ビジネスパーソンインタビュー

“時間的渇望”を設計せよ。曽山哲人×マーケティングタウン代表が意気投合した「いい研修」の条件

研修に「ボードゲーム」が役立つってホント…?

“時間的渇望”を設計せよ。曽山哲人×マーケティングタウン代表が意気投合した「いい研修」の条件

新R25編集部

Sponsored by 株式会社NEXERA

2022/01/19

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人事・マネジメント担当のみなさん。会社の「研修」って、めっちゃ難しくないですか?

時間をかけてプログラムを用意しても、社員から「つまらない」「身にならない」「実務で使えない」などと嫌われがちな研修。

楽しくも学びもある“いい研修”なんて本当にできるのか…?

そんな悩みに一石を投じてくれるのが、経営視点を伸ばすビジネスゲーム研修「マーケティングタウン」

本企画では、マーケティングタウンを開発したNEXERA代表取締役社長・⾶⽥恭兵さんと、充実した研修制度で知られるサイバーエージェント人事統括・曽山哲人さんをお招き。

本当に「ボードゲーム」で、実践的な研修ができるの? そして、サイバーエージェントの人事トップの目線から見た「マーケティングタウンの“すごいところ”」とは? 

おふたりにお話を伺っていくと…いい研修にはある共通点があることがわかりました。

【左:⾶⽥恭兵(とびた・きょうへい)】株式会社NEXERA 代表取締役社長。2018年に同社を設立し、ビジネスゲーム型研修サービス「Marketing Town(マーケティングタウン)」を開発。サービスローンチから約2年で総受講者数は4000名を超える【右:曽山哲人(そやま・てつひと)】株式会社サイバーエージェント常務執行役員 人事統括。1999年株式会社サイバーエージェントに入社。インターネット広告事業部門の営業統括を経て、2005年人事本部長に就任。 現在は取締役として採用・育成などの取り組みに加えて、複数の著作出版やYouTube、ソーシャルメディアなどでの発信も積極的に行う

ボードゲームで経営視点が身に付く!? 新感覚の研修を実現する工夫とは

曽山さん

「マーケティングタウン」は僕も体験させてもらいましたけど、素晴らしいと思いましたよ!

飛田さん

ありがとうございます!

はじめに紹介すると…「マーケティングタウン」は、マーケティング・財務・経営戦略などのビジネススキルを体系的に学べる、ビジネスゲーム型の研修サービスです。

お持ちいただいた現物がこちら。一見するとおしゃれなボードゲームですが…

飛田さん

各プレイヤーは経営者となり、仮想の市場で会社経営をおこないます

3年間の会社経営を経て「一番高い営業利益を出せるのはどの会社か?」を競うのが基本的なルールです。

■マーケティングタウンの基本ルール

・プレイヤーは経営者として、仮想の市場で小売店を経営

・毎ターンごとに“
意思決定
”を1つ選び、アクションをおこなう

・選べる意思決定は「
市場調査・出店・広告・仕入・販売・資金調達
」の6つ

・「どの規模の店舗を出店するか」「どこに広告を打つか」といった
経営戦略
を練りながら、営業利益の最大化を目指す

さらに詳しいルールは、下の動画をチェック!

飛田さん

6つのアクションのうち、どれをどの順番で選べばいいか…といった“正解”は一切ないんです。

競合(他プレイヤー)の動き、キャッシュフローなどを見極めながら、自分で戦略を立てる必要があります。

運の要素に左右されがちな普通のゲームとは違い、経営思考に基づいた戦略性がなければ勝てないのが大きな特長です。

曽山さん

たしかこれ、ゲームだけじゃなくて「講義」もあるんですよね?

飛田さん

はい! マーケティングタウンは、講義とゲームを繰り返しながら進んでいきます。

講義では、「4P」や「3C」といったマーケティングの代表的なフレームワークや、PL(損益計算書)やBS(貸借対照表)、CS(キャッシュフロー計算書)といった財務3表、ポーターの基本戦略などの経営戦略について、ゲームと紐付けながら解説。

講義でインプットした知識を、ゲーム内ですぐにアウトプットする。その繰り返しで、ビジネスシーンで実際に使える“経験値”を積むことができます

曽山さん

ほ〜、素晴らしい!

