ビジネスパーソンインタビュー
「会社に認められるために働いている」状態になってませんか?
「人生の手綱は自分で握る」個人の“最高価値”が見つかるSHEの育成体制とは
新R25編集部
2021年ももう年末。
頑張って駆けぬけた1年間を振り返るこの時期…「今の仕事には、何かが物足りない…」「この会社に居つづけていいんだっけ…」という“キャリア迷子”になることってないでしょうか。
実際、毎年1月になると「転職」と検索する人がたくさん増えるそう。
そこで新R25では、「もっと納得できるキャリアを描ける会社があるのでは…」と迷う読者に対し、若手ビジネスパーソンを欲している急成長中の企業をご紹介。
その企業に入社した若手が身につけられるスキルを“○○力”と名付け、その企業の魅力をお届けする連載「ウチで身につく『○○力』」を始めます。
今回ご紹介するのは、SHE株式会社。
日本最大級の“働く女性のためのキャリア支援”サービス「SHElikes(シーライクス)」を運営する同社は、月商1億超え、毎月120%成長を遂げる急成長企業。
先日、“次世代起業家の登竜門”とも呼ばれこれまで数々のスタートアップが熱戦を繰り広げてきた国内最大級のピッチコンテスト「IVS LaunchPad」で見事1位を獲得。
SHEのビジョンから紐解く「身につくスキル」には、いったいどんなものがあるのでしょうか?
代表取締役CEO/CCOの福田恵里さんに突撃してみました。
〈聞き手:福田啄也(新R25編集部)〉
【福田恵里(ふくだ・えり)】1990年生まれ。大阪大学在学中、学生時代に初心者の女性向けのWebスクールを立ち上げ、300名以上が受講。大学卒業後リクルートホールディングスに新卒入社し、ゼクシィやリクナビのアプリのUXデザインを担当。2017年に、ミレニアル女性向けのキャリア支援を行うSHE株式会社を設立。2020年に同社代表取締役/CEOに就任
SHEは日本の国力を上げる。出産や育児を経ても、女性がキャリアアップできる社会へ
福田
「IVS LaunchPad」の優勝、おめでとうございます!
多くの投資家や経営者がSHEの事業「SHElikes」に未来を感じた結果だと思いますが、まだSHEのことを知らない人も多いと思います。
実際にどのようなサービスなのでしょうか?
福田さん
ありがとうございます!
「SHElikes」は、「Webデザイン/ライティング/Webマーケティング」など、時間や場所に捉われないスキル獲得をサポートすることで女性のキャリアを支援するキャリアスクールコミュニティです。
福田
ユーザーが手に職をつけられるサービスですね。
ただ…正直そういったサービスはすでに世の中に多く存在しているとも思うんです。
なぜSHEに期待が寄せられているのでしょうか?
すみません…新R25は素朴な疑問をツッコむメディアなので…
福田さん
「見据えている規模の大きさ」は、ひとつ理由としてあるかもしれません。
私たちが成し遂げたいのは、“日本全体の経済力を上げること”です。
今って男女の就労人口はあまり変わらなくなってきましたが、実際の給与総額にはどのくらいの差があると思いますか?
