ビジネスパーソンインタビュー
平塚 知真子著『Google式10Xリモート仕事術』より
リモート会議の効率改善できるGoogleの“仮想ホワイトボード”とは
新R25編集部
多くのビジネスパーソンは、毎日Googleのサービスを使っているでしょう。
Gmailはもちろんスプレッドシートやドキュメント、スライドなど、ビジネスを進める基礎ツールとして活用しています。
しかし、これらのGoogleのサービスをすべて使いこなせているか?と聞かれて、自信を持って回答できる方は少ないはず。
実はGoogleにはこれらのサービス以外にも、会議を円滑にすすめるためのツールや、タスク管理にうってつけなメモツールもあります。
そんなGoogleのツールを使いこなすための指南書となるのが、昨年11月に発売してから現在第4刷まで決定している『Google式10Xリモート仕事術』です。
Google認定パートナーの平塚知真子さんは、同書のなかで「ツールを使いこなせば、リモートワークでも劇的に生産性が向上する」と語っています。
今回は同書より、Googleサービスを使いこなすためのノウハウを複数記事でご紹介します。
リモート会議は、かゆいところに手が届かない!?
多くのビジネスパーソンが、モニターごしのコミュニケーションを強いられながら、リモート環境でも以前と同じ生産性を求められています。
その中で最も悩ましいのが「リモート会議」。
私のまわりでも、対面よりリモート会議のほうが疲れるという人が多いです。
では、リモート弱者の最大の悩みとは何でしょう。
ひと言で言えば、かゆいところに手が届かない歯がゆさだと思います。
(対面しないので)「意見がまとまりにくい」(移動がないので)「会議の回数だけは増えたけれど、内容が充実しない」
もしマネジャーとして部下をサポートし、チーム全体で目標達成に導きたいなら、そろそろリモート弱者を卒業しましょう。
強力なのに存在を知られてない「Jamboard(ジャムボード)」
会議の肝心要の「〇〇」とは何でしょうか。
「収束」です。
明日の一歩をどう踏み出すのかが決まらないと、会議の意味がありません。
しかし、現状では、メリットもデメリットも、意見も感想も空中戦。
チャット上の発言も文字の羅列でどんどん流れていくので、会議を収束させるのは至難の業。
どうやって会議を収束していけばいいのでしょうか。
これが、リモート会議の最大のアキレス腱といえるでしょう。
出された意見、ひらめいたアイデアを実行に移し、成果を出すには取捨選択が必須。
そんなときのお役立ちツールが、ポスト・イットⓇ、つまり付せんです。
付せんなら、貼ったりはがしたりと、場所を自由自在に変更できます。
優先順位を決めるときなども、位置を移動させることで、思考が集中していきます。
対面会議では、一堂が会する会議室のホワイトボードを使って、付せんによる整理法でうまく収束できました。
しかし、リモート会議では非常に難しい状況です。
こんな状況では、目には見えない情報整理の達人・リモート強者でも、もしやお手上げ?
いえいえ、ご安心ください。
Googleには、デジタルホワイトボードツールがあるのをご存じでしょうか。
敏腕経営コンサルタントも絶賛!サクサク動くJamboardを紹介しましょう。
リモート会議の最難関「合意形成」もラクラク
Jamboardは、共同作業に最適なデジタルホワイトボードです。
リモートからでも、リアルタイムでカンタンにアイデアを形にして共有できます。
Jamboardの「Jam」とは、ジャム・セッションなどで使われる「即興的」という意味。
そしてJamboardでは、ファイルのことを「Jam」と呼び、1枚1枚のページに相当するものを「フレーム」と呼んでいます。
一つのJamにつき最大20フレームを作成できます。
Jamは「共同編集者」を指定でき、一つのJam上で最大25人が同時に作業できます。
従来は、会議前に紙の付せんを各色準備する必要があり、終了後は付せんを捨てていました。
「時間切れ、続きは次回」というときも、付せんをそのままにしておくわけにはいきません。
一つでも付せんがなくならないように気を遣いました。
一方、Jamboardは動作が軽く、スマホでも低スペックなノートパソコンでも、サクサク動きます。
離れた場所でも同じホワイトボードを見ることができます。
また、Jamは保存できるため、会議が中断したとしても、すぐに再開でき、アイデアが途切れることはありません。
PDFや画像としても保存できるので、共有や管理のストレスがゼロです。
ホワイトボードの写真を撮って、後から送り合うようなことも不要になります。
あなたの[ランチャー]にも、Jamboardのアイコンが隠れていませんか?ぜひ、開いてみてください。
