまいました…!
情報が氾濫し、“よくわからないもの”に触れる機会が激減しつつある今こそ、アートが人生にヒントを与えてくれるのかも。
“短期的な正解”に追われているビジネスパーソンこそ、「glancy」で自分の“好き”を探求してみませんか?
*****
glancyの実物は、二子玉川 蔦屋家電内の蔦屋家電+でご覧いただけます。
さらに、7月25日から期間限定のお得なサマーキャンペーンを開催しています。この機会にぜひ、公式サイトにアクセスしてみてください!
〈取材・編集=石川みく(@newfang298)/執筆=エディット/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉
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