福田
給与総額…
男性のほうが高いとは思うのですが、どのくらい差があるかはわかりませんね…
福田さん
3倍以上です。女性が50兆円に対して、男性は160兆円。
働く女性の約半数が出産を機に仕事を辞めていることがその理由のひとつです。
さらに、働く女性の約48%は非正規雇用。再就職をするにしても、出産前と同じようなキャリアを築くことが難しいと言われています。
福田
たしかに…まさに僕の母親も、出産をきっかけに退職した人間でした。
「事務職は代わりの人がたくさんいたから、再就職はできなかった」と言ってたっけ…
福田さん
そんな女性たちが、妊娠や出産を選択したあとでも職場に復帰できる状況を当たり前にできれば、国力は絶対に上がると思っています。
だからこそ、SHEは、そんな働く女性たちに「どこでも働けるスキル」を得る機会を提供します。
「出産や育児」などで分断されてしまいがちなキャリア形成を「スキル獲得支援」を通して解消する。
その先に「日本全体の経済力を上げる」という規模のビジョンを本気で掲げているからこそ、期待していただいてるのかもしれません。
すごく壮大なビジョンだ…生意気なことを言ってすみませんでした…
「自分の最高価値」の発見をサポート。自分らしく生きる体現者となれるSHEの育成環境
福田さん
SHEが目指すビジョンは、「一人一人が自分にしかない価値を発揮し、熱狂して生きる世の中を作る」こと。
だからこそ、まず社員が一番自分らしく生きている存在でいてほしいと思っています。
福田
自分らしく…
正直僕は、どんな状態が「自分らしい」のかいまだにわかってないんですが、そういう人材ではSHEに入社することはできないのでしょうか?
今回の取材では、採用基準までしっかり持って帰る所存です
福田さん
いえ、入社時に「自分らしさ」が明確になっている必要は必ずしもありません。
自分らしさ…つまり自分の強みや価値観は、入社したあとにさまざまなツールや機会提供を通じて一緒に見つけていきます。
そこで明確になったその人の個性や才能を一番活かせる働き方やポジション、業務内容を最適采配することにこだわっています。
福田
業務優先で人員を配置するのではなく、メンバーの特性から逆算して業務を決めるのか…!
それは若手ビジネスパーソンにとってはかなりうれしいですね。
福田さん
そうですね。
なのでSHEは、“自分らしさを磨く力”を身につけてもらえる職場だと思います。
福田さん
さらにSHEでは、メンバーの「最高価値」の発見に注力しています。
福田
最高価値…?
福田さん
SHEの中では「結果が出ていてもいなくても、むしろ周囲から止めろと言われても、どうしてもやってしまう行動や、自分の内側にあるワクワクするような行動の源泉」と定義しています。
たとえば、上司に「今それは優先順位高くないよ」と諭されても、なんかやりたくなってしまうことってないですか?
福田
パッとは思い浮かばないかもしれません…
福田さんは何があるのでしょうか?
福田さん
私の場合、資料はつくり込まなくていいと言われても、なにか聞いている人の感情が盛り上がるストーリーをついつい盛り込みたくなってしまうことがあって…
私の最高価値は「ワクワクさせる」ことだと思っています。
ほかにも今、広報として活躍している若手社員がいるんですけど…
彼女のストレングスファインダーの1位は責任感。誰かの期待に応えることが自分の強みであると認識していたのですが、SHEに入社して見つかった彼女の本当の最高価値は、「祭りを起こす」ことだったんです。
福田
祭り!?
福田さん
そうです。いわばモメンタム(勢い)をつくることですね。
その祭りという最高価値が明確になった途端、彼女は本当に人が変わったように輝き出したんです。
「こうあらねば」という責任感を脱ぎ捨てて、より多くの人を巻き込んでさまざまなPR施策をお祭りのように盛り上げてくれるようになりました。
福田
なるほど。その最高価値は、どうやって見つけるのでしょう?
福田さん
役員や人事がメンバーの「最高価値」の発見をミッションとして負っており、一人ひとりとの1on1を通じて相手の才能を理解する時間をとっています。
これまでの人生や今の環境に対しての感情、ときにはコンプレックスなどを深堀りして、「最高価値」の手がかりを探すんです。
また、月に1回開催している、目先の業務ではなく会社の未来や個人のビジョンを考える「Future Day」という日に、自分の「最高価値」を見つけるワークをおこなっています。
手厚い…これは今後のキャリアにも活かせるサポートですね
成果表彰制度があると、「会社に人生の手綱を握られる」状態になる。SHEの社内制度
福田
SHEのなかで力を発揮できるのって、どんな人材なのでしょうか?
