ビジネスパーソンインタビュー
早野實希子著『世界一予約のとれない美容家が教える 生き抜く人がしている68の行動』より
国際問題を先読みして大富豪に。成功者が持ち合わせている「予測感覚」とは
新R25編集部
英国王室御用達医師が主宰のサロンや、ロンドンの五つ星ホテル「The Lanesborough Club & Spa」で活躍している美容家の早野實希子(みきこ)さん
早野さんはオスカー女優や、政治家、企業家、王族貴族など、数々の大物を相手にするなかで、成功する人たちに共通するマインドや行動を見つけることができたといいます。
早野さんの新著『世界一予約のとれない美容家が教える 生き抜く人がしている68の行動』のなかより、私たちもすぐに取り入れることができるノウハウを一部抜粋してお届けします。
「空気を読みすぎない」が未来を変える
空気を読むことは円滑なコミュニケーション、ひいては仕事での成功に結びつく大切な能力ですが、ある起業家の方が意識しているのは「空気を読みすぎないこと」。
特に世間の空気に巻き込まれると、未来を予測する力が衰える、と多くの成功者はおっしゃいます。
他者の一歩先を行くには、ロジカルではない「意外な発想」が必要になります。
「時代がこうだから」という発想では、先行することはできません。
予想もつかない状況になると、理論だけでは対処できないのです。
ある起業家の方は、まわりに起きる小さなことにヒントがある、とおっしゃいました。
たとえば、ペットショップが同じ通りに二軒できた、デパート1階の売り場が変わったというようなわかりやすい変化から、長く使ってきた基礎化粧品に違和感を感じたなど。
見たとしても、そこから何かのきざしを感じとることができるかどうかは、心の柔軟性と発想力によるものです。
“予測感覚”を磨く
少し違うかもしれませんが、私の更年期対応について、話させてください。
母が更年期がきつかったので、私は30代の頃、いろいろと対策を練っていました。
35歳のプレ更年期は準備もあったのか軽く乗り切れましたが、そのときに気づいたのが、理論と実際は異なる、ということでした。
更年期の医学的知識はあり、ホルモンがどうなっているか、その後どうなるかは予測がつきますが、自分の身体に起きる症状がいつどうなるかは、まったく予想できません。
体質、栄養などは分析できても、その症状は千差万別なので、現実、自分自身に対応できるかというと疑問です。
トータルに考え、今後こうなるだろうという予測感覚をさまざまに準備し、対応することが必要だと感じました。
社会の変動、リーマンショックやコロナ禍など、想像を超えること、その後の展開やスピードも見えない時が多々あります。
そんな場合、世界規模の引っ越し会社オーナーの方は、まわりの小さな出来事に注意深く気を配り、前倒しでいろいろなことを準備しておく、今すぐ役に立たなくても、勉強、調査はしておくこと、それが成功した要因の1つだと言っていました。
出身国がEU加入という大変動をチャンスにして、大富豪になった方の言葉です。
彼は、お子様が病気になったのを機に、そもそも当たり前に自分に与えられていると思っていたものすべてに疑問を持ったそうです。
そのときに貨幣制度や銀行制度について研究、人もふくめた準備(金融制度が変わったときに対応できるスタッフ、国際的なビジネス能力のある弁護士などのサポート体制など)まで考えたきっかけの1つが、今まで当たり前に受容していたもののありがたさと同時に、はかなさを知ったことでした。
結果的に経済的に大成功をされ、お子様はまだ闘病中ですが、病気を通じてチャリティ財団を設立、研究にも支援されています。
お金を儲けるのではなく、自分のように子どもの病気に苦しむ誰かの役に立ちたいという思いが、ビジネスを深く大きくしてくれたとおっしゃいます。
また、ある方は、母親の介護をきっかけに介護ビジネスを起業し成功されています。
基本は皮膚を触ることによる感覚だった、と言います。
毎日触れることで、今後を予測し、準備しておく。
毎日作業をこなすようにただ触れるのではなく、肌の調子、息遣いなど、ディテールを日々感じること。
食事をするときの咀嚼する音、飲みこむ様子、身体を起こすときの筋肉の力の入り方など。
