ビジネスパーソンインタビュー
親孝行って、何すればいいの?
「お金の相談をされたことで、親の見方が変わった」つるの剛士に聞く“親孝行”の価値観
新R25編集部
みなさん、親孝行してますか?
「親孝行しなきゃ」と思いつつ、なかなか行動に移せていない方も多いのではないでしょうか…?
かく言う筆者もそのひとり。「なんだか気恥ずかしい」「具体的に何をしたらいいのかわからない」という思いから、親孝行へ一歩踏み出せずにいます。
そこで今回は、大人の親孝行を後押しする大東建託の協賛で、親と仲良しなつるの剛士さんにインタビュー!
「うまく親孝行する方法」について話を聞きにいったんですが、取材開始と同時に思わぬ一言が…!?
〈聞き手=森久保発万(新R25編集部)〉
【つるの剛士(つるの・たけし)】『ウルトラマンダイナ』のアスカ隊員役を熱演して一躍注目を集めたのち、2008年に「羞恥心」を結成しリーダーとして活躍。現在は歌手、俳優、バラエティタレントとして幅広いフィールドで活躍中。将棋、釣り、サーフィンなど趣味も幅広い
森久保
今日は「うまく親孝行する方法」について、つるのさんに聞きにきました!
つるのさん
うーん、親孝行ねえ…
つるのさん
いきなり悪いんだけど、そもそも「親孝行」って言葉自体、なんかおかしくない?
森久保
おかしい…?
つるのさん
だって、親に優しくするのなんて当たり前じゃん!
僕はたしかに親と仲良しだけど、それをわざわざ「親孝行してる」なんて恩着せがましく思ったことはないですよ。
森久保
な、なるほど…
ただ一般的には、その“当たり前のように親に優しくする”っていうのができないんですよね…
つるのさんが語る「自然に親孝行ができるようになる“意識”の持ち方」って?
森久保
つるのさんのように、自然に親孝行できるようになるには、どうしたらいいんでしょうか?
つるのさん
そうだねえ…
“親もひとりの人間だ”と意識すると、接し方が変わってくるかもね。
森久保
親もひとりの人間…?
つるのさん
うちも昔は、親との関係性が今とはちょっと違ったの。
「親への接し方」がガラッと変わったタイミングがあって…
つるのさん
うちの親父は銀行員で、けっこう厳格なタイプだったんですけど、僕の夢をすごく後押ししてくれたんです。
僕は高校生のとき「芸能界に入りたいからまわりと違うことをしよう」と思って、ピアスをあけて青いカラコンをしてたんだけど…、親父は「男ならやりたいことをやれ」って言って、何ひとつ干渉してこなかった。
森久保
いいお父さんですね…!
つるのさん
もうひとつ、高校2年生のときに、魔が差して他人に迷惑をかけてしまって…両親が呼び出されるくらいの事態になったんです。
つるのさん
僕は「本当に悪いことをしてしまった」とすぐに我に返って、めちゃくちゃ怒られると覚悟しました。
森久保
それは大変だ…
どうなったんですか?
つるのさん
でも、親父は一切怒らなかったんです。
一言だけ「おまえがやった最初の悪いことだから、二度とするな」って。
「あのときほど、親父への感謝と申し訳なさを感じた瞬間はなかったです」
森久保
お父さん、人格者ですね…
つるのさん
こんなバカ息子を育ててくれて、偉大な存在です。
だから、厳格な親父を尊敬しつつ、いつも頭が上がらないような思いがあった。
森久保
そういうR25世代は多そうです。親のことをどこか“敵わない存在”と感じているような…
つるのさん
でも、僕が社会人になった後、そんな偉大な親父への見方が変わる出来事があって。
親父からはじめてお金のことについて相談されたんです。「剛士、本当に申し訳ないんだけど、助けてくれないか」って。
つるのさん
当時はバブルが崩壊した直後で、銀行員の親父は特に大変だったみたいです。
でも、親父はそれまで家族にお金の心配なんて一切させなかったから、相談されたときはショックでした。
親父は、自分が知らないところで大きなものを抱えてたんだなって…
森久保
それが、“親もひとりの人間なんだ”と気づかされたタイミングだったわけですね…
つるのさん
そうです。偉大な存在だった親父も、ひとりの人間として悩んでいた。
それがきっかけで、親に対して「尊敬したり恐れてたりするだけじゃなくて、優しく助けてあげる必要があるんだ」ということを実感したんです。
それで、今まで以上に自然と親のことを思いやれるようになりましたね。
森久保
なるほど…自分と同じように悩みを抱えている人間だと思うと、自然と優しくできるかもしれません。
旅行もプレゼントも恥ずかしい…具体的に何をしたら「親孝行」なの?