福田さん
「しなやかに、コトに向かえる人」ですね。
強く柔らかく、まわりを巻き込みながら、承認欲求で動くのではなく、本質的にコトに向かえる人をSHEは求めています。
じつはSHEでは、今期からMVPなどの成果指標だけで評価する表彰制度を辞めたんですよね。
福田
そうなんですか!?
でも、それだとメンバーのモチベーションが下がってしまうことはありませんか?
目標達成によるインセンティブがあるから頑張れているところもあるような…
福田さん
それって…会社にモチベーションを握られている状態ですよね?
「それってあなたの感想ですよね?」みたいな論破のされ方
福田さん
多くの企業は、表彰制度や評価制度により社員の承認欲求を満たす仕組みで運営をしていると思います。
でも、それがモチベーションになると「会社に認められるために働いている」状態になっているんです。
福田
たしかに…でも、それって何かいけないんでしょうか…?
福田さん
SHEでは「自分の人生の手綱を握り、最高の価値を発揮しつづける」という人事ポリシーに基づき組織づくりをしています。
それなのに、働いているメンバーは会社に人生の手綱を握られているというのはおかしいですよね。
だから、「会社に認められるために働く」ではなく、「自分のために働く」という状態になるよう、「自分らしさを発揮した人ほど評価される仕組み」を採用しています。
福田さん
もちろん、成果を上げることが一番自分らしくいられるという人もいるので、決してダメではありません。
ただ、SHEに入ると「成果や成長がすべて」という既存の価値観がガラッと変わると思います。
目指すは「令和のリクルート」。2022年は「熱狂できるコミュニティ」でつき抜ける
福田
最後に、SHEが2022年に成し遂げたいことを教えてもらってもいいですか?
福田さん
「令和のリクルート」になることです。
福田
「令和のリクルート」…?
福田さん
リクルートは「リクナビ(就活)」「ゼクシィ(パートナーシップ)」「SUUMO(住まい)」といった、人生の節目に必要なサービスを包括的に提供しています。
私たちも「女性の力で日本の国力を上げる」ことを見据えているので、そんな女性たちが本当の意味で自分らしく生きていけるように、今後は「子育て」や「お金のこと」など、人生におけるすべての課題解決に伴走できるプラットフォームを目指さないといけないと思っているんです。
大きく出た
福田
想像以上の期待感の高さです。
そのために目下挑戦していることは何なのでしょうか?
福田さん
テクノロジーを活用して、コミュニティの熱狂をつくることです。
SHEの強みは、“熱狂的なコミュニティ”ですが…
今運営している「SHElikes」では、「#シーライクス」というハッシュタグを使った口コミが毎月7000件以上も受講生によってSNSに投稿されています。
福田
毎月7,000件…!?
でもたしかに、ときどきTwitterで「#シーライクス」というワードを目にします。
福田さん
この熱狂を、AIを使って再現することが今後のチャレンジになっていきます。
たとえばコミュニティの盛り上がりって分解すると、人と人のマッチングなんです。
SHEでは独自のデータベースをもちいて、コミュニケーションの最適化をテクノロジーの力で実現しています。
「令和のリクルート」…まさにベンチャー企業としてのひとつの到達点ですね…
福田さん
だから2022年は「コミュニティテック」を強化したいと思っているので、ぜひエンジニアの方には興味を持ってもらいたいと思います。
もちろん、エンジニア以外にも人はまだまだ足りていないので、ビジョンに共感できた方はぜひ話を聞きにきてください。
「あなたらしく」働ける仕事を、SHEは提供します!
SHEに入れば、自分らしさが磨かれて、自分の今後の生き方や働き方が明確になる。
企業の採用ページで“自分らしく”という言葉はよく見るものの、サービスと一気通貫しているからこそ、SHEは本気で社員の人生を考えてくれる会社だと思いました。
〈取材・文=福田啄也(@fkd1111)/編集=サノトモキ(@mlby_sns)/撮影=杉本えみか(@emme_1818)〉
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