ビジネスパーソンインタビュー
樺沢紫苑著『精神科医が見つけた3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』より
「お金を稼ぐ」「お金を増やす」は「幸せ」に直結しない。精神科医が教える“幸せになれるお金の使い方”
新R25編集部
「仕事を一生懸命頑張れば、幸せになれる!」
そう信じて、日々業務に勤しんでいる方も多いのではないでしょうか?
しかし精神科医の樺沢紫苑さんは、「よくある“幸せになる方法”は、たいてい間違っています」と言います。
頑張っても幸せになれないなら、何をすることで幸せになれるのでしょうか...?
樺沢さんの著書『精神科医が見つけた3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』より、精神医学・脳科学に基づく実用的な「幸せになる方法」について一部抜粋してお届けします。
「稼ぐ人」ではなく「使い方が上手な人」が幸せになれる
「幸せとは何ですか?」
そう質問をした場合、「お金」と答える人は多いでしょう。
最初にハッキリ言いますが、「お金をたくさん稼げば幸せになれる」は間違いです。
「お金持ちになっても幸せにはならない」というのが、多くの幸福心理学の研究が示す現実。
お金の「所持量」が多いほど幸せになるのではなく、「使い方」が上手な人がお金で幸せになれるのです。
つまり、給料や貯金が少なくても、上手にお金を使えば幸せになれる。
年収が高く、貯金が多くても、「使い方」が下手な人は幸せにはなれません。
お金の「所持量」は、単なる数字(パラメーター)、つまりドーパミン的幸福の最たる例ですから、その喜びは瞬時に劣化するのです。
お金は上手に使うことで、今この一瞬の「満足」「喜び」を手に入れることができます。
ほとんどの人は「お金を稼ぐ」「お金を増やす」ことに注力しますが、「お金の使い方」には無頓着。
それが、お金で幸せになれない理由なのです。
正しいお金の使い方さえすれば、誰でも、そして今から、幸せになれます。
一番無駄なお金の使い方は「貯金」
「貯金」は、「パラメーター増やし」なので、数字が増えていくたびに「喜び」を感じますが、それは虚像。
一瞬の満足感であって、すぐに「もっと」増やさないと満足できなくなります。
「貯金する」というのは、「未来の自分を信じていない」という意味なのです。
「未来の自分」を信じられないし、「今の自分」も信じていないわけです。
自分を信じられないので、「自己投資」も「チャレンジ」もしない。
それでは、今以上に幸せになることは、無理ではないでしょうか?
幸せになるために最も効果的なお金の使い方は、3つの「自己投資」
経済動向や社会的な大事件によって暴落する「株」や「金融商品」と比べて、最も安全で、確実でコントロール可能な投資先。
それが「自分」です。
私が年に何冊も本を書けるのは、今までの「読書」の蓄積があるから。
私の脳の中には、数千冊分の「脳内図書館」が構築されていて、それはかけがえのない財産です。
私が本を出版し、情報発信をして、そこそこ活躍できているのは、20代、30代に読んだ本が全て基礎になっています。
その価値を「高める」も「低める」も、全て自分の行動しだいであり、自分が全権を握っています。
① 「物」ではなく「経験」を買う
「物を買うよりも、経験を買ったほうが、幸福度は長続きしやすい」
幸福研究でそう明らかになっています。
実際、私は「物」に全く興味がありません。
「情報」「知識」「体験」「経験」を得ることに、大きな価値を感じます。
なぜならば、「経験を買う」ことは、結果として「自己投資」につながるからです。
なので「おいしいものを食べること」や「海外旅行(未知の体験)」がものすごく楽しいし、圧倒的な幸福感を感じます。
「物」は蓄積されると「邪魔」にしかなりませんが、「経験」は蓄積されると、強力な「武器」になります。
幸せになる物の買い方とは?