森久保
でも、具体的に何をしたらいいのかがわからないんですよね。
まわりには、両親と旅行へ行ったり、記念日にプレゼントを渡したりしてる人もいるんですが、正直それはちょっと恥ずかしいじゃないですか…
つるのさん
旅行もプレゼントも、なくていいんじゃないかな。
僕は、社会に出て立派に働いてる姿を見せることが一番の親孝行だと思ってる。
森久保
それって、「元気に暮らしていることが一番の親孝行」みたいなことですか…?
もちろんそうだとは思うんですが…
つるのさん
いや、ちょっと違う。
これは、僕自身が親になってみてわかったことなんだけど、親子なんてどこまでいっても別の人間なんですよ。
つるのさん
僕には5人の子どもがいるんですけど、それぞれ僕とも奥さんとも全然性格が違う。
それに、銀行員でしっかりものの親父からこんな僕が生まれたわけで。
親と子は、全然違う人生を歩んでいくものだと思うんですよ。
森久保
それと親への恩返しにどんなつながりがあるんですか?
つるのさん
親はね、子どもの夢を一緒に追いかけることで、“自分以外の人生を追体験”してるのよ。
子どもが、どんな夢を抱いて、転んだり立ち上がったりして社会に出ていくのか。そのストーリーをずっと追いかけるのが楽しいわけ。
森久保
なるほど…!
だから、社会に出て立派に働いてる姿を見せることが、親を喜ばせることにつながると…!
つるのさん
そう。
キミもこうやって「親孝行」なんてイカしたテーマを考えて取材してくれてるでしょ。それもご両親が見たらすごくうれしいことだと思うよ。
森久保
つるのさん、さすがです…! 僕にも「親孝行」できそうな気がしてきました。
つるのさん
…ちょっと偉そうに語りすぎちゃったかな?
森久保
ちなみに、今も親御さんとはとっても仲良しな関係なんでしょうか?
つるのさん
もうけっこう高齢だから、この前うちの近くにマンションを購入して呼んだんだけど…
森久保
おお、やっぱり親孝行だ。
つるのさん
でも「どうせ孫の面倒を見させられるんでしょ!」「自由にさせてよ!」って断られちゃってズコーッ!ってなった(笑)。しばらく後にちゃんと引っ越してくれたんだけど。
親とのコミュニケーションって難しいよね…(笑)。
最後まで等身大なつるのさん。ありがとうございました!
「『親孝行』って言葉自体、なんかおかしくない?」の一言からはじまった今回のインタビュー。
はじめは面食らいましたが、その言葉の裏には、子どもと親、両方の目線から「親との関わり方」を誠実に考えた、つるのさんならではの考えがありました。
こちらの記事を読んで、「親孝行」についてもっと知りたくなった方、興味は持ったけど恥ずかしくてなかなか一歩が踏み出せない方は、「みんなが親に贈ったプレゼント」「親と一緒に過ごせる残り時間」などのデータを公開中です!
ぜひご覧になってみてください…!
〈取材・文=森久保発万(@vneck_now)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=中澤真央(@_maonamkazawa_)〉
〈衣装協力=AlexanderLeeChang(@alexanderleechang_official)/スタイリスト=佐藤慶明(go ahead)〉
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