「楽しそう」と思わせるゲーム性と、インタラクティブな“参加してる感”が研修には必須ですよね

ずっと聞いてるだけの研修は、人事の僕でも参加したくないですから(笑)。

曽山さん的「マーケティングタウンのここがすごい」①:“時間的渇望”を味わえる

曽山さん

僕、いい研修には必ず“時間的渇望”が生まれると思ってるんですよ。

曽山さん

一瞬で時間が過ぎて「え、もう終わっちゃうの?」と“ちょっと物足りない感=渇望”が残るほうが満足度が高いんです。

いくら「楽しい」と思わせる工夫をしても、テンポが間延びしちゃうと水の泡になっちゃうので。

飛田さん

時間的渇望、キラーワードですね…!

曽山さん

終了後のアンケートで「時間が足りなかったです」って書かれてたら「おぉ!それだけよかったということか!」って前向きに捉えて、改善を重ねるようにしています(笑)。

曽山さん

その点、マーケティングタウンを体験して感動したのは、とにかく時間が一瞬ですぎていくこと。まさに“時間的渇望”を味わえるんですよ。

このゲームには答えがないから、最初のアクションは何をしよう? じゃあ次はどうする? ってずーっと脳をフル回転させなきゃいけない。

この盤上に、“ビジネスの面白さと難しさ”が詰まってると思います。

曽山さん

しかも、かなりスピーディな意思決定が求められますよね?

飛田さん

そうですね。大体1ターン10秒ぐらいで意思決定をしていきます

曽山さん

そのテンポ感が絶妙なんですよ! 急かされて焦りつつも「これがビジネスか…」みたいな(笑)。

飛田さん

マーケティングタウンの所要時間は、1ゲーム5〜6時間。長いと丸一日かかるので、研修のなかでもかなり長丁場なんですが…

それでもありがたいことに、研修後のアンケートでは98%以上の方が「もう一回やりたいです」と答えてくれています

曽山さん

それはすごいですね!丸一日が一瞬ですぎていく研修なんて、なかなかありませんよ。

曽山さん的「マーケティングタウンのここがすごい」②:“決断経験”を積める

曽山さん

もうひとつすごいなと思ったのは、ゲーム内で決断経験が積めること。

僕は、人材育成で一番重要なのは決断経験だといつも言ってるんですよ。

曽山さん

自分で決めた経験は、失敗しようが成功しようが、学習効果が非常に高いんです。

なぜかというと、必ず感情とセットになるから

「ウマくいった! 俺イケてるな!」とか「あ〜失敗した! 悔しい!」って感情が強くなればなるほど、記憶って定着しやすくなるんですよ。

飛田さん

まさにそうですね。僕らも、ゲームだからこそできる失敗もあると考えていて。

普段の業務だとリスクが高くてなかなかできないトライにも、ゲームなら思い切って挑戦できますよね。

飛田さん

ゲーム自体は擬似的でも、自らの意思決定と、そこから生まれた感情は本物です。

だから、僕らはマーケティングタウンで得られる学びを「擬似“経験”」と呼んでいるんです。

曽山さん

ほ〜。 “体験”ではなく“経験”なんですね。

5〜6時間があっという間に過ぎていくのは、決断経験を死ぬほど繰り返しているのも大きいんでしょうね。

だからシビれるし、大変だけど、学びも深い。素晴らしい設計だと思います。

スタイリッシュな見た目もこだわりのひとつ。有名ゲーム会社出身のデザイナー監修のもと、「やってみたい」と思わせるデザインを実現したそう

いい研修には“OKゴール”が必須。「マーケティングタウン」なら、迷わずゴールに向かえる

--(編集部)曽山さんが思う「いい研修の条件」をもう少し教えていただけますか?