精神的な変化も、話しかけることで読み取るようにする。
人の体調は突然変わるのですが、きざしは少しずつ表れているものです。
だからこそ、不意打ちのように訪れる不測の事態にも対応できるのだそうです。
極限の状況に追い込まれた状態から生まれたサバイバル感覚とも思います。
予測感覚を磨くということでは、歴史小説を読まれる経営者も多いようです。
大変動でどう対応したか、いい小説はその時代の空気もわかるのだとか。
ロールモデルを設定し、注目する。
本やネットなどで気になる人の半生記を読むなども考えられます。
先に、予測感覚はサバイバルの訓練と言いましたが、たとえば交差点に立つとき、一番前やガードレールのないところでスマホを見ている。
想像すればどんなに危険なことかわかるでしょう。
事故が起こる確率は低いから大丈夫と思われるかもしれませんが、その一度が自分の身に起こったことを想像すれば、行動はおのずから変わってくると思います。
準備とは、そういうことなのです。
背負えるキャパシティを広げる「わらしべ長者」
わらしべ長者というおとぎ話があります。
一本のわらしべを交換することで、やがては長者(=お金持ち)になる、というサクセスストーリーです。
一見ラッキーなだけに思われるかもしれませんが、成功するための示唆に満ちていると思います。
よほど恵まれた人でないかぎりは、スタートは誰しも小さいところからでしょう。
交換するものを大きくするには、タイミングもありますが、自分が持っているものを的確に評価し、どうすれば必要とされるものになるかを考え、育てておく必要があります。
それが、「予測感覚」と言っていいかもしれません。
交換するものは、仕事の対価や地位などさまざま。
ぼーっと現状のまま待っていても、何も変化はありません。
別の会社に転職する、大きなプロジェクトに参加するにしても、相手が自分の今の力に合ったとみなしたものとしか交換できないのです。
そして交換するものは、一緒に行動してくれる人、助けてくれる人、情報をくれる人などがいることで、よりいっそう大きなものになるのではないでしょうか。
幸運は誰にでも訪れるものだと思います。
それを生かせるかどうかは、それを「さっとつかむ力」を蓄えているかによって左右されるのだと思います。
アメリカのお客様から聞いた、とあるサクセスストーリーをご紹介します。
現代版わらしべ長者です。
郊外に住んでいるある女性が、友人に手作りクッキーをあげたところ、お礼にヒヨコをもらいました。
育てるうちにかわいくなって、数羽飼うようになりました。
やがて卵をたくさん産むようになり、とても食べきれなくなって、マヨネーズを作り、友人におすそ分け。
マヨネーズ作りにもいろいろ工夫をして、サルサソースを混ぜたものをメキシコ系の友人にあげたところ、とても気に入ってくれたそうです。
それがそのまた友人のメキシカンレストラン経営者の元に。
そのレストランで、サルサマヨネーズのボトルをテーブルに置くようにしました。
やがて評判になり、口コミでどんどん広まり、寿司ロールにも使われたりと、今は全米でも超有名な調味料になったそうです。
さて、これはラッキーなことでしょうか。
違います。
クッキーを焼く人はいくらでもいるでしょうが、それを広げていく能動性と工夫がなければ、単なる親切な隣人で終わっていたと思います。
つねにオープンマインドで、周囲と真摯に向き合う、目の前の人を大切にすることで、次々と新たなステップを超えられたのです。
ちなみにその方は、今でも、最初に自分のところにきたヒヨコに対する感謝の心で、チキンは食べないそうです。
“自分らしさ”が突破口
同書では厳しい世界で成功した人たちに共通していることの根本は「自分らしさ」だと紹介されています。
「何かに悩んだり、自分には今以上のものはできないという停滞を感じたときは、自らの素の五感を研ぎ澄ませることが突破口になると思います」
同書を読んで、本当の“自分らしさ”を突き詰めてみてはいかがでしょうか?
ビジネスパーソンインタビュー
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