【図1】のとおり、画面左にタテに表示されているアイコンから、ペン、消しゴム、付せん、画像、ポインタなどが使えます。
付せんは正方形のみ、4種6色という制約があるからこそ、デザインの詳細にとらわれず、参加者の意識がコンテンツに集中します。
Jamboardのシンプルさ、軽量さのおかげで、ブレストやまとめの「作業に集中」できるのです。
【図1】Jamboardの基本操作
また、Jamboardの付せんは、後からでも色を変えられるので、最終的に意見やアイデアをグルーピングするときにも、きれいに表示できます。
リモートでも同じ景色を見ているからみんな納得
さて、会議の場面に戻りましょう。
Jamboardを立ち上げ、画面共有したら、こんなふうに声をかけて始めます。
「チャットで出された意見の中から、対策が必要なことやお悩みだけを拾い上げていきます」
まず、参加者の目の前で、チャットに出された意見を絞り込み、Jamboardの四角い付せんに短い言葉で改めて「見える化」していきましょう。
こうすれば、リモートでも画面共有されたJamboardに参加者全員の意識を集中させることができます。
【図2】のように、カメラでホワイトボードを映すよりも断然見やすいです。
【図2】Jamboardに意見を付せんで書き出す(順不同で見える化)
この状態で、会議で出された意見をもう一度、全員で振り返ることができます。
このように、あえて同じ色の付せんでどんどん書き出します。
この後、収束のテクニック、「分けて、捨てる」を実践していきましょう。
①2分法と②マトリクスの2つの技法で「収束」をアシストしていきます。
①2分法
真ん中に、ペンを使ってタテに一本線を引きます【図3】。
【図3】2つに分けて、付せんをドラッグで移動する(分けて、捨てる)
このとき、「付せん」の存在は気にしなくてOK。
付せんを移動させるとわかりますが、付せんの上に線を引いても、色はつきません。
これで画面が2つに分かれました。
ここで、たとえば、左側を「お金も時間もかからないこと」、右側を「お金も時間もかかること」に分けます。
そして、参加者の目の前で付せんを「これは、右」と「これは、左」とマウスの「左ボタン」を押したまま、マウスポインタを目的の場所まで移動させ(ドラッグ)、移動できたら「左ボタン」を離す(ドロップ)という操作で、分類していきます。
目の前にある付せんが動き、分類されていく様子は、視覚で確認できるので、わかりやすく楽しいものです。
2つに分けただけなのに、分けた瞬間に参加者の頭の中が整理され、一つ上のレベルで優先順位が見える化されるのが、Jamboardのすごいところです。
賛成と反対、理想と現実(現状)、メリットとデメリットなど、対立軸を明らかにし、議論の中で出てきた意見を付せんにして、フレームの中を移動させます。
付せんの色は、クリックでカンタンに変えられますし、色に意味を持たせ、さらに絞り込んで分類することもできます。
その意見がどちらに入るのかわからない場合は、あえて参加メンバーに問いかけましょう。
メンバーを巻き込むこのひと手間も、議論の収束をカンタンにするコツの一つです。
②マトリクス
テーマによっては、単純に意見を2分できないものもあります。
そこで有効になってくるのが、マトリクスです。
マトリクスは、次のようにタテ軸とヨコ軸に矢線を引きます【図4】。
【図4】マトリクスは2軸で分類する
比較検討の目的に応じて重要となる要因を考え、参加者にも伝えます。
ここでは、タテ軸を「重要度」、ヨコ軸を「緊急度」にしてみました。
付せんを移動しながら配置していくときには、どちらかの軸の度合が明らかに大きい/小さいものから順に取り上げていくとやりやすいです。
これまでの会議でもやっていた「分けて絞る体験」が、クラウドを使うとまったく新しい体験として生まれ変わることに、参加者たちも新鮮な驚きを感じるはずです。
ここまでにどんな意見が出たか。
そしてそれらの意見に対し、結論はどうなったか。
会議で堂々巡りをしないためにも、参加者に確認を取りながら、視覚的に情報を共有し、スマートに収束させていきましょう。
Googleで効率化
誰もが一度はGoogleを使ったことがあると思います。
ですが、今回紹介した方法の中でも、“便利なのに知らなかった知識”があったのではないでしょうか。
同書では、そんな誰もが知らないGoogleの底知れぬ実用法がたくさん紹介されています。
IT化が進む今だからこそ、ぜひ同書を手にとってGoogleをフル活用してみてはいかがでしょうか。
あなたの生活にイノベーションが起こるはずです。
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