ビジネスパーソンインタビュー
「彼らのことを、絶対守りたい」
「これを言えるのは、今の芸能界には俺しかいない」手越祐也が企む“世界をポジティブにする方法”
新R25編集部
説明不要のカリスマアーティスト、手越祐也。
今年6月に自身のYouTubeチャンネルを開設し、今後の活動などについて語った「緊急記者会見」のライブ配信動画は1000万再生を突破。ほかにも時事ネタを斬る動画をアップするなど、その自由なスタイルにますます称賛が集まっています。
【手越祐也(てごし・ゆうや)】1987年生まれ、神奈川県出身。2003年デビュー。2020年6月には自身のYouTubeチャンネル、Twitterアカウントを開設
手越さんの魅力は、なんといってもその突き抜けたポジティブさ。
いつでも明るく元気で、落ち込む瞬間なんて微塵もなさそうな手越さんですが…独立直後に公開した動画では、「俺だって怖いよ、正直。めちゃくちゃ怖い」と語る場面も。
そこで今回新R25は、「手越流・ポジティブに生きる秘訣」を本気で掘り下げました。
・「手越さんが企む、“世界をポジティブに変える方法”とは?」
・「苦しいときに自分をポジティブに持っていく方法とは?」
・「自分の未来をポジティブに信じる方法とは?」
スーパーポジティブ・手越祐也の真髄、新R25が全力でお届けします。
〈聞き手=サノトモキ〉
「僕がお茶の間を、世界を、もっとポジティブに変えていきます」
サノ
今日は、手越さんの「ポジティブさの秘訣」を伺いにきました!
よろしくお願いします!
手越さん
わかりました! よろしくお願いしまーす!
「よろしくお願いしまーす!」で手ぇ合わせてる…ダメだかわいい…
サノ
手越さん、記者会見で「活動を通して、人にポジティブなエネルギーを与えたい」と言ってましたよね。
具体的に、どういうイメージを持っているんですか?
手越さん
まずは、俺ががむしゃらにチャレンジする姿を見て、一人でも「自分も前向きに挑戦してみよう」と思ってくれる人がいたらうれしいですね!
そのために、歌もYouTubeも全力でやってるんで。
今回の取材も明るく全力対応してくれる手越さん。筆者ちょっと光合成してる気がします
手越さん
ただ、僕がポジティブにしていきたいのは、自分を応援してくれる人だけじゃないのね。
僕は、芸能界全体をポジティブに変えて、お茶の間を、世界をもっとポジティブに変えたいと思ってます。
サノ
規模が大きい話になってきた…。どういうことですか?
手越さん
今って、いろんな人が何か問題を起こすと、その人が活動できなくなるまで叩いたりするじゃないですか。
僕はこれ、すごくネガティブな空気だなと思うんですよね。
人の不幸で、自分が幸せになんてなれないのに。
手越さん
芸能人が活動自粛になることで、国民全員の懐にお金が入ったりするならわかりますよ?(笑)
でも、1円も入らないし、叩いてる人たちの人生は1mmも明るいものにならない。
だったら、「そのぶんもっと頑張っていいパフォーマンス見せなさいよ」って言ってやったほうが、圧倒的にポジティブな世の中になると思うんですよね。
サノ
なるほど…! 叩いて誰も得せず終わるより、そっちのほうがハッピーかも。
手越さん
個人的には、「謝罪会見」もわざわざ開かなくていいじゃんって思う。
不倫してしまった方が「ご迷惑おかけしました」って謝ってますけど、実際俺らの生活には何のプラスもマイナスもないじゃないですか。
「いやいや! ご迷惑こうむってないよ!」って思うんですよね。
「事務所、仕事の関係者、ファンのみなさん。そこにはしっかり謝るべきですけどね」
サノ
でも、この空気はなかなか変えらないですよね…
手越さん
いや、僕は本気で変えていきたいし、変えられると思ってます。
!?
手越さん
僕、芸能界を変えるのは「先輩」の立ち振る舞いだと思ってるんです。
サノ
先輩…?