曽山さん

一番は、「ゴールが定まっていること」。

僕は“OKゴール”という言葉をよく使うんですけど…

新卒研修でもマネージャー研修でも、必ず運営担当と「この研修が終わったあとに、参加者がどうなってたら“OK”なんだっけ?」とすり合わせするんです。

曽山さん

用意するコンテンツがどんな内容だろうと、場の雰囲気がマジメになろうとお笑い寄りになろうと、OKゴールに向かってさえいればいいんですよ。

逆に言うと、ゴールを見失ったまま楽しい雰囲気だけ作っても、結局シラけちゃうんですよね。

飛田さん

僕らもまさに、言葉を借りると“OKゴール”を意識していて。

クライアントさんごとに専属プランナーをつけて、「この研修で、組織として達成したいゴール」を必ず実施前にヒアリングするんです。

曽山さん

へぇ、面白い。クライアントによってかなり差が出そうですね。

飛田さん

まったく違います。「新卒にマーケティングや財務の用語を覚えてもらいたい」とか「これからリーダーを任せたい人材に経営の難しさを体感して欲しい」とか…

組織の文化や受講者によって、研修のゴールは大きく変わる。なので僕たちも、必ず最初にゴールをすり合わせるんです。

曽山さん

ただ、同じ「ゲーム」というツールで、まったく違うゴールを設計するのは大変じゃないですか?

飛田さん

そこがポイントでして(笑)。じつはマーケティングタウンは、企業によってルールをカスタマイズできるんです

飛田さん

たとえば財務知識に特化した研修なら、経営する会社のBSとPLを全部自分で書くルールにしてみたり。

ほかにも「仕入れ先が倒産する」といった偶発的な“外部環境のカード”を取り入れて、よりリアルな経営の苦しみを味わってもらうとか(笑)。

曽山さん

そんなことまでできるんですか! すごいなぁ。

--(編集部)曽山さんなら、どんなオリジナルルールを設けたいですか?

曽山さん

セキュリティ」とか「ガバナンス」の要素を入れてみると、今っぽくなりそうですよね。

セキュリティに投資していない会社には、情報漏えいのトラブルが降りかかって2回休みとか(笑)。

急に生々しすぎるルール

飛田さん

面白いですね! リスク管理も経営を左右しますし。

曽山さん

今はそういう“守り”の側面も経営の重要なポイントなので。みんな他人事だと思いがちだからこそ、こういうゲームで学べたらいい教訓になりそうです。

これからは“楽しみながら学ぶ”研修がスタンダードになる

曽山さん

マーケティングタウンには、オンライン版もあるんですよね?

飛田さん

はい!リモートで使えるサービスもあります。

オンラインの場合、1人で経営するだけだと熱量が生まれにくいので、チームで会社を経営するというかたちを取りました。

飛田さん

メンバーはチームで会社の方向性や戦略を話し合い、オフライン版同様に意思決定をおこないます。

戦略会議では、最終的にどんなアクションを取るかはメンバー1人ひとりに委ねられているんです

曽山さん

これ、実際のアクションは1人の意思に委ねられてるのが絶妙なんですよ!

「あ、それを選ぶんだ? 攻めるね〜」とか「この人は守りに入るタイプなんだな」とか、メンバーの特性が手に取るようにわかる

チームの相互理解が進むという点で、オンライン版もすごく面白かったです。

ちなみに曽山さんはどんな戦略を取るんですか?と聞いたら「めちゃくちゃずる賢いと思う(笑)」とのこと。敵に回したくないな…

曽山さん

今はすべてが“バレる時代”になっていて。極端だけど、パワハラやセクハラがあれば、あっという間に録音やスクショが広まる時代です。

逆に言えば「社員が楽しそう」なこともポジティブにバレていくんですよ。

曽山さん

「あそこの会社の研修はすごいらしい」みたいな話もどんどん漏れていくし、そういう会社はどんどん採用力が強くなっていきます

だからこそ、マーケティングタウンのような“楽しみながら学ぶ”研修がスタンダードになっていくと思いますよ。

マーケティングタウンはすでに人気だと思いますけど、こういう楽しい研修がもっともっと流行ってほしいですね!

マーケティングや財務の基礎知識から、ヒリつく経営戦略の“リアル”まで…マーケティングタウンで学べること、目指せるゴールは多岐にわたります。

曽山さんいわく「一瞬で時間がすぎていく」というゲーム型研修を取り入れて、“嫌われ者”の研修を、価値ある姿にアップデートしてみませんか?

〈取材・文=石川みく(@newfang298)/編集=サノトモキ(@mlby_sns)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉

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