物欲をどのようにコントロールすれば幸せになるのか。
私たちは、毎日、物を買っていますから、「幸福になる物欲の使い方」「幸せになる物の買い方」がわかれば、日々の幸福度を大きくアップさせることが可能です。
靴や洋服、ファッションというのは、「見た目」に大きく影響を与えます。
ぼろい靴を履いていると、「それなりの人」に見られてしまう。
靴を磨けば、靴は長持ちします。
つまり、靴という「物」への愛着、愛情が靴磨き。
ピカピカの靴を履いている人は、見た目がカッコイイだけではなく、細部まで気の届く人というポジティブな印象や「仕事ができる人」という印象を与えます。
つまり、「靴磨き」によって、「つながり」「交流」が促進され、オキシトシン的幸福を増やしてくれる、というわけです。
「靴」など「物」へ感謝する気持ちのある人は、当然、人間にも感謝の気持ちを忘れないはず。
「物を手入れする」「物を大切に使う」というのは、物への親切。
オキシトシン的幸福につながる行為と言えます。
② 「時間」を買う
1日は24時間しかありません。
貧乏な人も大富豪も、時間だけは平等なはず。
しかし実際は違います。
お金があると「時間」を買うことができるのです。
自分にとって面倒な仕事や苦手な仕事、やりたくないことは、全て「外注」に出せば、実質的に「時間」を買うことができます。
得られた時間を、あなたの「得意な分野」に注ぐことで成功のスピードは加速し、より大きな「成功」や「お金」を得ることができます。
しかし、この「お金で時間を買う」のが不得意な人が多い。
私の友人の経営者を見ても、「それ、社長みずからやる仕事じゃないよね」ということを、わざわざご本人がやっていたりする。
かくいう私も、外注が苦手でした。
今は、面倒な仕事は、全て外注秘書に委託していますので、私は「雑務」「雑事」から解放され、「本の執筆」と「情報発信」に集中できる。
結局、よりよい本が書けるし、よりよい情報を大量に配信できるという、成功スパイラルが回るのです。
家事が苦手であれば、家事代行サービスもあります。
世の中、ほとんどの雑用は外注できます。
「時間」は、成功のための特急券です。
その大切な大切な時間が、「お金」で手に入るわけですから、「お金で時間を買う」は、最も有意義なお金の使い方の1つです。
③ 「セロトニン的幸福」「オキシトシン的幸福」に再投資する
あなたがある程度お金が得られるようになってきたなら、そのお金はセロトニン的幸福(心身の健康)と、オキシトシン的幸福(他者とのつながり)のために使うべきです。
「ドーパミン(成功)の高層ビル」を建設するためには、しっかりとした「土台」が必須です。
精神科医が見つけた3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法
本当に、これを間違える人が多い。
お金もあり社会的成功もしているのに、睡眠を削って、休養も削って、病気で倒れる人がいます。
「セロトニン的幸福→オキシトシン的幸福→ドーパミン的幸福」の順に目指せと言いましたが、ドーパミン的幸福がある程度得られたなら、最初に戻ります。
もう一度「健康」を見直し、「つながり」を見直し、幸福の基盤をゆるぎないものにしながら、さらに「仕事」を頑張っていく。
得られたお金を、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福に再投資することで、お金の循環、幸福の循環は大きく拡大していくのです。
精神科医が教える「幸せになるための実践的なガイドブック」
「私たちは漠然とした『幸せ』を強く望むものの、具体的に何をすれば『幸せ』になるのかをわかっておらず、間違った努力をして『幸せ』への道筋をおそろしく遠回りしている」と樺沢さんは言います。
同書は、ありきたりの「幸福論」ではなく、精神医学・脳科学に基づいた「幸せになるための実践的なガイドブック」として、「幸せ」への道筋がハッキリと示されている一冊です。
仕事や学びと密に結びついている「幸福」の正体について、同書で学んでみませんか?
ビジネスパーソンインタビュー
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