手越さん
最近、先輩たちが後輩を守ってやる、っていう動きが少ないなと思うんです。
今、大御所と呼ばれてるような人たちも、長い人生のなかでいろんな失敗経験があったと思うんですよ。
番組の大御所コメンテーターとかが不祥事にあれこれ言ったりしてますけど、「いやアンタがそこまで言うか!?」って思うこともありますもん(笑)。
サノ
か、書けるかわからないレベルの本音が炸裂している!
手越さん
いや、もちろんダメよ!?未成年飲酒も不倫も、ダメなのは大前提。
でもみんな、週刊誌やアンチと一緒になって叩くでしょ。
スポンサーやテレビ局の“人形”になっちゃって、「弱っている人を守る」という動きをできる人が少なすぎる。
サノ
でもそう思ってても、やっぱり「別にこの人そこまで悪くなくない?」って言えない空気があるというか…
手越さん
そう。それが言える人って今の芸能界にいないと思うんですよ。地上波やってる人はまず無理。
でも、俺は言えるんですよ。フリーの、俺なら。
…!
サノ
つまり、手越さんがそういう存在になるってことですか?
手越さん
そうです。僕が「後輩を守る先輩」になって、芸能界を変えていく。
芸能人が叩かれたり、自死のニュースがつづいてしまったりしたときに、本当に思います。
「人生を棒に振るほど、追い込まなきゃいけなかったのか?」って。
サノ
…本当に、そうですよね。
手越さん
頭下げてる人に、さらに石投げて…イヤな気持ちになるじゃないですか。そんなテレビ、観てらんないですよ。
そう思ってる人はたくさんいると思うんですけど、誰も止められないんですよね。
だからこそ、僕が動きたい。
手越さん
これから多くの人の前に立つ仕事を目指す子や、もともといた事務所の後輩たちが20歳、25歳となって世に出たとき…彼らのことを絶対守りたい。
彼らが健全にパフォーマンスに集中できるような、生きやすい未来を実現したいんです。
その世界、誰も損しないんで。叩いてる人にとっても、人を叩く時間が減るって絶対プラスだと思うし。
サノ
叩いてる人にすら、ポジティブなエネルギーを与えようとしてるのか…
でも、手越さんがそういう存在になったら、後に続く人も増えそうですよね。
手越さん
誰かが言っちゃえばね。
最初の一人が出れば、“僕も私も”ってなりますよ。
まあその「誰か」になれるのは僕くらいしかいないと思うので、頑張りたいっすね。
明るい語り口でしたが、とても強い覚悟を感じました
手越流・ポジティブに生きる秘訣は「普段通り過ごす」
サノ
ちなみに…
そんな手越さんにも、「ポジティブになれない瞬間」ってあるんですか?
手越さん
僕も人間なんで、たまーにありますよ(笑)。
ただ、長続きはしないっすね。長くて1日、2日です。
サノ
はや! 引きずらないために何かされてるんですか?
手越さん
僕ね、ネガティブな気持ちに飲まれそうなときほど、「普段通りに過ごす」が大事だと思うんですよ。
手越さん
たとえば、入試の前日に不安だからって夜遅くまで勉強したり、ご馳走を食べて気合を入れたりしたら、余計ソワソワしちゃうじゃないですか。
落ち込んだときもそれと同じで、サッカーが趣味ならサッカーしに行って、お酒が好きなら仲間とぱーっとお酒を飲みにいったほうがいい。
家に閉じこもったりして、「普段と違う日常」を過ごしてしまうからこそ悩むんですよね。
サノ
なるほど…!
ちなみになんですが、手越さんが「人生で一番ネガティブになったとき」ってどんなときですか…?
手越さん
うーん…それはやっぱり、「家族の死」かな。
犬や父親が亡くなったときね。
父親は、僕が『イッテQ』の収録をしているときに亡くなったんですよ。
手越さん
前日に急に倒れて「危篤状態」と告げられたんですけど、仕事は空けられないから翌日も収録に行って。
途中でいったん抜けて病院に向かおうとしてるときに、母親から「お父さんが亡くなった」って電話があった。
サノ
そうだったんですね…
手越さん
「え、ドッキリかな?」と思ったんだよね。何の予兆もなかったから。
正直、ダメージはめちゃくちゃ大きかったんだけど…でも、そこでも「普段通りでいよう」って思った。
泣かないように、普段通りテレビ局に行って、普段通りにイッテQの収録をしました。
手越さん
喪主をしたときも、「みなさんのお気持ちはうれしいんですけど、親父は本当に明るい人だったので、できれば泣きながらじゃなくて、笑って送り出してあげてほしいです」って話しましたね。
ネガティブになりそうなときほど、「普段通り」を頑張る。
僕がポジティブでいるために心がけてるのは、これに尽きます。
“後悔のない決断”についてきいたら「アメリカ大統領」の話が出てきた
サノ
人生の一大事ということで言うと…
少しお聞きしづらいんですが、“独立”のときもポジティブに、普段通りに決断されたんでしょうか?
手越さん
うーん…やっぱり大きな決断だったんで、普段通りというのは難しかったかな。
18年間やってきた事務所を32歳で退所するという決断は、並大抵のものではなかった。
表には見せていない葛藤がたくさんあったんだろうな…
手越さん
嫌いで辞めたなら清々してると思うんですけど、実際そうじゃない。
人生でやりたいことを後悔なく挑戦し尽くすために、最終的に今の道を選びましたけど…
俺は誇りを持ってやってたし、両方やれるなら両方やりたかった。でもそれはルール的に許されなかったから、出ざるを得なかったんですね。
サノ
記者会見でも、想いはすごく伝わってきました。
後ろ向きな迷いもたくさんあったなかで…どうやってポジティブに決断をしたんですか?
手越さん
自分で選んだということが、責任につながると思ったからです。
なんて言えば伝わるかなあ~…
たとえば、「アメリカの大統領と日本の首相の選挙制度の違い」ってわかります?
サノ
手越さんからそんな「社会の授業」みたいな質問が来るとは…
これ答えられないと恥ずかしいけど、なんだっけ…
手越さん
「誰が選んでるか」が違うってやつですね。
アメリカの大統領は、国民の投票によって選ばれるでしょ。自分たちの1票でリーダーを選んでるから、国民にも少なからず責任感がある。
アメリカ大統領選は、「どちらの候補に投票するか明言している“選挙人”」に国民が投票するので、実質的な直接選挙制といわれています(調べた)
手越さん
でも、日本の首相は国会で政治家によって選ばれますよね。
国民一人ひとりが投票して首相を選んでる実感がないから、何かちょっと問題があるとすぐ「ふざけんな」って声が上がってしまう。
何が言いたいかというと…自分で選んだほうが結果に責任を持てるし、責任を持てたほうが後悔がないと思うんですよ。
サノ
…!
手越さん
僕の友人は基本、経営者とか歳上の先輩方ばっかりなんですけど、年を取ってから「やらない後悔」を引きずってる人ってすごく多いんですね。
いろんな人を見ていて、もしコロナが長引いて“2年後もライブできない”みたいなことになったとき、自分も「あのとき動いとけばよかった」って後悔するのが見えたんです。
手越さん
何かを選べば必ず「いい結果」も「悪い結果」も生まれるけど、自分で選んだほうが「悪い結果」も“自分のもの”として納得して背負っていける。
そう思ってるからこそ、自分が選びたい未来をポジティブに信じられたのかな。
サノ
なるほど…!
ポジティブでいる方法、ポジティブな未来を信じる方法、そして世界をポジティブに変える方法。
今日はとても大切なお話をしてくださって、ありがとうございました! これからも応援してます!!
手越さん
僕も落ち込んだりしますけど…今まで通りついてきてくれたファンの方、「自分もチャレンジしたい」って新しくついてきてくれた方も、すごくたくさんいるんで。
もう、やるだけっすね。
これからもがむしゃらにチャレンジしていくんで、見守ってもらえたら!
取材をしながら、手越さんのポジティブさは、“人柄”であると同時にひとつの“覚悟”であるようにも感じました。
いつでも強くいられるわけじゃないし、当然不安にもなる。
それでも、「お茶の間を、芸能界を、世界を明るくする」という信念を貫くために、「前を向いて、ポジティブに生きる」という生き様を見せつづけたい。そんな熱い覚悟を、僭越ながら筆者は(勝手に)感じてしまいました。
受け取ったエネルギー燃やして、これからも頑張るぞ!
〈取材・文=サノトモキ(@mlby_sns)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉
手越祐也チャンネル
手越さんのYouTubeチャンネルはこちらから!
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